本日の御題:外の味方を育てる |
◆親日派大統領下での愚策 盧氏が大統領を務めた5年間は、韓国が太陽政策として核開発を進め、拉致問題もある北朝鮮を懐柔しようとしていたことからも、日本の政策とはあまりにかけ離れていたことも理由のひとつだろう。 私は李氏が大統領に就任したとき、日本と韓国の関係が修復されることを期待した。為政者が変わるたびに親和・嫌悪を繰り返すというのでは、真の友人とはいえないかもしれない。しかし、これが繰り返されていくことでしか、国民レベルでの本当の意味での親和はありえないとも思っている。 しかし、日本政府は、ある意味最悪なタイミングで、竹島問題に手をつけてしまった。日本の領土として地図に入れるということである。 強いて言うならば、中国と日本で争っている尖閣諸島にしても韓国と争っている竹島にしても、国際司法裁判所に持ち込まれることを韓国も中国も避けようとしていることからして、歴史的に見てそこは日本の領土であるのだろう、と推測するぐらいである(もちろん、国際司法裁判所が公正であるという前提に立てばの話で、ロビイストによって事実が捻じ曲げられた判決が出る可能性もある)。 私が問題にしているのはタイミングだ。 李大統領は、就任直後に米国の牛肉輸入を解禁しようとした結果、韓国内でものすごいバッシングを受けている。それは首都がデモで埋め尽くされるほどだ。ネット社会の韓国では、さらにキス、あるいは空気感染で狂牛病が移ると言った非科学的なことまで真実のように語られ、それに扇動される形で学生達がパニックとも言える行動を起こしている。 私はこの韓国の混乱に乗じて、今回の竹島を日本領として地図に入れ込むことが決定されたとしか思えない。 しかし、このタイミングは最悪である。なぜなら、李大統領は支持率を挽回しようとしている真っ最中であり、矛先を日本に向けることは、最も有効な手段だからだ。彼が親日派であるかどうかに関わりなく、彼は日本に対して強硬に姿勢を取らざるを得なくなるだろう。 もし、竹島について今回のような行動を起こすのであれば、日本政府は嫌・日本派だった前大統領の時代にすべきであった。日本と韓国の関係がこじれた結果、竹島を日本領として地図に掲載する、というストーリーを作るべきだったのだ。 端的に言うならば、敵のときに嫌なことはすべて実行すべきである、ということだるそれを親日派の大統領の時代に行えば、味方であった人まで敵にまわすことになる。それでは両国の関係が親和に向かうタイミングを完全に失うことを意味する。 さらにそこまでサービスする必要はないだろうが、嫌日派のときに一度日本の領土としたところを、親日派のときに「掲載について再度見直しを検討する」とすれば、それは親日派大統領にとって大きな功績となる。親日派大統領の株を上げ、嫌日派大統領には厳しい対応を取る、ということが韓国の親日派を育てることにもなるのだ。 これを当然のこととしてやっている国がある。中国だ。小泉氏時代には考えられないほど、親中国派である現首相・福田氏に対しては厚遇しているではないか。それが外交というものである。隣国の内側に味方をつくり、その者をバックアップする。それが結果として自国の利益に繋がることを、あの国は知っているのだ。 ◆政治の世界は国益がすべてというが・・・ それはある意味正しいが、しかし、すべてではないと私は思っている。 国益重視=自国の利益重視だけに捕らわれて行動すれば、決してその問題は解決しない。問題は両国が存在する限り、どちらかの国が海に沈むでもしない限り、決してなくなることはないだろう。 それが結果として両国にとって利益であるのか、私は疑問を感じるときがある。 |
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