なんとな〜く山日記
(2009年)
 by 「ヴァーチャル クライマー」GAMO
根が不精なので、簡単なコメントだけつけてみました。ちゃらんぽらんでスイマセン。


【2009年】
月 日
山 域
日 程
形 態
メンバー等
備 考
8/17〜19
利尻山2泊3日テント泊単独北海道はいいねぇ・・・
5/2〜3
会津磐梯山実質日帰ビバーク単独快適な春山登山
2/8〜9
雲取山1泊2日素泊小屋単独寡黙な青年小屋番と2人

 
 
 
山 域
利尻山
日 程
2009年8月17(月)〜19日(水)、東京から2泊3日
メンバー
単独行
天 候
晴れのち雨
コメント
今回は夏休みの山行ということで、今の職場だとなかなか思い通りに休みが取れないので、運を天に任せて思い切って北海道にしてみました。利尻山、憧れるなぁ。神津島に続いて、海抜0mからの登山です。
6:55
自宅 発
自宅から羽田空港までは単に電車を乗り継いでいくだけ。本当は稚内からフェリーで行って、利尻島が段々見えてくる雰囲気を楽しみたかったのだが、時間の都合で今回は飛行機です。でも、飛行機に乗ると思うとちょっとリッチな感じがして、それだけでワクワクしてくる。
9:00
羽田空港 発
羽田空港から新千歳空港を経由して利尻空港まで。札幌から利尻までは時間的にはあっという間で、126人乗りとかいう少し小型のジェット機で行く。
利尻に着く少し手前、北海道北部の形が飛行機から見えた。こうして見ると、地球も小さいなぁという感じ。
13:00
利尻空港
利尻とは、アイヌ語で「リ=高い」+「シリ=山」のことだとか。確かに、島の大部分を利尻山が占めている。飛行機の窓から幾分雲のかかった利尻山を見ながら着陸。
13:50
ペシ岬
空港からバスで鴛泊の市街地まで。ここで一旦海に出て、ペシ岬を眺める。海抜0m。これが今回の出発点だ。試しに海水を舐めてみると、少し昆布くさい。さすが利尻だ。
鴛泊から舗装道路沿いに北麓野営場へ。人っ子ひとりいない野球場、草がボーボーに生えたアスレチック場、いかにも田舎のハコモノ風な建物・カルチャーセンター・・・・・と、寂れた観光地みたいな場所を横目で見ながら1時間ほど歩くと、北麓野営場に到着した。
14:50
北麓野営場 着
利尻は観光の町のせいか、登山口のキャンプ場がしっかりしている。キャンプ場も町営のようだ。
また登山道沿いにトイレがなく、簡易トイレ携帯が義務付けられている。最初は「これは良い試み!」と思ったが、ガイドブックには「トイレがないため登山道は汚れている」と書かれている。実際、たまにティッシュが捨てられていたのは残念な限りだ。
―――(北麓野営場にてテント泊)―――
5:30
北麓野営場 発
キャンプ場にテントや寝袋など一式を置いて軽装で出発。荷物が軽いというのはこんなに楽なことだったっけ?久しぶりの軽量登山に足も軽く、あっという間に四合目に到着。
6:10
四合目
四合目で早くも休憩している人がいたが、快調なのでそのまま素通り。
傾斜はそこそこあるが、振り返ると要所要所で鴛泊の街と海がよく見え、疲れを忘れてしまう気持ちよさだ。そうこうするうちにあっという間に六合目に到着。展望が特に素晴らしく、高校生らしき女の子たちが「ここ頂上でよくね?」などとほざいている。気持ちはわかる。
7:10
六合目
六合目から長官山を目指してさらに登っていく。北海道とはいえ真夏の日差しはやはり暑い。途中、昼飯替わりに昨晩のうちに戻しておいたアルファ米の五目ごはんでシャリバテ防止を図る。
8:45
避難小屋
避難小屋にはトイレがある。と言っても。携帯トイレを使うためのスペースだ。ここまでしてるのに、その辺で用を足してしまう人がいるなんて、登山者のモラルも問題だ。
途中、大きな声で会話しながらハイペースで歩く3人組の若者に追い越されたが、九合目に着いてみると登山道を補修する人たちだった。お仕事、お疲れ様です。
9:20
九合目
ここからは尖った山頂もよく見える。頂上が近づいていると実感できる。
九合目の看板に「ここからが正念場」と書いてあった。そりゃラストの追い込みはしんどいけど、残り1/10だしそんな大げさな・・・と思ったら本当に正念場だった。というのも、山頂付近は急登に加えて、足場が火山礫のようなガレ場で登りにくいことこの上ないのだ。崩れ落ちる足元に四苦八苦、いい加減頂上はまだか・・・とヘバってきた頃にやっと山頂に到達した。
10:10
利尻山(〜10:50)
いやー暑い暑い、疲れたぁ〜。
利尻山山頂からは360度の展望、と言いたいところだが、生憎のガスで景色は真っ白。残念!それでもしばらく山頂にいたら、風の関係で雲の切れ間から礼文島が見えた。
帰りの道のりも結構長い。40分ほどノンビリして山頂を後にした。
下山は約4時間。長い下山はヒザに来る。荷物が軽いので登りも下りもかなり助かったが、それでも体力不足は否めない。はぁ〜、しんどい。
14:40
北麓野営場(〜15:10)
クタクタになっってキャンプ場着。下山届けを出ししばらく休憩。ここは下山届け提出を義務付けており、登山届けとチェックしているらしい。その点でもここはしっかりしている。
海に近いキャンプ場の横に天然温泉があるというので、今日の予定ゆーにファミリーキャンプ場。30分ほどの移動のためにテントをたたんで荷物整理。体は疲れているが、温泉求めてさらに下山を開始。
下山の道すがら利尻の自然を堪能。森の方からカリカリカリッという音がするのでそっと近付いたらシマリスがいた。木には本土にはいないエゾゼミを発見。そのほか、カミキリムシやらコガネムシやら多くの昆虫がいた。そんな自然を満喫しながらキャンプ場まで歩いていった。
15:40
ゆーにファミリーキャンプ場
ファミリーキャンプ場というだけあって、かなりキレイで整備されたキャンプ場。なんとトイレはウォシュレットだ。また、キャンプ場からは暮れ行く利尻山がよく見える。綺麗な芝生の上にテントを立て直し、いざ温泉へ!
温泉はいいねぇ・・・。露天風呂からは利尻山も見え、登山の疲れを癒すにはもってこいだ。温泉施設内の食堂でノンビリと生ビールを飲みながら一日を終えた。
―――(ゆーにファミリーキャンプ場にてテント泊)―――
6:00
起床
飛行機は一日一便で13:40発。午前中いっぱい利尻島を観光するつもりだったが、朝から生憎の雨。ま、とりあえず呆けるしかないかな。
10:00
キャンプ場 発
雨が小降りになってきたのでテントを片付けて出発。
さて、どこへ行こうかと思ったが、意外と行く場所がない。カルチャーセンターとやらも今一らしい。仕方なく海まで出てペシ岬方面へ。そこで写真館を眺めたりした後、ペシ岬に登った。観光タイムだと思ってサンダル履きだったのは失敗。
11:00
ペシ岬頂上
ペシ岬からは島の沿岸全体が見渡せてなかなかGood。もっとも小虫が大量に飛んでいたのには辟易した。
時間はまだあったが空港までのバス便がないので早めに空港へ。そこの食堂で昆布ラーメンを食べた。そういうえば、折角北海道まで来て、それらしい食べ物を食べたのは、これが最初で最後だった。もったいないことをした。
13:40
利尻空港 発
利尻からは行きのルートの逆をたどって羽田空港へ。
飛行機代は結構高かったけど、飛行機で行く山行ってちょっと贅沢な気分。荷物が軽かったせいか登山そのものも思ったより楽しんで行けたし、終わってみればあっという間の山行だった。
山は本連れ
今回のお供は初野晴氏の「水の時計」。初野氏の名前も知らず、本屋でたまたま見かけて、タイトルだけで選んだ一冊。にしては結構面白かった。リアリティの部分で少しどうなのかなぁと思う部分もあったし、ミステリーとしての展開にこだわってるために当初話が見えにくいという感もあるが、構成のうまさは見事。テーマも考えさせられる。

 
 
 
山 域
会津磐梯山
日 程
2009年5月2(土)〜3日(日)、実質日帰り
メンバー
単独行
天 候
晴れ
コメント
春山です。いわゆる中高年の仲間入りをするようになってから、年々自分が軟弱化していくのを痛感する今日この頃。今回の山行も、徹底軟弱路線でありました。
11:10
スカイシャトル山頂駅 発
JR磐越西線で猪苗代駅へ。駅前から磐梯山がよく見える。
表磐梯へのバス便はスキーシーズンのみらしいので、タクシーで登山口へ。当初、猪苗代登山口から登ろうと思っていたが、地図を見たら翁島登山口の方が近そうなのでそちらまで行ってもらう。料金3,000円弱。で、行ってみると、なんとスカイシャトルが動いているではないか!軟弱マンは迷うことなく利用。一気に高度を稼ぎ、そこから登山開始。
天気は快晴。GW初日だが、日帰りで行ける程度の山とあってか人はさほど多くない。日焼け対策だけちゃんとして、淡々と登り始める。比較的な急な登山道だが、背後に猪苗代湖を見ながら、かつたいして高木がないのでちょこちょこ山頂を見ながらの登りは、さしてきつくない。雪はほとんど融けており、所々に雪渓が残る程度。
今回は荷物が軽いこともあってか順調に高度を稼ぎ、登り始めてわずか1時間半と少しで山頂に到着。う〜ん、軟弱者とはいえ、さすがに近すぎる。
12:45
会津磐梯山 山頂(〜13:40)
山頂から360度に広がる景色はもう絶景。猪苗代湖やワカサギの穴釣りで有名な桧原湖、さらには秋元湖・雄国湖・小野川湖と付近に湖が多く、景色に変化を与えている。山頂すぐ北の火口付近は、黄土色と赤茶けた土が荒廃感を醸し出しておりいかにも火山らしい。
1時間以上山頂でノンビリして裏磐梯の方に下山を始めたら、イキナリ雪、雪、雪。表と裏でこうも違うものなのか。さすがにこのシーズンの雪なので融けてグシャグシャしており、アイゼンは効かなそう。それでも、場所によっては足を滑らせたらケガくらいはしそうな場所があり、慎重に降りてゆく。
下山すること約2時間。ずっと雪道のまま八方台駐車場に到着。さすが軟弱登山。ほとんどシンドイ箇所もなく、無事下山と相成った。
15:30
八方台駐車場
駐車場から裏磐梯高原駅のバス停(バスなのに駅なのだ)まで、たぶん1時間半かそこら。この時間からなら十分バスに間に合うはずだが、折角山に来たのだから山の雰囲気に包まれて寝たいと当初から思っていたので、この駐車場でビバークすることに。幸い休憩用の小屋もあって、快適に過ごせそう。持って上がったビールを残雪で冷やして、贅沢な時を過ごす。
時が経過し日が落ちてくると、段々気温が下がってきた。軟弱マンは少しビバークに不安を感じ、裏磐梯高原駅まで降りてホテルに泊まってしまおうかなぁなどと思い、裏磐梯猫魔ホテルと裏磐梯高原ホテルに連絡してみると、部屋は空いてたものの宿泊代は2万円前後。それはいくらなんでも痛い!仕方なく素直にビバークすることにした。
7時頃、巡回車が来てここは宿泊禁止だと言う。私はたまたまトイレに行っていたが、同じ休憩小屋にいた3人組が注意されたとか。ところが30分後くらいに再度巡回車が来て、「許可もらったから」だって。なんかいいおじさんじゃん。
―――(八方台駐車場にてビバーク)―――
4:00
起床
鳥のさえずりで快適な目覚め。いいねぇ、こういう気分。昨晩は結構冷えてきたと思ったけど、夜中に寒くて目覚めることもなく、意外と快適な睡眠。実は、シュラフカバーと間違えてオーバーシューズを持ってきてしまったのだが(だって形状と色が似てたんだもん)、シュラフカバーなしのスリーシーズン用シュラフだけで十分暖かかった。
5:50
八方台駐車場 発
八方台からはアスファルトの一般道をただ歩くだけ。1時間40分でバス停着。
裏磐梯はなかなか雰囲気のいい観光地。それにしても裏磐梯猫魔ホテルでけぇ〜。
7:30
裏磐梯高原駅バス停
以上、軟弱登山でした。
山は本連れ
今回は「青春の守護者」(森村誠一)。普段、山には山岳小説はあまり持っていかないのだが、今回は買ったばかりということもあり持参。とはいえ、森村誠一さんの場合、山のシーンはさほど多くないので、山岳小説とはちょっと違うかもしれない。ちなみに、本書は2007年刊行。森村氏74歳の時の作品。凄いなぁ、と素直に感心。

 
 
 
山 域
雲取山
日 程
2009年2月8(日)〜9日(月)、1泊2日
メンバー
単独行
天 候
晴れ
コメント
転勤してから初めての山。最近いつも山行が久しぶり。つまり、たまにしか行ってないってことなんですが、でもやっぱ山はいいよね。
9:30
鴨沢バス停 発
久しぶりに訪れた奥多摩。奥多摩は昔から馴染みがあるし、以前多摩川沿いを歩いたりもしているので、なんだかとっても懐かしい。嬉しい気持ち。
鴨沢バス停から民家の間を抜けてすぐに山道へ。日曜日ということもあって、これから登る人はほとんどいないが、降りてくる人はちらほら。気のせいか登山者のマナーが低下している気がする。挨拶しない人、登りの人に道を譲らない人、譲る時に谷側へ避ける人・・・こんなこと言ってる自分もおっさんになったということか。
雲取は比較的傾斜が緩やかなため、普通に歩いているだけで自然と高度が稼げてしまう。それでもやはり冬。高度1500m付近を越えた辺りから、ちらほらと残雪が目に付くようになり、所々アイスバーン化している。途中、一度滑った(><)
12:10
ブナ坂分岐点
今回テント山行にしなかったのにはいくつか訳がある。神津島天上山でテントを破損してしまったというのももちろんあるが、実は昨年末の職場の大掃除の際に、プチぎっくり腰をやってしまったのだ。
なんか腰が痛いと思って知人に話したら、ぎっくり腰ではないかと言われたのだ。歩く分には普通に歩けたけど結構痛かったので、知人の勧めに従って1日大人しくしていたらだいぶ和らいだ。今までそういうことに縁がなかったのでナメていた。
そんなこともあったので、今回は荷物を極力軽くして、腰の調子を確かめるという意味もあった。
トレーニング不足、腰の調子の確認、年齢(;;)等々もあり、ゆっくりめのペースで進み、それでもさしてバテることなく雲取奥多摩小屋に到着。
13:30
雲取奥多摩小屋(〜13:40)
奥多摩小屋でとりあえず宿泊の手続きだけ済ませ、雲取山に向け出発。小屋の正面には富士山が見える。冬の富士は特に見栄えがする。
小屋を出てからも急な登りは限られており、時々シンドくなるものの、基本的には楽な方の部類に入るのではないかと思う。雪も次第に多くなってくるが、アイゼンを履かないと危ないような箇所もなく、アイゼンなしのままで登り続ける。
途中から見え始めた雲取避難小屋を目指して登っていくと、奥多摩小屋から1時間ほどで山頂に到着した。
14:40
雲取山(〜14:50)
途中からきつくなってきた風のせいで、頂上の体感温度は実際の気温よりもだいぶ低い。富士山を始めとする山頂からの景色を一通り堪能し、早々に下山の途に着いた。
15:30
雲取奥多摩小屋 着
奥多摩小屋は素泊まり小屋で自炊。山頂付近に避難小屋と雲取山荘があるせいか、あまり人が訪れない小屋のような気がする。この日が日曜日ということもあり、宿泊客は自分一人のみ。小屋番はどう見ても20代にしか見えない若い兄さん。こう言っては失礼かもしれないが、下界では引きこもりじゃないかっていう感じの、大人しくて寡黙な小屋番。
ただ、小屋で唯一の暖房器具が薪ストーブのみで、その周りが自炊場所ということもあって、自然と2人はストーブを挟んで座らざるを得ない。話し掛けるのも憚られる雰囲気のある小屋番と、元々話し好きでもない自分。そんな2人が、夕方から夜にかけてまんじりともせず座り続け、薪のはぜる音以外これといった音もない静かな夜が更けてゆく。
―――(雲取奥多摩小屋にて宿泊)―――
5:00
起床
小屋だからといって油断したつもりはなかったが、朝起きると枕元の水が凍っていた。やはり寒いのだ。幸い湯たんぽ代わりにしていた水筒の水があったので、それでカレーウドンを作り朝食に。
6:30
雲取奥多摩小屋 発
帰りは来た道を下るだけ。楽勝!と思いきや、冬用の皮靴が小さく、足が痛み始めた。いつ買ったのか思い出せないくらいたまにしか雪山に行ってないツケがここで出た。最後は1泊の雲取とは思えないくらい、ヨレヨレの歩き方になっていた。あらら。
8:50
鴨沢バス停
レベル感、疲労度とも久しぶりの雪山にしては適度とも言える感じだが、ちゃんと山をやるにはもっと鍛えなくっちゃ、である。
山は本連れ
今回は北森鴻氏の「暁の密使」。明治期に仏教再興のためにチベット潜入を目指していた能海寛の物語。たまたま本屋でフラフラしていた時に、表紙の山の絵が目に留まったのと、“チベット”という言葉から、山岳小説の範疇に入るかも・・・と思って買った本。結果としてそういう内容ではなかったが、それなりに楽しんで読めた。ただ、主要な人物が実名で出ているにも係らず、多分に創作も入っていると思われ、どこがフィクションでどこがノンフィクションかの区別が難しく、いわゆる史実をある程度知っている歴史ものとは違う時代小説の難しさを感じた。