『試されるその忍耐』




「十代、好きだ。」
「うん、俺も三沢のこと好きだよ?」
 何度このやり取りを繰り返しただろう。
(フッ、もうすでに13回目あたりで数えることを諦めたからな。)
 思わず遠い目をして、自嘲的な笑みを浮かべる三沢。
 しかし今日こそは!今日こそは十代にわかってもらわなければ!!
 固く拳を握り締め、
「十代っ!」
 真剣な表情で呼びかける。
「なっ、何?」
 ちょっとびっくりしたような表情が堪らなく可愛い。
・・・じゃなくって!
「恋愛感情だ。」
「は?」
「俺は、十代のことが、恋愛感情として、好きなんだ。」
「……………はい?」
「もしかして十代、わかっていてずっと俺のことをからかっていたんじゃ……ないに決
まってるよな(ハア)。」
 変な自己完結をする三沢に、十代は『はてな』マークを頭上に10個くらい飛ばして
いた。
「いや、いいんだ。とにかく俺以外の誰にも隙だけは見せないでくれ。」
「はぁ?」
「・・・つまりこういうことだ。」
 突如、グイッと三沢が十代の腕を引き寄せ―――

 チュッv

「!?」
「くれぐれもこういうことをされる隙を誰にも見せないでくれよ?」
「えっ、ええぇっ!?!?」
「じゃあ、またな!」
 混乱状態の十代を置き去りに、どこか満足そうに去って行く三沢であった―――。







※ああ、あの頃の三沢が懐かしい…(遠い目)。今読むと↑違和感ありまくり(汗)。




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