by 「ヴァーチャル クライマー」GAMO
【 最後に 】
 
 改めて申し上げるまでもありませんが、今回の二峰登頂は多くの幸運に恵まれ、またいろいろな方々の支援・協力があって始めてできたことです。12日間もの旅行に快く送り出してくれた奥様と息子、素敵なツアーを企画してくれたアトラストレック社さん、力強く的確なリードで登頂へと導いてくれたガイドのホーマン、極め細やかな心遣いで気持ちの良い旅行にしてくれた現地ツアーリーダーの棚橋さん、鋭いアドバイスや酒の席での雰囲気作りなど陰になり日向になり支えてくれた熊田ガイド・角谷ガイド、山に観光に食事にと同行させて頂いたツアーメンバーの方々、2週間もの休みをくれた会社とその間何かとカバーしてくれた同僚、皆々様に対して、この場を借りて御礼申し上げます。
 
 ここで、お礼方々、日本人ガイドとツアーメンバーを紹介します。
棚橋さん現地ツアーリーダー、とは言うものの、実はアトラストレック社の社員ではなく、国際ガイド資格の取得目指して勉強中の棚橋さん。よく気の付く方で、何かと心配りして頂いたお陰で、大変快適な旅行となりました。ありがとうございました。謙虚で控えめな棚橋さんですが、実はK2やカンチェンジュンガなどにもチャレンジしている優秀なクライマーなのです。長尾三郎氏が描いた小西浩文氏の伝記「無酸素登頂8000m14座への挑戦」にも登場されています。
熊田ガイド毎年夏になるとヨーロッパへ来てガイドをしているという熊田ガイド。一見とっつきが悪いのですが、それは照れ隠し。実は(お酒を飲むと)陽気で楽しい方です。四谷で「デナリ」という登山用具店を経営する実業家でもあります。靴には特に詳しいとのことですので、皆さん行って見てください。ちなみに、知り合いに今回の登山の写真を見せたところ、なぜか熊田さんのことを知っていて、「マリオ」と呼んでました。確かにゲームの「マリオ」にそっくり。でも、これって本人に内緒?
角谷ガイドヨーロッパのガイドで、関西弁で案内してくれるのは角谷ガイドただ1人(?)だとか・・・。明るく爽やかで優しい素敵なガイドさんです。「プロローグ」でマッターホルン登頂部に触れましたが、実は角谷ガイドは同部のコーチとして出演されていたのです。それに気付いたのは帰国後のこと。知っていたらもっと話したいこともあったのに残念です。
Mさん関西から参加され、モンブランとマッターホルンに登頂したMさん。退職されたばかりで、今年は山へよく行ったとのことですが、小さい体ながら実にタフな方です。私とはずっと同じ部屋でしたが、親子ほども年が離れているため何かとお気遣い頂いてスミマセン。
S山さん
ご夫妻
最近退職されたご主人と現役エアロビインストラクターの奥様。普段から2人で山に登っておられるとのことで、息はピッタリ。夫婦でマッターホルン同時登頂なんてそう多くはないでしょう。夫婦仲むつまじく登山、うらやましいものです。
OKさん以下4名の方はモンブランのみ登頂コースに参加の方々。でも、OKさんは最年長の69歳で、2度目のチャレンジでモンブランに登頂。こうした人生の大先輩を見ていると、自分の人生はまだまだ長いゾ、と希望が涌いてくるというものです。
OCさん昭和16年生まれで、この時62歳。実はMさんとS山さんご主人の3人が62歳。この熟年パワーには圧倒されました。16年組で最年少?のOCさんは、人の良さも手伝って何かと気配り、これまた大変です。
Tさん8人中の女性はS山奥さんとTさんの2人だけ。でも、山での強さも酒の強さも負けてません、なんて言うと怒られそう。今年はモンブランだけでしたが、Tさんならきっと来年マッターホルンに登頂していることでしょう。
Sさんとにかく明るく、周りの人々を和ませてしまうSさん。昨年はメンヒ、ブライトホルン、アラリンホルンにも登ったとか。私の次に若く(と言っても20歳近く離れてましたが)、山では大きなカメラを抱え、俊足ガイドと疾走するタフネス。
 とまぁ、こんな方々と一緒に行ってきた次第ですが、最後に一言。「成せば成る。成さねば成らぬ、何事も。」。
 確かに天気だとか、運だとか自分ではどうにもならない部分は大きい。それがうまくいった時の感謝の気持ちは忘れてはいけないと思う。しかし、自分がそれをやろうと心に決めて、そこに向かって努力しないことには何事も前に進まないのだ。「人事を尽くして天命を待つ」。頑張るしかない。
 そして、何年後になるかわからないが、また海外の山にチャレンジしたいと思う。