なんとな〜く山日記
(2010年)
 by 「ヴァーチャル クライマー」GAMO
根が不精なので、簡単なコメントだけつけてみました。ちゃらんぽらんでスイマセン。


【2010年】
月 日
山 域
日 程
形 態
メンバー等
備 考
12/4
荒川遡行4日目日帰り日帰り単独歩くこと45,000歩。疲れた〜
11/19〜23
八丈島八丈富士4泊5日民宿泊り単独島のシンボルなのだ!
青ヶ島大凸部不思議な小宇宙・青ヶ島
八丈小島太平山古に想いを馳せる登山
9/17〜19
吾妻山・一切経山夜行1泊避難小屋単独湿地帯の自然美
8/21
四十八瀬川小草平ノ沢日帰り日帰り単独あまりの猛暑に沢行きました
7/18
扇山日帰り日帰り単独思い立ったが吉日登山
6/20
荒川遡行3日目日帰り日帰り単独川がほとんんど見えないゾ
6/5
大島・三原山日帰り日帰り単独0m登山・島登山、第3弾!
5/16
荒川遡行2日目日帰り日帰り単独鹿浜橋から秋ヶ瀬橋まで
5/3
荒川遡行1日目日帰り日帰り単独始めました!荒川源流への旅
5/1
武尊山日帰り日帰り単独あまりにあえなく敗退(T_T)
3/20
武甲山日帰り日帰り単独掘削された石灰の山
1/1
伊豆ヶ岳日帰り日帰り単独初の正月山行

 
 
 
山 域
八丈島八丈富士
日 程
2010年11月23日(火)、日帰り
メンバー
単独行
天 候
曇り時々雨
コメント
八丈島、八丈小島、青ヶ島と巡る4泊5日の旅の一コマ。八丈富士には3日目に登るつもりでいたが、八丈小島が一日ずれたために一旦断念した山。ところが、青ヶ島から急遽ヘリで異動したため、朝10時過ぎに八丈島空港に到着。飛行機の便まで7時間あるということで、行ってきました。
10:30
八重根漁港
時間が読めないので、八丈島空港からタクシーで八重根漁港へ。タクシーの運ちゃんが漁港に何をしに行くんだと聞くから“0m登山”だと言ったら、「そりゃ、お客さんの勝手だけど、普通はみんな富士登山口から登りますよ」と変人扱いされた。ま、いいか。
港から歴史民俗資料館や村役場の前を通り、三根地区へ。途中行きすぎたようだが、左へ折れて八丈島空港通りの富士登山道入口へ。こうして歩いてみると、八丈島もそんなに広くない感じ。
11:25
富士登山道入口
ここからは本格的な登りとなる。引き続き車道だがバス便は通っていない。0m登山とはいえ、車道を歩い登るには今一つ味気ない。生憎の天気で時々雨がパラついてくる。
ここより上には、八丈富士とふれあい牧場くらいしか行く場所がないが、ほとんど車とすれ違わない所からすると、八丈富士に登る人はあまりいないのかもしれない。
港から2時間、登山道入口から1時間で、登山口に到着。
12:30
八丈富士登山口(〜12:40)
登山口にはしっかりとした入口がある。何かと思ったら、野ヤギ捕獲のためヤギが下に降りられないようにしているそうだ。戸を開けて登山道に侵入。観光客が多いためか、しっかりと整備されている。しかし、雨のせいで下草が濡れている。しまった、普通のズボンで来るんじゃなかった・・・。登っていくと、風が出始めガスが出てきた。視界が極端に悪くなる。
13:15
お鉢巡り合流点
お鉢巡りに着いたものの、火口は何も見えない。もちろん、町や海も見えない。というか、視界は20,30メートルがいいところだ。風も強い。折角来たのになぁ・・・。お鉢巡りしている場合ではなさそうなので、とりあえず山頂を目指す。
13:30
八丈富士山頂(〜13:35)
山頂着!霧雨と風とガス。記念撮影もせず、来た道を引き返す。今回は三原山にも登っていないし、機会があったらもう一度来よう。
帰りはあっという間。山頂から40分ほどで登山口に着いた。不思議なもので、登山口からは町も海もちゃんと見える。ガスっているのは山頂付近だけのようだ。
14:10
八丈富士登山口
ここまで歩いていたので、ついでにふれあい牧場まで足を伸ばす。牧場には付きもののソフトクリームを楽しみにしていたのだが、牧場には誰もいないではないか!あら、ららら。しかも、八丈牛乳のパックの自動販売機が売り切れだ。ここまで来て牛乳すら飲めないとは(;;) 飲めないとわかると余計飲みたくなって、八丈島空港でも探したが、売店の人から「今日は売り切れました」と言われてしまった。
八丈富士、強行登山。天気に恵まれず。無念。

 
 
 
山 域
青ヶ島大凸部
日 程
2010年11月22日(月)、日帰り
メンバー
単独行
天 候
曇り
コメント
八丈島、八丈小島、青ヶ島と巡る4泊5日の旅の一コマ。八丈島の宿の主人に、「青ヶ島は外国みたいな所だから、島も人も」と不思議なことを言われ、おそるおそる足を踏み入れた異境。そこは確かに、一風変わった小宇宙だった。
13:10
青ヶ島・三宝港
還住丸に揺られること2時間半、眼前まで壁が迫った青ヶ島唯一の港・三宝港に到着。1日1便のこの船が青ヶ島のライフラインだ。0m登山に出発しようと準備していたら、背中に“警視庁”と書いた服を着た若者に声を掛けられた。「宿の車を待ってるんですか?」「いえ、歩いて行こうと思いまして」「迎えの車が来ないんですか?」「いや、歩いて行くから迎えは要らないって言ったんですよ。」「え!?遠いですよ。」「あそこの道を行けばいいんですよね」「あの道は今通行止めなんですよ。」「あっ、そうなんですか。でも1時間くらいですよね。」「登り坂になりますから、もっと掛かると思います。」
青ヶ島三宝港は島の南部西寄りにあるが、そこから北部の集落経由で大凸部に向かうには、西側の道路を通って行くのが近い。ところが、切り立った崖に囲まれた島の宿命か、崖に沿って切り開いた道路が、崖崩れで通行止めだというのだ。警察の方、貴重な情報ありがとうございます。仕方なく、遠回りになるが青宝トンネルから丸山脇を通る道を進むことにした。
港を出たらすぐにトンネル。そこから坂のトンネルをひたすら歩き続ける。先方に明かりが見え始める。トンネルを抜けたら、どこか異世界が待っていそうな、そんな不思議な感覚にとらわれた。
13:25
青宝トンネル出口
青ヶ島は特異な形状をした島だ。島自体が火山のようなもので、海から直接外輪山が顔を出し、その内側に内輪山である丸山がプリンのような形で鎮座している。トンネルの出口は、その内輪山と外輪山の間を円形に走っている道路につながっている。所々で工事をしている以外、ほとんど民家もない。鬱蒼と生い茂った熱帯風の樹林を右手に、高く聳える外輪山を左手に見ながら、黙々と車道を歩いて行く。
13:50
平成流し坂トンネル分岐
円形道路に北部から、平成流し坂トンネルへ向かう道へと分かれる。大変の人々が住んでいる北部エリアへ行くには、この道を通るしかない。トンネル入り口に向けて徐々に外輪山を登る形になるため、坂道が続く。標高が上がるに従い、プリン形の丸山の全貌が見えてくる。丸山に別れを告げ、トンネルに突入。
14:10
平成流し坂トンネル出口
「あれ!?」。トンネルを抜けたら北部の海が見えるのかと思ったら、左手に丸山が現れた。道路は外輪山の上の方を通っているらしい。しばらく登りが続き、峠を越すような感覚で道が下り始めると、右手に海が見えた。そのまま歩いてゆくと、ぽつりぽつりと家が現れる。村役場、青ヶ島中学校の横を通り過ぎてさらに進むと、今日の宿、杉の沢に到着。港から1時間半も掛かった。
14:45
杉の沢(〜15:10)
宿、というか民家の離れのような建物の中ある、和室にコタツという部屋に荷物を置き、大凸部に向かうことに。実は、北側の集落は結構高い所にあり、(私のカシオ・プロトレックによると)標高300mを越えている。三宝港から宿までに比べれば、宿から大凸部まではたいしたことはない。
宿から10分少し歩くと、ようやく土の道に到達。階段状に整備された登山道を15分も歩くと外輪山に辿りつく。そこから5分ほど南へ向かうと大凸部に着く。
15:30
大凸部(〜15:40)
大凸部からは丸山がよく見える。三角点の上に立って、しばし観望。海が見え、山が見える。
大凸部から一旦下り、東台所神社へと登り返す。丸い玉石が階段状に積み上げてあり、苔むした岩は滑りそうだ。神社からは外輪山沿いに尾山展望公園へ。
16:00
尾山展望公園
公園からは北に集落と海、南に丸山が見渡せる。
公園から下っていくと、ほどなく宿に着いた。元々小さな島だが、その中でも人がいかに狭い部分に住んでいるかがよくわかる。
16:20
杉の沢
ま、登山というほどのものではありませんが、海抜0mの三宝港から423mの大凸部までの島登山でした。
この後、夜から大雨。夜明けには止むという予報だったので僥倖を信じて待つも、朝7時「連絡船は欠航します」との全島放送であえなく玉砕。確かに予報通り雨は止んだが、風が強かった。もう一泊してもよかったが、いつ帰れるかわからないし、八丈島からの飛行機の予約があったので、予定を変更しヘリポートへ急行。幸いなことに、普段満席だという9人乗りのヘリに2席空きがあったので、人生初ヘリで八丈島に帰着した。
山は本連れ
八丈島・青ヶ島を通じて持っていったのが、高嶋哲夫の「ファイヤー・フライ」。本屋で何か面白そうな本がないか探していたら、谷川岳の表紙が目にとまったので買いました。ストーリーの面白さは高嶋氏なので予想通り。ただ、リアリティの点ではどうなのかなぁ・・・という気はした。ちなみに、山奥の廃村へと山道を登るシーンなども出てくるが、群馬の方の山という曖昧な設定。

 
 
 
山 域
吾妻山・一切経山
日 程
2010年9月17日(金)〜19日(日)、夜行避難小屋1泊
メンバー
単独行
天 候
18日晴れ時々曇り、19日曇り一時雨
コメント
意外や意外、と自分で言うのも何ですが、今年初のお泊り山行でした。最近ちょっと金欠ということもあり、これまた久しぶりの夜行バスでの山行。お金節約のために使ったけど、これはこれで時間を有意義に使えるし、いいかもしれない・・・。
23:50
新宿バスターミナル
少し遅れて新宿を出発。目指す米沢行きのバスがこの時期は出ていなかったので、まずは福島まで。そこから在来線で米沢へ行くことにした。途中2回のトイレ休憩を挟んで福島へ。最近の夜行バスはデラックスタイプなどもあり、結構寝やすかったりするらしいが、今回は安さ優先なので、昔ながらのバス。お世辞にも寝心地がいいとは言えない。それでも2時間くらいはうつらうつらした。
5:15
福島駅
早朝の福島駅に到着。駅ビルは開いているが、お店はまだやっていない。ざっと見渡したところコンビニも見当たらない。まぁ、そんなものだろうと思っていたので、余分に持ってきていたカレーウドンお餅入りを、朝の福島駅のターミナルで作って食べた。2時間待ちで、7時12分奥羽本線に乗車。
7:59
米沢駅
「米沢牛」の看板などを見ながら、山形交通のバスで湯本駅前へ。そこからロープウェイとリフトをつないで、有難いほど高度を稼いでくれる。スキーシーズンだけでなく、夏山も運行している貴重なリフトだ。
9:45
北展望(リフト終点)(〜9:55)
正確にはわからないが、リフト終点の標高が、既に1800mほど。これはありがたい。
ロープウェイとリフトでかなり高度を得したせいでもないだろうが、登山口から勢いよく登って行ったら、かもしか展望台までのわずか20分でいきなりバテ始めた。イカンイカン。
10:15
かもしか展望台
おにぎりをパクつきながら5分休憩。再出発すると、今度は下りになる。西吾妻山はロープウェイでかなりの高さまでいけるので楽勝と思っていたら、想像よりもアップダウンがある。尾瀬のような木道を通って、大凹の水場を経由し、急登を越えると梵天岩に着く。
11:05
梵天岩
ここから空身での往復も考えたが、たいした重量でもないのでそのまま西吾妻山へ。30分ほどで山頂に到着する。
11:30
西吾妻山
着いた瞬間に「あれ?」って感じ。西吾妻山の山頂は、ハッキリ言って全然山頂らしくない。ちょっとした指導標が立っているがその程度で、実際、私が山頂にいる間に通った2組がノンストップで素通りして、後で戻ってきた。山頂とは気付かなかったらしい。そのくらい、視界は利かなくて狭い、山頂らしくない山頂なのだ。
山頂にて記念撮影だけして早々に出発。ちなみに、前回からゴリラポッドという三脚を使っている。これが超優れもの。単独行で三脚に悩んでいる方は、是非お試しあれ。
11:55
梵天岩(〜12:15)
再び梵天岩に戻り、ここで改めて食事&休憩。3連休、手軽な山、百名山とあって、人出が多い。最近流行りの山ガールも結構いるようだ。
13:05
人形石
北展望との分岐点・人形石で小休止。大半の人がここからまた北展望に戻り、リフトで帰っていく。しかし、敢えて言いたい!人形石から明月荘への道も結構いいのだ。一切経山まで縦走しろとは言わないから、せめて明月荘まで足を伸ばして、その湿地帯を味わってほしい。生憎のガスだったが、このルートはかなりのプロムナードに違いない。
15:00
明月荘 着
稜線を離れ25分で明月荘着。2回建てで、避難小屋にしては結構大きい。途中で相前後した親子連れの父親の話によると、かなり人気の小屋らしく、ハイシーズンには超満員になるらしい。今回は3連休の中日が雨という天気予報で少しはマシだったようだが、それでも15名強の泊まり客。当方は2番目の到着だったので、1階の隅を確保した。明月荘の難点は水場が遠いこと。疲れた体に鞭打って、往復30分の水汲みへ。しかも、ここの水はなんか黄色っぽいぞ。ま、考えても理由はわからないし、そんなこと気にしてるようでは山に行けないので、保護色のカレーに使わさせて頂きました。
―――(明月荘にて泊)―――
6:30
明月荘 発
まだ9月とあって、小屋の中はさほど寒くなかった。朝、目覚めると、他パーティの人が小雨だといっているのが聞こえた。天気予想は「雨」だから致し方ない。いつものカレーうどんを食べて、少しでも天気がいいうちにと早めに出発。
7:00
東大巓
東大巓まではさほどでもないが、その先はアップダウンの連続。しかも、あまり展望は効かないし、ぬかるみが多い。明月荘までは来た方がいいと書いたけれど、その先はどうだろう。微妙かもしれない。7:55昭元山、8:40烏帽子山、9:10ニセ烏帽子山、10:05家形山という感じでひたすら登り降りを繰り返す。
途中、所々で岩の上に動物の糞が落ちていた。これといって姿は見かけなかったけれど、一体何がいるのだろ?カモシカ?サル?ちと気になる。
10:05
家形山
家形山を過ぎてしばらく進み、初めて一切経山と五色沼の姿が見えると、思わず「おぉー!」と声を上げてしまう。小雨混じりの天候でもこれだけ綺麗なのだから、好天だったら五色沼の色合いはもっと美しいことだろう。深緑色の五色沼と禿げあがった一切経山の対比は、なぜか絵になる。
一旦、五色沼の近くまで下り、そこから一切経山へと登り返す。標高差は200m程度か。最近走っているせいか、思ったより快調。多少の登りなどモノともせずに順調に一切経山に到達。まだまだイケるじゃん。
途中、降りてくる人たちが「さっきの寒さはなんだったんだろうねぇ」と言ってるから何かと思ったら、一切経山の頂上に近づくと突然風が強くなった。ハンパない強風。これは凄い!寒い!
11:15
一切経山(〜11:30)
物凄い強風の中、山頂到着。ここでゆっくり昼飯にするつもりだったが、じっとしてるには寒すぎる。やむを得ず浄土平に向け下山開始。
ここで気付いたのだが、どうやら浄土平から一切経山へ往復で登る人が多いらしい。一切経山から先は行き交う人も多い。観光客の延長みたいな人もいる。それほどメジャーな場所らしい。目の前に見える吾妻小富士の火口を見ながら下山。やがて鎌沼が見える。ここはここで、なかなか眺めのいい場所だ。一切経山からはあっという間に浄土平に到着した。
12:35
浄土平
えっ!こんなに人が!?というくらい浄土平には観光客が集まっていました。福島県の名山品・桃やトマトを使ったお土産品が並んでいる。へぇ〜、浄土平ってこんなに人気あるんだ。知りませんでした。
西吾妻山&一切経山、なかなか良かったです。久しぶりの縦走も堪能しました。帰りは金欠病対策で、福島駅から新幹線に乗らず、ひたすら鈍行で帰りました。浄土平のバス待ちが3時間、バス1時間強、そこから鈍行6時間。私は、時間をつぶすのが苦にならないという特技(?)を持っているのだ。
山は本連れ
今回は上橋菜穂子さんの「精霊の守り人」。いわゆる“異世界ファンタジー”という自分が滅多に読まないジャンルなのだが、守り人シリーズや獣の奏者シリーズが非常に評価が高いので試しに読んでみた。面白い!人気があるのも頷ける。根本の所で、なぜ異世界をここまで作り込む必要があるのか理解できていないが、単純に面白い。考えて見れば、「ドラゴンボ−ル」や「ワンピース」だって異世界なわけで、世界観や歴史観をより深く作り込んである作品と思えば違和感はない。上橋さんの本業は文化人類学の教授。海外も含め、文化人類学者がこういう作品を書いているケースがよくあるというのも分かる気がした。続けて読むかは別にして、世界が広がった気がする。

 
 
 
山 域
丹沢・四十八瀬川小草平ノ沢
日 程
2010年8月21日(土)、日帰り
メンバー
単独行
天 候
晴れ
コメント
ヤマケイさんの原稿を無事書き終えて、「よっしゃー、山じゃー」と思ったのですが、この猛暑ではどこへ行っても暑いのは火を見るより明らか。「そうだ(ポン!)、沢だ!」というわけで、涼を求めて沢に行くことにしました。
が、山行記録を見たら、ナント6年ぶりの沢。あれまぁ・・・。久しぶりのことなので、「超ショートコースで簡単」という基準で選んだら、小草平のノ沢になりました。
9:05
大倉バス停
大倉行きバスの乗客は大半が登山客。その中に女子大生風3人組や若い男女混合7,8人のグループもいて、最近の“山ガール”ブームを実感。いいことです。
大倉バス停に着くと、なんか知ってる風景と違う。もっと田舎くさい感じだったはずなのに、立派なバスターミナルになってるし。10年以上来ていないから変わって当然か。
さて、出発です。10分ほど畑が広がる舗装道路を歩いていると、突然「二俣 鍋割山」の看板があり、左折して土の道へ。さらに5分ほど歩くと西山林道に合流。
9:20
西山林道合流
林道は車も入れるが、今日は1台も通らず。こう暑いと、山へ行こうなんて酔狂な人は少ないのかもしれない。緑が眩しい林道をひた歩く。聞こえてくる沢音は涼しげだが、この暑さで水量は少ないのかもしれない。
10:20
二俣
二俣に到着すると初老の方がワラジに履き替えていた。ちょっと照れくさくて、「いやー、久しぶりで・・・(^^ゞ」と挨拶すると、「私もそうなんですよ」とひさしぶり返し。聞けば勘七ノ沢に入るのだという。お互いの無事を祈って、オジさんは一足先に入渓していった。
足ごしらえをし、10:35入渓。しばらく進むと、さきほどのオジさんがウロウロしていた。勘七ノ沢F1を巻こうとしているのだという。見れば、左手に立派な滝がある。さすが勘七ノ沢。ということは、右手が小草平ノ沢ということになる。と、ところが・・・。「危険、入るな」という黄色いテープがビッシーっと張られているではないか。恐らく、台風か何かの暴風雨で沢が荒れているのだろう。戸惑いがないわけではないが、折角ここまで来たし、小草平ノ沢の遡行図しか持ってきてないので、あっさりテープをくぐる(良い子はマネしないでね)。すぐ目の前にF1が見えた。
10:50
F1−5m
F1に取り付いた瞬間に違和感があった。ヤバイと思った。
F1を越えると、目の前に3段12mのF2。そこに取り付いた時には、違和感はより強くなっていた。なぜか、岩場に対する恐怖心があるのだ。考えてみれば、岩も久しぶり。恐怖心があって当然なのかもしれない。無意識のうちにヘッピリl腰になっていて、ズリ上がるようにして攀じっていった。こんな状態ではこの先覚束ないかも・・・。不安を抱えつつ先に進む。
それにしても、沢が荒れている。あちこちで倒木が沢を塞いでいる。黄色テープの理由はやっぱりこれか。気にせず小滝を越えていくうちに、少しずつ岩の感覚に慣れてきた気がした。そう感じたあたりで、先行パーティに追いついた。
11:15
F3−5m
恐らくここがF3だろう。初心者がいるのか、ザイルを出して登っている。「お先にどうぞ」と言われたが、今日の自分はそんな自信もなく、思いっきり遠慮させて頂いた。
ガイドブックでは右の凹角を登るとなっている。確かに、ホールドは右の方がありそうだが、明らかにシャワークライミング。それも頭からもろに浴びる感じだ。う〜む・・・。
先行パーティは5人。見ていると、滝の下部にホールドがなく女性陣は苦労しているようだ。「ザイル使いますか?」との有難いお言葉も頂いたが、ハーネスを持っていないし、とりあえずチャレンジとした。5人目が上がったところで取り付いてみると、確かにホールドが薄い。が、滝の中に足を伸ばしてそこのホールドを使ったら、上部のガバに手が届いたので、比較的楽に登れた。なんか、調子が出てきたゾ。
F3の上で先に行かせてもらうことにした。しばらくは小滝の連続。渓相もだいぶよくなり、気持ちいい沢登りだ。岩登りの不安が取れてきたせいか、遡行しているだけで自然と笑みがこぼれてしまう。沢はとにかく気持ちいいのだ。
11:45
4mCS滝
連続で滝を越えると現れたのが4mCS滝。目印になる滝の少ない沢だが、これは間違いないだろう。チョックストンの左直下を登りCSに手を掛けるも、ホールドが甘く、最後のひと越えに戸惑いがあった。落ちたらどうしよう・・・。昔みたいな握力もないし、無理はしない。結局、一旦クライムダウンして、少し左から巻き気味に越えた。
F4と思われる滝も無理をせず、滝のすぐよこ右側を巻くことに。残念だけど、こんなもんでしょう。さらに小滝を越えていくと、どれがF6かわからないうちに滝がなくなり、源流の様相を呈してきた。
12:10
源頭
水が涸れてからは10分程度。すぐ上に登山道らしき場所が見え、時々人が通る。最後のアルバイトが少ないのは助かる。登山道に合流して遡行完了!やったネ。
12:20
登山道(〜12:45)
登山道に着いたところで服から靴まで全部着替え、12:45出発。
一旦堀山の家まで来たが、二俣に戻るよりも駒止茶屋、見晴小屋経由で大倉に出た方が早いとわかり、来た道を戻る。あとは一般登山道を下山していくだけだ。荷物になるからと登山靴ではなくスニーカーにしてしまったのは失敗だったかもしれない。
大倉までの時間がほぼ読める観音茶屋に到達したところで、かき氷に誘われて茶屋で休憩。ラジオからは高校野球決勝戦の実況が流れている。夏だねぇ。
13:45
観音茶屋(〜14:00)
観音茶屋からはほんの20分。途中、野菜の直売があちこちに。ゴーヤ、モロヘイヤなんかも売ってる。
大倉バス停で、今度はソフトクリームを食べてしまった。
14:20
大倉バス停
今回は短い沢で快適。沢はやっぱりいい!
山は本連れ
伊豆ヶ岳で読んだ伊坂幸太郎「終末のフール」が面白かったので、その後「魔王」を読み、今回は「死神の精度」です。小惑星衝突、超能力、死神・・・と題材的にはSFチックなんですが、それはあくまで舞台装置であって、描いているのは人間模様。この人の小説は何というジャンルになるんでしょうね?活字版藤子不二雄という趣のある伊坂幸太郎、面白いです(ちょっと例えが変か)。

 
 
 
山 域
扇山
日 程
2010年7月19日(日)、日帰り
メンバー
単独行
天 候
快晴
コメント
朝起きたら真っ青な快晴。しかも心地良さげな風が吹いている。こんな日に家にいられるか!
なーんて言うとちょっと格好よく聞こえますが、元々3連休に2泊で山に行く予定が家庭の都合で中止。せめて日帰りで行こうかとも思ったものの、昨日結構疲れてしまい寝る頃にはギブアップモード。で、朝起きて気が変わった次第です。
9時半に目覚めて、急いで行き先の検討、ルートの確認、荷物の準備をして、10時20分に出発。我ながらヤルジャンと思ったものの、ちゃんとした地図がなく、一抹の不安を抱えたまま出発。
12:47
中央本線 鳥沢駅
慌てていたせいもあって途中電車を乗り間違えてしまい、鳥沢駅着が予定の30分後。駅から歩くつもりでしたが、30分のロスカバーのため軟弱タクシーへ。タクシー代は1,400円ほど。なんとなく運ちゃんが妙なコースを取った気がするので、もう少し安くて済むかもしれません。
13:03
登山口
大月カントリークラブ入り口の正面にある登山口。トイレのそばを通って入山です。
扇山の登山道は急登というほどではなく、一定の傾斜で淡々と登っていく感じ。ペースは作りやすい。何より助かるのは木々の背が高くて木陰が濃く、百蔵山分岐までの登山道がほとんど日陰になるという点。今日は快晴で凄く日差しが強かったのですが、木陰のおかげで帽子などを被る必要もなく助かりました。
30分ほど登った所に水場があり、1時間と少しで百蔵山分岐に到着です。
14:10
百蔵山分岐
分岐からは急に緩やかな斜面になります。いや〜楽になったぁ、と感じるとほどなく、頂上に到着です。あれ!・もう着いちゃった。
14:20
扇山 山頂
山頂は広く、人気の山らしく7,8人が思い思いの場所で寛いでました。ここまで展望は全くなかったのですが、山頂に来たら急に開けていました。残念ながら富士山は雲の中。
山頂に来て感じたのは、扇山の動植物の多さです。アキアカネ、キアゲハ、イナゴ、ヒグラシ・・・・・、ニッコウキスゲ、アザミ・・・・・わかる名前だけ書いてみました。実際はもっといろいろな動植物がいたんですよ。そういえば、登山道にはザトウムシがいっぱいいました。
山頂の記念撮影して、雲を眺めたり、虫の写真撮ったりしていたら、あっという間に1時間が経ってしまいました。そうこうするうちに少し雲が流れて、富士山の頭が見えてきました。やっぱ、富士山は日本一だぁ。
15:30
下山開始
山頂で1時間と少々いて下山開始。百蔵山に寄るには時間がなく、登ってきた道を下っていきます。途中からちょっと右膝が痛んできました。ヤバッ!癖になったら、これから苦労しそうです(;;)
16:25
登山口
登山口からは行きにタクシーで来ちゃった道をトボトボ歩いて帰ります。
17:20
鳥沢駅
今回の山行は、朝起きてから急に場所を決めて出掛けたわけですが、結果的にはなかなか楽しめました。少し物足りないくらいですが、気楽な山もいいですね。
山は本連れ
今回は電車の時間も短く、特に持っていきませんでした。

 
 
 
山 域
大島・三原山
日 程
2010年6月5日(土)、日帰り
メンバー
単独行
天 候
曇り時々晴れ
コメント
神津島・天上山、利尻山に続く、0m登山・島登山第三弾!大島・三原山にいってきました。途中、「ヤバい、今回も失敗か・・・」とも思いましたが、結果は無事完登。結果良ければ全て良し、ではあるんですが、そこで反省しないあたりが自分のダメな所なんでしょうね。
9:20
熱海港 発
本当は大型客船で行きたかったのですが、6月の就航は12日のみとのことで、高速ジェット船での渡島となりました。しかも急遽行くことを決めたため、竹芝桟橋からの便は満席で熱海発となりました。
高速ジェット船に初めて乗ってみて思ったこと。速いし揺れないしすごく快適なんだけど、ずっと座席に座ってなきゃいけないのが難点。甲板に出て、吹きすさぶ風に当たりながら、段々大きくなってくる島影をワクワクしながら眺める・・・ってなことができないのです。・・・・・残念!
10:20
岡田港 発
この日の到着は岡田港。大島は、天候により元町港か岡田港のどちらかに着くことになるのですが、天気の悪い日以外は元町港だろうと勝手に思っていたので、岡田港と聞いてちとアタフタ。慌ててコースを復習しました。
岡田港から歩きだしてほどなく、道端で地図を見ていたら地元のおばあちゃんに声を掛けられた。「どこまで行くん?」というので、中継地点の「大島温泉ホテルまで登山道で行きたいんです」と答えると、「バスじゃなくて歩いて?ほえっ!?」みたいなやりとりの後、「ここを真っすぐ行って、信号を左折したら、次のT字路を右に曲がって・・・・・」と親切丁寧に教えてくれた。最後には「分からなかったらまた聞いてね。」って・・・。もうお会いすることもないと思いますが、ありがとうございました。
おばあちゃんの言う通りにしばらく歩いていったが、最後の目印の神社がなかなか出てこない。ちょっと不安になって、もう一度近くを歩いていた地元のおばあさんに聞いてみた。後にして思えばこのときミスを犯したのだろう。最初の時と同じように聞いたはずが、言われた通りに歩いた道は登山道ではなくバス道だった。気付いた時には引き返すには遅すぎる感じだったので、やむを得ずそのままリス村方面へと進行。時間的にはかなり厳しくなるが、リス村の先から別の登山道に入ることにした。
11:10
椿・花ガーデン・リス村
観光の島の観光地にしては淋しすぎるリス村を通過し、バス道路である三原山登山道路との分岐点に到達。この少し先に歩き用の登山道があるはずだ・・・あるはずだ・・・あれ?登山道はどこ?・・・7,8分探したが分からなかったので、バス道を歩くことにした。
「東京都の山」(山と渓谷社)で見ると、大島温泉ホテルまで2時間弱はかかりそう。それだと帰りの船に間に合わなくなる・・・。最近、失敗多くね?自分。ちょっと自己嫌悪。 焦りもあってかなり早足で車道を登る。朝方の曇天からいつのまにか晴れてきて、汗がにじんでくる。
11:28椿の森公園バス停、12:00湯場三叉路と軽快に通過し、12:12に大島温泉ホテルに到着した。ここまで来てやっと間に合う算段がついた感じだ。
12:12
大島温泉ホテル
岡田港から全く休憩なしのまま、大島温泉ホテル横の裏砂漠への登山道に入る。ここにきてやっと、舗装道路ともお別れ。ここからは火山礫の登山道。これはこれで歩きにくい。ホテルの裏手はツツジ園になっているが、もうシーズン終盤なのかあまり咲いていない。
さきほどの日差しが引っ込み雲と霧が出てきた。それでも霧の向こうに三原山が見える。これか〜。山が見えるとなぜかワクワクする。
この辺りで標高500〜550mくらい。裏砂漠と言われている場所だ。砂漠というには緑が多い気もするが、火山礫の土壌の上に大きな木は生えていない。代わりと言ってはなんだが、所々にアリ塚みたいに溶岩が固まってできた奇岩が林立している。独特の風景。
裏砂漠を抜けてしばらく登り。山頂方面からは火山らしく蒸気が出ているのが見える。その登りもあっさりしたもので、疲労を感じる前にお鉢巡りのコースに到達する。そこから左に10分も足らず、剣ヶ峰に到着だ〜。
13:15
三原山・剣ヶ峰
剣ヶ峰らしき場所で今日初めての休憩。道を間違ったけど、早足登山で失地回復。意外といけるじゃん自分。ちなみに「らしき場所」とは、山頂を示す看板がないのだ。やっぱあれがないと記念撮影も盛り上がらないよなぁ。
なお、剣ヶ峰は標高758mだが、実は三原新山の方が764mともっと高い。こちらは登山道がないのだとか。やっぱ火山だからかな。前回の噴火が1986年で全島避難したというから、いつ何があってもおかしくないですね。そんな一触即発の火口も間近に見ることができます。
お鉢巡り沿いに半周すると、展望台&三原神社に到着。
14:00
三原神社
三原神社からは先はもう舗装された登山道です。ここに来て初めて、今日の到着が岡田港で良かったと思いました。だって、元町港に着いて、表砂漠側から登っていたら、ずっと舗装道路を歩くことになったわけですから。それじゃ、登山の雰囲気も出やしない。
表砂漠をノンビリ下山。振り返れば三原山。表砂漠側からの三原山は絶景です。
14:30
御神火茶屋
予定より早く三原山登山口バス停に着いたので、御神火茶屋でおいしい珈琲を堪能。ここの窓際の席からは、三原山を眺めることができます。いいなぁ、ここ。
16:15
岡田港 発
バスで岡田港へ。お土産も買いました(^^) 大島・三宅島、日帰りで行けるじゃん、でした。
山は本連れ
今回は法月綸太郎の「犯罪ホロスコープT 六人の女王の問題」。十二星座に絡めた事件を解き明かしていく本格ミステリー。この作品群は少し肩の力が抜けているというか、遊びが半分入ってるかなという感じもありますが、個人的に法月さんの作品の“本格”っぽさが気に入ってます。

 
 
 
山 域
武尊山
日 程
2010年5月1日(土)、日帰り
メンバー
単独行
天 候
晴れ
コメント
いやーやってきましたGW。雪の春山。ということで一泊で上州武尊山に行ってきました。
となるはずが、恥ずかしながら敗退して日帰りで帰ってきてしまいました。正直、ビバーク覚悟で行こうと思えば十分行けたのですが、自らの準備不足、経験不足、知識不足を痛感し、致し方なく帰ってまいりました。いずれリベンジですね。
11:20
久保バス停 発
久保のバス停までは、水上や土合、湯檜曽などいろいろな行き方があるのですが、新幹線で上毛高原まで行くのが一番早いようです。
そもそも車で行って武尊神社から登った方が断然近いのでしょうが、電車派の私は久保バス停からの登り。少し歩きが長いだけかと思ったら、これが意外とシンドかった。ガイドブックで登り1時間下り50分の道だからたいしたことないだろうと思ってのですが、案外しっかりとした坂道。おまけに好天で暑い。雪のなくなった宝台樹スキー場を眺めながら黙々と歩く。
と、そこに通りかかった1台の軽トラック。おじさんが顔を出して、「乗ってく?」と言ってくれた。わおぅ! 短縮できたのはたぶん10分くらいだけれど、それでも有難かったです。おじさん、ありがとう!
12:20
登山口
登山口からは完全に雪。とりあえずは、たいした雪でもないのでスパッツも付けずに歩き始めた。この登山道はあまり歩く人がいないのか、踏み跡も分かりにくい。雪はシャクシャクしていて、いかにも融け始めの春山っぽい感じ。アイゼンはとてもじゃないが効かないだろうな。
少し歩くと、大幽洞窟とかいう立て看板に出くわした。
12:45
大幽洞窟
洞窟は何も確認せずスルー。
登れば登るほど段々と雪が深くなってくる。が、一番心配なのは、沢沿いの道で雪の下から沢音が聞こえること。どうやら部分的にはかなり薄くなっていて、一歩間違えば雪を踏み抜いて沢に転落する恐れがある。かなり慎重に歩を進め、時にはだいぶ山側を歩きながら上へと登っていく。正直、事前にネットで調べたGWの武尊山の様子と比べると、遥かに雪が多い。今年の雪の状況を全く把握してなかった。シマッタ・・・。
14:00
1400m地点(?)
一度、雪を思いっきり踏み抜いて、ちょっとヒヤッとした。ことここに至ってという感じでようやくスパッツを付けた。ちと遅すぎたくらいだ。
しばらく行くと上から1組の夫婦が降りてきた。今日初めて会った登山者だ。聞くと手小屋沢避難小屋がある辺りから、時間切れで引き返してきたという。夫婦の情報によると、手小屋沢避難小屋がどこにあるかわからなかった、そこからここまで下りで1時間半かかったという。う〜む・・・。自分の今日の泊まり予定は手小屋沢避難小屋なのだが、避難小屋が雪に埋もれていたらどうしよう・・・、この雪でここから一体どれくらい掛かるのだろう?いろんな不安が頭をよぎった。しかもマズイことに、今日に限ってツェルト持ってないし。しばし戸惑ったが、さすがにここで引き返すのはあり得ないだろうと思い直し、とりあえず前進前進。
さらにしばらく進むと、先行者の足跡が2つに別れている。ここが名倉ノオキへと左折する場所か。さきほどのご夫婦によると、直進の踏み跡が間違っているそうだが、ついそっちに踏み入ってしまうので気をつけるようにとのこと。危ない危ない。左折する方のルートを見るとだいぶ斜面が急なようだが、足跡の向きからご夫婦が降りてきた道だろうと判断し、そちらを選択する。
15:10
1600m超地点(?)
足を取られながらも急坂を登るも、目途としていた15時になっても名倉ノオキに着く気配がない。高度計は1600mをだいぶ越えている。隣の稜線と高さを比較してみても、そろそろだとは思うのだが・・・。あと少し登って名倉ノオキに着いたとしても、そこから手小屋沢避難小屋へと向かって到着は早くて4時、あるいは4時半くらいか。そこで小屋が埋まっていたら、ビバーク確定だ。今日はスコップも持ってないし、ツェルトもない。またぞろ不安が頭を持ち上げてくる。
いろいろ考えながら小休止。はてどうしたものか・・・と思いあぐねていた所、アクシデント発生!「ああっ、ザックがぁ!」 マイザックが雪の上を転がり落ちて行くではないか。転がるザックに気付いた時には既に手遅れで、心の中で「止まれ!止まれ!」と念じる以外、自分にできることはなかった。ただ呆然と見ていると、小さな木にぶつかること3回、30〜40m程度流されたところで、無事ザックは止まってくれた。助かったぁ。
・・・が、・・・・・ダメだなこりゃ。ザックを流すなどという極めて初歩的なミスをしてしまったことで、逆に自分の気持ちは固まってしまった。久しぶりの雪山。準備不足、経験不足、体力不足の状態では、ビバークも覚束ない。撤退だ!
そうと決まれば話は早い。足の負担軽減のために買ったばかりのダブルストックで、一気に下山。登り3時間掛かったところを、1時間半で下ってしまった。
16:45
登山口
登山口に着くと、立教大学ワンゲル部OBだというおじさん2人にがいて話し掛けられた。「今時、古風なルートを行くねぇ。深田久弥が登った道でしょ。」とのこと。そうか、このルートがそうだったのか。知らなかった。なるほど、古風なルートだから、あまり人が入らないのだろう。道理で踏み跡が少ないわけだ。そもそも、ルート上に赤布(赤テープ)がほとんどなかったから、道があっているのかずっと不安だった。
おじさん達から「どうだい、そこに立教の山小屋があるから泊まってかないかい?」とのお誘いを頂いたが、バス便さえあれば余裕で帰れるので、まずはバス停を目指すことにした。
17:40
久保バス停
バス停に着いてみると、17時52分のバスが終バス1本前。やはり田舎のバスは早い。
帰りは上毛高原駅から新幹線ではなく、水上から延々鈍行列車に乗り、急行料金を浮かせて帰ってきました。もちろん、浮いた料金でビールを飲みながら。
好天の中、あっさり敗退。課題の多い山行でした。。。
山は本連れ
今回は米沢穂信さんの「ボトルネック」。実はこの作家、ネットで知り合った山仲間○○○さんの息子さんで、デビュー作の「氷菓」や「愚者のエンドロール」などは読んでたのですが、最近は気にも止めてませんでしたm(..)m。ところが先日立ち読みした「このミス」で、ベスト20以内に4作も入ってただけでなく、作家別ランキングでは東野圭吾を抑えて堂々の1位。これは読まねば、と買ったのが本作です。奇抜な導入・プロットから、読者を惹き付ける見事な展開・・・ほぉーっと興味津々。が・・・、あれ?何か重要な伏線を読み流した気がする。というのも、ラストの「このセリフは?」はというキツネにつままれた感があったのです。すみません、読み直します。

 
 
 
山 域
武甲山
日 程
2010年3月20(土)、日帰り
メンバー
単独行
天 候
晴れ
コメント
豊富な石灰岩のために山容が変わってしまったという武甲山。削り取られてしまった後の山そのものは、魅力が薄れてしまっているかもしれませんが、名高い秩父の名峰だし、人間の愚かさの象徴として一度見て見ようかとの思いもあり、行ってみました。
9:40
横瀬駅 発
なーんて、ちょっと偉そうなお題目はさておき、軟弱な私は、横瀬駅からセメント工場を右手に見ながらひたすら歩く・・・なーんてストイックなこともせず、タクシーの運ちゃんに、「行ける所まで」とオーダーしたのでありました。そうしたら、一丁目でも止まらず、もう少し奥まで入ってくれました。
10:20
八丁目辺り
歩きだしてしばらく行ったら、九合目の合流地点に到達。ということは、さきほど降ろされた場所が、だいたい八丁目辺りだったのでしょう。
まだ3月下旬だというのに雪はほとんどなく、所々に白い斑模様が残っている程度。足元の土に混じっている石は、白っぽい石灰岩。山全体が石灰岩で占められているのだろう。
登山道の途中途中に、「○○丁目」と書いた石塔が立っている。全部で51あるそうだが、このペースで石塔が出てくるということは、結構早く着きそうだ。
八丁目を出てから1時間40分ほど、あっけなく御嶽神社に着いた。う〜ん、わずか数行で山頂に着くなんて、山行記録としての体をなしてないな。
12:05
御嶽神社
神社の前で座って休憩していると、神社の横を通って人が出てくる。そうか!頂上は神社の裏手にあるんだった。裏に回って少しだけ登ると、すぐに山頂に着いた。
12:10
武甲山 山頂 着
山頂に着いて少し戸惑ってしまう。というのも、山頂に金網が張り巡らされているのだ。金網があって掘削現場がよく見えないのだが、恐らく山頂直下まで掘ってしまったため、非常に危険な状態にあるのだろう。登山者の落下防止といったところか。
御嶽神社の所で昼食を取っていたら、突然神社がガタガタッ!と鳴った。「じ、地震!?」 ちょうど私の前を通り過ぎようとしていたおじいさんが「葉っぱだねぇ・・・」などとノンキなことを言ってる。はぁ?落ち葉のこと?このおじさん、今の地震に気付かなかったのか!・・・・ん? とここで私が気付いた。“葉っぱ”じゃなくて“発破”ね。そっかぁ、これが発破の威力かぁ。この後、2回くらい発破による振動が襲った。こうやって、この山は削り取られていくのだろう。
12:45
武甲山 山頂 発
登った高度が高度なので、下山もあっけない。
登山道の途中に発破の際の避難所がいくつかあり、立て看板が立っている。「社有地内 石灰岩発破のため危険につき立入禁止 秩父セメント(株)三輪鉱山」と書いてある。そう、この山は秩父セメントの社有地なのだ。あれ?今は秩父小野田じゃなかったっけ?と思って家に帰ってから調べたら、さらに日本セメントと合併して、太平洋セメントになったらしい。セメント業界も厳しいんだなぁ。
ほかにも看板があって、1年前に熊が出たらしく、「熊出没注意」の看板もあちこちにある。
13:45
長者屋敷登山口
突然登山口に到着。もう着いちゃった。そこからすぐ車道で出て、あとはノンビリ歩くだけ。
駅が近くなった所で追いついた先行者が右に曲がるのが見えた。なんだろうと思って見ると民家っぽい食べ物屋があった。別にお腹は空いてないけど時間もあるし休憩するか、と右に曲がっていくとさらに奥に何かあるみたい。進んでいくと、そこに鍾乳洞があったのだ。
おー!石灰岩だから鍾乳洞ね。そりゃそうだ。折角なので見学。
14:30
橋立鍾乳洞
さほど大きい鍾乳洞ではないようだが、それでもなんか面白い。自然というのはホントに不思議で面白いものだ。
鍾乳洞見学後、近くの土津屋さんで牧場ソフトを食べた(牧場はどこ?)。
土津屋(はにつや)のおばちゃんがとってもいい人で、ソフトクリームしか頼んでないのに中で座って食べていけという。座ってたら今度はお茶が出てきて、さらにキノコの佃煮?みたいなものまで出てきた。「3時10分の電車に乗るんですよ」と言ってるのに、お茶のお代わりを淹れてくれるし、席を立つタイミングが難しい。
結局ギリギリまでご馳走になって慌てて駅に向かったら、まさに間一髪というやつで、最後は駆け込み乗車になってしまった。こんなところで走るハメに陥るとは・・・。
15:10
浦山口駅
今回は楽チン登山でした。なのに後で筋肉痛が出た。トホホ・・・
山は本連れ
今回のお伴は、東野圭吾さんの「使命と魂のリミット」。むろん好き好きはあるのでしょうが、私は東野圭吾さんの作品はほぼ無条件に◎を付けてしまいます。今回も、「天空の蜂」を彷彿させるような、スリリングな展開とその裏にある重いテーマに感心しきり。これだけの質の作品を、このペースで書けるというのは驚き。簡単な材料だけインプットすれば数百頁の小説を作ってくれる“東野圭吾”というPCソフトがあるとしか思えない。

 
 
 
山 域
伊豆ヶ岳
日 程
2010年1月1(金)、日帰り
メンバー
単独行
天 候
晴れ
コメント
1年の計は元旦にあり。今年は山に行くぞー、というわけではないのですが、正月早々伊豆ヶ岳に行ってきました。当初は年末年始にかけて、北八ヶ岳の山小屋でホワイトお正月と洒落こもうと思ったのですが、日本山岳会のピンポイント冬山天気予報によると、低気圧の影響で八ヶ岳は猛吹雪だとか。最高気温マイナス19度と言ってたので、年末は紅白とダイナマイトとCDTVを見てしまい、正月早々、伊豆ヶ岳まで足を伸ばした次第です。
8:30
自宅 発
いやー快晴快晴。やっぱり、空気が張り詰めた朝の寒さは気持ちいいねぇ。会社に行く時は、そんな風に思わないけど・・・。八ヶ岳が吹雪だなんて信じられないくらいの快晴。車内から見た秩父の山々は、雪すら被っていない。
11:10
正丸駅
正丸駅から少し歩いて、沢沿いの道を登り始めると、道々うっすらと雪が積っている。日向にも残っているところをみると、昨日降ったのだろうか。やっぱり多少は雪がないと面白くない。
11:35に正丸峠への分岐・馬頭さまに到着し、ここから山登りとなる。久しぶりの山はやっぱり気持ちいい。正月だというのに、たまに人とすれ違う。キミ達ヒマだね、と心の中で毒づいてみる、ってオマエが言うな!
12:15
大蔵山
気温のせいか、さして汗をかくこともなく大蔵山に到着。そこから少し下ったところで左に大きく折れると、急に風が強くなってきた。斜面の向きの加減だろうか。風が出るとさすがに寒い。
五輪山を越えて降りたところで、名物・男坂のクサリ場が見えてくる。
12:30
男坂
男坂への登山道にはロープが張られており、現在は通行禁止らしいというのはネットで見て知っていた。しかし、ここまで来て行かなかったら、伊豆ヶ岳の楽しみの半分を捨てるようなものでしょう。すぐ左にある看板、「落石注意 事故あった場合 自己責任となります」という駄洒落を見ながら、男坂へと足を踏み入れる。
 ハッキリ言って鎖があるのでちゃんと掴んでいれば事故る心配はない。これだけホールドと足場があれば、鎖がなくても大丈夫なんだろうけど、結構高度感があり、今の私では鎖を握りしめながら、ついついヘッピリ腰になってしまいそうになる。いやー、スリルスリル。
男坂を乗り越えしばらく進むと伊豆ヶ岳山頂となる。
12:50
伊豆ヶ岳
冬の晴天とあって、山頂からは秩父の山々が見渡せる。絶景かな。
頂上でコンビニにぎりを頬張りながらノンビリしていたが、如何せん風が冷たい。風が収まった時の日向はポカポカで気持ちいいのだが、風が吹いた途端に逃げ出したくなる。
13:25
下山開始
いやいや寒いのでスタコラサッサと下山。この程度の下りいならオチャノコサイサイ、と思っていたが、2日後に筋肉痛が出た。トシハトリタクナイモノダ。
14:40
正丸駅
無事正丸駅へ。来年こそは、山小屋で年越しを果たしたいものだ。
山は本連れ
読んでみました伊坂幸太郎。今回は「終末のフール」。8年後に小惑星が衝突し、人類が滅亡するとわかってから5年後の地球。ようやく一時的な穏やかさを取り戻した人々の様々な人間模様。小惑星衝突なんていう陳腐なSF設定はさておき、上手いですね、この人。さすが人気があるだけのことはある。他の先品も読んでみたくなりました。