山岳ノンフィクション(評論・ルポ)
〜詳細データ・ら行わ行〜
 
 
 
作  品  名
「永遠の未踏峰」
 (渡部 由輝、2005年)
紹  介  文
(帯、裏表紙等)
永遠の課題―「人はなぜ山に登るのか」に30年の歳月をかけて挑んだ渾身の力作。
内容・感想等
 正直、評価しにくい本だ。結構面白く読める。ついつい読んでしまう。その割に、なんか引っ掛かってしまうのだ。出だしがよくない。「語られぬ」という言葉を導入に使っているのだが、意図的かそうでないのか分からないが、「語られぬ(語ることができない=不可能)」と、「語られぬ(語られることがない)」が混在していて、まず違和感から入ってしまう。
 また、筆者が数学者のせいか、妙に理屈っぽいところがあり、それが面白さとなっている面と、ちょっと面倒臭く感じられる側面とがある。さらに、本書のテーマである「人はなぜ山にのぼるのか」に一つの答えを導き出そうとしているせいか、一部の登山家が言ってる言葉を引用して、強引に結論付けてしまっている感がある。「なぜ、山に登るのか」その答えは人それぞれなのだから、もう少し柔軟性があっても良い気がする。とはいえ、試みとしては非常に面白く読めた。