屋上のソファーで眠る君を見た……。




  『寝言はノーカウントで』




「コメー?」
「…………」
「寝てるのか〜?」
「…………」
「まあ今日はあったけーし、風邪引くこともねぇか。」
 そのまま寝かせておくことにして。

―――数分後

「暇だな…。」
 なんとなく目線を眠る男の方に向けて―――そのまま外せなくなった。
「…………」
(ヤベェッ!なんかすごくヤベー気が…)
「…………」
(って、一体何がヤバイんだ!?オレ。)
「…んっ……ゼッ…トン………」
「!?」
 不意に呼ばれた自分の名前に、なぜか全身が凍りつく。
「……スー………」
(って、寝言かよ!?)
 バクバクする心臓を押さえながら、心の中でツッコミを入れて……
(ん?待てよ…。寝言でオレの名前を!?)
(こ、こここれはもしや誘われている!?)
 頭の中に『据え膳食わねば男がすたる』そんな言葉が浮かんでくる。
(よしっ!オレも男だ…)
「頂きます!」
 ガバッと眠る男の上に覆いかぶさって。
 あと数センチで唇が触れるというところで―――

「グハッ!」

 鳩尾に膝蹴りをくらった。
 うずくまるオレの前には、ゆらりと立ち上がったコメの―――足。
 ツツツと視線を上げると、ピキピキと青筋を立ててらっしゃるようで…。
「コ、コメ?……き、綺麗な顔が…台無しだぞ?」

「誰のせいだと思ってんだぁ〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!」



 その後のことは、聞かないでくれ(by.ゼットン)







文中でゼットンが言ってる『据え膳〜』は、『据え膳食わぬは男の恥』
のことです。微妙に間違ってるあたりがゼットンらしいということで(笑)。




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