なんとな~く山日記
(2025年)
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2025年の山行記録です。根が不精なので、簡単なコメントだけつけてみました。ちゃらんぽらんでスイマセン。
 
 
【2025年】
月日
山 域
日程
形 態
メンバ
備 考
6/6~8 御蔵島平清水ヶ頭 夜行1泊 小屋泊 単独 ガイドさんの解説を聞きながら登山
5/24~25 佐渡島・金北山 1泊2日 山小屋泊 単独 大雨・強風。でももう一度行きたい
4/(26~)27 伯耆大山 1泊2日 ホテル 単独 鳥取までの旅行と登山を堪能。満足
4/5 石老山 日帰り 日帰り 単独 物足りないものの手軽に楽しめる山
3/22 キンダン川 日帰り 日帰り 単独 水量は少ないが、独特な渓相で楽しい
3/8~9 三条の湯 1泊2日 山小屋泊 単独 宿を目指す山旅。寛ぎの世界です
2/15~16 鶏冠山・大菩薩嶺 1泊2日 山小屋泊 単独 3回目の大菩薩も富士山が素敵でした
2/1 仙元山・鷹取山 日帰り 日帰り 単独 三浦半島の山々の奥深さを知りました
1/11 三方分山 日帰り 日帰り 単独 何度見ても、富士山は素敵です
 
 
 
 
山 域
御蔵島 御山・平清水ヶ頭
日 程
2025年6月6日(金)~8日(日)
メンバー
単独
天 候
7日(土)・晴れ&霧、8日(日)・曇り
コメント
最初に訪れた伊豆諸島が、なぜか神津島。それが2008年のこと。そこから17年。ついに伊豆諸島全てに足跡を付けました。ガイドさんと一緒でないと山に入れないというハードルの高さもあり、御蔵島が最後になってしまいました。しかし、事前にガイドさんと調整する時間もなく、御山山頂ではなく標高が1m低い平清水ヶ頭までとなってしまいました。島そのものが楽しかったので別に良いのですが、本当の最高地点は次回の宿題としましょう。
10:30 竹芝桟橋
伊豆諸島渡島の玄関口・竹芝桟橋。いつ来てもワクワクします。いつものローソンで食べ物等を調達し船内へ。今回、行きは特2等、帰りは2等和室。夜は個室感が欲しいですが、帰りは本を読んだり、ネットを見たりなので、2等で十分です。ビールを飲みながら本を読み、1週間の仕事の疲れを癒したら、12時過ぎに就寝です。
―――(東海汽船橘丸 泊)―――
6:00 御蔵島港
朝5時前、三宅島三池港寄港のアナウンスに起こされます。折角なので5階デッキに出て、1年前に降りた港を眺めてみます。御蔵島も見えるので、期待が高まります。三宅島を出て一旦は部屋に戻りましたが、30分後に再びデッキへ。島が次第に近付いてくる感じが好きなのですが、行きは船首に出られないので半分しか見えません。それでも、急峻な崖に張り付くように立つ建物が見え、御蔵島の険しさが窺い知れます。
御蔵島の難点は着岸率が低いこと。この日も、三宅島を出た段階(予定時刻の1時間前)でも、まだ寄港できるか不明とのこと。アナウンスに耳を傾けていましたが、結局、着岸決定を知らされることなく、寄港が決まっていたようです。
イルカウォチングで有名な御蔵島だけあって、港に降りた人の大半は宿の送迎車に乗り込んでいました。歩いて坂を登っていたのは、自分を含めて4人だけでした。
6:30
村営バンガロー(~8:30)
バンガローで休憩がてら朝食を食べ荷物整理。山行の準備を整えたら、8時半に駐車場でガイドさんと待合せです。ガイドさんは田口さんという方で、私より少し年上のようです。元々は三宅島でガイドをされていたそうですが、雄山噴火で全島避難の際に、奥様の実家である御蔵島に移住されたそう。島で民宿を経営しつつ、ガイドもされているようです。今回は、午前・午後と2つのコースをお願いしたのですが、どちらも私だけだったようで、ちょっと効率が悪くて申し訳ないです。
ガイドさんのパジェロで登山口へ。かつては南郷という集落があったそうですが、今は住む人も無く、観光のためだけの道路となっているようです。
9:10 登山口
天気は快晴とはいかないものの、晴れたり雲ったり。雲がかかっているものの、三宅島雄山も見えています。ガイド必須の山なので入山者はそんなに多くないと思うのですが、登山道はそれなりにしっかりしています。ただ、これまで訪れた伊豆諸島の山々に比べて、水が多いせいもあってか、明らかに鬱蒼とした山感が強いです。
歩きながら色々なお話をお伺いしました。柘植の木の話、蛾の被害で痛んでいる柘植の木が多いこと、大型獣がいないことで変化した御蔵島の植物(タケノコやアザミ)、野良猫に食べられてしまうオオミズナギドリ、その野良猫の実態調査を行う大学などなど。
登山口の標高がそこそこ高いので、平清水ノ頭までの標高差は恐らく200mもなかったと思います。そのせいか特に疲れることもなく平清水ノ頭に到着しました。
10:00
平清水ノ頭(~10:30)
平清水ノ頭の標高は850m。御蔵島最高地点である御山山頂とは0.9mしか違いません。今回はここがゴール。山頂からは御山が見えますが、左から右へと霧が流れており、見えたり隠れたりしています。「左」というのは南に当たります。気象のことは詳しくないのですが、海上で多くの水分を含んだ南風が御蔵島にぶつかって一気に冷やされ、霧または雨となって降り注いているようです。この雨が御蔵島の木々を育て、オオミズナギドリを育て、木々から流れる栄養分が海に流れ込むことで、魚を育て、イルカを引き寄せるのでしょう。御山、御代ヶ池、三宅島を眺めながら、たっぷり休憩。なんだか至福の時間です。
御蔵島の自然と景色を堪能したら下山。一旦、バンガローまで戻ります。
11:30 村営バンガロー(~13:30)
次のガイドの時間まで、昼食&村内散策です。人が住んでいる所は限られていて、しかもどこも坂です。車が通る道路以外に、家々の裏に階段が張り巡らされていて、何だか他人の家の裏庭を通っている感じです。島内に2店しかない日用品店の一つである「丸一商店」さんで、島で育つサクユリのゆり根を使ったという焼酎・MISORAを購入しました。さらに村役場まで登って、イルカが乗った青いポストを撮影してきました。島内のポストはすべてイルカが描かれています。
そして、島内唯一のお土産屋さんである「ふくまる商店」さんへ。実は、明日の昼ご飯は「御蔵島からあげのり弁当」を頂くつもりだったのですが、島に上陸出来てからと思って、上陸後にネットで注文しようとした所、限定30食が完売していました。ダメ元でお店に行って聞いてみたら、やっぱり完売だったのですが、「一食だけなら・・・」と特別に融通してくれました。ありがとうございます!この日は明日葉ジェラートを頂きました。ちなみに、お土産は翌日買いました。
さて、昼食を済ませたら、13時半にガイドさんと待合せ、再び車で移動します。
14:00
御代ヶ池入口
御代ヶ池は新東京百景に選ばれている場所とのこと。入口からは少し下る感じなので登山ではないものの、奥深い森という様相を呈しています。雨や霧が多く、日光が直接当たる場所が限られているため、足元は苔がたくさん生え、少し南国の雰囲気があります。そして、激減してしまったというオオミズナギドリ(カツオドリ)の巣穴があちこちに見られます。こんな土の中に住んでいるんですねぇ・・・。池までの所要時間は(ちゃんと記録していなかったのですが)1時間もなかったと思います。途中、ガイドさんがミクラミヤマクワガタを見つけてくれました。「ミクラ」の名を冠した有名な固有種ようですが、正直、身体が小さかな・・・という以外、いミヤマクワガタと区別が付きません。
14:40
御代ヶ池(~15:00)
この日の午後は霧が出てきたこともあり、池の向こう側は見えるものの、本来その先に見えるはずの長滝山はどこにあるのか分かりません。静かな池の上を霧が流れる静謐な雰囲気は、まるで東山魁夷の絵画の世界のようです。耳を済まさなくても、そこかしこから鳥の鳴き声が聞こえてきます。ガイドさんと一緒でないと入れない場所ということもあり、この日の訪問者は自分たちだけ(たぶん)。人の気配のない空間で、静かな時を過ごしました。
入口まで戻り、車で村に戻ります。午前・午後ともガイド山行。ガイドさんがいないと迷ってしまうような道だとか、危険が潜んでいるなどということは全くないのですが、地元のガイドさんと一緒だからこそ気付くことができた自然、聞くことが出来たお話ばかりで、昨年の小笠原諸島母島でも感じましたが、ガイド山行ならではの価値、楽しさを再発見しました。
16:00 村営バンガロー
夕飯は村で唯一の居酒屋で食べるつもりだったのですが、持参したワインを飲んでいたら面倒くさくなり、港まで降りて、三宅島と夕焼けをずっと見ていました。のどかです。港の中なのに、イルカが泳いでいました。日暮れとともにバンガローへ帰還。
バンガローで持参した夕飯を食べ、あとは読書の時間です。ちなみにバンガローの床は堅いのですが、テン泊用のマットを持って行ったので問題なし。この季節は寒くないですし、電気も点くので申し分ない快適さです。
―――(御蔵島村営バンガロー 泊)―――
6:35 村営バンガロー
朝4時半起床。持参した朝食をゆっくり堪能。本当は昨晩も含め、宿で地元の食材を味わいたかったのですが、探し始めた時には宿はどこも満室で、バンガローだけが辛うじて予約できた次第。この日は、ガイドさんナシで入れる数少ない場所を、歩いて散策です。村の中心部から小中学校、ヘリ発着場、村役場を通り過ぎて森の入口へ。
6:50
タンテロイの森 入口
明るい雰囲気の中、階段状の登りが始まります。足を踏み入れてすぐに雰囲気満点。小さな沢沿いを登ります。そこかしこに川が流れているのも御蔵島ならです。「神さんの木」という巨樹まで、結果的には標高差では100mも登りませんでしたが、傾斜がゆっくりな分、周囲を見回しながら登っていると、大きめの木がちらほらと目に入ります。途中、左に分岐するルートがあったので一応そちらも登ると、竹林になっていました。この季節なのにまだタケノコが生えていたので触ってみたら柔らかいです。大型獣がいない御蔵島は、植物の苦味が少なく、柔らかく、トゲがないと昨日ガイドさんが言っていましたが、そのせいでしょうか・・・。分岐まで戻り、いよいよ本命の森へと向かいます。
7:20
タンテロイの森・巨樹群(~7:50)
正直、どれが「神さんの木」なのか分かっていないのですが、そこかしjこに大きな木があります。御蔵島の巨樹はスジダイというシイの仲間の木で、大きいものでは幹回りが10mを越えるそうです。周囲に何本もある巨樹・巨木に1本ずつ近付き、お祈り・お詣りしてきました。命の息吹を分けて頂いて、何か良いことがあるといいなぁ。屋久島には及ぼないものの(行ったことないけど)、御蔵島の巨樹もなかなかです。
8:30 御蔵島中心部
村の中心部に戻って来ました。島の西側に全然行ってなかったので、道沿いにしばらく登ってみました。少し登った所から村を俯瞰し、さらに先まで進んでみたのですが、ボロ沢など見所がある場所まで行く時間はなさそうなので、途中で戻りました。再び中心部に戻り、民家のような観光案内所の地下にある観光資料館を見学(一応100円です)。島の歴史や行事、自然について勉強。着いてすぐにここに寄って、勉強してから島内散策しても良かったかも。
昼ご飯は、ふくまる商店の御蔵島弁当を受け取り、景色の良い場所で頂きました。明日葉のにんがみ、岩ノリ、かぶつ胡椒など地元の名物も入っており美味しいです。今回は御蔵島ならではの食材を食べる機会があまりなかったので、また御山登山を兼ねて来島したいと思います。
何時か忘れましたが、島内放送で東海汽船の橘丸が港に入ることが決まったとのお知らせがあったので、安心して港へ向かいます。
12:35
御蔵島港
橘丸は定刻通りに御蔵島港を出発。いやー、無事に港に寄ってくれて安心しました。船が来ないと帰れないので、仕事を休まなければいけなくなります。出航後しばらくは、離れていくく御蔵島を見送り、その後は2等和室やレストランで読書三昧です。思っていたより空いていたので、ゆっくりと読書に浸れました。
19:40
竹芝桟橋
竹芝桟橋到着も定刻通り。定刻通りに着けば「東京愛らんど」が開いているので寄ろうとと思っていましたが、ギリギリ間に合いました。去年買った三宅島の牛乳煎餅が美味しかったので、1箱買って帰りました。美味しいですよ。
山は本連れ
今回は、原田マハさんの「たゆたえども沈まず」です。存命中は世の中に認められず苦労した天才フィンセント・ヴァン・ゴッホと、兄を支え続けたテオの絆・葛藤を、テオと懇意にしていた日本人の目を通して描いた作品。審美眼も美術知識も浅い自分ですが、絵画を見るのは好きなので、非常に面白かったです。ただ、事実に即したフィクションは難しいです。ゴッホを巡る出来事は史実通りなのですが、林忠正は実在の人物ながらゴッホと接点があったのか不明。加納重吉に至っては架空の人物です。何が事実で何が創作なのかは、知っている人にしか分かりません。新田次郎の山岳小説に関し一部に批判があるのも、似たような感じかもしれませんが、セミ・ドキュメンタリーは読者の素養・知識も問われます。
 
 
 
 
山 域
佐渡島 ドンデン山・金北山
日 程
2025年5月24日(土)~9日(日)
メンバー
単独
天 候
24日・曇りのち小雨、25日・雨
コメント
天気が悪いのは見えていたのですが、新幹線・佐渡汽船・ドンデンライナーなど色々予約していましたし、何よ人気のドンデン高原ロッジも取れたので強行することにしました。結果、雨は雨でしたが、良い山だということが分かったので、佐渡金山や朱鷺と併せてもう1度来たいと思います。
13:15 ドンデン高原ロッジ
朝5時起きで新幹線に乗り新潟へ。そこからバスと佐渡汽船、ドンデンライナーを乗り継いでドンデン高原ロッジに到着。ロッジを予約する時は、ギリギリで雑魚寝部屋を確保できたのですが、ドンデンライナーはガラガラ。「なんで?」と思ったら、クラブツーリズムさんなどツアーでかなりの部分が押さえられていたようです。
荷物の一部をロッジに置いて、雨が降る前に出発です。ドンデン山・尻立山までは緩やかな道を少し登るだけ。雨具を着ないで行きましたが、早々に雨がパラつき始めました。
13:30
尻立山
ガスが濃いとはいえ、何とか金北山が見えます(ドンデン高原ロッジからも見えましたが)。目を南に向ければ、両津港と佐渡島特有の形状を感じさせる湾の形も分かります。
そのまま山頂を越えてドンデン池方面へ。赤い屋根のドンデン避難小屋が見えます。小屋に向けて少し下るだけ。ここもそんなに距離はありません。
13:50
ドンデン池
草原と、ドンデン池に降る雨の波紋、その向こうにドンデン避難小屋。なかなか絵になります。池からぐるっと周遊コースを歩こうかと思っていたのですが、雨が降っていることもあり尻立山山頂を経由してロッジに戻りました。
14:20 ドンデン高原ロッジ
ロッジの夕飯は18時から。それまで本を読んで過ごします。雨はまだ大したことないようですが、霧が流れています。そして、有名なロッジの夕飯、バイキング形式ですがなかなか美味しかったです。カレーも含めて食べ過ぎました。
自分が泊った雑魚寝部屋。普段はプラネタリウム室だそうですが、ここに泊ったのは7人(8名定員ですが、1名はキャンセルされた模様)。このうち3人がクラツーのガイドさん、1組がガイドさんと登山者のペア、もう1人が私同様の単独行者。ツアー参加者の技量や体調、コースや天候を加味したガイドさん同士の翌日の予定の検討の様子が面白かったです。
―――(ドンデン高原ロッジ 泊)―――
7:10 ドンデン高原ロッジ
夜半にかなり雨と風が強かったようですが、起きてみると雨は多少降っているものの、風はあまりありません。ただ、ガイドさん曰く、9時~10頃から風が強くなるので、真砂の峰を早めに越えたいとのこと。それもあって、美味しい朝食を頂いた後、一番手で出発しました。
雨に加えて気温も結構低かったので、上下とも雨具を着て、中には薄いダウンも着込みました。15分ほど車道を歩いてから登山道へ。時々、夏道と残雪期ルートが分かれていますが、時間が短くて済む残雪期ルートをチョイスします。
7:35
アオネバ十字路
ほどなくアオネバ十字路に到着。歩き始めてみれば身体が温まるのは早く、ここでダウンを脱いでザックの中へ。
ここまで少し下降気味でしたが、ここからは登り基調ながらゆっくりと樹林帯の中をアップダウン。雨のせいか登山道もぬかるんでいます。マトネの手前は登りが続きます。結果的には、ここが一番長い登りだった気がします。
8:10
マトネ
楽樹林帯を抜け、マトネに出た瞬間、風を感じました。まだ風が強くなるには早いと思うのですが・・・。再び樹林帯歩き。登山道の横には、カタクリ、シラネアオイ、オオイワカガミ、ショウジョウバカマなどが群生しています(後で名前を調べました)。これらの花を見に金北山に来る人も多いそうですが、特に花に興味のない自分でも自然に目に入るくらい、そこら中に花が咲き乱れています。
8時40分頃でしょうか。小股沢のコルの辺りからは樹林帯を抜け、急に風が強くなります。飛ばされるような強風ではないし、細い尾根道ではないので危険を感じることはありませんが、雨が完全に右から吹き付けており、メガネが水滴で見にくいです。
9:10 真砂の峰
「早めに真砂の峰」を越えたいとは聞いていたものの、ここを越えても樹林帯に入るわけではなく、半分くらいは吹き晒しの稜線です。前方に見えるはずの金北山や左右に見えるであろう海も全く見えまず、ただアップダウンを繰り返します。1点失敗に気付いたのはザックカバー。ザックに最初から着いているタイプのカバーなのですが、ゴムの弾力で装着するだけのタイプなので、今回のような強風では簡単に外れてしまいます。次回、対策が必要そうです。
10:20 役の行者 分岐
役の行者の分岐でまたも失敗。夏道コースと残雪期コースに分かれており、ここは楽そうな夏道コースを選んだのですが、雪が多くて進めませんでした。「残雪期コース」の意味は、夏道コースが残雪で通れない時期のためのルート、ということにこの時初めて気付きました。
仕方なく分岐まで戻って残雪期コースへ。いよいよ最後の登りが近付いています。雨でどこまでが池か分からなくなった「あやめ池」を過ぎてしばらく歩くと、突然、急斜面が一面雪。トラロープが張ってあったので安心して通れましたが、ここはちょっと危ないです。トラロープもよくしなる木の枝に結んであったので、あまりテンションを掛けないよう、基本はキックステップです。さらにその先しばらくは雪道。標高がそんなに高くないとはいえ、5月の新潟の山はまだ雪なんですね。花の季節と聞いて勘違いしていました。
11:20
金北山
雪を抜けて少し登った所が山頂です。昔のレーダー基地があるそうですが、霧が濃くて全容が見えません。かつ強風と雨で寒くて留まっていられないので、神社の写真だけ取ってそのまま下山にかかりました。
山頂から白雲台までは自衛隊が所有する道路(舗装道路または砂利道です)。登山的には情緒もへったくれもないのですが、日本海に浮かぶ島だけに色々な防衛上の理由があるのでしょう。時間帯も影響したのかもしれませんが、今回歩いている中ではここが一番風が強かったです。強風に煽られて真っ直ぐ歩くこともできません。これで風速何メートルくらいなんでしょう。ガスで何も見えない中、風と雨に翻弄されながら白雲台まで下ってきました。
12:30 白雲台
白雲台には、スタッフさんがいる無料休憩所があり助かりました。そこで全て服を着替え、バスが来る16時半まで食事をしながら待機。と思っていたところ、14時頃老夫婦が下山され、電話でタクシーを呼んでいるではありませんか!? これはチャンスと思い、ご夫婦にお願いして両津港までタクシーを相乗りさせて頂きました。お陰で1本早い佐渡汽船ジェットフォイルに乗れ、帰宅時間も23時半予定から2時間ほど早まりました。翌日も仕事だったので、大変助かりました。ありがとうございました。
山は本連れ
資格試験に無事合格し、今回のお供は真保裕一さんの『ローカル線で行こう!』です。あらすじを見ていたので、昔の真保作品のようなハードボイルドやミステリー調でないことは分かっていたのですが、違う意味で想像を上回っていました。銚子電鉄みたいなアイディア勝負の鉄道再生物語をイメージしていたのですが、単なるエンターテインメント小説、優れた企業小説というだけでなく、自身の人生を賭けた女性社長や、役所からの出向者の意識改革など人間の生き様を描きつつ、ちゃんとドンデン返しも仕掛けているというテンコ盛りの作品でした。
 
 
 
 
山 域
老伯耆大山
日 程
2025年4月27日(日)(前泊)
メンバー
単独
天 候
晴れ
コメント
鳥取県米子駅まで電車でGo! 飛行機は融通が利かないですし、「旅」としての気持ちの高まりに欠けるので、自分は電車で出かけるのが好きです。今回も、登山としては日帰りですが、旅行としては1泊2日。関東から東海道新幹線とやくも、さらにバスを乗り継ぐこと約8時間かけて現地へ。この時間が至福です。登山前日の晩は、大山黒牛の炭火焼きを堪能。万全の気持ちで登山に臨みます。
6:20 宿(大山寺) 
登山後に温泉に入るため、早めに出発。モンベル横の橋で朝靄に煙る大山を眺めてから、いざ夏山登山道沿いに出発です。登り始めて30分強は、真っ直ぐに階段状の道を登ります。そこから多少ジグザグしつつも、引き続き階段状の登山道。100m15分程度の適度な登りが続きます。早春の土日とあって、登山者の数も結構多いようです。
7:25
行者谷登山道分岐
分岐を過ぎた辺りから少し雪が混ざり出始めます。下山してきた人に聞くと、五合目と六合目の間からはそれなりに雪があるとのこと。先行者がアイゼンを付けていたので、自分も倣って装着。そこからわずか5分で、六合目の避難小屋に到着しました。
7:40
六合目避難小屋(~7:45)
小屋の前からは、船上山や大山スキー場越しに日本海が見えます。小屋の横にある登り坂、結果的にはここが一番傾斜が急な雪道だった気がしますが、ここを慎重に登ります。雪とはいえ春の雪なのであまり締まっていません。アイゼンも無いよりはマシという程度の利き具合ですが、それでもアイゼンなしはオススメできません。しばらく、雪道と砂利の登山道が交互に続きます。左手に大山の弥山と剣ヶ峰が見えることで、気分も上がります。雪は八合目で終了。ここでアイゼンを外し、そのすぐ上から木道が始まります。
8:30
木道
植生を守るために作られた木道。比較的新しい感じですが、アイゼンの傷が着いてしまっているのがちょっと心配。木道は緩やかな登りで頂上へと続いています。山頂稜線に当たるのか、木道を歩き始めてからは風が強く、長袖1枚では少し寒いくらいです。
8:45 弥山 山頂(~9:00)
中国地方最高峰の山頂からは遮るもののない景色。石で出来た「大山頂上」の標識の向こうには、立入禁止とされている本当頂上・剣ヶ峰が見えます。実際、行って行けないわけではないそうですが、無理は止めておきましょう。
山頂を堪能したら、来た道を戻ります。八合目で再度アイゼンを装着し、愚図り気味の雪の上を慎重に下ります。まだまだ登ってくる人も多いため、擦れ違いの待ち時間も長くなりますが、まぁノンビリ行きましょう。
10:05
行者谷登山道分岐
分岐で右に折れ、行者谷登山道へ。こちらの方が少し傾斜が急なようですが、右手に大山の峰々が見えるため、これはこれで良い感じ。そして、このルートのメインイベントは、元谷避難小屋からの北壁展望です。この日は雲ひとつない快晴。青い空、白い雪と緑の木々が鮮やかに見える、瀬音の響く河原で休憩。堰堤が玉に傷ですが、上高地を思い起こさせるような癒しの景観に20分以上もボーっと寛いでしまいました。これは良い!
展望地帯から大神山神社奥宮までは、沢沿いを20分ほど下るだけ。大山寺まで観光に来られる方は、ここまで足を延ばしてはいかがでしょう。
11:05
大神山神社奥宮
奥宮からは、大山寺まで参道を歩いて下るだけです。思ったよりも早く戻ってくることが出来ました。大山、素敵な山ですね。
11:30 大山寺バス停
15時20分のバスまで4時間弱。豪円湯院でノンビリと過ごし、大山自然歴史館を見学。昼食にお蕎麦を頂き、お土産購入と贅沢に時間を使いました。満足です。
 
 
 
 
山 域
石老山
日 程
2025年4月5日(土)
メンバー
単独
天 候
晴れ
コメント
折角天気も良いので山へ。ハイキングみたいなコースですが、最近温泉が気に入っているので、石老山から藤野やまなみ温泉まで足を延ばすことにしました。
朝一、電車内で腹痛を催し、八王子でトイレへ。その影響で、中央線を1本・40分ほど遅らせることとなってしまいましたが、全く影響ありませんでした。
9:30 石老山登山口バス停
相模湖駅から登山口に向かう神奈中バスは、満員で通路まで埋まるほど。そのメインはさがみ湖MORIMORIへと向かう親子連れですが、石老山登山口で降りた登山者も20数名いました。団体さんが多いようなので、いち早く出発です。
車道を15分ほど歩いたら、右手にある駐車場を抜けて登山道に入ります。すっかり春の気候。気温も高めですが、2週間前にキンダン川に行った時と比べると、スギの花粉にあまり反応しませんでした。そろそろ私の花粉の季節も終了なのかな。足元を水流が流れる緩やかな登山道を登り、傾斜が幾分急になっている登山道を登りきると顕鏡寺です。ここまでは車で来るルートもあるようです。
10:00
顕鏡寺
お寺さんの前を通って再び登山道へ。顕鏡寺の手前から八方岩の先までが、巨岩のメイン地帯です。それぞれ説明の書かれた看板が立っています。途中、「桜道ルート」への分岐があり、展望と桜が楽しめるのですが、八方岩を優先して左手のコースへ。巨岩、景色、花々・・・色々見ながら楽しんでいるうちに、気付けば頂上に着いていました。
10:50
石老山(~11:00)
石老山の山頂にはテーブルとベンチがいくつもあり、皆さん思い思いに休憩しているようです。南側と思しき方角は、木々の間から展望が開けており、丹沢の山々が見えます。蛭ヶ岳あたりはまだ雪が残っているようですね。小休止したら下山にかかります。
石老山はピストンで登るか、大明神展望台経由で降りる人が多いようですが、今回はやまなみ温泉に行くため、篠原を目指します。こちらのコースを歩いて下っている間、誰にも会いませんでしたが、登山道はちゃんとしています。山麓に辿り着くと、そこはのどかな山村。お散歩中のお婆さんに話しかけられ、翌週のお花見に誘われました(笑) お花見に良い季節です。
11:40
中村橋バス停
あとは温泉まで車道を歩くだけ・・・と思って何も調べてこなかったのですが、実はそこそこ登りがありました。バイクのツーリング、サイクリストなど休日を楽しむ人たちと擦れ違い、追い抜かれて歩くこと1時間以上。ようやく温泉に到着しました。
12:50 藤野やまなみ温泉
やまなみ温泉は源泉かけ流しですが、そんなに熱くないです。特にこの時期の露天風呂は、適度な外気温と庭に咲いた桜の花で、露天風呂が快適です。温泉、風呂上りのビールを2時間ほど楽しんで、本日の山行は終了です。
山は本連れ
資格試験の勉強を始めまして、電車の中で勉強してました・・・。
 
 
 
 
山 域
キンダン川
日 程
2025年3月22日(土)
メンバー
単独
天 候
晴れ
コメント
前々から行こうと思っていた先で、シーズン的にはギリギリ間に合うかなと思って今回計画。蛭はいなかったのでOKだったのですが、調べて見たら、鴨川コミュニティバスがいつの間にか廃線になっていました。なので、今回は車です。実際行ってみたら、思っていた以上に近かったです。アクアライン、さすがです。木更津東ICから亀山湖経由で下道を1時間ほど走って、白岩橋付近の道路脇スペースに車を停め、沢登り用の身支度をしたら出発です。
7:45 白岩橋付近
入渓点までは国道81号線を歩きます。地理的には外房・安房天津駅の方が圧倒的に近いのですが、清澄山付近が源流なのか、来た道を戻る形となります。途中、左手にピンクリボンがあり、そこから小櫃川をショートカットする形でキンダン川出合近くに降りられるようなのですが、後で下から見た感じでは、かなり急な下りのようです。
歩くこと15分、左側に小櫃川が見下ろせる地点、札郷トンネル手前の左側に川へ降りるコンクリートの階段があり、その一番下から入渓します。なぜ、こんなちゃんとした階段が・・・。
8:00
入渓点
小櫃川は緩やかなナメの川。宮崎県青島の「鬼の洗濯岩」を小規模にした感じのゴツゴツした岩が並んでます。所々にポットホールがありますが、そこ以外に深い所はなく、ズボンの裾が軽く濡れる程度で歩けます。緩やかな流れの中をノンビリ歩いていると、ふと気付くと左岸から小さな川が合流。ネットで見た3年前くらいの遡行記録の写真には「キンダン川」という手製の木札が木に結び付けられていたのですが、それが見当たりません。でも、ここが出合・・・のようなので、右へと進路を変更します。
8:20
キンダン川出合
キンダン川に入ると、元々少ない水量がさらに減り、川幅も狭くなります。所々に倒木も見られますが、沢登りの人が越えていくのか、同じ辺りがツルツルしています。キンダン川前半は、基本的に河原歩き。時々、川にジャブジャブ入ってみたりしますが、浅いです。滝も全くなく、傾斜が緩やかなので登っている感もありません。
8:35川廻し通過。こんな山奥の川をショートカットって、一体何のためにやったのでしょう。時折、左岸から細い水流が合流します。川の両側は切り立ってはいないものの、基本、谷底を歩いていきます。途中、右手から「ズザザザッ!」っと音がしたので、「落石か!?」と思って振り向いたら、鹿が2匹駆け降りてきました。どうやら人間の存在に気付いていなかったようで、こちらがビクッとした動きで初めて気付き、鹿も慌てて駆け上がっていきました。
9:10に廃屋(遡行図によっては、ポンプ小屋とか炭焼き小屋と書かれています)を過ぎ、蛇行する沢沿いにしばらく進むと、急に沢床がナメに変わり核心部に入ります。
9:45
ゴルジュ&ナメ沢
切り立った狭い崖の間を流れるナメ沢。崖からは何層にも重なる地層の様子が見て取れます。普通に考えたら水流に削られてゴルジュが形成されたのでしょうけれど、目の前の水の量を見ると、大雨や台風の時でない限り岩が削れそうにもありません。不思議。
所々に小さな滝があり、滝壺に当たるトロ(淵)のところだけ水深が深くなっています。でも、端の方が浅かったり、横をへつったりできるので、靴は濡れるもののズボンはほとんど乾いたままです。へつる場合、先人の足跡が分かるくらいに、岩が凹んでいます。ほぼ危なくない沢登り。単なる水遊びみたいで楽しいです。
10:15 大トロ
正確な場所が表現できないのですが、ゴルジュ帯の中ほど緑の回廊前後あたりに両岸ともへつることのできない大きめのトロが登場。深さは定かでないものの、念のためウェストポーチを外してリュックの中に閉まってから遡行。結果的には、膝上10cm程度で腰まで水に浸かりませんでしたが、今回のコースの中ではここが一番深い場所でした。
さらに進むこと30分弱。水流がさらに細ってきた所で、見逃す心配がないくらいハッキリとしたピンクリボンが括りつけられており、終了点だと分かります。
10:40
終了点
終了地点から左に50mほど登り、その後アップダウンを繰り返しながら国道81号線を目指します。当初はピンクリボンが小まめに付いているのですが、次第に少なくなってくると、意外とルートが分かり難いです。東京大学の敷地らしく、立て看板とともに池ノ沢歩道とか小屋ノ沢歩道といった案内も出て来ますが、地図アプリを睨みながら適当に進んでいくとやがて民家の裏にぶつかり、国道へと出ました。
11:15 国道81号線
キンダン川は両岸がそそりたっていたので意識していなかったのですが、広い所に出てみたらこの日は天気が良くて気持ちいいです。濡れた靴を乾かしながら、国道沿いをテクテク。車を停めた場所まで戻って、今日の遡行は終了です。
12:00 白岩橋付近
山は本連れ
今回は車だったので、読書はありませんでした。
 
 
 
 
山 域
三条の湯
日 程
2025年3月8日(土)~9日(日)
メンバー
単独
天 候
8日・曇りのち雪、9日・晴れ
コメント
目的は山ではありません。湯です。目的地は宿です。三条の湯の経営が代わるらしい・・・という話を聞いて、行ってみることにしました(初めてですが)。噂に違わぬ素敵なお宿。経営が代わって値上がりするのは、このご時勢ですから仕方がないにしても、この雰囲気は変わらずにいて欲しいものです。
10:15 鴨沢西バス停
天気予報が「雪」だったせいか、いつになく空いている奥多摩駅。午後から翌日にかけて、計画運休するかもしれないアナウンスしています。それを無視して、駅からバスで鴨沢西バス停へ。本当はサオラ峠越しに行くつもりでしたが、雪予報でノンビリ旅に変えました。
鴨沢西からお祭りバス停を経由して林道へ。しばらくは、緩やかな林道を歩きます。斜面に雪が少し残っている程度ですが、雪が近付いているとあって肌寒いです。
11:10
片倉橋
ゲートが閉まっており、自動車はここまで。橋に名前が書いてありませんでしたが、地図アプリによると、これが片倉橋のようです。ゲートの脇を通って先へ進みます。道路は基本砂利道ですが、所々、舗装されていたりします。途中、11時半頃に黒滝橋と書かれた橋を通過しましたが、この辺から、道路が雪に埋もれるようになってきました。
塩沢橋までの間で怖かったのは落石。左手の山側が急斜面になっており、時々、岩や砂が転がる音がします。道路には石がそこかしこに転がっており、大きいものは人の頭くらいあります。実際、行きの1度、帰りに1度、拳大の石が近くに落ち、怖い思いをしました。車両通行止めになっているのも頷けます。
11:50
塩沢橋
目印の塩沢橋を通過。ここを過ぎたあたりから、山側に落石を防ぐための金属製の網が設けられており、歩いて居ても安心感が違います。ちょうど昼過ぎ、雪が舞い始めました。足元は以前降った雪が積もっており、その上に林道終点まで車の轍が続いています。三条の湯用の軽トラの跡のようです。
13:10頃、ようやく林道終点に到着しました。ここからは登山道です。実は、標高差500m近くを登っているのですが、傾斜が緩やかなせいか全然登っている感がありません。登山道に入ってからも急斜面はなく、かなり低い所を流れている川を眺めながら、ゆっくり歩くだけです。念のためアイゼンを持ってきましたが不要でした。一度も息を切らすことなく、休憩なしでただ歩いているだけで、三条の湯に到着です。これは楽。
13:50 三条の湯
雪のせいか、宿泊客は大部屋10人。たぶん、普段より少ないと思われます。しかも、大半の方が既に到着され、寛いでいました。私も早速温泉へ(正確には鉱泉のようです)。狭いお風呂ではありますが、3時間半歩き、雪景色を眺めながらの温泉はとにかく気持ち良いです。
お風呂の後はビールを飲んで読書タイム。いやいや至福ですねぇ。そして、ここの名物の一つはご飯です。夕ご飯、朝ご飯とも、お洒落な木のプレートに並べられた自然の恵みの数々。普段、そんなにお米を食べない自分も、自然と食が進みます。
―――(三条の湯 泊)―――
6:15
三条の湯
夜間にかなり雪が降る予報でしたが、それほど降らなかったようです。雪景色が多少濃くなっていますが、昨日と同じ、静かな風景。今日はバス停まで降りるだけですが、朝食が5時半ということもあり、早めの出立となりました。前日とはうって変わっての快晴。雲取や飛龍に向かった方は、絶景を堪能していることでしょう。私は重力に従って下山しました。
ちなみに、帰路、福生で途中下車し、ここ数年はまっているホットドッグ、福生ドッグを頂いて帰りました。
9:00
鴨沢西バス停
山は本連れ
以前読んだ原田マハさんの作品が素敵だったので、今回は美術ものではないものの、同じ作者の『キネマの神様』です。自分も、学生の頃(遠い目をする・・・)映画にはまった時期があったので、とても面白く、楽しく読みました。私の大好きな作品の一つにも触れられてました。原田さん、映画大好きなんだろうなぁ。
 
 
 
 
山 域
鶏冠山・大菩薩嶺
日 程
2025年2月15日(土)~16日(日)
メンバー
単独
天 候
15日・晴れ、16日・晴れのち曇り
コメント
近場で、景色が良くて、ゆっくりできるところはないかな~と思って選んだのが、大菩薩嶺&丸川荘。富士山がよく見える大菩薩嶺は3回目。折角なので今回は鶏冠山にも寄ってみました。そして、2回目の丸川荘。経営は只木さんから代わり、朝のとろろ飯はなくなってしまいましたが、相変わらず、素朴で落ち着けるランプの宿でした。
9:15 柳沢峠
塩山駅からバスで・・・という計画でしたが、時刻表の注意書きをちゃんと見てませんでした(;;)。柳沢峠まで入るバスは4月からで、2月は大菩薩峠登山口バス停まででした。登山口から歩くわけにもいかず、豪勢にもタクシーを使ってしまいました。7200円です。痛い!柳沢峠までの車道は、道路脇以外に雪はありませんでした。
峠から歩き始めると、雪がまばらだった登山道がすぐに凍結した雪の道に。かなり前に降った雪についた踏み跡が、そのままの状態で凍っています。念のため、アイゼン装着。しかし、陽の当たる場所では雪が無かったり、場所によっては厚めに雪が積もっている場所があったりと状態はまちまち。結果的に言えば、傾斜も緩かったのでアイゼンなしで大丈夫です。
六本木峠で左に折れ、そこからしばらくはアップダウンがあまりない道。シャクシャクという雪を踏みながら歩きます。新横手山峠手前で車道を横断します。
10:40
横手山峠
ここで道を間違えてしまいました。横手山峠だと勝手に勘違いして右折したのですが、実はそこは手前の分岐で、黒川金山跡へ向かう道でした。かなり行き過ぎてから気付いたので、戻ってくるまで40分もロスしてしまいました。本当の峠は、分岐からわずか20m先にありました。そこから30分。意外と雪の少ない道を30分弱登ると鶏冠山に到着です。
11:45
黒川鶏冠山・見晴らし台(~12:10)
鶏冠山からの眺めは疎林に遮られていますが、3,4分歩いた見晴台からの景色は抜群です。歩いてきた方向を見ると大菩薩嶺の右に富士山。反対側を振り返ると、笠取・飛龍などの秩父連峰。右端に、かろうじて雲取山が見えます。
しばし景色を堪能してから、歩いてきた道を戻ります。朝一は寒かったのですが、日中は日差しもあり、また歩き続けているせいもあって暑いくらいです。絶好の天気ですが、バスが入らないせいか、ここまで誰一人登山者と出会いませんでした。
13:10 六本木峠
六本木峠から天庭峠、寺尾峠、丸川峠とアップダウンの連続。実はこのルート、北から南へと向かっているため、峠を過ぎて北斜面を登っている間は深い雪、南斜面を下る際はまだら雪という状態。夏場は岩の多い苔道なのか、所々道が分かり難い箇所があり迷いそうでした。途中、単独行の登山者と擦れ違いましたが、その方のトレースがあって助かりました。樹林帯から突然目の前が開けたと思ったら、青いトタンの丸川荘です。
14:40
丸川荘
食堂と寝床1部屋だけのシンプルな山小屋。電気もガスも水場もなく、自然光と薪ストーブの暖かさだけです。オマケに電波も入りません。夕飯はキーマカレー、朝食はご飯にお漬物や佃煮などだけ。夜はランプ、部屋には豆炭コタツ。この素朴な時間が、普段の生活の有難さを実感させてくれます。この日は貸切だったので、平日は下界で働いているという小屋主さんと色々なお話をしました。楽しかったです。ありがとうございました。
―――(泊)―――
7:30
丸川荘
朝はガスがかかっていて日の出も富士山も見えませんでした。出発時からアイゼンを着けて登山開始。吹きっさらしの西側斜面は凍結していましたが、樹林帯に入ると堅く固まった雪。アイゼンなしでもいけそうです。小屋と山頂の標高差は400mくらいあると思うのですが、全く疲労感を感じることなく山頂に到着しました。
8:50
大菩薩嶺・雷岩(~9:25)
山頂は展望がないのですが、そこから徒歩5分にある雷岩からの景色は絶景です。特に、樹氷のように雪が付いた木々越しに見る富士山には惚れ惚れします。そこで30分以上も寛いでしまいました。
ここからは南面を下ります。上部は融けた雪でぐちゃぐちゃの泥、中盤は所々凍結(アイゼンを外していたせしもあり、一度、ズッコケました)、下の方はまばらな雪。太陽の威力を思い知らされます。
10:15 上日川峠
冬場は甲斐大和駅からのバスが来ていないので、大菩薩峠登山口バス停まで歩きます。このシーズンしか登山者が通らない登山道。落ち葉が多く、ふかふかしています。下りの標高差1,000m以上なので足が疲れます。大菩薩峠登山口バス停到着の15分後くらいのバスがあったのですが、折角なので大菩薩の湯に立ち寄りました。滑らかな軟水ですが、一番気に入ったのは熱くないこと。熱いお風呂が苦手な自分は、折角温泉に入ってもすぐ出てしまうのです。このぬるい湯なら、長時間浸かれます。
11:50
大菩薩の湯
山は本連れ
今回は『僕は何度でも、きみに初めての恋をする。』(沖田円)です。「博士の愛した数式」、「掟上今日子の備忘録」のような記憶障害のお話。素敵で切ないラブストーリ-なので、温かい気持ちで読めます。ただ、現実的になって将来のこととか考えてしまう、ちょっと暗くなるかもしれません。あくまでファンタジー、寓話として読むと良いかもです。
 
 
 
 
山 域
仙元山・鷹取山
日 程
2025年2月1日(土)、日帰り
メンバー
単独
天 候
曇り
コメント
今回は三浦半島の山。ひとつひとつの山は標高が低く、単独で登るだけなら簡単なので、少し歩こうと思って仙元山から二子山、鷹取山へと縦走するコースにしました。
9:30 風早橋バス停
逗子駅前から衣笠駅行きバスに乗車。本数もそれなりにあるので、あまり待ちまません。乗ること10分強、風早橋バス停で下車します。そのまま134号線を進み、葉山隧道手前で右へ。木下交差点で急旋回(?)し、葉山教会方面へ。ここから登りです。教会の左側に細い道があり、そこからは土の登山道のようです。仙元山までは登りですが、時間的にはあっという間です。
9:45
仙元山
山頂からは本来富士山が見えるはずなのですが、この日は生憎の曇り空で江ノ島までしか見えません。しばし眺めた後、その奥のソッカ山へ。標高差だとたかが80mの登りですが、階段調の登山道をアップダウンするので意外と疲れます。10時15分にソッカ着。ここまではお年寄りが多く(あまり他人のことを言えませんが・・・)、ここで引き返すパーティもいました。
ソッカから長柄方面への道は仙元山ハイキングコースから外れ、登山地図でも破線になっているものの登山道はしっかりとしており、ピンクテープもこまめに付けられています。下りの山道を15分ほど歩くと、一旦車道にでます。そこから5分で、今度は阿部倉山登山道に入ります。ここもゆっくりとした登りで、15分ほどで山頂に到着します。
10:50
阿部倉山
阿部倉山は展望がなく、早々に二子山へと向かいます。三浦半島の山が全般的にそうなんだろうと思いますが、小さな裏山が連なっており、登山道と町とが近い印象です。登山道を歩いていても、鳥のさえずりや風が草木を揺らす音がして自然を感じられる一方で、子どもが遊ぶ声や車・電車の走行音、旋盤の音などが同時に聞こえてくる不思議な空間です。下・二子山を含むアップダウンを経て、少し開けた上・二子山に到着します。
11:30
二子山(~11:45)
山頂には展望台が設置されており、ここに登ると横須賀港や三浦半島がよく見えます。この週末は寒気が入り込んでおり、朝方は恐らく氷点下だったと思うのですが、歩いているうちに温かくなり、太陽が雲間から顔を出した昼頃には気温も上がったようです。
二子山から鷹取山へ向かうため、一旦、東逗子駅を目指します。途中で一度道を間違えて15分ほどロスしてしまいましたが、12時50分過ぎに東逗子駅を通過。ちなみに、仙元山周辺はお年寄りが多かったと書きましたが、二子山は若者・外国人、特にトレランの人が目立ちました。20人近いトレランチームに抜かれたのにはちょっとビックリです。
駅を過ぎてしばらく歩いたら右へと折れ、神武寺を通過して鷹取山へのコースへ。この山に入ったら、途端に白っぽい岩が続くようになりました。石灰岩かと思ったら、どうやら凝灰岩らしいです。考えてみれば、石切場の跡がクライミングゲレンデとして利用されているわけなので、鷹取山全体が凝灰岩で出来ているのでしょう。どこの火山灰?
山頂直下のクライミングゲレンデまでは40分ほど。最後に階段を登れば山頂に着きます。生憎の天気で富士山は見えませんでしたが、山頂からは360度見渡せます。山頂から、メインのクライミングゲレンデは見えませんが、他にも2つほど登れる場所があるようです。もっとも、「岩登り禁止」の立て看板があり、公式ベースでは登ってはいけないようですのでご留意下さい。
13:45
鷹取山(~14:00)
クライミングゲレンデ一帯は鷹取山公園と呼ばれており、追浜側からだと簡単に登れるためか、元気な子どもを連れた家族連れもたくさんいました。クライマーが登る岩場と子どもが遊ぶ岩場は分かれているようです。
公園でしばし休んでから下山へ。途中、見事な磨崖仏を眺め、石の階段を降りていくとあっという間に車道に到着。そこから追浜駅までの道の方が長かった気がします。
14:45
追浜駅
山は本連れ
今回は東野圭吾さんの「赤い指」。作品はもちろん素晴らしく、東野さんは天才だと思う次第ですが、読んでいる最中に時々首を傾げてしまいました。「あれ?この作品、読んだことある?」。家に帰って確認したところ、案の定、もう1冊持っていました。どうやら、読むのは2回目だったようです。蔵書数を数えたことはないのですが、たぶん2千数百冊はあり、その半分は自炊(電子化)状態。山の本以外は大半が自炊済みなのですが、東野作品を数えたら72冊ありました。今までも何度か、同じ本を買ったり、同じ本を読んだりしているのですが、蔵書リストと読んだ本リストを作らないとダメですね。でも、2回目でも面白かったです。
 
 
 
 
山 域
三方分山・パノラマ台
日 程
2025年1月11日(土)、日帰り
メンバー
単独
天 候
晴れ
コメント
ここ数年、恒例行事となっている感のある冬富士を見る山旅。今回は、精進湖畔から三方分山へと登り、パノラマ台へと抜ける楽チンコース。
まずは反省から。最近、JRの特急は全席指定が多いのに、予約するのを忘れてました。結局、大月までのあずさと、その先の富士回遊号とも立って乗ることとなりました。まぁ、乗れれば良いけど。
10:30 精進バス停
河口湖駅から富士急の富士周遊バスに乗車。お馴染みの、コンビニ(ローソン)と富士山が一緒に撮れるスポットの混雑ぶりを横目で見ながら精進バス停へ。降りたのは自分1人だけでした。この週末は、日本海側が大雪に見舞われるとの予報になっており、東京でも雪が降るかも・・・と言われる寒さだけあって、精進湖畔の気温も0度近い感じです。
バス停から「中道往還」沿いの家々を見ながら登山道へ。沢沿いの堰堤を越え、ゆっくりと登っていきます。途中で沢から離れますが、基本的には緩やかな登りです。女坂峠(阿難坂)で左に折れます。標高差約500mを1時間半ほどで登る道。意外と楽です。
11:50
三方分山(~12:20)
気付けば山頂。途中、富士山が木々の間から見えないわけではなかったのですが、山頂は左側の一部だけ展望が開けており(木を切った?)、そこから美しい富士と下方に精進湖が見えます。ここで軽く昼食。
三方分山頂を過ぎ、5分強くらいで精進山を超えると、100数十メートルを一気に下ります。今回のルートの中ではここが一番の急坂ではないかと思います。精進峠、根子峠と軽いアップダウンを繰り返しつつ進みます。3連休にわざわざこんなマイナーな山に来る人なんていないと思っていたのですが、ちらほらと擦れ違う人、追い抜く人がおり、合計すると10数人に出会った気がします。
13:30
パノラマ台(~13:50)
根子峠から少し登り、平坦な稜線をしばらく歩くと、突然、絶景のパノラマ台に到着します。それはもう唐突に絶景が広がるので、やってくる誰もが思わず声を上げてしまいます。青木ヶ原樹海越しにドーンと鎮座する富士山。真っ青な空。わずかに浮かぶ白い雲。何度見ても、富士山は惚れ惚れしますね。バスの時間まで余裕があったので、20分以上ぼんやりしていました(実際は、あと20分くらい居ても大丈夫でした)。
本当は中ノ倉峠まで行きたかったのですが、バス便が限られており、今回はここで下山。パノラマ台からバス停までは40分ほど下るだけです。逆に言えば、ここから登れば、手軽に絶景が味わえます。とはいえ、家からバス停まで3時間半くらいかかるので悩ましいです。
14:30
パノラマ台下バス停
バス停には外国人カップルが1組。帰りの富士急行線内もそうでしたが、富士山周辺は外国人の方が多いです。今日みたいに富士山がよく見える日に来た方はラッキーですね。
山は本連れ
今回は市川優人さんの「ジェリーフィッシュは凍らない」です。飛行船という特殊な密室を舞台にした、新たな「そして誰もいなくなった」ミステリーです。いかにもという感じのフーダニット、ハウダニットミステリー、好きです。その面白さもさることながら、航空力学とか、新素材による真空気嚢とか、専門知識がないので分かりませんが、読者に信じさせるだけの知識と描写にも感心します。こういう人って、どういう頭してるんでしょうね。