本日の御題:北朝鮮とどう向き合うか?

◆PAC3が何の役に立つ
2009年4月3日(土)の11時から16時の間に人工衛星を打ち上げると通告していた北朝鮮だが、天候の理由からか、見送られたらしい。とはいっても8日までには日本を通り越して太平洋に着弾するテポドン2号は打ち上げられることはほぼ間違いない。

さて、日本の自衛隊およびアメリカ第七艦隊はイージス艦を日本海に配備し、更に迎撃ミサイルPAC3を弾道が通過すると想定される東北地方に配備した。ミサイル(名目は人工衛星)が誤作動を起こし、万が一日本に落下した場合の対処としては確かに適切といえるだろう。今できる最善を尽くすことが、たとえそれがどんなに効果が期待できなくても、やる必要があるからだ。

ただし、ひとつだけ言えることは、北朝鮮は核弾頭を搭載可能な弾道ミサイルを300基以上も配備しているということだ。仮に今回、PAC3によって1発のミサイルを打ち落とすことに成功したとしても、同時とは言わないまでも数十発の弾道ミサイルが飛んでくれば、たかが数台のPAC3や数隻のイージス艦では対応できないということだ。

ミサイル発射基地が分かり、発射時刻もある程度予測でき、飛ぶ方向も分かっていながら、たった1発のミサイルを打ち落とすことができるかどうかわからない現状を考えれば、いかにミサイルに対して無防備であるかと言うことが分かるだろう。日本が軍事的に自国の安全を保障することなど、できないのである。

◆弾道ミサイルの開発に着手せよ
過激なことを書くようで申し訳ない。しかし、これは政治的に解決するためには必要なステップだ。すぐに開発できるわけではない。ただこのままでは開発することもやむなし、と宣言することが重要なのである。

日本がもし、北朝鮮に対抗するために弾道ミサイルの開発に着手する、と宣言したならばどうなるだろうか? もちろん、太平洋を越えるような長距離である必要はない。北朝鮮の全域を捉える+ちょっと長い、程度でいい。それで北朝鮮に強い影響力をもつ、あの国が動く。

その国は日本が弾道ミサイルを持つことを非常に恐れるだろう。自国の防衛のために、阻止しなければならない。それは、北朝鮮に対する外交圧力という形で現れるはずだ。というのも、その国が動かなければ、北朝鮮の暴走を止めることはできないからだ。

北朝鮮がミサイルを打った場合、韓国、アメリカほかヨーロッパの主要国は国連決議違反であるとして北朝鮮に何らかのペナルティを与えることを検討しているが、拒否権を持つ五大国のうち北朝鮮と陸続きで影響力の大きいかの国は、制裁に反対することを韓国経由でアメリカに伝えてきた。

これでは経済封鎖しか現実のところ対応策のない日本・韓国・アメリカは無力である。

しかし北朝鮮問題で対応を誤れば、日本が軍事的に強化されるとなれば話は別である。決して対岸の火事というわけにはいかない。つまり、弾道ミサイルの開発という政治的カードを日本が持つことを意味する。日本の外交は武士道精神からか? 直球が非常に多い。しかしそれは駆け引きが要求される外交では、足かせ以外の何ものでもない。ミサイルに軍事的に対抗できないならば政治的に対抗することが必要なのだ。

◆社民党・共産党の皆様へ
ところで、あなたたちは自衛隊の存在そのものを認めず、北朝鮮とも交流があったはず。この状況をどうお考えなのだろうか? 「命を大切にする党」などと美しい言葉を謳うのは勝手だが、政治家として国防を考えない人たちは無能としかいいようがない。まさに平和ボケの権化のような存在。

もし北朝鮮にパイプがあるならば、そのご自慢の人脈でテポドン2の発射を思いとどめてみては如何だろう? 友人の頭上にミサイルを撃つようなことはしないものだ。あなた方がどう考えようが、彼らはあなた方を同胞とも友とも思ってはいない。

私ははっきりと覚えている。ソビエトが崩壊し冷戦の構図が崩れたとき、「これで平和になったのだから、今こそ自衛隊は必要ない」と言っていたあなたたちを。その能天気な考え方は国の行く先を間違った方向へ向かわせる。

日本を平和ボケさせる尖兵として利用されていることを、そろそろ認めては如何だろうか?

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