本日の御題:鳩山政権で日本は10年遅れる |
◆誰が友で、誰が敵であるか? そしてさらなる問題が。 普天間の米軍基地の移転問題である。県外移転を望む地元と、海外への移転を主張する社民党、そして現状維持を国と国との約束と位置づけるアメリカに囲まれて、鳩山首相は解決策を見いだせないでいる。 元々、国民は高速道路の無料化はそれほど望んでいなかった。環境に優しい電車ではなく、自動車の利用が増えるという点でも、民主党の環境政策とは明らかに逆行している。 その一方で、北朝鮮の核問題や、韓国との竹島領有問題、中国との油田問題など、近隣諸国とは大きな問題を抱えているにもかかわらず、日本が結んでいる唯一の軍事同盟・日米同盟に水を差すような外交を展開し、事実海外メディアの物笑いの種になっているというのは、何とも情けない限りだ。 鳩山首相は就任当初からアジア重視を公言してきたが、歴史認識の問題では中国や韓国と溝は埋まらないどころか、「日本は戦前の悪逆行為を認めた」という一方的なプロパガンダにまで利用される始末だ。相手国にとって都合のよい箇所だけ、うまく宣伝に使われているということである。 竹島問題に関しては、韓国が本格的な開拓に着手し始めても、日本はせいぜい「竹島の日」を島根県が定めるにとどまっている。日本国としては、ただ口で韓国に抗議するだけで、具体的な行動には一切でない(経済的な制裁等)。完全に舐められっぱなしである。 それは東シナ海の油田問題で、日本の抗議など気にもせず、中国が開発をしたことも類似する。 そう、東アジアにおいて、日本は完全に孤立しているのである。いや、交渉の相手にすらされていない。この期に及んで、一方的に相手に気を遣う外交は、どう見ても片思いの相手にすり寄る気の弱い者のようだ。 私ならば、日本政府の公式な船を竹島に向かわせるだろう。もしそれを拿捕するようなことがあれば、それを深刻な外交問題として取り上げることができる。 行動せずに、口だけで抗議して何かが変わるほど、外交は甘くない。ボンボンには、それが分からないらしい(もっともそれは、自民党政権のころから言えることだが…)。 ◆力なくして、存在感なし まさに国益…国民の利益を無視した考え方だ。 力というのは、軍事力を差すものではない(もちろん、それも含まれはするが)。要は存在感である。経済的にも政治的にも、軍事的にも、この国を無視してはその地域、あるいは地球規模で物事が成り立たない、と思われる存在感である。 もしこれがなくなってしまったなら、日本の意図など誰も気にすることなく、他国は自らの利益になることを追求するようになるだろう。その時、守ってくれる国も当然ながらない。 そんなことはない。友好関係さえ築ければ、仲良くやっていける。そういう人もいるだろう。 しかし、現に、北朝鮮しかり、韓国しかり、中国しかり、彼らは日本政府や日本国民の意図を考えて行動するだろうか? しているだろうか? 答えは、当然Noだ。そんな善意を期待して外交をするのは、素人にも劣る。 ◆日本の政治は10年遅れる そして、当初歴代二位の高支持率だった鳩山政権は、あっという間に20%台にまで落ちてしまった。自民党を政権からおろすことで日本が変わると期待していた国民は、今落胆のただ中にいるといっていい。この罪は大きい。 次の参議院選挙がどうということを言うのではない。日本国民の政治離れや、しらけムードが一番恐ろしいのだ。期待が大きかった故にその反動で落胆も大きいのだ。仮に自民や民主とは違う政党が政権を取ったとしても、日本国民は民主党が政権をとったときのような大きな期待は寄せないだろう。「どうせどこがやっても同じ」というグチを言うのが関の山だ。 国民が政治に期待しない国に発展は望めない。日本の政治は、更に10年は遅れるだろう。 |
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