「右から、補佐役の越野。糺に春江。他にも役員はいるけど、主立っては我々四人が統括を任さ
れています」
 
 花が、花が乱舞している。

 「なあ、四方谷」
 「ん?」
 「やくいんってのは、顔で選ばれるのか?」

 そう、揃いも揃って美形ばかり。
 会長にいたってはキラキラと光が差し込んでいるかの如く、眩しい笑顔を振りまいている。

 「あははははは!面白い事を言うね河野君は。残念ながら、会長他役員は前期役員の推薦が
無いとなれないんだ。まぁ推薦者が出なかった場合には先生方が推薦するけどね」
 へーなんか国王の推挙と元老院の示唆みたいだー。
 と暢気に河野は思った。
 「あれ、それって」
 「そう、ある意味でこの学園内は一種の『国』と言える。擬似的ではあるけどね。元々藤森はそ
の為にあるから別段可笑しい事ではないさ。我々が何の為にココに居るのかを考えればね」

 確かにその通りである。
 この学園に来たからには、国に使える身を目指し励むのだ。
 であれば、国府という特殊な場に慣れる為の『練習場』としての役割も担ってる。

「まぁ、オレは顔だけの役員だけどね」
「「「有定!!!」」」
「頭であるなら、顔はいいほうがいい。そのほうが周りのやる気も違うしね。頭は有能であるに越
した事はないけど、無能で行動力抜群というのは最悪だ。なら無能で行動力無しの方が周りにも
いい」

 さらりと言うが、有定の場合はきっと有能の行動力抜群だろうと漠然と三人は思った。

 「さて、三人を呼んだのは今後の活動について。既に女装をすると言う事は解って貰えたと思う
けど、それをする日程を三人には渡すよ」

 春江から手渡された書物には、日程とその名称が書かれていた。

 「まずはお披露目をする。そのあとは武芸会などの出し物など細々と行う。一番大変なのは学園
祭だよ」
 「学園祭で『姫』は客寄せの為にも一番動いてもらう事になるから、覚悟していてね」
 有定の言葉に続いて口を出したのは意外にも春江だった。
 
 「学園祭では、『姫』による劇をする事になる。経費担当者としては、掛かる費用は先に把握して
おきたいんでね。それに学園祭は純粋な収益にもなるしね」

 「収益ですか?」
 「その通り!学園祭については追々説明するか」

 とりあえず話を区切ろうとした瞬間、入り口が壊れんばかりの勢いで開け放たれる。


 「有定!!!姫がいるって…キャー素敵だ、湧き上がるぞ!!」





 …誰ですかこの威容に煌びやかな人物は。



 ついでですが、耳が痛いです。 




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