本日の御題:アメリカは金正日の死を待っている

◆千載一遇のチャンスかもしれない
「千載一遇」という言葉を使おうか、正直迷ったが、しかし日本にとっても韓国にとっても、アメリカにとっても、いや核拡散を望まない人々にとって千載一遇のチャンスが訪れようとしている。

どうやら、金正日の病状がよくないらしい。
ここにきて後継者問題にも決着がつき、三男が指名されたことからしても、その情報には信憑性がある。

もし新指導部が核放棄をしないのであれば、突然の軍事介入すらありえるのではないだろうか。
指導者が入れ替わった直後というのは、とても政権が不安定になる。特に独裁国家では。長男の側近が次々粛清されたというけれども、政権内には必ず三男、あるいはその側近を恐れるグループが必ず存在する。
彼らにとっては、自分たちの担いでいた人間が失権するということは、そのまま命に直結することなので、必死だろう。三男が核やミサイルの件で扱いを間違えたり、軍部の掌握ができなければ、必ず政争に発展する。

そして、一枚岩になっていないこの状況ならば、アメリカが電撃的に攻撃を開始することで、北朝鮮の軍を無力がすることも不可能ではないはずだ。

しかも、韓国も新米、親日派が政権を握っているというのも大きい。前政権の北朝鮮に寛大すぎた太陽政策が結果的に北朝鮮の軍事力を強め、政権安定にしかならなかった反省もあるのだろうが、現韓国政府は北朝鮮に対して非常に厳しい態度を取ってる。もし北朝鮮が韓国を攻撃すればたちどころに韓国軍は北朝鮮の核基地を攻撃するであろう。

そして場合によっては、アメリカの北朝鮮攻撃を認め、朝鮮半島の統一をという悲願を達成することを夢見ないとも限らないのだ。同胞を攻撃するようなことは気が引くという意見もあるだろうが、同胞ともいうべき北朝鮮の国民を苦しめているのは、他ならぬ北朝鮮政府なのだろから、「貧しい同胞を解放するための戦争」とプロパガンダを流せば、北朝鮮の核に危機感を抱いている韓国国民を扇動(せんどう)することなどたやすい。

これはアメリカが北朝鮮を本気で攻撃しようと考えた場合、非常に恵まれた環境が整っていることを意味する。

◆五カ国協議は事実上の戦後会議ではないか?
さらに、六カ国協議に参加しようとしない北朝鮮に業を煮やしたアメリカが、五カ国協議を開こうとしている。これは非常に意味深い。つまり当事者である北朝鮮を抜きにした会議というのは、もはや協調や説得ではないということだ。そこに集まる国々は、いかにして北朝鮮の核武装をこれ以上発展させないようにするか、議論することになるだろう。

そこには、基地や政権中枢の破壊なども含まれるだろう。なぜなら、そこに北朝鮮がいない以上、譲歩も話し合いも存在しないからだ。

中ロが北朝鮮問題で会談したという報道もあり、いよいよXデーが近いのではないかと感じる。

自分たちのいうことを聞かない北朝鮮をいつまでもかばう必要性は、中国にもロシアにもない。ただ国境を接しているため、巻き沿いをくいたくないだけというのが本音だろう。アメリカがもしミサイルなどで北朝鮮を攻撃、ミサイルの発射台などを無力化した上で、怒濤のごとく攻め込んだならば、陸からは韓国が、空からはアメリカが押し寄せることになり、殆ど抵抗する余裕もなく北朝鮮の政権は崩壊するかもしれない。

我々が北朝鮮のミサイルを迎撃できないと同じように、彼らもまだアメリカ軍のミサイルを迎撃できないのだから。

◆日本は静かにしておくべき
さて、ここでもっとも気になるのが日本である。実は一番危険な立ち位置ではないかと考える。北朝鮮の政権が崩壊を悟ったとき、彼らは何を考えるだろうか? 同胞である韓国を攻撃するだろうか? おそらく中立的立場に立とうとする中国やロシアを攻撃するだろうか? 遠く太平洋をまたいだ先にいるアメリカを狙うだろうか?

違う。日本だ。もし日本を攻撃したならば、数十年たった後、北朝鮮の指導者は統一された朝鮮民族から改めて評価されることになるはずだ。「同胞ではなく日本を攻撃した英雄」として。彼らが勝敗ではなく、歴史にどう名を残そうかと考えたとき、彼らにとっての悪の枢軸・日米韓連合の中で一番標的にしやすいのは日本なのである。

しかし、その辺の感覚が、どうも今の日本の政治家にはないらしい。実効性の乏しい北朝鮮への制裁を単独で実行するなどもってのほかだ。実効性がないならば、やったところで相手は痛くもかゆくもない。ただ反発を招くだけで得がない。むしろ、相手のミサイルを呼び込む程度の効果しかないのだ。

そんなことをやっていて、本当に日本を守れるのか、私は心配でしょうがない。

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