夏休みです。飯豊連峰にも行きたかったのですが、今回は朝日連峰へ。実は、拙山行記録のひとつめにも書いた通り、34年も前に大鳥池まで出かけており、超久しぶりの朝日連峰です。 |
23:10 | 池袋駅→鶴岡→泡滝ダム |
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庄内交通の夕陽号で鶴岡駅へ。深夜バス夕陽号は、横3列なので隣に人がおらず、またトイレ付のため途中休憩などもなし。爆睡できます。
鶴岡駅は、去年月山・鳥海山へ行った際も使った駅でした。鶴岡駅からバスとハイヤーを乗り継いで泡滝ダムへ。ここが車で入れる終点です。 |
9:55 | 泡滝ダム |
| 川沿いに右岸を歩く。七ツ滝沢橋まではそんなに大きな標高差ではないはずだが、この日は東京も山形も真夏日。まだまだ標高の低いこの辺りでは気温も高く、とにかく汗だく。熱中症になりそうな暑さだ。途中、昼食を挟み、こまめに休憩を入れながら吊り橋に到着。 |
11:40 | 七ツ滝沢橋 |
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橋を渡って左岸へ移り、そこから登りも本格化する。引き続き長めの休憩を入れつつ、暑さにへばりながら大鳥池を目指す。初めて大鳥池が見えた場所で34年前の記憶が蘇った。
正直、昔のことは覚えていなかった。今ほど開発されていなかったので、登り始めた場所もだいぶ下の方だったと思うし、あの頃は貧弱な装備で相当荷物も重かったと思う。途中、橋が洪水で流されていた、なんてこともあった。で、結局当時は、その日のうちに大鳥池に着けず、暗くなってから、登山道が少し広がっていた場所に勝手にテントを張って泊まったのだった。翌朝目覚めてみると、そのテン泊した場所から大鳥池が見えたというオチなのだが、そのテン泊した場所を今回通過した瞬間、「うわっ、ここだぁ」とピンときた。当時の記憶が少しだけよみがえる。な、懐かしい。そこからほんの5分程度で大鳥池に到着する。 |
13:30 | 大鳥小屋(タキタロウ山荘) |
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懐かしの大鳥池着。実は前に来た時はまだタキタロウ山荘は存在していなかったので、懐かしくもなんともない。というか、大鳥池を見ても、こんな感じだったかなぁというのが感想。山荘もそうですが、制水門もなかったし、勝手に持って行ったゴムボートを浮かべて釣りをしたので、もう少し浅かったというのが記憶の中の大鳥池。まぁ、思い出なんて適当なものでしょう。
大鳥小屋は避難小屋なのですが、なぜか管理人さんがいる。ところがこれ、朝日連峰の標準スタイル。どこの避難小屋も管理人さんがいて、食事は出ないものの、雨風がしのげて、トイレも付いてる快適な避難小屋。おまけにビールが買える!熱中症気味の身体にアルコールで水分を補給。たっぷりある午後の時間をノンビリ満喫したのでありました。
夕方16時半頃から突然の雷雨。台風の影響で天候が不安定らしい。 |
―――(タキタロウ山荘にて宿泊)――― |
5:20 | タキタロウ山荘 発 |
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4時10分、まだ暗いなか起床。食事して、準備をしているうちに外が明るくなり初め、5時20分に出発。直登コースの方がかかる時間は短いようだが道が悪いとのことなので、オツボ峰コースを選択。
池畔をほんのちょっと歩いただけですぐに登山道へ。いきなり急登が始まる。この日も世間は真夏日。標高1000mを超えているので幾分暑さは和らいでいるのだろうが、それでも登っていると暑い。暑過ぎる。時折、右手が開けると、稜線と右端に山小屋が見える。後ほど判明したところでは、見えていたのは以東避難小屋だった。
大鳥池から以東岳までは小ピークの連続。暑さでクラクラしてくる。体中汗だく。どれがオツボ峰かよくわからないままひたすら登っていくと、4時間で以東岳に到着。 |
9:25 | 以東岳(〜9:45) |
| 以東岳からは360度山ばかりだが、山の名前はほとんどわからない。遠くに見える尖塔がたぶん大朝日岳。かなり霞んでいるが、ギザギザしているのが鳥海山だろう。足元には、今朝出発した「熊の敷き皮」の形をした大鳥池がよく見える。 |
9:55 | 以東小屋(〜10:30) |
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あまりに疲れたので、少し戻る形になるが、山頂直下の以東小屋へ。以東小屋は壊れており使用不能と聞いていたが、入った感じでは、確かにややカビ臭いものの、十分使えそうに見えた(後で聞いたところでは、壊れた箇所からネズミが入り込んで住みついているそうで、ザックの食料を漁られたり、時には人の上を歩き回ったりで、とても泊まれたものではないそうだ)。疲労と暑さで身体がほてっていたため、30分ほど以東小屋で横になって休憩。何とか元気を取り戻し再出発。
以東岳から狐穴小屋までは2時間強の道のり。コースタイムで見ると、狐穴へ向かう方が逆コースよりもかなり時間が短く、下り基調とのイメージだったがさにあらず。松虫岩や1514mポイント、中先峰などがあり、アップダウンが激しい。この日は疲労困憊で、かなりゆっくりしたペースで歩き続ける。 |
13:00 | 狐穴小屋 着 |
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狐穴避難小屋到着は13時頃。時間だけ見ればコースタイムとたいして変わらないが、到着時はバテバテ。体温上昇と軽い吐き気。これって熱中症じゃん。水分補給をしながら休憩休憩。夜まで数時間、本を読んだりぼーっとしながら過ごした。ちなみに、狐穴小屋にもビールが置いてある。「売ってます」ではなく、「ゆずります」と書いてある。なぜなら、このビールは販売用にヘリで運んだものではなく、小屋番が自分用に歩荷で運び上げたものを分けているもの。もちろん無料ではなく800円取るのだが、自分だったら絶対そんなに安く売らないだろうなぁ。
この日の宿泊客は4人。17時以降は、面白い小屋番を囲んで、お酒とともに談笑。なかなかいい小屋です。 |
―――(狐穴小屋にて宿泊)――― |
5:20 | 狐穴小屋 発 |
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4時に起床し、曇り空、強風、霧のなか出発。この日の行程は大朝日小屋までの稜線歩きなのでたいしたことはない。と言いたいところだが、朝日連峰という山はとにかくアップダウンが多く、そんなに簡単ではない。ただ、以東岳手前くらいからは高山植物も多いため、それはそれで気がまぎれる。
狐穴小屋から緩い登りで北寒江山へ、一旦下ってから寒江山、南寒江山を越え、竜門山に向けて登っていく途中、竜門小屋に立ち寄り。その道すがら、2ヶ所にクマのフンが落ちていた。竜門の小屋番によると、小屋周辺がクマの縄張りの境目になっているらしく、付近には3匹のクマがいるとのこと。そのうちの1匹が前日にも現れたそうで、そのデジカメ画像を見せてもらった。 |
7:40 | 竜門小屋(〜7:55) |
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竜門小屋で800円の缶ビールを購入。というのも、大朝日小屋にはビールがないそうだ。このくらいは自分で運搬しよう。
この日はとにかく風が強く、時々横風に押されて足元がふらついてしまう。一歩、一歩踏みしめて歩く。霧で視界もないため、風に揺れる高山植物を見ながらの歩行。竜門山を越えて下ったら、今度は西朝日岳に向けての登行。ホントに登り降りの多い山だ。 |
9:40 | 西朝日岳(〜10:00) |
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西朝日岳は大朝日岳の展望台。しかし今日は霧が濃く、雲も多い。風の影響で雲の流れが早く、見えそうで見えない大朝日岳の出現をしばらく待ってみたが結局見えず。
仕方なく西朝日岳から下り始めたが、中岳との鞍部で一時的に霧が晴れ、中岳・大朝日岳が姿を現した。きれいな二等辺三角形を描いている大朝日岳が格好いい。
中岳を越え、大朝日小屋の少し下、雪渓の横に金玉水がある。 |
11:30 | 金玉水(〜12:00) |
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朝日連峰は水が豊富だ。しかもメチャクチャうまい。
大鳥小屋・狐穴小屋・竜門小屋いずれも小屋の目の前が水場で水使い放題だが、大朝日小屋だけは水場である金玉水まで少し距離がある。小屋に行く前に金玉水に寄り、竜門小屋で買ったビールを冷やしながら大休止。 |
12:10 | 大朝日小屋 |
| 大朝日小屋に到着後、荷物を降ろすと、そのまま空身で大朝日岳ピストン。 |
12:25 | 大朝日岳(〜12:35) |
| 大朝日岳山頂は霧で何も見えない。記念撮影だけして小屋へ下山。 |
12:45 | 大朝日小屋 |
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大朝日小屋に入ったら、幅60〜70cmのゾーンを決められた。まぁ、営業小屋ではよくあることだが、避難小屋でそのシステムがあるとは思わなかった。小屋到着時は一番乗りだったし、山頂ピストン後もほかに4人しかいなかったので、自由に使わせてくれればいいのにと思ったが、その後来るわ来るわ、次々と登山客がやってきた。最終的には30数人が泊まることになった。夏休みシーズンとはいえ週の真ん中の平日でこの混み具合。狐穴小屋の4人とは大違いだ。これが百名山効果(弊害?)ということだろうか。
外の霧は一向に晴れず、景色を見ながらビールとはいかなかったが、読書しながら、たゆたうような時間を過ごした。これもまた贅沢な登山の楽しみの1つ。 |
―――(大朝日小屋にて宿泊)――― |
5:35 | 大朝日小屋 |
| この日も濃霧・強風は変わらず。さらに霧なのか雨なのかわからないくらいに霧が濃かったので、最初から雨具を着て出発。7:10小朝日岳、8:25鳥原山とまたもアップダウンを繰り返しながら徐々に下ってゆく。鳥原山以降は下る一方。そして、鳥原小屋を過ぎた辺りから天気が回復し始め、標高が下がったのと相俟って、どんどん暑くなってゆく。最後にはまた汗だく、棒足となって、朝日鉱泉へと辿り着いた。 |
11:50 | 朝日鉱泉 |
| 恐らくは、登山客のためだけに作られたであろう朝日鉱泉ナチュラリストの家。ここで温泉に浸かり、食事とコーヒー&ビールで縦走完結をひとりお祝い。年齢に合わせて、1日の歩行時間を6時間程度に収めたが、それでもギリギリヘロヘロの山行。とはいえ、充実してました。楽しかったです、朝日連峰。百名山の大朝日岳が人気ですが、やっぱり縦走した方が遥かに良いと思います。 |