山岳映画・データファイル
〜邦画編〜

山岳映画の邦画編です。実は、洋画よりも邦画の方が、DVD化・ビデオ化されていない作品が多いようで、なかなか観る機会のない作品も多くあります。また、山度も邦画の方が全般的に低い気がします。それでも、探せばいろいろあるものですね。「こんな山岳映画も知っている!」という方は、是非ご一報ください。なお、本コーナーはフィクション作品限定で、ノンフィクションは除外しています。


(登録作品リスト −公開年月日順
1940
年代
銀嶺の果て
富士山頂(1948)
1950
年代
死の断崖
あした来る人
楢山節考(1958)
氷壁
猛吹雪の死闘
山と谷と雲
風の中の瞳
1960
年代
大学の山賊たち
ヒマラヤ無宿
心臓破りの野郎ども
黒い画集 ある遭難
妻は告白する
山男の歌

1960
年代
山の讃歌
燃ゆる若者たち
富士山頂(1967)
黒部の太陽
北穂高絶唱
1970
年代
富士山頂(1970)
樹氷悲歌
蔵王絶唱
星と嵐
八甲田山
聖職の碑
1980
年代
楢山節考(1983)
瀬降り物語
植村直己物語
ラブ・ストーリーを君に

1990
年代
奇跡の山
さよなら、名犬平治
マークスの山
2000
年代
ホワイトアウト
世にも奇妙な物語
映画の特別編
十五才 学校W
ミッドナイト イーグル
クライマーズ・ハイ
剱岳 点の記
2010
年代
岳 −ガク−
春を背負って
エヴェレスト
 神々の山嶺

 
○「評価」欄の意味は次の通りです。
  山度 : その作品の何%程度を山関連の描写・表現等が占めているかを表す
  おすすめ度 : 最もお勧めの「A」を筆頭に、A〜Eの5段階評価です

 
 
 
タイトル
「銀嶺の果て」
公 開 日
1947年8月5日
監  督
谷口千吉
出  演
三船敏郎、志村喬、若山セツ子、河野秋武、高堂国典
製  作
東宝
ジャンル
山岳冒険アクション映画
上映時間
89分
評  価
山度 : 70% / おすすめ度 : A
感 想 等
北アルプスでのオールロケ、野性味溢れる三船敏郎デビュー作、黒澤明のヒューマニズム溢れる脚本、伊福部昭の映画音楽、アクションの鬼才・谷口千吉の初監督作品。多くの魅力に満ちた作品だ。終戦後わずかに2年、戦後最初の山岳映画は、当時としては異例の1,010万円という巨額の製作費を投じて撮られた娯楽超大作。良くも悪くも戦争の影響を受けていた映画界が、エンタテイメントの世界に踏み出した作品と言えよう。

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タイトル
「富士山頂」(1948)
公 開 日
1948年6月23日
監  督
佐伯清
出  演
藤田進、原節子、大河内傳次郎、小沢栄太郎
製  作
新東宝
ジャンル
その他山岳映画
上映時間
105分
感 想 等
東宝の労働争議を嫌気して飛び出した「十人の旗の会」の藤田進、原節子らが出演した新東宝製作の作品。本作製作の頃は、新東宝はまだ興行(上映)を手がけていおらず、新東宝製作、東宝配給となっている。原作は橋本英吉の『富士山頂』。新田次郎作品とタイトルは同じだが、こちらは明治期に決死の覚悟で冬期の富士山頂で気象観測を行った野中至・千代子夫妻をモデルにした作品。

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タイトル
「死の断崖」
公 開 日
1951年9月28日
監  督
谷口千吉
出  演
上原謙、三好栄子、島崎雪子、菅井一郎、長岡輝子
製  作
東宝
ジャンル
本格山岳映画
上映時間
83分
感 想 等
製作:田中友幸、監督:谷口千吉とくれば、『銀嶺の果て』と同じ東宝コンビだ。『銀嶺の果て』同様に、岡本喜八が助監督で付いている。そして、オリジナルの脚本を書いているのは山男・谷口監督だ。ザイル切断などベタな内容を盛り込んだ、いかにも山男らしいストーリー。主演の上原謙は学生時代に登山をしていたそうで、山男役というわけではないが、のちに『氷壁』や『大学の山賊たち』などの山岳映画にも出演している。

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タイトル
「あした来る人」
公 開 日
1955年5月29日
監  督
川島雄三
出  演
三橋達也、月岡夢路、三國連太郎、新珠美千代
製  作
日活
ジャンル
その他山岳映画
上映時間
115分
評  価
山度 : 10% / おすすめ度 : C
感 想 等
若い男女4人プラス1というある種のメロドラマ。男女のすれ違い、女心の機微、女性の自立と葛藤・・・そんな人間関係が織り成す恋愛ドラマだ。見る人の境遇、環境、精神状態によって思い入れはだいぶ違うのかもしれない。山のシーンは少なく、鹿島槍山麓シーンもスタジオ撮影(?)かもしれないが、三橋達也演じる克平が山男という設定で、山の話も出てくるので一応山度10%に。井上靖の朝日新聞連載小説の映画化。日活製作再開一周年記念作品。

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タイトル
「楢山節考」(1958)
公 開 日
1958年3月18日
監  督
木下恵介
出  演
田中絹代、高橋貞二、望月優子、市川団子
製  作
松竹
ジャンル
「山のある風景」映画
上映時間
98分
評  価
山度 : 10% / おすすめ度 : C
感 想 等
重苦しいテーマ。老いや貧しさと闘いながら生きてきた人間が生みだした古い因習。おりんのあまりにも清々とした冷静さよりも、死ぬことを怖れ怖がる又やんの見苦しさの方が人間として共感してしまう。今という時代を生きる幸せをかみしめたい。映画は歌舞伎調のオールセット、長唄による解説と映画として野心的。このテーマにおいて、何も雄大な自然やリアリティある場所が必要なわけではないということか。普遍的なテーマゆえに、抽象的な表現でも伝わる。

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タイトル
「氷壁」
公 開 日
1958年6月1日
監  督
増村保造
出  演
菅原謙二、山本富士子、野添ひとみ、川崎敬三
製  作
大映
ジャンル
本格山岳映画
上映時間
96分
評  価
山度 : 80% / おすすめ度 : C
感 想 等
直近ではNHKの土曜ドラマで映像化されたが、56年の新聞連載以来、たびたびドラマ化されてきた井上靖の同名小説を、最初に映画化した作品が本作だ。名コンビである監督:増村保造、脚本:新藤兼人による作品。日本一の美人と言われた山本富士子が、人妻・矢代美那子役を演じている。いろいろなエピソードを詰め込んだ分、原作ファンにとってはやや展開が早く感じるかもしれない。また、山度は原作より高めの印象。

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タイトル
「猛吹雪の死闘」
公 開 日
1959年4月29日
監  督
石井輝男
出  演
宇津井健、三原葉子、菅原文太、星輝美、大友純
製  作
新東宝
ジャンル
山岳冒険アクション映画
上映時間
76分
評  価
山度 : 80% / おすすめ度 : D
感 想 等
『黒い画集 ある遭難』の脚本を担当し、のちに東映で高倉健主演の網走番外地シリーズで名を成す石井輝男監督作品。若き日の菅原文太が出ているが、この映画では役どころのせいもあって、あまり格好よくない。本作に関し何よりも気になってしまうのは、いろいろな設定や展開、セリフなどが『銀嶺の果て』」と似ている部分が多すぎるという点だ。それでも旧作を越えていればいいのだが、その点でも今ひとつ。その意味では残念だ。

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タイトル
「山と谷と雲」
公 開 日
1959年5月31日
監  督
牛原陽一
出  演
石原裕次郎、北原三枝、金子信雄、白木マリ
製  作
日活
ジャンル
山岳青春映画
上映時間
97分
評  価
山度 : 10% / おすすめ度 : C
感 想 等
石原裕次郎が山男役を演じ、石原夫人となる北原三枝が共演している。山男役とはいうものの、山で事故に遭って担ぎこまれるシーンで登場し、最後に少しだけ登山をする。山のシーンはその程度しか出てこない。メインは恋愛映画、というべきだろう。蛇足ながら、リアル裕次郎世代ではない自分にとっては、裕次郎の魅力が今ひとつピンとこなかったが、映画で若い頃の裕次郎の映像を見ると、なんとなく納得する。

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タイトル
「風の中の瞳」

(スチール写真より)
公 開 日
1959年6月9日
監  督
川頭義郎
出  演
田村高廣、有沢正子、冨永ユキ、平山芙美子
製  作
松竹
ジャンル
山岳青春映画
上映時間
76分
評  価
山度 : 30% / おすすめ度 : C
感 想 等
ある中学校における3年生の生徒たちと先生の1年を追った青春映画。一つ一つのエピソードがややあっさりしている感はあるものの、受験勉強、就職、修学旅行、恋愛など中学生が抱える悩みや葛藤を幅広く描いていており、爽やかな青春ドラマに仕上がっている。その中で、登山シーンはハイライトのひとつ。原作は新田次郎前期の青春小説。この頃から新田作品は立て続けに映画化されており、後期代表作執筆前から、新田次郎人気は高かったようだ。

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タイトル
「大学の山賊たち」
公 開 日
1960年7月31日
監  督
岡本喜八
出  演
山崎努、佐藤允、久保明、鶴田浩二、越路吹雪
製  作
東宝
ジャンル
その他山岳映画
上映時間
94分
評  価
山度 : 60% / おすすめ度 : B
感 想 等
軽妙なセリフ回しや展開の妙など、コメディタッチの面白い作品。あだ名の付け方など、それだけで10人の男女の個性がうまく醸し出されている。全体を通して得も言われぬ面白さが漂っている。谷口千吉監督の助監督として「銀嶺の果て」などを撮っていたせいか、その辺の影響を感じる、と言ったらひいき目か。舞台はずっと山中で、後半には山崎努が強盗と山越えするシーンもあるが、スキー映画的な雰囲気の方が強いかもしれない。

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タイトル
「ヒマラヤ無宿 心臓破りの野郎ども」

(日本映画製作者連盟より画像借用)
公 開 日
1961年8月13日
監  督
小沢茂弘
出  演
片岡千恵蔵、進藤英太郎、水谷良重、佐久間良子
製  作
ニュー東映
ジャンル
その他山岳映画
上映時間
87分
評  価
山度 : 5% / おすすめ度 : D
感 想 等
冒頭、ヒマラヤの峰々や雪崩の映像に始まり、「ついに1953年にエヴェレストが征服され・・・・・マナスルも日本隊により・・・・・」とのナレーション。だが、本作は山岳映画ではない。山は冒頭だけで、あとは東京での雪男をめぐる珍騒動を描いたコメディ。それも見事なまでの超B級作品だ。今だったら絶対に作れないような作品だが、意外と楽しめるし、徹底したB級ぶりが笑える。また、ポンコツ車や古い黒電話、女性の服装・髪形・・・など、昭和の世相を知るうえでも面白い。

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タイトル
「黒い画集 ある遭難」
公 開 日
1961年6月17日
監  督
杉江敏男
出  演
伊藤久哉、香川京子、土屋嘉男、児玉清、和田孝
製  作
東京映画
ジャンル
山岳ミステリー・サスペンス映画
上映時間
87分
評  価
山度 : 100% / おすすめ度 : A
感 想 等
全編ほぼ山の中。特に後半は、たった2人だけの登山シーンなのに、これだけ緊迫した展開で観客を惹きつけ続けることに成功しているのは、杉江監督の手腕であろう。登山ブーム真っ盛りのこの年代でなければ作れなかった作品かもしれない。古臭いザックやボンネットバス、新宿駅の風景、山での荼毘・・・いろんな所に時代を感じさせるシーンが出てきて、それもまた興味深い。松本清張原作の作品で、原作に忠実に作りながら、こだわりも垣間見える。

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タイトル
「妻は告白する」
公 開 日
1961年10月29日
監  督
増村保造
出  演
若尾文子、川口浩、高松英郎、馬渕晴子
製  作
大映
ジャンル
山岳ミステリー・サスペンス映画
上映時間
91分
評  価
山度 : 30% / おすすめ度 : A
感 想 等
本作の魅力は、極論すれば「若尾文子」に尽きる、と言ってもいいかもしれない。女性の持つ妖しさや狂気を、若尾文子が見事なまでに演じていて、見ていて段々背筋が寒くなってくる。その雰囲気を音響がさらに高めている。雨水を滴らせながら和服で佇む若尾文子の演技は圧巻。増村保造監督ならでは色気だろう。古い白黒作品であるが、今見ても充分に耐えうる作品。登山家であると同時に弁護士でもある円山雅也の「遭難・ある夫妻の場合」の映画化作品。

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タイトル
「山男の歌」

(スチール写真より)
公 開 日
1962年7月8日
監  督
村山三男
出  演
藤巻潤、三条江梨子、小林勝彦、近藤美恵子
製  作
大映
ジャンル
その他山岳映画
上映時間
71分
感 想 等
当時流行していたダークダックスの「山男の歌」をもとに作られたという山岳映画。とは言うものの、内容を見る限り、「山男の歌」は出てくるものの原案にしているといったわけでもないようだ。山を絡めた友情と愛情、信頼と疑惑・・・・・「ザ・青春映画」である。そして、苦学生が登場し、歌声喫茶で合唱し、山の中でも歌を歌っている。そんな時代を感じさせる作品でもある。

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タイトル
「山の讃歌 燃ゆる若者たち」
公 開 日
1962年7月29日
監  督
篠田正浩
出  演
山村聡、田村高廣、岩下志麻、早川保、山田五十鈴
製  作
松竹
ジャンル
山岳青春映画
上映時間
90分
評  価
山度 : 60% / おすすめ度 : B
感 想 等
原作となっている有馬頼義の「三人の息子」は、わずか20ページと少しの短編。その分、映画化にあたって、親子の葛藤や父親の出世、恋愛・結婚など原作にはないさまざまな背景が盛り込まれており、物語を奥深いものにしている。山のシーンは60%もないが、山あるいは登山という存在が重要なカギとなっており、実際よりも高めに感じられる。山は“自由の象徴”のようなものなのだろう。脚本は白坂依志夫。

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タイトル
「富士山頂」(1967)
公 開 日
1967年
監  督
山下秀雄
出  演
森川公也、池田昌子、森幹太、深水吉衛、石川十郎
製  作
東映
ジャンル
山岳ノンフィクション映画
上映時間
55分
評  価
山度 : 90% / おすすめ度 : C
感 想 等
作品を見ると、映像といい雰囲気といい実に古臭さが漂っている。初めて見た時は、48年の新東宝製作による同名映画と勘違いした。実際は、東映の前身のひとつ、東横映画時代からの伝統である教育映画・児童映画として作られた作品であり、上映時間も55分と短い。原作は、新東宝作品同様に橋本英吉の『富士山頂』。東映ビデオからDVDが発売されている。

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タイトル
「黒部の太陽」
公 開 日
1968年2月17日
監  督
熊井啓
出  演
三船敏郎、石原裕次郎、辰巳柳太郎、滝沢修
製  作
三船プロ、石原プロ
ジャンル
山岳ノンフィクション映画
上映時間
196分
評  価
山度 : 10% / おすすめ度 : B
感 想 等
戦後、電力不足の時代に、多くの犠牲を払って作られた黒部第四ダム。その苦闘を描いた木本正次の『黒部の太陽』を映画化した作品。業界の悪習と言われ、山本富士子を映画界から締め出した五社協定に邪魔されて、一時は映画製作がとん挫し掛けたが、三船敏郎・石原裕次郎という二大スターが頭を下げてまわり、熊井啓監督が辞表を書いて・・・多くの情熱が終結して実現した。邦画興行成績第1位。東日本大震災をきっかけに、2013年にようやくDVD化された。

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タイトル
「北穂高絶唱」
公 開 日
1968年9月7日
監  督
沢島忠
出  演
北大路欣也、星由里子、田中邦衛、佐藤友美
製  作
東京映画
ジャンル
山岳青春映画
上映時間
93分
感 想 等
「死の断崖」「氷壁」「山の讃歌」「山男の歌」・・・・・この時代の山岳映画は、第一次登山ブームで登山をする若者が多かったことが影響しているのか、比較的日常生活の一コマとして登山が描かれている作品が多い。友情や愛情を軸に、登山による死(あるいは怪我)を絡めた青春映画・恋愛映画。最近はあまり見かけないだけに逆に新鮮な気持ちになる。本作は、時代劇を得意とした沢島忠監督が、東京映画移籍第一弾として撮った現代劇の純愛映画。

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タイトル
「富士山頂」(1970)
公 開 日
1970年2月28日
監  督
村野鉄太郎
出  演
石原裕次郎、山崎努、渡哲也、芦田伸介、佐藤充、勝新太郎、星由里子、宇野重吉、市原悦子
製  作
石原プロ
ジャンル
山岳ノンフィクション映画
上映時間
125分
評  価
山度 : 20% / おすすめ度 : C
感 想 等
気象庁測器課長として携わった富士山レーダー建設を巡る物語を、新田次郎自らが小説にした『富士山頂』。その映画化作品だ。富士山頂という高所での工事が難事業だったように、冬富士のシーンなど高所かつ寒い中での撮影は困難だったようだ。石原、渡、勝など大スターの競演をはじめ豪華な出演陣となっているが、演出がやや淡白な感じがする。『黒部の太陽』同様、2013年にようやくDVD化された。

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タイトル
「樹氷悲歌」
公 開 日
1971年5月5日
監  督
湯浅憲明
出  演
高橋惠子、篠田三郎、伴淳三郎、松坂慶子
製  作
大映
ジャンル
山岳青春映画
上映時間
83分
評  価
山度 : 20% / おすすめ度 : C
感 想 等
夢のため、家業を継がずに田舎を飛び出した若者。けなげに彼を待ち続ける恋人。親の反対で燃え上がる恋・・・。大映テレビが共同制作した赤いシリーズが70年代後半なので、こんな悲恋がこの時代の流行、ベタだったのかもしれません。山の中でも、遭難し、雪洞の中で裸になって暖め合う2人。ベタ満載です。登山ではなくスキー映画というべきなのでしょうが、遭難あり、雪崩ありで雪山の要素も強いのでリストに入れました。ちなみにタイトルは「樹氷エレジー」と読みます。

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タイトル
「蔵王絶唱」
公 開 日
1974年11月23日
監  督
山本邦彦
出  演
高橋洋子、織田あきら、樹木希林
製  作
東京映画
ジャンル
山岳青春映画
上映時間
89分
感 想 等
高校三年生の貴男は、転任してきた音楽教師・圭子に一目惚れした。貴男の家は、父親の愛人問題で揉めていた。そんな折、受験の息抜きに圭子と生徒たちは蔵王登山に出かけることになった。道ならぬ恋、家庭内不和、受験、そして遭難・・・・・いろんな要素を盛り込んだ青春悲話。原作は諸星澄子の同名小説だが、遭難事件がメインの原作に比べると、だいぶアレンジされているようです。残念ながら、DVDもVHSも発売されていません。

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タイトル
「星と嵐」
公 開 日
1976年10月23日
監  督
出目昌伸
出  演
三浦友和、片平なぎさ、ハナ肇、八千草薫
製  作
東京映画、M・M・C
ジャンル
山岳青春映画
上映時間
97分
評  価
山度 : 10% / おすすめ度 : C
感 想 等
登山に打ち込む青年の姿を通して、親子の対立と和解、若者の生きざまを描いた青春物語であり、ある意味アイドル映画である。昭和の父親像、当時の山好きの若者の生態などがよくわかる。アイガー北壁登攀を目指す主人公、先輩が経営する山道具店、ピッケルを磨く場面など山の要素は多いが、実際の登山・登攀シーンは冒頭くらいで山度はあまり高くない。また、タイトルが意味不明。レビュファから取ったとしか思えない。

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タイトル
「八甲田山」
公 開 日
1977年6月18日
監  督
森谷司郎
出  演
高倉健、北大路欣也、加山雄三、丹波哲郎、緒方拳
製  作
橋本プロダクション、シナノ企画、東宝映画
ジャンル
山岳サバイバル映画
上映時間
169分
評  価
山度 : 90% / おすすめ度 : A
感 想 等
明治時代に実際にあった悲劇をもとにした新田次郎の小説の映画化作品。冬の八甲田山麓での撮影は、実際の遭難事件と同じくらい大変だったのであろう。俳優の脱走や、撮影中の役者の半失神、奇想天外な遭難対策など撮影秘話・裏話に事欠かないことが、その苛酷さの何よりの証拠だ。山を駈け降りてくる雪崩が、徳島第31連隊の背中越しに見えるシーンなど、山の描写・雪の描写は見事としか言いようがない。芥川也寸志の音楽も印象的。

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タイトル
「聖職の碑」
公 開 日
1978年9月23日
監  督
森谷司郎
出  演
鶴田浩二、岩下志麻、三浦友和、田中健、中井貴恵
製  作
東宝映画、シナノ企画
ジャンル
山岳サバイバル映画
上映時間
153分
評  価
山度 : 60% / おすすめ度 : B
感 想 等
大正時代に起きた悲惨な遭難事件を描いた、新田次郎原作作品。原作もそうなのだが、壮絶な暴風雨などの遭難シーンがそれなりに占めている一方で、教育に関する思想的な側面も重要な要素となっている。北大路欣也の象徴的なセリフがある。「理想主義も鍛錬主義もない。一番重いのはこのシャツだ。自分が凍え死ぬ前に、このシャツを脱げる心だと思いました」。意外と良い話。それにしても、鶴田浩二や北大路欣也の蝋人形のような顔色は、ちょっとやり過ぎでは。

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タイトル
「楢山節考」(1983)
公 開 日
1983年4月29日
監  督
今村昌平
出  演
緒方拳、坂本スミ子、あき竹城、倍賞美津子
製  作
東映、今村プロ
ジャンル
「山のある風景」映画
上映時間
131分
評  価
山度 : 30% / おすすめ度 : C
感 想 等
抽象化、様式化することにより淒みを出した木下作品に対して、リアルさを追求した今村作品。「生きる」ことを真正面から見つめたら、「性」と切り離すことはできない。その生々しさゆえに余計に「生」を意識させられるのが今村作品だ。楢山様というのは、要はあの世のことだ。ただ、そこに行く時期を自然の摂理や神の裁量に任せるのではなく、仕来たり従うだけのこと。しかし、終わりがはっきり見えている分だけ怖い、考えてしまう。

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タイトル
「瀬降り物語」
公 開 日
1985年5月18日
監  督
中島貞夫
出  演
萩原健一、藤田弓子、河野美地子、内藤剛志
製  作
東映
ジャンル
「山のある風景」映画
上映時間
125分
評  価
山度 : 20% / おすすめ度 : D
感 想 等
かつて日本の山奥に住み、独自の文化・しきたりの中に生きていたという「山窩」。その生活ぶりや、生き様を描いた作品。本作品の元となった書籍に疑義が投げかけられているようなので、それを抜きにして創作だとして考えた場合、自然と共生する生き方の真ん中に、良くも悪くも「性」があるような生き方は、文字通り自然なんだろうと思う。萩原健一の渋さは魅力。ただ、この時代に「山窩」を描くことの主張が今一つよく分からなかった。

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タイトル
「植村直己物語」
公 開 日
1986年6月7日
監  督
佐藤純彌
出  演
西田敏行、倍賞千恵子、音羽信子、古尾谷雅人
製  作
電通、毎日放送
ジャンル
本格山岳映画
上映時間
140分
評  価
山度 : 100% / おすすめ度 : B
感 想 等
植村の登山・冒険を考えれば、映画にするのが大変だということはすぐにわかる。植村夫人の視点を軸に据えたことで流れもよく、いいアクセントになっている。植村直己の生きざまと公ちゃんという女性の優しさと強さ、それだけで感動的な作品となっている。西田敏之と倍賞千恵子がハマリ役だし、エベレストベースキャンプやアラスカでの大胆なロケも素晴らしい。全体的に淡々としたところがあり、無理に泣かせようとかしていない分、余韻の残る映画となっている。

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タイトル
「ラブ・ストーリーを君に」
公 開 日
1988年3月5日
監  督
澤井信一郎
出  演
後藤久美子、仲村トオル、佐藤友美、なべおさみ
製  作
東映、セントラル・アーツ
ジャンル
山岳青春映画
上映時間
104分
評  価
山度 : 20% / おすすめ度 : C
感 想 等
まだ中学生と初々しいアイドル・後藤久美子と、ビーパップ時代の不良役からの脱皮を図る仲村トオルのダブル主演で綴るラブストーリー。お涙頂戴的なベタな展開ながら、敢えて描きすぎない描写は、評価の別れるところだろう。個人的には、もう少し重くてもよかった気がする。80年代後半という時代に大学山岳部にこれだけの部員がいるのは驚き、というよりリアリティに欠ける。なお、原作には登山が出てこないのだが、このアレンジは誰の好みなのだろう?

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タイトル
「夢」
公 開 日
1990年5月25日
監  督
黒澤明
出  演
寺尾聰、倍賞美津子、原田美枝子、根岸季衣
製  作
黒澤プロ
ジャンル
その他山岳映画
上映時間
121分
評  価
山度 : 100%(第3話のみの山度) / おすすめ度 : C
感 想 等
世界の黒澤監督80歳の時の作品。8編の夢からなるオムニバスとなっている。全体的に感じられるのは、現代文明に対する警鐘のようなもの。原発や電気、戦争など、人間が起こしたことや作り上げてきたものへの批判が込められている。だが、8編通して見た場合、「第3話雪あらし」の位置づけ・役割は、正直よくわからない。黒澤監督が、山が好きだったことも影響しているのかもしれない。全編を通じて、色彩の美しさが印象的。

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タイトル
「奇跡の山 さよなら、名犬平治」
公 開 日
1992年4月18日
監  督
水島総
出  演
中江有里、渡瀬恒彦、烏丸せつこ、菅原文太、寺田農
製  作
東宝、TBS、NTTアド
ジャンル
その他山岳映画
上映時間
112分
評  価
山度 : 60% / おすすめ度 : C
感 想 等
母を失い、言葉をも失った少女と、母の死に立ち会った名犬との心の交流を描いた物語。美しい九重連山の自然をバックにしたクラシック調の音楽、その雰囲気だけでも十分な良さがあり、物語も暖かい。もっとも、現実はなかなかこんな風にはいかないだろうなぁとも思ってしまう。失語症の原因を作った父親を許せるのか、義理の母親・義理の弟とうまくやっていけるのかなど、余計な心配をしてしまう。暴風雨のシーンはスタジオセットとのことで見事!

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タイトル
「マークスの山」
公 開 日
1995年4月22日
監  督
崔洋一
出  演
中井貴一、萩原聖人、名取裕子、小林稔侍
製  作
松竹、アミューズ、丸紅
ジャンル
山岳ミステリー・サスペンス映画
上映時間
138分
評  価
山度 : 10% / おすすめ度 : C
感 想 等
直木賞を受賞した高村薫の同名小説の映画化作品。原作は文庫版は上下2巻に及ぶ超長編、しかも心理描写が多い重厚な作品。情報量を考えれば、これを2時間で映像化できるのか、というそもそもの所に無理があったような気がする。原作を読んでいない人にはわからないであろう謎が随所にあり、恐らくは消化不良。もう少し丁寧に描いて欲しかった。萩原聖人演じるマークス、名取裕子の盲目の愛、小林稔侍による暴力・・・、個々の表現は見ごたえがある。

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タイトル
「ホワイトアウト」
公 開 日
2000年8月19日
監  督
若松節朗
出  演
織田裕二、松嶋菜々子、佐藤浩市、石黒賢、吹越満
製  作
ホワイトアウトパートナーズ
ジャンル
山岳冒険アクション映画
上映時間
129分
評  価
山度 : 40% / おすすめ度 : B
感 想 等
ダムを占拠したテロリストに、たった一人で立ち向かっていくダムの運転員・富樫。テロリストとの銃撃戦、放水路からの脱出、ラッセルに次ぐラッセル、スノーモービルでのチェイス・・・これでもかというくらいに苦闘とピンチが連続する。そこに至る背景として、富樫を突き動かしている想いや、人間的な弱さを丁寧に描くことで、単なるエンタテイメントに終わることなく、深みのあるストーリーとなっている。佐藤浩一の悪役ぶり、いぶし銀の中村嘉津雄など脇役陣も光る。

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タイトル
「世にも奇妙な物語 映画の特別編」
公 開 日
2000年11月3日
監  督
落合正幸(第1話「雪山」)ほか
出  演
矢田亜希子、宝田明、大杉漣、鈴木一真、中村麻美
製  作
フジテレビジョン、東宝、ポニーキャニオン、IMAGICA、共同テレビジョン、日活
ジャンル
山岳ミステリー・サスペンス映画
上映時間
131分(内、第1話「雪山」は25分)
評  価
山度 : 30% / おすすめ度 : D
感 想 等
「雪山」以外は星新一作品みたいな軽妙なSF調だが、「雪山」はホラー映画。古典的都市伝説だが、内容的には非常に奥深い。人間の深層心理とでもいうか、人は罪を犯す時にどこかに良心の呵責のようなものがあり、それゆえ知らず知らずに自分を責めたり、時には正当化しようとする心理が働くのではないかという気がした。本作はどこまでが真実で、どこまでが妄想なのかハッキリしなかったが、そこがまたホラーたるゆえんなのだろう。

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タイトル
「十五才 学校W」
公 開 日
2000年11月11日
監  督
山田洋次
出  演
金井勇太、麻実れい、赤井英和、秋野暢子、小林稔侍
製  作
松竹、日本テレビ放送網、住友商事、角川書店、博報堂
ジャンル
山岳青春映画
上映時間
120分
評  価
山度 : 20% / おすすめ度 : B
感 想 等
山田洋次らしい作品、と言えるだろう。わかりやすくていい。自分の15才の頃を思い出す・・・といったことはなかったけれど、一応、人の親という立場にある身としていろいろなことを考えさせられた。人のあたたかさ、素直になることの難しさと大切さ、心を開くということ、家族とは・・・・・、大事なことについて今一度考えてみよう。屋久島では、宮之浦岳登頂を途中で諦めているものの、登山シーンがしばらく続く。

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タイトル
「ミッドナイト イーグル」
公 開 日
2007年11月23日
監  督
成島出
出  演
大沢たかお、竹内結子、玉木宏、吉田栄作、袴田吉彦、石黒賢
製  作
「ミッドナイトイーグル」パートナーズ
ジャンル
山岳冒険アクション映画
上映時間
131分
評  価
山度 : 40% / おすすめ度 : C
感 想 等
雪の北アルプス山中に墜落した謎の物体を巡り、不可解な事件に巻き込まれてしまう報道カメラマンの西崎。過去の痛みを胸に抱えながらも、家族愛や使命感から勇気をふり絞って敢然と立ち向かう西崎・・・。後半の山岳冒険小説的な展開と合わせて、原作は間違いなく名作なのだが、映画化に際して大事な部分が変えられている。西崎と慶子の関係、西崎が抱える心の傷、米軍の扱い・・・その辺りが、映画が原作を越えられなかった理由だろう。

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タイトル
「クライマーズ・ハイ」
公 開 日
2008年7月5日
監  督
原田眞人
出  演
堤真一、堺雅人、小澤征悦、高嶋政宏
製  作
「クライマーズ・ハイ」フィルム・パートナーズ
ジャンル
その他山岳映画
上映時間
145分
評  価
山度 : 10% / おすすめ度 : B
感 想 等
原作者の横山秀夫が、新聞記者時代に経験した日航機墜落事故を題材にした作品。新聞社の熱気や仕事に賭ける情熱、男の生き様などがうまく描かれており、自然と惹きこまれてしまう。原作では、主人公である「今の悠木」と親友安西の息子・燐太郎が谷川岳衝立岩を登攀するシーンが、親子関係や仕事に悩む「当時の悠木」とうまくオーバーラップする形で描かれているが、映画ではおまけ程度の位置付けとなっており、登攀シーンの必然性が薄くなっているのが残念。

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タイトル
「剱岳 点の記」
公 開 日
2009年6月20日
監  督
木村大作
出  演
浅野忠信、香川照之、松田龍平、宮崎あおい
製  作
「剱岳 点の記」製作委員会
ジャンル
本格山岳映画
上映時間
139分
評  価
山度 : 70% / おすすめ度 : C
感 想 等
「八甲田山」や「聖職の碑」でカメラを回した木村監督の作品だけあって、順撮りにより撮影したという数々のシーンや、雄大な景色・映像美はとにかく素晴らしい。仕事や信仰など登山以外の目的を持って山を登るという使命感のようなものが、映画製作に賭ける想いとシンクロした部分があるようだ。惜しむらくは、劔岳登山の大変さ、過酷さを表現するという意味で、登攀シーンに類するものをもっと盛り込んでも良かったのではないかと思う。

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タイトル
「岳 −ガク−」
公 開 日
2011年5月7日
監  督
片山修
出  演
小栗旬、長澤まさみ、佐々木蔵之介、市毛良枝
製  作
「岳 −ガク−」製作委員会
ジャンル
本格山岳映画
上映時間
125分
評  価
山度 : 100% / おすすめ度 : B
感 想 等
原作が大好きなので、原作との比較や原作のどの話、どのセリフを使ったとか、そういう部分につい目が行ってしまった。久美ちゃんのスリング切断や、三歩の「バーティカルリミット」ばりのクレバスジャンプシーンなど、やや過剰とも思えるシーンもあるが、全体的には楽しめた。前半のエピソードにぶつ切り感があり、もう少し絞り込んでもいいように思ったが、最後にはちゃんと結び着くように構成されており、脚本がうまいなぁと感じた。空撮シーンは文句なしの良さ。

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タイトル
「春を背負って」
公 開 日
2014年6月14日
監  督
木村大作
出  演
松山ケンイチ、蒼井優、豊川悦司、檀ふみ
製  作
フジテレビジョン/東宝/ホリプロ/北日本新聞社
ジャンル
本格山岳映画
上映時間
116分
評  価
山度 : 90% / おすすめ度 : C
感 想 等
木村監督だけあって映像の美しさは文句なしだが、ドラマとしてはちょっと淡々とし過ぎていて盛り上がりに欠ける気がする。原作の愛読者からすると、亨が山小屋を継ごうと決意した理由の描き方、恋愛的な要素、吾郎さんのセリフ、ラストの昭和臭い演出などに違和感を感じる人もいるかもしれない。とはいえ、DVDで見直したら、そんなに悪くなかった。暖かい家族の物語として、これはこれで結構いい。
 
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タイトル
「エヴェレスト 神々の山嶺」
公 開 日
2016年3月12日
監  督
平山秀幸
出  演
岡田准一、阿部寛、尾野真千子、佐々木蔵之介
製  作
「エヴェレスト 神々の山嶺」製作委員会
ジャンル
本格山岳映画
上映時間
122分
評  価
山度 : 90% / おすすめ度 : C
感 想 等
映像化不可能とまで言われた夢枕獏の名作が、20年越しでついに映画化。重厚長大な物語を2時間という枠に収めざるを得ない物足りなさは如何ともしがたいし、物語の改変部分はやや気になる。とはいえ、標高約5,000mの高所で撮影された映像と、俳優陣の踏ん張りを見事。それにしても、日本映画全般に言えることだが、特撮技術はもう少し上がらないものだろうか。
 
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