本日の御題:大地震はこれからも続く

◆50年に一度? 100年に一度? 大地震において、そんな統計など意味がない
2011年3月11日、日本の東北地方を襲った巨大地震は、沿岸地区に甚大なる被害をもたらし、更に今も続く福島の原発事故をも引き起こした。

ニュースでは、おばあちゃんが子供の頃、「井戸の水が引いたら津波が来る前兆だから逃げるんだ」とそのまたおばあちゃんから聞いたことを思い出し、逃げて助かったという報道があった。

これだけを聞けば、三陸には定期的に大地震が起こるものの、それはまた数十年後と思う人もいるだろう。
しかし、下の表を見てもなお、同じ事が言えるだろうか?

今年3月から4月に発生した世界の大地震
発生日
震源地

マグニ
チュード

詳    細
4/11
メキシコ
太平洋沖
7.0
首都メキシコ市では、建物内で強い揺れを感じた人々が走って屋外に避難している。 米地質調査所(USGS)によると、震源はメキシコの太平洋沖。
4/11
インドネシア
スマトラ島沖
8.7
インドネシア当局は、津波警報を発令、太平洋津波警報センターは、インド洋全域に津波への警戒を呼び掛けた。 シンガポール、タイ、インドでも揺れを感じたという。 USGSによると、震源はバンダアチェの南西308マイル。
4/10
アフリカ西岸沖
5.8
USGSによると、マグニチュード(M)5.8の地震が発生した。
震源は、アセンション島の北758キロの深さ10キロ。
3/27
日本
本州北東の沖合い

6.3

USGSによると、震源の深さは20.5マイル(32キロ)。太平洋津波警報センターは津波の恐れはないとしている。 東京でも揺れが感じられた。
3/25
チリ中部
7.2
USGSによると、震源はタルカの西北西64マイル(103キロメートル)の深さ10キロメートル。
地震発生後、チリ政府の非常事態当局は、津波が来ることを警戒し、沿岸の一部地域に対し避難命令を出したが、その後、津波の心配はないとして、避難命令を解除した。
チリは2010年に同じく中部を震源とするマグニチュード8.8の地震に見舞われた。その際は津波が発生し、約500人が死亡した。
3/22
パプアニューギニア
6.7
米地質調査所(USGS)によると、パプアニューギニアで22日、マグニチュード(M)6.7の地震が発生した。 震源地は首都ポートモレスビーの北北西384キロにある都市ゴロカ付近で、震源の深さは106キロ。

今年3月〜4月に起こった世界の大地震である(4月は14日現在)。アフリカを除けば、全て太平洋側で起こっていることが分かる。チリでは2年前にも同様の地震が起こっていたし、ここには記載しなかったが昨年は日本の震災前にオーストラリアで大地震が起こり、ビルが倒壊して日本人留学生が亡くなった震災も記憶に新しい。

つまり、いつまた東日本大震災と同じ規模の地震が日本近海で起こっても不思議ではないのである。

しかし、東電や日本の行政(政府・国会議員だけではなく官僚も含めて)は、この危機感が決定的に足りない。安易なストレステスト、安易な安全宣言、そして安易な対策。

関西電力が進めている大飯原発3、4号機の再稼働についても、津波対策や電力喪失時の電源供給などの対策は計画は立てているものの、それが実施、完成するのは来年以降なのだ。にも関わらず、当面地震は起こらないだろうという安易な期待の下、安全再稼働をしようとしているのだから、福島から何も学ばなかったのかとあきれかえるばかりだ。

再稼働するのであれば、今まで以上の安全対策を完全に実施してからにすべきだろう。計画だけ立てても、それが実施される前に再稼働をしたのでは、万が一にでも同地域に大地震が発生したとき、誰がどう責任を取るつもりなのだろうか。否、誰も責任を取れぬほど、甚大な結果をもたらすだけである。

このような意識の低い人々に任せている以上、日本は原発を運用し続けるべきではない。それは日本のみならず、近隣諸国はもちろん、人類、いや全世界の生命に対しての背信行為だ。

また、単に原発を止めていればいいというものでもない。原発内には使用済みの燃料棒も冷却のために保管されており、そこには電力もかかっている。電源を失えば、仮に発電中でなくともこれらの燃料棒が冷却できず、放射能漏れが起こる危険とてあるのだ。

日本に限らないことだが、放射性廃棄物の保管については、国土の広いアメリカでさえも困っており、一時は他国の放射性廃棄物を政策的に受け入れる方針だったモンゴルも国民の反対にあって中止を余儀なくされた。
日本国内に目を向けても廃棄物を受け入れてくれる自治体はなく、原子力発電所内で大量に保管するために省スペースに隙間なく保管せざるを得なくなり、地震の際は危険な状態になりやすいことも問題になっている。

このような状況下で、経済的理由のために原発を再稼働しようとする行政を、我々は支持してはならないだろう。

私は段階的原発廃止(5年、10年かけて省エネ技術を開発、実用化すると共に、新しい発電方法の供給電力アップ)こそが日本にとって必要な政策だと考えていたが、もはやそのような悠長なことは言ってられないと断言しよう。

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