アフリカ大陸最高峰への道
 標高5,895m、アフリカ大陸最高峰キリマンジャロ。そんな耳障りの良い修飾語の割に、キリマンジャロは私のような似非クライマーでも簡単に登ることができるんです。日本の山もいいけれど、キリマンジャロにはキリマンジャロの良さがあります。「キリマンジャロ登った」なんて、知らない人が聞いたら「スゴイ!」って思っちゃうことでしょう。アナタも行ってみてはどうですか。
 
(スペシャルサンクス)
 キリマンジャロは個人山行で行くこともできますが、私の場合はアルパインツアーサービス(株)さんのツアーで登頂しました。無事登頂できたのも全てアルパインツアーさんのお陰であり、感謝感謝です。
 
●キリマンジャロ データ・ファイル
所在地タンザニア北東部ケニアとの国境付近、南緯3度5分
組成等玄武岩を主体とする基盤に3つの円錐火山が存在する複式火山
主峰 キボ峰:ウフル・ピーク5,895m、ギルマンズ・ポイント5,690m
マウェンジ峰5,151m、シラ峰4,002m
山名の意味スワヒリ語で「輝ける山」(キリマ=「山」、ンジャロ=「輝く」)
歴史 1848年 ドイツ人宣教師レープマンとクラップが発見
1889年 ドイツ人マイヤーとプルトシェラー、初登頂
 
●キリマンジャロへの準備
私の参加したアルパインツアーさんの場合、費用は約45万円でした。
事前準備で注意すべき点としては、黄熱病の予防接種が必要であること(コレラの予防接種もやっておいた方がいいかもしれません)、ケニア入国にはパスポートの残存有効期間が6カ月以上必要であること、タンザニアとケニアの入国にはビザが必要であることなど。
持って行くべき主な装備は、まず山中での宿泊は指定された山小屋となるので、テントは要りませんが寝袋が必要です。服装は山頂付近は氷河があり、気温も氷点下となるので、冬山並みの防寒着を用意した方が良いでしょう。急な斜面などはないので、アイゼン・ピッケルは通常の場合必要ありません。
最終登頂日は深夜発で暗い中を歩くことになります。ヘッドランプは強力で持ちの良いものにしましょう。
 
●キリマンジャロ全域図
   
   ↑アルパインツアー作成(一部修正)
 
●キリマンジャロ登頂記録
 キリマンジャロの登頂記録と言うより単なる旅の日記・感想文みたいなものですが、何かの参考になれば幸いです。
第1日目
 
(ナイロビの気候)
 ケニアの首都ナイロビ。アフリカ大陸、赤道付近というだけですごく暑そうだという印象がありますが、ナイロビはとっても気候のいい所です。1年中、最高気温は20度半ば、最低気温は10度ちょっと程度。実に過ごしやすいんです。
 でも、ちょっと治安が悪いようなので、夜の外出は恐いかも知れません。

(サファリ)
 ケニアと言えばやっぱりサファリ。ナイロビ市内を歩いていても、怪しげなおじさん達がやたらとサファリの客引きをやっています。
 残念ながら今回はそちらへは行けなかったのですが、ちょっと市内から離れるとキリンや水牛、シマウマなどがあちこちにいて、車で移動しているだけでも結構楽しむことができます。

(遠征隊?)
 キリマンジャロ登山ではガイドやポーターの雇用が義務付けられています。たぶん登山が貴重な外貨獲得源となっているからでしょう。
 我々一向はツアー客8人とガイド1人でしたが、それに対して現地のガイド4名(チーフガイド1名、アシスタントガイド3名)、コック2名、ポーター18名が付きました。合計33名。ちょっとした大遠征隊?です。

(ポーター)
 ポーターは皆荷物を頭に乗せて運ぶ(右上写真)。もちろん女性も含めて普段からああいう運び方をしているようです。あれでよくバランスが取れるものだと感心してしまいます。
 ポーターに荷物を預けると、実に楽チンで結構なのですが一つだけ難点があります。それは、彼ら独特の体臭(?)が染み付いてしまうことです。そのつもりで預けないと、後でカバンやザックが使えなくなりますから気を付けましょう。

(高山病対策)
 キリマンジャロで一番問題になるのはやはり高山病。通常、高所順応を図るために、1日500mくらいのしか高度を上げないようにするのですが、キリマンジャロでは1日1,000m登るので余計高山病に罹りやすいのです。かく言う私も最終日途中から頭痛がひどくなり、登頂後の下りでは少しもどしてしまいました。m(..)m
 高山病に罹りにくくするには、次のような点に気を付けるといいそうです。
激しい運動は避け、ゆっくりと登る。現地では「ポレポレ(=slowly slowly)」といいます。
呼吸は深く大きく。写真を撮るときなどに、息を止めないように気をつけましょう。
水分を意識して多く摂取する。
寝るときはあお向けの方がいいみたいです。
 高山病は高度を下げる以外に治療方法はありません。無理をするのはやめましょう。キリマンジャロでも、高山病で死ぬ人が毎年何人かいるそうです。

(キロマンジャロという山)
 登山口から山頂までの標高差約4,000m。日本では決して味わうことの出来ない醍醐味がそこにあります。これだけの標高差があると山相も気候も大きく変化します。登山口周辺の森林帯に始まり、低木・草原地帯へ。中腹は砂漠のような荒野が広がり、山頂直下では砂礫帯をへて万年氷河へ。とにかくスケールの大きな山です。

(登頂者数)
 登頂すると登頂証明書がもらえます。ギルマンズ・ポイントまでの人も、その証明書がもらえます。
 ちなみに、私はウフル・ピークの登頂証明書を頂きましたが、登頂者数は9月半ばで7,519人。もちろんその年に入ってからの人数です。逆算するとだいたい1年間に11,000人弱は登頂していることになります。そんなに難しい山じゃないってことがこれでもわかるでしょ。

(登頂後感)
 自分にとって初めての海外登山で、感激してしまったこともありますが、この容易さでこれだけの標高が味わえるのはキリマンジャロならではでしょう。そのスケールの大きさは、ある意味で辟易するほどです。
 日程的には飛行機の乗り継ぎの悪さなどもあって、足掛け11日間もかかってしまいますが、個人山行で行くとしてもあまり短縮することはできないだろうと思います。
 最後に、アルパインツアーサービス(株)さん、ご一緒させて頂いた皆様、大変お世話になり有難うございました。

成田(15:25発
注:25分遅れ)

マニラ、
バンコック経由
カラチ
(深夜1:45着)
カラチ空港
ベンチにて就寝
第2日目
カラチ(7:15発)

ドバイ経由
ナイロビ
(13:00着)

ホテル
(ナイロビ市内)
第3日目

ケニア・
タンザニア国境

アルーシャ
国立公園内
モメラロッジ
第4日目

マラングゲート
(約1,800m)
登山開始
(10:40発)

マンダラハット
(2,727m)
(14:50着)
第5日目
(8:20発)

ホロンボハット
(3,780m)
(15:00着)
第6日目
(8:40発)

キボハット
(4,703m)
(15:00着) 
第7日目
(深夜1:15発)

ギルマンズ・
ポイント
(5,690m)
(6:15着)

ウフル・ピーク
(5,895m)
(8:00登頂)

ホロンボハット
第8日目
(8:45発)

マンダラハット
(11:50)

マラングゲート
(14:40)

アルーシャ 
第9日目

ナイロビ空港
(18:20発)

ドバイ経由カラチ
(翌朝5:00着)
第10日目
カラチ市内観光

カラチ空港
(18:15発)
第11日目
バンコク、
マニラ経由
成田(12:50着)
 
 

野生のキリン
 
 
 

荷を頭に乗せて運ぶポーター
 
 
 

マンダラハット
 
  
 

ホロンボハット(手前右は
ジャイアント・ロベリオ)
 
 
 

ホロンボハットから見た
キリマンジャロ主峰
 
 
 

マウェンジ峰(5,151m)
 
 
 

山頂付近の氷河
 
 
 

ウフル・ピークにて
 
 
 

登頂証明書