本日の御題:電気買取料が電気代に上乗せとは!?

◆4月からの電気代値上げについて
住宅などで太陽光を利用して発電された電気のうち、余った分の買い取りを 電力会社に義務づけられたことに伴い、4月からは各家庭の電気料金に 電力会社の買い取り費用として、夫婦と子ども2人の家庭で1か月当たり最大20円程度(経済産業省試算)が上乗せされる見通しだそうだ。

元々、この制度は、国が温暖化対策の一環として太陽光発電の普及を図ろうと導入したもの(確か鳩山政権下)である。

電気料金に上乗せする金額は1年ごとに見直されること、今後は太陽光発電に加え 風力などほかの再生可能エネルギーで発電した電気も買い取り対象に加える方向で 検討されていることから、家庭での費用負担がさらに増えることも予想される。

不勉強といえばそれまでだが、私はこのニュースを聞いたとき、非常に驚いた。

電力は蓄えることができず、しかも送電すると距離に応じて減衰していくことから地産地消が効率的であると叫ばれ、電力会社の巨大プラントによる発電ではなく、各家庭で発電する試みであったはずだ。

それは昨年の東日本大震災を経て、電力の安定供給という見地からも、巨大プラントに頼ることのリスクの高さに気づき、電力供給の分散化が求められたことも後押しした。

その結果が、自家発電をすればするほど効率が悪くなる(価格が高騰する)というのであれば、なんのためにしているのか分からない。もし電力会社(あるいは経済産業省)がいう通りのコストがかかるとしたら、日本は国家をあげて非効率的な電力供給に進んでいることになる。

更に、太陽光パネル等を高い費用で購入した家庭や企業についても、余剰電力を販売して利益を得るはずが、買い取り費用分は目減りしてしまうから、採算性が悪化するだろう。元々の太陽光が高価であるため、投資に見合う効果をえるまでには数年かかることが予想されたが、更にその期間が延びるようであれば、今後、太陽光パネルを導入しようとする人は減るはずだ。

そもそも、この買い取り費用の正体は何なのか? 費用の明細を示すべきだ。当然、妥当な額であるかも、調査すべきである。買い取りにかかる諸経費がないとは言わない。しかし、そもそも個人/法人の余った電力は電力会社にとっては原価ゼロであるわけで、値上げをする理由になるとは考えにくい。

原発の停止に伴い経営が悪化した電力会社が、新しい収入源として考えているならば、大いに遺憾である。なぜならば、太陽光発電の設備を導入するのにかかる膨大な費用を個人/法人が負担しているにも関わらず、その利益だけを電力会社が受けることになるからだ。

これでは、電力会社の経営の効率化も、高すぎる給与体系も、維持されたままになるだろう。

戻る