『待つ君に・・・』(鬼組:高里×大) 「なあ、朝日奈・・・。」 「はい。」 「忘れちまえよ。」 「え?」 「あいつのことなんか忘れちまえよ。」 「高里・・さん?」 「俺じゃ・・・ダメか?」 「え?あの・・・」 「好きだ。」 「!?」 「朝日奈が好きだ。」 「あっ・・・」 「すまない、困らせるつもりじゃないんだ。」 「い、いえ・・・あの・・・・嬉しいです、高里さんの気持ち。でも・・・ でも俺は・・・」 「わかってる。いや、わかってた。でも・・・朝日奈のそんな顔をずっ と見ていたら、言わずにいられなかった。ずっとそんな切ない目で 微笑うお前を見ていたら―――」 「・・・・・。」 高里の言葉が、大の中にある『何か』に触れて―――激しく揺さ ぶる。 堰を切ったように溢れ出した涙は止まらず、そんな大を高里は優 しく抱きしめた。 「朝日奈―――」 高里は卑怯だと知りながらも、泣き続けている大にそっと口付け た。 初めて交わしたキスは、酷く悲しい味がした―――――。 「京一、俺・・・如月に好きだって言われたんだけど、どうしたらいい と思う?」 緋勇龍麻の部屋に、蓬莱寺京一の絶叫が響き渡ったのは、その 2秒後のことだった――――。 『そんな君が好きだから・・・』(魔人:京一×龍麻) 「あ〜っ、びっくりした・・・。」 京一の声に驚いた龍麻が胸を押さえて大きく息を吐く。 その横では仏頂面した京一が、 「びっくりしたのは俺の方だ!」 さらに声を張り上げ、喚いていた。 「ねぇ、何か京一、怒って・・る?」 (オイオイ・・・) この状況で怒らない男(ヤロウ)がいたらお目にかかってみたいぜ。 「ひーちゃん、よっく聞いてくれよ。」 「う、うん。」 「俺とひーちゃんは恋人同士だよな?」 「うん、そうだね。」 「そんなひーちゃんが他の奴に告白された。ここまではオッケーだ。」 「うん。」 「でも!それを『どうしたらいい?』と恋人である俺に聞くのは間違っ てる・・・だろ?」 「・・・・・。じゃあ京一は、俺が如月と付き合ってもいいの?」 「はぁ!?」 「だって・・・・」 見れば、龍麻の瞳は潤んでいて、今にも雫が流れ落ちそうだった。 「泣くなよ、ひーちゃん。違うんだ、ごめん。これは嫉妬なんだ。ほんと はさ、俺のことほんとに好きなら、俺にそんなこと聞かずにすぐ断って くれんじゃねぇのかって思ってさ。でもよっく考えてみたら、そんなの無 理だよな。だってひーちゃん、すげー天然だもん。」 「なっ、何だよそれぇ〜。」 プーッと膨れる龍麻から涙はすでに消えていた。 「ひーちゃん。」 おいでおいでと手招きする京一に吸い寄せられるように、龍麻の体 が京一の胸に倒れ込む。 「ごめん、京一。」 「いや、俺の方こそ悪かった。話してくれて嬉しかった。で、さっきの答 えだけど、『京一のこと愛しちゃってるから如月とは付き合えない』って 断ってくれる?」 「・・・バカ!でもちゃんと言うよ。俺が好きなのは京一だって。」 「ひーちゃん・・・」 「京一・・・」 ゆっくりと重なり合う唇。 徐々に深さを増していく口付けに、今夜はもう寝かせてもらえそうに ないな・・・と思う龍麻だった――――。 「グラム、お前が俺のモノになるというなら、どんなことでもしよう。」 「・・・・・」 「さあ、どうする?お兄ちゃんv」 「わ・・かった・・・。ただし3日だけだ!3日間だけなら、お前のモノに なってもいい。」 「フッ、3日か・・・。クククッ、十分だ。3日もあればお前を俺の虜にし てみせよう。」 そう言って、流し目をくれるキュベルネスからフイと目を逸らし、 「じゃあ、よろしく頼む。」 そう短く告げて、グラムは足早に部屋を出て行った・・・・・。 『虜』(絢爛舞踏祭〜:キュベルネス×グラム) 無事に『夜明けの船』(&クルー達)を助け出したグラムは、皆に別 れを告げ、1人約束の場所へとやって来た。 そう、言わずと知れたキュベルネスの家(海賊船)である。 部屋(キュベルネスの私室)に招かれ、イスに腰かけるグラムの表 情は硬い。 当然といえば当然だろう。なにしろ目の前ではキュベルネスが、ま るで値踏みでもするかのように、グラムにねっとりとした視線を向け 続けているのだから。 「で、俺は何をすればいい?」 視線と沈黙に耐え切れなくなったグラムが、顔を上げ、まっすぐにキ ュベルネスを見返した。 その強い眼差しが、覚悟を決めたことを伺わせる。 「何・・とはまたわかり切ったことを。」 「わ・・からない・・から、聞いてる。」 精一杯虚勢を張るグラムを鼻で笑い飛ばしながら、キュベルネスは ベッドの上に片膝をついて腰かけた。 そして――― 「こい、グラム。」 右手をグラムに向かって差し出す。 グラムは一瞬目を見開き、息を飲んだ。 わかっていた・・・そう、わかり切っていたことだ。 グラムはハーッと大きく息を吐くと、ゆっくりと立ち上がった。 1歩・・・2歩・・・と目の前の男に近づく。 伸ばされた腕。 重なり合う右手。 その手が引かれ、ベッドに引き倒される。 荒々しく覆い被さってくる男の体を受け止めながら、グラムはもう自 分が戻れないことを自覚していた――――。 只今、勝手に萌えジャンルその4【続編】 〜プリンセス・プリンセスより有定×秋良〜 『放課後の罠? 2』 ―――コンコン 軽いノックの音がして、 「坂本です、遅くなりました。」 涼やかな声が続く。 生徒会室にある中で一番上等なイスに深く腰かけていた有定は、 ニヤリと口端に邪な笑みを浮かべて立ち上がった。 そして自ら扉を開く。 「どうぞ。」 「あっ・・りがとうございます。」 まさか有定が直々に出迎えるとは思っていなかった秋良は、一瞬 驚いたように目をパチクリと瞬かせ―――すぐにいつものふんわりと した笑みを浮かべた。 有定のエスコートで中に入った秋良は、 「あれ?会長お1人なんですか?」 ガランとした室内を見て、不思議そうに問う。 「ああ。今日は坂本様・・・いや、秋良君と2人っきりで話がしたくて ね(できれば話だけじゃなく、他のことも・・・)。」 最後の不穏な台詞は、有定の心の中でだけ発せられた。 秋良はと言えば、いつもの『坂本様』ではなく名前で呼ばれたこ とに、ヒャーッと照れていたりする。 「まあ立ち話もなんだから、そこに座って。」 すぐそこのソファを示され、秋良は素直に腰かけた。 その正面に有定が座る。 「ねぇ、秋良君。君は今、好きな人とかはいるのかな?」 「えっ、ええ!?なななっ何で急にそんなことを?」 「いやぁ、何故って言われても困るんだけど。ただ興味があってね。 教えて・・・もらえないかな?」 言葉は丁寧だが、その目は明らかに「拒否」を受け付けない強者 の光を宿していた。 「あ、の・・・会長が恋愛感情的なもののことを仰っているのなら、 今はいません。」 きっぱりと答えた秋良に、有定がにっこりと微笑む。 そして次の瞬間――― 『じゃあ、オレが立候補するよ。』 さらりと爆弾発言がかまされた。 こうして秋良の受難の日々は、唐突にその幕をあげたのである。 只今、勝手に萌えジャンルその5 〜WORST(ワースト)より月島花総受(?)〜 『花ちゃんはアイドル』 「あっ、九里虎(グリコ)はーん。」 「おおっ、マルコメ。」 「この間は、すんませんっした!」 「あ〜いや、まあそれはもうよかよか。」 「クロサーさんもほんとすんませんっした!」 「いや、俺も別に・・・。」 「ありがとーございます!」 ニッコリ笑顔全開の花に、一気にその場の空気が和む。 「メンコイのぉ〜。」 デレーとした顔で花の頭を撫でる九里虎に、黒澤は呆れたような 視線を向けた。 「おい、九里虎。お前いつから宗旨がえしたんだ?」 「今。」 即答かよ!?(黒澤心のツッコミ) ―――と、そこへ。 「花〜〜〜っ!」 バタバタとかけて来る足音が2つ。 近付きざま九里虎から花を引き剥がし、 「大丈夫だったか?」 「何もされてないか?」 両脇からガッチリと花をガードする。 右の迫田と左の蓮次を交互に数回見て、首を傾げて少し考えてか ら、「うん!」と花が頷く。 多分、考えても何を言われているのかよくわからなかったのだろ う。それにしては元気な返事だったが。 挑発的な2人とは正反対に、九里虎は余裕綽々な態度で、 「保護者のお迎えがきたばい。クロサー、そろそろわしらも行こか。」 「お、おう。」 あっさりと去ってゆく九里虎と黒澤。 その背中を睨みつけるように見送る迫田と蓮次。 1人、ポヤ〜ンと状況のよくわかっていない花。 【迫田&蓮次vs九里虎】第1回戦は、とりあえず引き分けの模様 である――――。 以上が、WEB拍手のお礼SS(全5種)第3回分でした。 何でしょう?ツッコミどころ満載な気が…(苦笑)。鬼組の高里×大 は、実は結構好きなCPだったりしますvと言いつつ、茜×大←高里 風味?(痛)ま、まあエセシリアスということで!(苦笑)魔人というの は、「東京魔人学園剣風帖」というゲームです。龍麻というのは主人 公(プレイヤー)のデフォルト名で、このCP(京一×龍麻)を通称「京 主」と呼びます。以上、どうでもいいマメ知識でした(ほんとにどうでも いい/爆)。言うまでもなく、私は京一スキーです。そして劉ちゃんも好 きvすみません、いい加減黙ります(汗)。絢爛舞踏祭〜は、アニメで やってましたが、ご存知ですか?アニメのやってた時期を考えると、 このお礼SS(第3回分)がどれだけ長く居座っていたかがわかります (自爆)。 ヤガグラも良かったけど、やっぱりキュベグラが好きでした (藤●さんの声がエロすぎ/笑)。プリ・プリの続編は、なんだか中途 半端ですが、一応あれで終了です。その後、秋良君がどんな目に遭 ったかは、ご想像におまかせします(笑)。やっぱり一番ご反応を頂け たのは、このプリ・プリでした!同士様がたくさんいらっしゃるとわかっ て嬉しかったです〜vそして最後のWORSTですが…ご存知の方な んていらっしゃらないだろうと思っていたら、いて下さったんです!!!!(ド ーン)拓海×花というマイナーCPにご賛同頂けたときは、興奮のあま り卒倒しかけました(笑)。まあ、ぶっちゃけこのWORST(&CROW S)は、主人公受だけに止まらず、色んなCPが好きだったりしますの で、今度ゆっくりどこかで語ってやろうと目論んでおります(苦笑)。一 緒に語ってやろうという方も随時募集中です!(かなり本気) ではでは、上記のSS公開中に拍手をして下さった皆様、本当にあ りがとうございました>< 引き続き、第4回公開中もよろしくお願い申 し上げます! |