鉄道一人旅



【付録(青函トンネル豆知識)

トワイライトエキスプレスが青函トンネルを通過する時に、
サロンカーで車掌さんより説明を受けた話の概要。
(間違ってたら指摘してね)


青函トンネルとは、本州と北海道をつなぐ海底トンネルである。

《トンネル構造》
 ・トンネルは青森側が入り口で、北海道側が出口と定義されている。

 ・全長53.85Km。海底部は23.3Km。最大深度海抜マイナス240m

 ・勾配は12/1000〜3/1000mかなり緩やかになっている。
  同じく海底トンネルである、イギリス−フランス間を結ぶユーロトンネルは、
  青函トンネルより、海底部が長いが、トンネルの全長は短い。
  ユーロトンネルの方が傾斜がきつい。

 ・岩盤を避け、4カ所でカーブしている。

 ・トンネル内のレール
  青函トンネル内では線路の「ガタンゴトン」という音がしない。
  25mのレールを2103本溶接し、52.57Kmの長い一本のロングレール
  になっている。
  通常の線路は寒暖の差で伸縮するため、線路には間隔があり、「ガタンゴトン」
  と音がなっている。
  青函トンネル内は、常に気温20度、湿度80〜90%が保たれているため、
  レールの伸縮の心配がない。これにより、ロングレールが実現している。

 ・トンネルの断面は蒲鉾型ではなく、円形。水圧が24Kg/cmもかかっている
  ため、力を均等に受けるよう円形になっている。

 ・トンネルは1本ではなく、作業用等、何本も横を走っている。万が一トンネル内
  が浸水しても、他の作業トンネルに水を流すことで、本坑は3日は浸水しない。

 ・海底駅で風力、風向きの調節ができ、火災時にはこれで消火可能。
  最大風速20m。

 ・トワイライトエキスプレスは時速8〜90Kmで走行し、約40分で通過する。
  一番早い特急「はつかり」は時速140Kmで、約25分で通過する。

 ・トンネル内には信号が無い。車内信号機で、運転士が判断できるようになっている。
  センタで集中管理されている。

 ・入り口、出口には3個の青いランプが点灯している。
  中央部には青と、緑のランプが点灯している。
 
《歴史》
 昭和14年 本州と北海道を結ぶトンネルが構想される。
   21年 地質調査が始まる。
   29年 連絡船「洞爺丸」の海難事故で多数の死傷者がでる。
       この事故をきっかけに計画が具体化の方向に進む。
   39年 日本鉄建公団設立。着工
   63年3月13日 開通

   トンネル開通時、当時の首相中曽根が首相官邸から爆破スイッチを押して
   貫通した、このとき、双方のトンネルのずれは、高さ19cm、横65cm。
   この技術の高さを各国の技術団が視察にきた。

   (総工費)   昭和39年当時の見積もりで6890億円
   (のべ作業者) 1380万人

 (なぜ西側であったか)
   青函トンネルは津軽半島から、松前半島に抜けている。
   地図上を見ると、東側の下北半島から、亀田半島の方が距離が近い。
   地質調査の結果、東側には地下300mに断層が発見された。
   下北半島側には恐山、亀田半島側にも火山性の山がある。このため東側ルート
   は選択されなかった。
 
《海底駅》
 ・本州側の竜飛海底駅と、北海道側の吉岡海底駅がある。
 ・ホームの長さは500m。
 ・海底駅は万が一の時のための避難所である。約1000人の避難が可能。
 ・現在は海底駅として、観光の一役をかっている。中にはミニ水族館や、展示場など、
  見て回るには小一時間かかるほどの広さがある。
 ・イベントホールもある。以前函館と青森のカップルが結婚式をあげたことがある。
 ・竜飛海底駅は地上からケーブルで降りることができ、地上にも見学施設がある。
 ・万が一事故があった場合、海底駅から階段で地上に避難できる。
  階段は約1200段。作業用トンネルまで駅よりも深く2000段ほどある。
 
《新幹線対応》
 ・青函トンネルは新幹線対応がとられている。
 ・新幹線と、通常の列車はレール幅が異なる。新幹線対応用に内側にレールを引く
  スペースが用意されている。
 ・トンネル内の勾配が緩やかなのも新幹線対応である。
 ・北海道に新幹線が開通すると、札幌−東京間が約3時間40分で結ばれる想定。
  採算がとれるかが一番難しい問題のよう。

 

 

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