注).以下は、「翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件―」(著・麻耶雄嵩)より、“事件のその後”を
ちょこっと妄想して書いてみました。
思いっきりネタバレが入っていますので、まだ未読の方は絶対に読まないで下さい。
それから、私は麻耶先生の御本をこの1冊しかまだ読んでおりませんので、この後の彼らのことは
全く知りません。あくまでこの「翼ある闇」だけを読んだ後の勝手な妄想だということをご理解下さい。
『瞳に宿りし影』
「終わったな。」
「うん。終わったね。」
木更津の言葉に、香月が柔らかい笑みで頷く。
「これで・・・満足かい?」
「!?」
ピクリッと香月の肩が微かに動いた。
「これが君の望んだ結末なんだろう?」
驚きに眉を顰めたのは一瞬のことで、香月はすぐに口許に不敵な笑みを浮かべた。
「ああ、そうさ。」
澱んだ低い声。
今までの彼とはうって変わった乱暴な口調だった。
木更津はそれに驚くこともなく、ゆっくりと香月の正面に移動し、その顔の表情を覆い隠している
眼鏡を奪い取った。
香月は為されるがまま微動だにしない。
ガラスを取り除かれたその瞳は、美しく、しかし冷酷な輝きを帯びていた。
「香月・・・。」
木更津の手が香月の頬に触れる。
「脅しのつもりか?」
その手を振り払うこともなく、香月は冷たい瞳で木更津を見返した。
それには答えず、木更津はそっと香月の唇に自分のそれを重ね合わせる。
「・・・・。」
さらに木更津は口付けを深くしていった。
「・・・・。」
それでも抗うことはもちろん、表情を変えることすらせず、香月は木更津のされるがままだった。
その残酷な光を宿した瞳を除いては。
木更津はなかば引きずるようにして香月をベッドまで連れて行き、そのままそこに押し倒した。
香月の瞳が妖しく揺れる。
「愛してる。」
ちぐはぐな心のまま、1つになる体。
捕らわれているのは、どっち?
【END】
ごめんなさい〜。なんかNGってかんじです(爆)。それにしても・・・実朝くん怖いぞ〜(笑)。
「翼ある闇」を読んだ後は、もうめちゃ放心状態に陥ってしまって、それ以来、いまだに麻耶先
生の他の御本を手に取ることが出来ません(笑)。これぞトラウマ?(←なんか違うし・・・)
↑ というのが、当時の後書きでした(苦笑)。ちなみにこれは2001年の8月に書いたものだっ
たりします(古っ)。そしてそれ以来、いまだに麻耶先生の御本を1冊も手に取ることが出来ずに
いる紅月なのでした(いえ、ショックからはとっくに解放されているんですけどね。ただ単に紅月
が読むの遅くて手が回ってないだけというか・・・/爆)。読みたい推理小説は山ほどあるのに、
読書スピードがついていかない(グス)。で、漫画ばっかり読んでるあたり、間違ってますね^^;
なんか話逸れまくってますが、懐かしの焼き増し第2弾でしたー(もうこれ以上はないですから!)。