『酔っ払いの罠!?』





「悟〜、好きやー。」
「はいはい、俺も好きですよ?」
 一仕事終え、共に夕食を済ませた2人―波戸と悟―は、そのまま悟の家に
なだれ込んだ。
 そして、すでにかなり酒の入っていた波戸は、さっきからやたらと悟に絡ん
でいた。
「う〜っ、聞いてんのかぁ?悟。」
「はいはい、聞いてますよー。」
 小さい子どもをあやすように悟が返すと、波戸はプゥッと口を尖らせて、さら
に絡んでくる。
「悟ぅ、俺のこと・・・ほんまはどう思てんねや?」
「ですから、好きですってば!」
 苦笑して返す悟。
ほんまか?
「・・・え?」
 思いがけず真剣な波戸の声音。
 驚きのあまり言葉の続かない悟の前で、波戸はニヤリと嫌〜な笑みを浮か
べてみせた。
「!? まさか・・・波戸さん、ずっと酔ったフリをしてたんですか!?」
「正解や。」
 ニヤッと悪びれた様子もなく答える波戸に、悟の中で何かがプチリと切れ
た。
「ひどっ!もう波戸さんなんて知りません。」
「えっ!?あっ、わ、悪かった、悟。俺が悪かったから、そない怒らんといて。
な?」
「だって・・・だってそんなのズルイですよ、波戸さん。酔ったフリして好きだと
か・・・そんなの・・・・・」
「へ?えーっと、つまりそれは・・・酔ってへんかったら、真剣やったら、ええて
ことか?」
「///// そ、そんなの知りませんっ!」
「(か、可愛ぇ〜vv)悟、好きやで。初めて会うたときから、ずっとずっと悟だけ
が好きや!」
「は、波戸さん・・・////」
「もう、怒ってへんか?」
「・・・ちょっとだけ怒ってます。」
「あらっ?じゃあ、どないしたら許してくれる?」
「えっと・・・じゃあ、その・・・優しいキス、を・・して、くれますか?そうしたら―
―――」
「許してくれるんか?」
「はい。」




「・・・んっ。」
 そっと重なる唇。
 優しい優しいキス――――
 離れてゆく温もりを追うように、ゆっくりと目を開いた悟は、次の瞬間、ドサッ
と仰向けに倒れていた。
 自分の布団の上に―――。
 え?と思う間もなく、覆い被さってくる人影。
「ちょっ、ちょっと、波戸さん!?」
 驚き、慌てふためく悟。
 見上げれば、波戸は先程と同じように、いやそれ以上に、口元に嫌〜な笑
みを浮かべていた。
「キスしてとは言うたけど、キスだけしかしたらあかんとは、言うてへんよなぁ
?悟vv」
「っ!? ・・・もうっ、ズルイですよ、波戸さん。」
「ハハッ。で、続きやっても・・・ええやろ?」
「―――はい//// でも、優しくして下さいね?さっき(のキス)みたいに。」
 潤んだ瞳で見上げられて、
「(うっ////)も、もちろんそのつもりやで!」
 そう答えた波戸だったが。



 悟の無意識の媚態に煽られた波戸が、結局優しくできなかったことは言う
までもない―――――。





                                          【END】








[後書き]
う〜わぁ〜っ。思った以上に長くなってしまった(苦笑)。ちなみにこれは、D
−LIVE!!(悟受)チャットに初めて参加させて頂いた記念SS(←長っ)だった
りします(笑)。もうめちゃ楽しかったですよ〜、悟受話vv本当にたっくさんの
萌えを頂きました>< そんなわけで(?)、参加されていた皆様に感謝の気
持ちを込めて、このSSを勝手に捧げます(←超絶迷惑)。あっ、そうそう。実
はチャットの主催者様が、酔っ払った悟君が波戸さんを押し倒す(←いや、も
ちろん悟君が受ですよ!/笑)お話を書いて下さることになったので(もうめっ
ちゃ楽しみですっ♪)、じゃあ私はその逆バージョンで波戸さんが酔っ払った
ものを書いてみようかな?と思い、結果、こんなヘタれたハトイカSSが出来
上がりました(苦笑)。本当は、酔っ払った(フリでもフリじゃなくても可)波戸
さんが、「今日は俺の布団で寝て下さい。」という悟に対して、「う〜ん、悟も
一緒に寝よ?」と可愛くねだるシーンを書くつもりだったことは秘密です(←い
や、思いっきりバラしてるから!/笑)。
ではでは、初めてまともに(?)書いたD−LIVE!!SSを読んで下さって、本当
にありがとうございましたー!!




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