告白しよう! ある日の昼休み――― 明凌連(+明凌朝日奈派)の幹部連中は、相も変わらず屋上に集 っていた。 いつもどおりさりげなく朝日奈大を中心に、円を形作るようにそれぞ れ座っている。 大はニコニコと皆の話を聞いていたが、ふと思い付いたように口を 開いた。 「あの・・・皆さんは、好きな人ができたらどうしますか?」 「っ!?」 「?!」 「!?!?」 皆が動揺し、息を飲む中、宗近がまず素早い反応を見せた。大の こととなると、とことん力を発揮する男である。 「朝日奈っ!お、お前、まさか・・・す、好きな人ができたのか!?」 すでに半分涙目で問いかける宗近に、皆は心の中で『よく言った! 宗近。』と拍手を送る。 「え?ち、違いますよぉ〜。ちょっとテレビでそんなこと言ってたのを 思い出したので、皆さんはどうなのかなぁ?と思って。」 慌てて首を振る大に、皆は一斉に安堵のため息を吐いた。 しかし大への追究の手はまだ緩めないとばかりに、今度は壱茶が 口を開く。 「で、そういう朝日奈はどうなんだ?」 皆、今度は壱茶に心の中で賞賛を送った。 「え?俺・・ですか?そ、そうですねぇ・・・俺は臆病なので、好きに なってもこっそり想い続けて片思いのまま・・・とかかなぁ?」 うっすらと頬を赤らめ、照れたように話す大に、皆は心の中で口々 に叫んでいた。 『かっ、可愛いぜ!朝日奈vv』 そんなことはもちろん気付かずに、大はのほほーんと壱茶に問い かける。 「じゃあ壱茶さんはどうですか?」 「俺か?俺はもちろん、即行告って両想いだ!」 周り全員が『うそつけ〜』と心の中でツッコミを入れる。 確かに、壱茶が大に惚れていることは間違いないが、いまだ告白 した様子もない。皆のツッコミは的確なものと言えるだろう。 しかしやはりそんなことを知らない大は、 「へぇ〜っ、さすが壱茶さんですね!」 とか感心していたりする。 壱茶の隣りの照宇が、 「俺は自分から告白するのは苦手だ。」 そうボソリと呟いたことで、この質問の回答は、順に右回りで・・・ と決まった(ようするになりゆき/爆)。 東堂が、「俺も照宇に1票といきたいところだが、しばらく様子を見 てから告白・・・にしておこう。」と言えば、周りは『このヤロッ!東堂 の奴、いずれは告白するからなっていう宣戦布告のつもりかよ!?』 と色めき立ち、四方の「俺はさりげなく奢ったりしてアピールかな?」 との声に、『ズルッ!』『汚っ!』とツッコミを入れてみたりする(もちろ ん心の中で、である)。 神南は、「俺もやっぱり壱茶に近いかな。カッ飛ばすって意味じゃ、 バイクと一緒だな。」などとさりげなくカッコ良く決め、後藤は「う〜ん」 といまだ悩み続けている。 ちなみに松尾は参加せず、傍観を決め込むことにしたらしい。 最後に、大の右隣りに座っている宗近に番が回ってきた。 宗近は一度ゴクリと唾を飲み込むと、ゆっくりと大の方に向き直っ た。真剣な表情(かお)で。 それに気付いた大も、無意識的に宗近の方に体を向ける。 「朝日奈・・・」 「はい?」 「俺は・・・俺は、おまえが好きだ!」 「!?」 何故か告白タイムの始まりである。 一気に、周りからは宗近に対して凄まじい殺気が放たれる。 『おのれ、宗近〜。』 『ヤロウッ、ぶっ殺す!』 『俺だってまだ告白してないのに・・・』 『フフフ、面白くなってきた・・・。』 ちなみに最後の心の声は、松尾である(笑)。 皆が心の中で呪いの言葉を吐きながら、息を飲んで大の反応を窺 っていると、当の本人は至って普通、いつもどおりの笑顔で、 「俺も宗近さんのこと好きですよ?」 ヘロ〜ンと返してくれちゃったりする。 ここで皆は、ハッと重要な事柄に気付いた。 『そうだ、朝日奈は天然だったんだ!』と。 宗近の告白が空振りに終わったことにホッとする一方で、『じゃあ 自分が告白するとしても、正攻法じゃダメだな・・・』ということに気付 き、告白の仕方について真剣に悩み始める面々。 一方――― ある意味取り残された形の宗近は、涙目で大を見つめながら、心 の中で男泣きするのだった・・・・・。 【END】 [後書き] え〜っと、またもや『大君天然話』になってしまいました(汗)。このネ タ好きね?紅月・・・と自主ツッコミしておきましたので、ご容赦下さい ませ(苦笑)。そして、最近アホなタイトルが多くてすみません(という か、むしろ内容がアホっぽい?/遠い目)。 皆様、『SSアンケート』にたくさんのご投票を本当にありがとうござい ます(まだまだ投票受付中です!)。特に、鬼組は投票数もコメント数 も一番多く、嬉しい限りです>< 意外なことに(?)、『掟やぶりなチョ コレート騒動』にたくさん票を頂いておりまして、やっぱり皆に愛されて る大君っていうのが気に入って頂けているのかな?と思い、今回のお 話は大君受で書いてみました(登場人物は明凌オンリーで申し訳ない です)。次に、おそらく複数回投票で頑張って下さっているのかなぁ? と思っているのですが、『切なさに触れた瞬間(とき)』へのたくさんの ご投票も本当にありがとうございます!はい、コメントでご指摘があり ましたとおり、実は茜×大ってこれしかないんですよぉ〜(汗)。 今後、何かの形でこのCPも書かせて頂こうと思います。ので、ぜひ ぜひこれからも投票してやって下さいませ〜vv えっと・・・最後に、「宗近さん、今回もこんな役どころでごめんね?」 (ええ、愛ですよ?愛/笑) |