本日のお題:この国の政治家に、誰か安全保障という四字熟語を教えてくれ |
◆電力が足りなければ買えばいいという発想 時事通信社の報道によると、小沢元環境相(民主党代表選出馬を目指しているらしい)は22日、時事通信のインタビューに応じ、原発からの段階的撤退を目指す立場を改めて示した上で、代替エネルギーに関し「海外から電力の直接輸入を行う」と語った、らしい。ここでいう海外とは当然近くなければならない。遠い国から電力を引っ張るのは、途中で減衰してしまい非効率だかだ。電気は石油とは違うのだ。 地理的に近い国…といえば、中国や韓国ということになるだろう。彼曰く、「ドイツなどが電力を輸入して脱原発へ転換しているのだから、日本も原発依存度を減らすため、電力輸入に踏み切るべきだ。輸入先としては、韓国、中国などいろんな国の可能性がある」とのこと。 話を整理しよう。ドイツに限らず、実はイタリアも電力を外国から買っている。購入先はフランスだ。フランスの原発を使うことで、自国内で原発を持たずに済んでいる。しかし勘違いしないでもらいたい。原発が自国にあることが問題なのではなく、近くにあることが問題なのだ。ひとたび事故が起これば、自国だろうが他国だろうが、近隣の土壌を汚染することになんら変わりはない。 むしろ、自国の安全を他国の原発に委ねるという点で危険なぐらいである。 もうひとつ、ドイツとフランスは第一次・第二次世界大戦の主要敵国ではあるが、現在はEUの双璧として非常に良好な関係にあるということだ。この両国の友好なくしてEUが存続し得ないことを考えれば当然だろう。 一方の日本と中国、韓国の関係はどうであろうか? 残念ながら、口先だけのその場限りの友好は、信頼とはほど遠い。領土の不当占拠問題を抱えているうえ、現在でも反日教育を自国の団結に利用しているお国柄である。彼の国では些細なことで日の丸は焼かれ、日本人の写真は焼かれ、日本製品はポイコットされる。 そんな彼らにライフラインを委ねることは、全くもってナンセンス。政治的に利用されることは目に見えている。「レアメタル」の一件をもう忘れたか!? ドイツとフランスの例を日本と中国・韓国に当てはめるには、前提条件があまりに違うのだ。現状を正しく認識することなく、ただうまくいっている他の例を取り上げて、あたかもそれが自分達にも成り立つと考えるのは、あまりに浅知恵ではないだろうか。 最近、韓国の反日の学者が「日本は原発で衰退し、やがて韓国に自ら併合を求めるようになる」と言っていたが、エネルギー政策を間違えれば、彼の言葉を現実のものにしてしまう危険があることを、政治家は認識すべきである。 恐ろしい。全くもって恐ろしい。これが政権党の代表選に出馬しようとしている人の発言だというのだから。どれだけ脳天気なのだろうか。信じがたい事実だ。誰か、彼に「安全保障」という四字熟語の意味を教えてあげて欲しい。その上で、国会議員よりももっとふさわしい職業があることを、誰にでも分かる簡単な言葉で諭すべきだ。 小沢元環境相は、このブラックジョークにすら取れる案を大まじめに話した上で、「国と国の間に海底ケーブルを1本引けば全て解決する」と断言し、代表選の公約に掲げるというからタチが悪い。まるで、無能な日本政府を皮肉った4コマ漫画のようだ。 今回、日本は津波によって不幸にも原発の事故を起こしてしまったが、かつてはアメリカやロシアでもあったように、どこの国でも事故は起こる危険ははらんでいる。日本の原発だけが安全性が低く、事故を起こしやすいという訳では決してない。 むしろ、急ピッチで原発建設を進めている中国の原発のほうがよっぽど危険である。電力会社の閉鎖性も度々問題になるが、中国のそれは日本の比ではない。彼らは事故が起こっても頑なに隠すであろうし、日本政府が情報開示を求めても、自国にとって都合の悪いことは決して公開しないだろう。であるならば、どうしても原発に頼らねばならないのであれば、日本政府・国民がコントロール可能な状態で存続させる方が国益に適っている。 第一、中国や韓国に危険な原発の管理を任せたとしても(自国では原発から撤退して)、ひとたび事故が起これば日本はその影響を免れることはできない。放射能の恐怖はもとより、電力そのものが供給されず、産業に大きなダメージを被ることになる。彼らとて原発が停止すれば、現在の日本のように電力供給が需要に追いつかないという事態に陥るであろう。 当然、国内に優先的に電力が供給されることは目に見えているから、結果的に日本は後回しになる。 まして中国では電力不足が今現在日本よりも深刻であることを、彼は知っているのだろうか? 経済の発展と急激が電力需要を生み出し、供給が追いつかないために、突然、停電になることも頻繁にあるお国である。日本にどれだけ電気が回ってくるだろうか? 昨年の衆議院選挙では、民主党政権に私も少なからず期待していたが、こうもお粗末だとは気づかなかった。その点は、謹んで自分の不明さを恥じよう。 |
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