―――タカオ!?
それは、ある衝撃の目撃から始まった・・・。
『絆』
「Hi、タカオ!今日もキュートねvv」
「あっ、マックス。おはよー。って、キュートって何だよぉ。俺、男だぜ?」
「ハハハ、細かいこと気にしない気にしない。」
「あっ、カイもいたんだ。おはよー、カイ。」
「ああ。」
「って、あれ?レイもいたの?静かなんで全然気付かなかった。どうしたんだ?レイ。」
「・・・・・」
「レイ?」
「・・・・・」
「レーイ。レイってば!」
「へ?えっ、あっ、タカオ・・・お、おはよう。」
ガクッ
あまりのズレた返事に、思わずタカオが脱力する。
「・・・レイ。さっきから一体どうしたんだ?いつもしっかりしてるおまえがボーッとしてる
なんてさ。」
心配そうに問うタカオに、
「すまない、タカオ。ちょっとその・・・考え事をしていたんだ。でも心配してくれて嬉しい
よvv」
さりげなく語尾にハートマークを付けて返すあたりがレイらしい。
「そっか、それならいいんだけど・・・。」
ここで納得してしまうところは、やはりタカオだろう。
しかしあとの2人―マックスとカイ―は、レイの異変にしっかりと気付いていた。
その後、30分ほど経った頃、『じっちゃん』に用事を頼まれていたことを思い出した
タカオが、1人先に帰って行った。
そうしてようやくマックスとカイは、レイを問い詰めることが出来たのであった・・・。
「オーマイガーッ!」
「っな、なんだと!?」
レイの話を聞き終わった2人―マックスとカイ―の顔色は、もはや真っ青になってい
た。
「それ、ほんとね?レイ。」
「ああ、残念ながら。」
「キサマ、俺たちをからかっているんじゃないだろうな?」
「まさか。そんなことして俺に何の得があるっていうんだい?」
激昂する2人とは裏腹に、もう散々先にショックを受けまくっていたレイの方は、冷
静さを取り戻しつつあった。
「でっ、でも僕、信じられない。まさかタカオが、あのお兄さんと・・・?」
「ああ、そんなことあってたまるか。兄弟でそんな・・・そんなこと・・・。」
2人はさらにうわ言のように否定の言葉を口にする。
しかし『その場面』をしっかりと目撃してしまったレイだけは、きっぱりと肯定すること
ができた。
「そう思いたいのは俺も同じだ。だが・・・見てしまったのだから仕方がないさ。」
そう、レイは目撃してしまったのだ。
「タカオがあの仁っていう兄と、キスしているところをね・・・。」
「仁兄ちゃん・・・」
「タカオ・・・」
チュッvv
木ノ宮兄弟にとって、キスは親愛の証であり、それ以上でもそれ以下でもなかった。
ましてや、『恋人』だなんて・・・そんな意味は欠片もない。
しかしある意味この兄弟は、恋人以上の絆で結ばれていた。
特に兄―仁―は、タカオを溺愛していた。
誰にも渡したくない、一生自分の傍に置いておきたいと思う程度には。
先日、自宅の庭先でタカオにキスしたのも、故意だった。
ちょうどタカオを訪ねて来たレイの姿が見えたからだ。
レイがこっちに気付いたのを見計らって、タカオにキスしたのだ。
『牽制』の意味を込めて―――
タカオは急なことにビックリして、
「何だよ、仁兄ちゃん。急にキスするなんて変だぞ!」
と拗ねたように言っていたが、怒ってなどいなかった。
当然だ。
彼らはそうやって幼い頃からスキンシップを続けてきたのだから。
しかしそんなこと、レイが・・・そしてカイやマックスが、知っていようハズもない。
せめて頬へのキスだったなら、誤解も解けただろう。
だが実際は、『マウス トゥ マウス』だったのだ。
3人が、『タカオは実の兄とデキている』―――そう誤解しても仕方がなかった・・・
のかもしれない。
日々、悶々とあらぬ誤解に苛まれる3人を尻目に、木ノ宮兄弟のスキンシップは途
絶えることがない。いや、むしろエスカレートしていく一方だ。
頑張れ、レイ!負けるな、カイ!!耐えろ、マックス!!!
果たして3人が、自分たちの誤解に気付く日は来るのか・・・?
このままでは、タカオは永遠に兄のモノだ―――。
【続く・・・のか?】
あうぅ・・・中途半端な終わり方しちゃってごめんなさいー(>_<)な〜んか3人が可哀相
・・・かも?(笑)私の中で、『兄弟』っていうのがかなりツボをついてるせいか、ひそか
に仁兄ちゃん×タカオプッシュです(苦笑)。でも純粋に(?)タカオ受というCPで考え
ると、1番好きなのは、やはりカイタカでしょうか。世界大会最後のカイvsタカオ戦は、
もうお互いしか見えてない!ラブラブ〜ってかんじでしたね(笑)。またひょっこりカイタ
カも書いちゃうかもしれません。ちなみにこのギャグ話の続き、読みたい方っていらっ
しゃいますか?ってか、いなさそう・・・(汗)。もし誰かが「書け!」と言って下さったら
書くかもしれません(他力本願←殴)。
ベイブレードは無印の頃からアニメを欠かさず見ていますが、やはりタカオちゃんの
可愛さは永遠ですね(は?)。
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