本日の御題:幼稚な政治家たちを改めよ

◆外交的に負け続ける日本
民主党政権というのは、もう少し頭が切れると思っていた。しかし、どうやら頭でっかちな人々の集まりらしい。

昨年、尖閣諸島沖に侵入した中国漁船を捕まえたときからそうであった。当初、「粛々と国内法に則って対処する」とぼやくように呟いていた仙谷官房長官だったが、中国が怒っていると気づくやいなや、地検に責任を押しつけて、中国の圧力に屈してしまった。

それは、東アジアにおいて日本と中国の力関係が逆転したことを世界に印象づける結果となった。

その弱腰外交に目を付けたのがロシアである。ソ連時代も含めて最高責任者が上陸したことのなかった北方領土を、メドベージェフ大統領が訪問する結果を生んだ。それどころか、「領土問題そのものが存在しない」という主張を始めた。これは日本にとって大きな後退である。今では、極東の重要軍事拠点として北方領土に基地を建設するほど、もはやお構いなしである。

中国やロシアという大国に対しても決して卑屈になってはいけないと思うが、ここにきて、怒り心頭のニュースが報道された。

調査捕鯨の中止である。

相手は、SS「シーシェパード」という過激な環境保護団体である。

確かに、彼らは「ゴジラ」という新しい船を手に入れ、過去に比べて数段にレベルアップしたかもしれない。それによって日本の調査船の一部が破損、あるいは乗組員が危険にさらされたかも知れない。

しかし、この脅迫に負けて、調査捕鯨を中止するということが何を意味するか、今の政権には分かっていないのだろうか?

「日本は、脅迫をすれば言いなりにすることができる」

と誰もが思ったことだろう。そのような喜ばしくないレッテルを貼られてしまったら、諸外国、あるいは各民間団体も含めて、日本に対して常に強行に交渉してくるようになるだろう。これは国益を大きく損ねる。

それが分からない日本政府の政治センスはオコチャマレベルという評価がふさわしい。

◆頭でっかちで、勇気も度胸もない人たち
なぜ、もっと毅然になれないのか?

民主党の政治家には気骨がないのか!?

例えば、SSの件に関しては、オーストラリアやオランダといった国に対して取り締まりを強化するよう、もっと強く主張しなければならない。例えば、

「調査捕鯨は国連が認めた行為であり、それを実力行使で止めさせようとするのは、国際社会への挑戦だ!」

といった具合に、もっと声を荒げて、激しく非難しなければならない。彼らがしていることは独善的で、よくて海賊、悪ければテロリストのような行為であることを全世界に訴えなければならない。

それは、彼らの資金源であるアメリカに対してもだ。一部の富裕層はSSの言葉を丸呑みにして、多額の資金援助をしている。それをテレビでも公開し宣伝している。

そんなことが恥ずかしくてできなくなるように、アメリカのメディアに日本の正当性をしっかりと報道してもらう場を設けるべきだ。日本国内で騒いでいても始まらないのである。攻めるなら、支城を攻め、堀を埋め、敵の本丸を目指す! これは何もリアルな城攻めに限ったことではない。

ロシアに対しても同じである。正当性だけで国際社会は動かないことは百も承知だが、しかし、世の中に知らしめることはできる。北方領土をソ連が占領したのは日本が無条件降伏をした後であり、しかも日ソ不可侵条約の期間内でもあったこの占領は不当なものであると、国際社会で訴えていくべきなのだ。

尖閣諸島でも同じである。

それらをせずに、コソコソと日本国内で議論しているから、世界はそこに目を向けないのだ。イギリス人が、あるいはフランス人が、日本とロシアの、あるいは日本と中国の領土問題に関心があるだろうか? ないのである。ないということは、この問題において、世界の目は塞がれ、当事者の国力の差によって事態は帰結するということを意味する(世界が注目しないということは二国間の問題になる。それはつまり、二国のうち強い国の主張が通ると言うことだ)。

日本は、真摯な国である。いや、真摯な国でなければならない。中国ではオリンピックのフィギュアスケートで年齢詐称疑惑が持ち上がったが、彼らは不誠実で策略的である。日本の国民性は正直を尊ぶが、彼らは平気で嘘をつく。

この「正直」という強みは、二国間では意味をなさないが、多国間では強力な武器となる。当事者の意見が異なる場合、不誠実だと思われている国と、正直だと思われている国のどちらが信用されるかは、説明する必要もない。

日本人の多くは、権謀術数に疎い。その駆け引きで諸外国と対等に渡り歩くのは、今の政治家レベルではとても無理だ。ならば、せめて真っ正直に自分の意見を主張すべきではないか!! 主張すらできないのであれば、もはや正直であることすら意味をなさなくなる。

それにしても、自らの決断が何をもたらすか、理解していない政治家の多いことよ…。残念だが、彼らの政治的センスは、一般市民にも劣る。

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