注).このSSは、男同士の性的描写が多少あります。多少とは言 っても、とりあえず、ぶっちゃけヤッてます(苦笑)。裏というほどで もない(私的には)と思い、ここに普通に置いていますが、もし『そ ういう』モノに耐えられないという方は、読まないで下さい。読んで しまった後の苦情は受け付けませんので、何卒よろしくお願い致し ます(お手数をお掛けして申し訳ありません)。逆に、『そういう』モ ノが大好物な方には、物足りない内容となっておりますので、ご了 承下さいませ(笑)。 『月と海の鼓動』 夜の海――― 波打際を歩く。 ほてほて・・・ほてほて・・・ 足取りが妙に軽いのは、先刻しこたま飲んだ酒のせいだろうか? 夜の闇に光る紅い瞳も、今はどこか眠そうで。 月の光が、ほんの少し男の顔を照らし出す。 波は穏やかに揺れているだけ。 風のない夜。 静かな―――夜。 狂は歩く。 どこまでも歩く。 何のあてもなく――― 月に攫われるのを待っているの? 波に攫われるのを待っているの? どちらも緩やかに見守り続けるだけ。 最凶で最高に孤独な男を攫えなどしない。 歩を進めながら、意識と無意識の狭間に落ちかけたとき――― 「狂さんvv」 背後から声がかかった。 振り向くと、そこには微笑を浮かべた真田幸村が立っていた。 「こんなところで何してる?」 狂の問いかけに、彼は楽しそうに笑った。 「それはこっちの台詞だよ。狂さんこそ何してるの?」 狂は自分の質問が流されてしまったことに一瞬顔を顰めて、それ からプイと視線を逸らした。 答える気はないらしい。 幸村は別段気を悪くした風でもなく、 「目が覚めたら狂さんがいなかったから、探しに来たんだv」 飄々と自分の目的を口にするのだった。 狂はフンと鼻先で笑い、 「月を見てた。」 そう一言だけ、言った。 幸村が空を仰ぎ―――目を細める。 そこには美しい三日月が晧々と輝いていた。 「綺麗だねぇ。」 幸村の呟きに、 「ああ。」 狂も頷く。 「でも―――」 「?」 「狂さんの方がもっと綺麗だv」 「・・・前々から思っていたが、お前目ぇ腐ってんじゃねぇのか?」 「フフ、やだなー。僕は率直な気持ちを述べているだけだよ?」 「・・・・・・」 「ねぇ、狂さん。」 「・・・・・・」 「狂さん?」 「・・・・・・」 どうやら無視を決め込むことにしたらしい。 「もうっ、狂さんってば!」 幸村は強引に狂の腕を引き、狂の顔を自分の方に向けた。 狂は不快そうに幸村の手を振り解き、 「うるせぇ。」 ボソリとそれだけ言う。 「こんなに月の綺麗な夜は、心が騒がない?」 「・・・どういう意味だ?」 ここで幸村は、ニヤリと妖しい笑みを浮かべた。 狂は一瞬、『聞かなきゃ良かったか?』と後悔する。 「ねぇ、狂さん。僕と・・・寝てみない?」 幸村の声は、先程より少しだけ騒がしくなった波に、綺麗に溶け て消えていった―――。 「・・・あっ・・・んんっっ・・・・・」 「クッ・・・狂さん・・・・すご・・く・・・イイ・・・・」 「・・・あうっ・・・・」 「はぁ・・・狂さ・・・・そんなに締めつけちゃ・・・・」 「ああっっ!!」 「クッ・・・。」 2人は波打際で、砂に塗れながら抱き合っていた。 「幸・・村・・・いい加減、離しやがれっ!」 「ダメだよ、まだ足りない。」 「クッ・・・何回やれば気が済むんだ!?」 「フフッ、だって狂さんが良すぎるのがいけないんだよ。」 「バカ・・ヤロッ!」 「狂さん・・・v」 「・・・あっ・・・・」 激しく抱き合う2人の上に、水しぶきがかかる。 気付けば、海はすぐそこにあった。 そのまま2人、どちらからともなく水中に身を投じる。 体に纏わりついていた砂が、跡形もなく消えていく。 もう一度波打際まで戻り、2人は同時に幾度目かの絶頂を迎え た―――。 「腰が痛ェ・・・。」 「大丈夫?狂さん。」 狂は恨みの篭った瞳で幸村を見つめる。 その瞳は、『誰の所為だと思ってやがる!?』と語っていた。 「膝貸せっ。」 狂の唐突な言葉に、 「え?」 珍しく幸村が驚きの声を発する。 「疲れたから寝る。」 簡潔に言って、狂は幸村の膝を枕にして、そのままゴロンと横に なった。 「狂さん・・・v」 幸村の顔にいつもの笑みが戻る。 そのままスースーと寝息を立て始めた狂を優しく見つめて、そっ と髪を撫でる。 空の上には美しい月。 膝の上には愛しい人。 「あと足りないのは・・・やっぱりお酒だよね♪」 そう、ちょっぴり残念そうに呟く幸村の顔は、幸せそうに笑んで いた―――。 【終わり】 [後書き] 銀士朗様に捧げるキリリクSSでした。遅くなってしまって本当に 申し訳ございません^^; 狂受で相手は誰でも良いとのことでしたの で、お言葉に甘えて今まで書いたことのないCP(幸狂)に挑戦し てみました(そして玉砕←殴)。 素敵にアダルト(笑)なリクエストをして頂いたので、今までで1番 大人〜な関係になった・・・のではないかと思います(当社比では /苦笑)。エ○がぬるいのは、表ギリギリレベルということで、ご容 赦下さいませ(逃)。 三日月とか波打際とか、素敵なシチュエーションをリクして下さっ たにもかかわらず、あまり生かせずすみませんでした>< あと、このSSですが、どういう展開であの冒頭の場面に至ったか と申しますと、皆(狂・ゆや・紅虎・アキラ・梵・幸村・サスケ・・・あた り←オイ)で、ある旅籠の1室で宴会(酒盛り)をしていたところ、酔 い潰れて全員寝てしまった。しかし狂は眠れず外へ。そして少しし て目が覚めた幸村も狂を探して外へ出て行った・・・みたいなかん じです(って、ここで説明するあたりどーよ?ってかんじですね。も も申し訳ございません/滝汗)。ちなみに、真田十勇士(特に才蔵/ 笑)の存在は、このSS中では完全無視の方向でお願い致します (酷)。 それでは、言い訳ばかりで失礼しました。当サイト初のKYOリク エストをして頂きまして、本当にありがとうございましたーvv |