『リクエスト受付中』




「波戸さん、何か食べたい物はありますか〜?」
 なんだか楽しそうに聞いてくる悟に、
(そりゃーもう悟を今すぐ!)
 心の中で波戸が叫ぶ。
「(なんて言えるわけないわな…)そうやな〜、悟が作ってくれるんか?」
 内心の葛藤を隠しつつ、波戸が明るく問い返す。
「はい!いつも波戸さんに作ってもらってばかりなので、今日は俺が頑張
りますね。」
(か、可愛ぇ〜////)
 ボーッと悟に見惚れる波戸。
「波戸さん?大丈夫ですか?」
「………へ?」
「なんか顔が赤いですよ。もしかして風邪ですか?」
「いやいやいや!平気や。風邪なんて引いてへん。それより、食べたい物
やったよな?」
「あっ、はい。そうです。」
「えーっと、じゃあ…××××でええか?」
「はい、大丈夫…だと思います。俺、精一杯頑張りますから、待ってて下さ
いね?」
「ああ、いつまででも。」
「え?いや、そんなにはかからないと…。多分、1時間くらいあればなんと
かなると思いますけど?」
 きょとんとした顔で波戸を見返す悟には、もちろん波戸の考えていること
など知る由もなかった。

(悟が俺の気持ちに答えてくれるまで、俺はいつまででも待ち続けるつもり
や。そんだけの覚悟はとうの昔にできとる。早く観念して俺のモンになりや
?悟…。)


 しかし波戸はこのとき、肝心なことを忘れていた。
 悟(の心)を手に入れるためには、まず告白というビッグイベントをクリアし
なければならないということを―――。







※告白する前から思考がイッちゃってる波戸さんに乾杯!(違)本文中の
波戸さんが食べたい物(××××の部分)は、ご想像におまかせします。




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