近隣高校ではトップクラスの偏差値を誇り、エリート校としても名をはせている
藤森学園高等部。
そこでは日々とある紛争が起こっている事をご存知だろうか?

「・・・一つ聞いていいか秋良?」
「なんとなく言いたい事は解るけど・・・なに亨?」
「なんでここに御鷹がいるのかなー?」

「・・・・・なんでだろぉね」
顔にはオレが知りたいよ。
と、書かれていた。



  争奪戦



生徒会役員選挙も坂本秋良の圧倒的勝利で幕を閉じ、やっと亨・裕史郎、両
姫は胸を撫で下ろした。
坂本の女装という手段に打って出たものの、予想通りの結果である。
後は残り少ない学期内を穏便に(秋良と)過ごし、二・三年次に元姫という点を
発揮して役員もしくは実行委員にでもなれば、かなりの時間を秋良とともに過
ごせるという算段まで付けていた。

そ・れ・な・の・に!!

「御鷹!!お前西校舎(特進クラス)だろ!なに態々東校舎に来てるんだ!!」
今日はたまたまコンビニで昼食に弁当を買って来ていた亨。
ちなみに電子レンジがなぜか一台、このクラスには常備されている。

余談だが、お箸で人を刺してはいけません。

「あまつさえっ何気に秋良のまん前に席を陣取るとは何たる図々しさ!!」
半分食べてある購買の焼きそばパンを袋の上から握り締め、打ち震えている
裕史郎。
中身がそろそろ飛び出しそうだ。

「ふっ二人とも落ち着いて」
広げてあるお弁当に未だ箸すら付けられず、おろおろとする秋良。
七美さんの愛情は今日も絶好調らしく、ご飯には可愛らしいハートに切り抜か
れた人参の煮物が見える。

「坂本の言う通りだ、昼休みが無くなるぞ」
黙々と購買で購入したメロンパンを頬張る御鷹。
デザートとして用意した果物のゼリー、なぜか同じものが秋良の机にも置いて
ある。
・・・・・餌付け?

「「お前が言うなー!!!」」

姫両名が騒いでいる間に、現状を説明しよう。
昼休みを告げる鐘が鳴るとほぼ同時、いつものように机を引っ張っていた最
中に御鷹登場。
クラス内の誰かの机を強奪し、秋良のまん前に付ける。
ソレを許すまじと亨・裕史郎の両名が椅子のみを秋良の机の横に置き、秋良
の机で仲良く?ご飯中である。



それはともかく、この現状が今現在T―Dのかかえている難問。


そう!坂本様と仲良く昼休み争奪戦である!!


なんだソレはと思うだろう、否思わなくても思え!
この現状はまだおとなしいものである。
酷い時にはココに現会長有定・なぜか美術科名田庄・執行部スタッフ(秋良専
用)が入ってくるのだ。

今までは要領の良い有定会長と亨・裕史郎ペアが勝ち抜いていた。
ここにダークホースの御鷹が参戦してしまったのだ。

一部の人には「苦笑している坂本様も可愛いvv」と否定できない意見で見物
人まで訪れるこの争奪戦。
totoか開かれるのも時間の問題である。


この争奪戦を勝ち取るのは果たして誰なのか!



「「秋良は俺達のだー!!!!!」」
「二人とも〜落ち着いてぇー」


とりあえず、今日も姫様二人はキレてます。



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