山岳映画・データファイル
〜洋画編〜

海外の山岳映画です。本格ものあり、恋愛ものあり、冒険アクションものもあります。ミステリーやサスペンスもあれば、エンタテイメントもあります。さらには、ホラーやディザスター・パニック、サバイバルから叙情詩のような映画まで、一口に山岳映画と言ってもさまざま。それらすべてを含めた海外山岳映画のコーナー。「こんな山岳映画も知っている!」という方は、是非ご一報ください。なお、本コーナーはフィクション作品限定で、ノンフィクションは除外しています。


(登録作品リスト −日本公開年・製作年順
19
50

年代
絶壁の彼方に
白銀の嶺
北の狼
燃える大陸
恐怖の雪男
60
年代
山の上の第三の男
ナバロンの要塞
山岳パトロール出動す
アイガー氷壁決死の救援
70
年代
SOS北極・・・赤いテント
さらば白き氷壁
アイガー・サンクション
80
年代
死の氷壁
007/
ユア・アイズ・オンリー
氷壁の女
山の焚火
狼たちの報酬
影なき男
90
年代
K2 ハロルドとテイラー
ザ・クライマー/彼方へ
二重告訴

19
90

年代
生きてこそ
クリフハンガー
ウェールズの山
ブリザード(1996)
セブン・イヤーズ・イン・チベット
アバランチ2/雪崩
エベレスト死の彷徨
ザ・ワイルド
リサ
ブリザード(1999)
20
00


04

M:I-2 ミッション:インポッシブル2
キャラバン
バーティカル・リミット
バーティカル・ポイント
ハンギング
クリムゾン・リバー
山の郵便配達
クライマー
キリング・ミー・ソフトリー
バーティカル・ハンガー
(2002) 
シャクルトン
EX エックス

00

04
ホワイトクラッシュ
ミッションX
バーティカル・ハンガー
(2004)
レッド・スノー
05

09
運命を分けたザイル
氷雨
南極日誌
ザブ・ゼロ
エギュイユ・ルージュ
驚愕雪崩
イントゥ・ザ・ワイルド
エベレスト
若きクライマーの挑戦
スノークラッシュ
ホワイトアウト
運命を分けたザイル2
アイガー北壁
デッドクリフ
127時間
ヒマラヤ 運命の山
20
10

年代
キラーマウンテン
ロンリエスト・プラネット
クライムダウン
ディアトロフ・インシデント

20
10

年代
K2 〜初登頂の真実〜
ビヨンド・ザ・エッジ
私に会うまでの1600キロ
エベレスト
X−ミッション
ラサへの歩き方
ロング・トレイル!
ヒマラヤ 地上8,000メートルの絆
登山
マイナス21℃
残された者 -北の極地-
オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁
EXIT イグジット
20
20

年代
イーディ、83歳
はじめての山登り
クライマーズ
クリフハンガー
フォールアウト
クラウディ・マウンテン

 
○「評価」欄の意味は次の通りです。
  山度 : その作品の何%程度を山関連の描写・表現等が占めているかを表す
  おすすめ度 : 最もお勧めの「A」を筆頭に、A〜Eの5段階評価です

 
 
 
タイトル
「絶壁の彼方に」 (原題:STATE SECRET)
製作年・国
1950年、イギリス
日本公開
1951年10月
監  督
シドニー・ギリアット
出  演
ダグラス・フェアバンクス・Jr、ウォルター・リラ、ジャック・ホーキンス、グリニス・ジョンズ
ジャンル
本格山岳映画
評  価
山度 : 20% 、 評価 : B
上映時間
104分
感 想 等
007シリーズなどの英国アクション映画の原型とも言えるスリル満載の作品。アクションそのものに派手さはなく、せいぜい山岳登攀くらいだが、そこに至る心理作戦とも言えるかけひきがおもしろい。最後まで飽きさせない展開、冒頭シーンの前振りも見事。理解できない外国語というものが、こんなにも観る者を巻きこむとは思わなかった。蛇足ながら、指名手配されても平然と口ヒゲを生やしているあたりは、英国紳士としてのたしなみか(劇中では米国人ですが・・・)。

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タイトル
「白銀の嶺」 (原題:THE WHITE TOWER)
製作年・国
1950年、アメリカ
日本公開
1952年7月1日
監  督
テッド・テズラフ
出  演
グレン・フォード、アリダ・ヴァリ、クロード・レインズ、オスカー・ホモルカ、サー・セドリック・ハードウィック
ジャンル
本格山岳映画
評  価
山度 : 90% 、 評価 : B
上映時間
98分
感 想 等
J・R・アルマンの「白い塔」を映画化した作品。原作に比べると、サイドストーリー的な部分が削ぎ落とされ、登山と恋愛に特化している分わかりやすくなっている。登山シーンは未踏峰には見えないものの、それなりに迫力がある。時代が時代とはいえ、雪山でアイゼンを履いていなかったり、手袋をしていない人までいたりと極端なのは残念。DVDは、残念ながら海外版のみだが、なんとなくの雰囲気と映像だけでも十分楽しめるので、あらすじだけは事前に押さえておこう。

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タイトル
「北の狼」 (原題:THE WILD NORTH)
製作年・国
1952年、アメリカ
日本公開
1953年5月3日
監  督
アンドリュー・マートン
出  演
スチュワート・グレンジャー、ウェンデル・コーリイ、シド・チャリシー、モーガン・ファーレイ
ジャンル
本格山岳映画
評  価
山度 : 70% 、 評価 : B
上映時間
97分
感 想 等
誤って人を殺してしまい山奥に逃げ込んだジュールズと、彼を追ってきた警官ペドリイ。ジュールズを逮捕し街まで連行することになったペドリイは、猛吹雪の中出発し、道に迷い、雪崩に遭い、狼の群れに襲われてしまう・・・。実話を基にしたという西部劇。入り口の流れは妙にあっさりとしていますが、それは後半に時間を費やすため。見所は、大自然の猛威を前に、次第に変化していく2人の人間関係にあります。この時代の人情譚は、味があっていいですね。

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タイトル
「燃える大陸」 (原題:LOST CONTINENT)
製作年・国
1951年、アメリカ
日本公開
1955年12月26日
監  督
サム・ニューフィールド
出  演
シーザー・ロメロ、ジョン・ホイト、チャック・チャンドラー、ホイット・ビッセル、ヒラリー・ブルック、シド・メルトン
ジャンル
山岳恐竜映画
評  価
山度 : 30% 、 評価 : C
上映時間
83分
感 想 等
本作は恐竜映画である。1951年製作で、コマ撮り動画などを駆使した特撮映画。現在のCGによる圧倒的なリアリティとは比べるべくもないが、これも特撮・CGの進歩の一過程なのだろう。ただ、登山シーンが妙に長く、恐竜がなかなか登場しないのはいかがなものか。好意的に解釈すれば、この時代に恐竜が発見されずに生存していたことの理由として、到達困難な人跡未踏の地だということを描きたかったのかもしれない。

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タイトル
「山」 (原題:THE MOUNTAIN)
製作年・国
1955年、アメリカ
日本公開
1956年9月15日
監  督
エドワード・ドミトリク
出  演
スペンサー・トレイシー、ロバート・ワグナー、アンナ・カシュフィ、クレア・トレヴァー
ジャンル
山岳冒険アクション映画
評  価
山度 : 80% 、 評価 : A
上映時間
109分
感 想 等
1955年製作で、確かに雰囲気的な古さは否めない。しかし、内容的には全く古さを感じさせない素晴らしい出来だ。何と言っても登攀シーンの迫力がいい。ザカリー役のスペンサー・トレイシーがもう少しスリムで若ければ・・・などと思ってしまうが、登攀シーンを見ているとそんなことも忘れて見入ってしまう。ハラハラドキし、そしてラストでほろっとさせられてしまう。ザカリーが弟を思う気持ちが痛々しい。映画の良さを再認識させてくれる作品。オススメです。

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タイトル
「恐怖の雪男」 (原題:ABOMINABLE SNOWMAN)
製作年・国
1957年、イギリス
日本公開
劇場未公開
監  督
ヴァル・ゲスト
出  演
フォレスト・タッカー、ピーター・カッシング、モーリン・コーネル、リチャード・ワティス
ジャンル
山岳恐怖映画
評  価
山度 : 50% 、 評価 : C
上映時間
85分
感 想 等
雪男を題材にした恐怖映画で、ネット等での評価はあまり高くない。確かに、恐怖映画としては、雪男の登場シーンが少なくてそんなに怖くない。でも、傲慢な白人社会や人類の驕りに対して警鐘を鳴らしている映画だと思えば、決して悪い出来ではない。映画の中で死んだ人間たちの死はすべて自滅であり、雪男は何も危害を加えていない。最後の博士のセリフに全てのメッセージが込められている。そういう視点で観て欲しい映画だ。
 
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タイトル
「山の上の第三の男」 (原題:THIRD MAN ON THE MOUNTAIN)
製作年・国
1959年、アメリカ
日本公開
1960年1月15日
監  督
ケン・アナキン
出  演
ジェームズ・マッカーサー、マイケル・レニー、ジャネット・マンロー、ジェイムズ・ドナルド
ジャンル
本格山岳映画
評  価
山度 : 90% 、 評価 : A
上映時間
106分
感 想 等
魔の山・シタデルで、客を護って死んだガイドのジョセフ。その息子・ルディが、シタデル登頂を目指す物語。モデルはマッターホルンで、映画でもマッターホルンの遠景が使われている。原作はJ・R・アルマンの"Banner in the Sky"で、なんとディズニーが映画化。個人的には原作のタイトルの方が好みです。内容は単純なストーリーながら、心暖まる話なので大好きです。残念ながら、DVDは米国版しか出ていない(当然、英語・・・)。

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タイトル
「ナバロンの要塞」 (原題:THE GUNS OF NAVARONE)
製作年・国
1961年、アメリカ
日本公開
1961年8月15日
監  督
J・リー・トンプソン
出  演
グレゴリー・ペック、デヴィッド・ニーヴン、アンソニー・クイン、スタンリー・ベイカー、アンソニー・クェイル
ジャンル
山岳冒険アクション映画
評  価
山度 : 5% 、 評価 : A
上映時間
160分
感 想 等
戦争アクション映画の元祖、個性溢れるキャラクターたちが特殊任務に命を懸ける。二枚目グレゴリー・ペックもいいが、デビッド・ニーブンとアンソニー・クインがとにかく渋い。やや長すぎる感はあるものの、緊迫したシーンの連続に飽きることはない。が、単なる戦争アクション映画と思ったら大間違いだ。本作は人間ドラマでもある。天下国家のために非情になる者、保身のために仲間を裏切る者、人は人を殺せるのか・・・。そんな根源的な命題を問い掛けてくる映画でもある。

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タイトル
「山岳パトロール出動す」 (原題:S.O.S. GLETSCHERPILOT)
製作年・国
1961年、西ドイツ
日本公開
1962年8月22日
監  督
ヴィクトル・ヴィカス
出  演
ンネマリー・デューリンガー、ロベルト・フライターク、レオポルド・ビベルティ、ヘルマン・ガイガー(特別出演)
ジャンル
本格山岳映画
上映時間
100分
感 想 等
アルプスのとある高峰に向かった3組7人の登山者たち。無事登頂を果たし、一緒に下山し始めた一行を悲劇が襲った。一人が足を滑らせたために全員が転落し、氷河の先端に投げ出されてしまったのだ。極限状態における人間模様・・・。原題の独語“GLETSCHERPILOT”とは、英語で言えば“Glass Pilot”(氷河パイロット?)だ。本物のスイス山岳救助隊の飛行士ヘルマン・ガイガーが、本業の役で出演しているそうだ。

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タイトル
「アイガー氷壁決死の救援」 (原題:SEIN BESTER FREUND)
製作年・国
1962年、オーストリア
日本公開
1963年8月1日
監  督
ルイス・トレンカー
出  演
トニー・ザイラー、ディートマール・シェーンヘル、ヒルティ・フォン・アルメン、エルケ・レスラー
ジャンル
本格山岳映画
感 想 等
アイガー北壁を舞台にした壮絶な遭難救助物語を通じて、山男の恋と友情を描いた作品。監督は、山岳映画の父:アーノルド・ファンク監督の作品に出演して以来、山岳映画に目覚めたというルイス・トレンカー監督。1962年当時すでに70歳という大ベテラン。主演は、冬季オリンピック三冠王から俳優に転向した、あのトニー・ザイラー(と言っても、もはや知らない世代の方が多いのだろうが・・・)。

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タイトル
「SOS北極・・・赤いテント」 (原題:LA TENDA ROSSA、KRASNAYA PALATKA、THE RED TENT〔米〕)
製作年・国
1970年、イタリア/ソ連
日本公開
1970年9月8日
監  督
ミハイル・カラトーゾフ
出  演
ショーン・コネリー、クラウディア・カルディナーレ、ハーディ・クリューガー、ピーター・フィンチ
ジャンル
山岳サバイバル映画
評  価
山度 : 30% 、 評価 : C
上映時間
158分
感 想 等
死者たちが集まってノビレ将軍を裁くという風変わりな展開は、一見面白いのだがよく考えると変。マルムグレンの恋人・ヴァレリアはいつ死んだのかわからないし、死者に聞かないとわからない事実もなかった。それに、ノビレ将軍帰還前に、勝手に歩いて帰ろうとした3人を除けば全員助かっている。何のための裁判かよくわからない。と、ストーリーは今一つなのだが、北極の景色が素晴らしいし、なぜか鑑賞後の全体の印象は悪くないから不思議だ。音楽が素晴らしい。

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タイトル
「さらば白き氷壁」 (原題:INFERNO AM MONT BLANC)
製作年・国
1972年、西ドイツ
日本公開
1973年8月4日
監  督
ロータル・ブランドラー
出  演
ピエール・マゾー、ミラン・ドゥベック、ロルフ・イェーガー、エゴン・ウルム、アンディ・シュリック
ジャンル
本格山岳映画
上映時間
89分
感 想 等
1961年、モンブランのフレネイ岩稜に、ピエール・マゾーらフランス隊とワルテル・ボナッティらイタリア隊の計7人が挑み、うち4人が命を落とした。その悲劇を再現したセミ・ドキュメンタリー映画。ピエール・マゾーが本人役で出演。原題は“INFERNO AM MONT BLANC”(=モンブランの大惨事)となっており、ストーリーそのままの意味。それにしても、なぜ西ドイツが映画化したのだろう?

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タイトル
「アイガー・サンクション」 (原題:THE EIGER SANCTION)
製作年・国
1975年、アメリカ
日本公開
1975年11月1日
監  督
クリント・イーストウッド
出  演
クリント・イーストウッド、ジョージ・ケネディ、ヴォネッタ・マギー、ジャック・キャシディ
ジャンル
山岳冒険アクション映画
評  価
山度 : 50% 、 評価 : D
上映時間
128分
感 想 等
アイガー北壁での登攀シーンの迫力は確かに素晴らしいが、原作同様、本作は今ひとつしっくりこない。北壁でのサンクションは、大変な状況を作り出すための設定にしか思えず、必然性が感じられない。挙句の果てのどんでん返しがコレではちょっと・・・。主役のヘムロックも、冷徹な殺し屋というよりは、血の気の多い女好きの気分屋にしか見えない。その辺が低い評価の理由だが、高い評価をする方も多いので、人それぞれなのだろう。

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タイトル
「死の氷壁」 (原題:HIGH ICE)
製作年・国
1980年、アメリカ
日本公開
劇場未公開
監  督
ユージン・S・ジョーンズ
出  演
デヴィッド・ジャンセン、トニー・ムサンテ、マッジ・シンクレア、アリソン・アード
ジャンル
本格山岳映画
評  価
山度 : 90% 、 評価 : D
上映時間
96分
感 想 等
う〜ん・・・。突っ込みどころ満載というか、壮大な茶番劇というか、ヘリを爆発炎上させ、山にミサイルを打ち込んでまでして作った映画がこれですか・・・って感じ。大言壮語して救助に向かったマックはあっさり雪庇を踏み抜き、さらに役に立たないビレイでかなりの高さを落下し、ついには変な岩場にすぽっと嵌ってしまう。なんだこの展開は、としか言いようがない。ラストは壮絶。山のシーンとか、雪崩とかそれなりに迫力があるのに、このストーリーはもったいない。

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タイトル
「007/ユア・アイズ・オンリー」
 (原題:FOR YOUR EYES ONLY)
製作年・国
1981年、イギリス/アメリカ
日本公開
1981年7月4日
監  督
ジョン・グレン 
出  演
ロジャー・ムーア、キャロル・ブーケ、トポル
ジャンル
山岳冒険アクション映画
評  価
山度 : 10% 、 評価 : C
上映時間
128分
感 想 等
お馴染み007シリーズの第12弾。ロジャー・ムーアによるボンドだ。冒頭のヘリシーンから、カーチェイス、スキーチェイス、さらには潜水格闘にクライミングと、陸・海・空なんでもござれのアクションシーンが満載。やり過ぎの感がないではないが、アクションありお色気あり、ジェームズ・ボンドらしいと言うことで、まぁよしとしよう。クライミングの場面は、作品の中ではシリルの僧院という設定になっているが、撮影場所はギリシャ・ピンドス山脈にあるメテオラ岩峰群だそうだ。

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タイトル
「氷壁の女」 (原題:FIVE DAYS ONE SUMMER)
製作年・国
1982年、アメリカ
日本公開
1983年6月25日
監  督
フレッド・ジンネマン
出  演
ショーン・コネリー、ベッツィ・ブラントリー、ランベール・ウィルソンジェニファー・ヒラリー
ジャンル
本格山岳映画(山岳恋愛映画)
評  価
山度 : 80% 、 評価 : B
上映時間
108分
感 想 等
何よりも登山シーンの迫力と美しさがいい。特に、ダグラスとガイドのヨハンの2人が急峻な雪壁を登ってゆく場面で、下から見上げるように映した太陽の照り返し具合や山の雰囲気は抜群。ストーリーは、ひとつひとつのエピソードの積み重ねを通じて、ケイトの微妙な心理・心の移り変わりがうまく描かれており、自然な形でラストへとつながっている。舞台は1932年。麻のロープや肩がらみ確保など、往時の登山の雰囲気も味わえる。フレッド・ジンネマン監督の遺作。

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タイトル
「山の焚火」 (英題:ALPINE FIRE、原題:HOHENFEUER)
製作年・国
1985年、スイス
日本公開
1986年8月2日
監  督
フレディ・M・ムーラー
出  演
ヨハンナ・リーア、トーマス・ノック、ロルフ・イリック
ジャンル
「山のある風景」映画
評  価
山度 : 30% 、 評価 : D
上映時間
118分
感 想 等
両親、姉と一緒に、4人だけで住む聾唖の少年。"坊や"と呼ばれている少年を軸に、そこに住む山の民の生活を、季節の移り変わりとともに描いてゆく叙事詩的作品。登山シーンなどは全くないのだが、全編に山の雰囲気が満ち溢れている。が、ストーリーの方は正直よくわからない。一つの詩のように連綿と続く物語を通じて一体何を言いたかったのか。雰囲気以上のものを感じ取れなかった。姉弟の前途を思うと、暗澹たる気持ちを禁じえない。

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タイトル
「狼たちの報酬」(原題:AMONG WOLVES)
製作年・国
1986年、フランス
日本公開
劇場未公開
監  督
ジョゼ・ジョヴァンニ
出  演
クロード・ブラッスール、ジェラール・ダルモン、ニエル・アレストリュプパトリック・エドリンカー
ジャンル
山岳冒険アクション映画
評  価
山度 : 5% 、 評価 : C
上映時間
108分
感 想 等
「7人の侍」モノとでもいう内容で、なかなか面白い展開。国家の重大事をならず者に任せていいのかというそもそもの疑問や、10人はちょっと多すぎて特殊技能が何なのかわからないままの人もいるといった難点もあるが、劇場公開されなかったのは不思議。一方で、こういうエンディングしかないのかと思うと、仕方ないと思いつつなんだかやるせない。クライマー役でフランス往年の名クライマー、パトリック・エトランジェが出演。このムーヴはさすがに素人の俳優には無理でしょう。

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タイトル
「影なき男」 (原題:DEADLY PURSUIT、SHOOT TO KILL)
製作年・国
1987年、アメリカ
日本公開
1988年6月4日
監  督
ロジャー・スポティスウッド
出  演
シドニー・ポワチエ、トム・ベレンジャー、カースティ・アレイ、クランシー・ブラウン
ジャンル
山岳ミステリー・サスペンス映画
評  価
山度 : 60% 、 評価 : C
上映時間
110分
感 想 等
立てこもり犯との緊迫したやりとりから、山を舞台にした自然との格闘、そしてカーチェイスを経て大団円と、冒険アクション的要素がてんこ盛りだ。当初犬猿の仲だったシドニー・ポワチエとトム・ベレンジャーが、次第に協力し合うようになっていく、その辺の人間模様もまた見所。いかつい顔をしたシドニーポワチエが、時々おどけた顔をするところが妙に愛嬌がある。岩場あり雪山ありで山岳シーンの迫力も存分に楽しむことができる。登山ではないものの、山度は比較的高い。
 
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タイトル
「K2 ハロルドとテイラー」 (原題:K2)
製作年・国
1991年、アメリカ
日本公開
1991年10月10日
監  督
フランク・ロッダム
出  演
マイケル・ビーン、マット・クレイヴン、パトリシア・シャーボノー、藤岡弘、
ジャンル
本格山岳映画
評  価
山度 : 90% 、 評価 : A
上映時間
111分
感 想 等
テイラーは独身で女ったらし、大胆奔放なエゴイスト。ハロルドは妻と仕事をこよなく愛する真面目な慎重居士。そんな対照的な2人は、登山を通じて結ばれている大親友。物語はK2登山を通じて、いろいろな人間模様が描かれている。友情、愛情、葛藤、自己犠牲…。もちろん登山の要素もふんだんに盛り込まれている。登山を登山として描き、しかも人間ドラマとしても魅せ、観終わった印象も爽やか。いい映画だ。ちなみに、藤岡弘、が日本人クライマー役で出演している。

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タイトル
「ザ・クライマー/彼方へ」 (原題:SCREAM OF STONE)
製作年・国
1991年、ドイツ/フランス/カナダ
日本公開
1992年10月1日
監  督
ヴェルナー・ヘルツォーク
出  演
ヴィットリオ・メッツォジョルノ、ステファン・グロヴァッツ、ドナルド・サザーランドマチルダ・メイ
ジャンル
本格山岳映画
評  価
山度 : 90% 、 評価 : B
上映時間
106分
感 想 等
メスナー原案、完全ロケ、シュテファン・グロヴァッツ出演・・・話題にこと欠かない。そして、期待を裏切らない迫力ある映像、見事なクライミングシーン。前半こそやや冗長な感じはあるが、ラスト20分ほどは見ごたえ抜群。この映画には、アルパインクライミングvsスポーツクライミング、無私無欲vs名誉野心、中年vs若者、自然vs都会…いろいろな対立の構図が込められている。その結末としての、このラストはどうなのか。おそらく観る人によって、その評価は分れるだろう。
 
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タイトル
「二重告訴」 (原題:DOUBLE JEOPARDY)
製作年・国
1992年、アメリカ
日本公開
劇場未公開
監  督
ローレンス・シラー
出  演
ブルース・ボックスライトナー、レイチェル・ウォード、セラ・ウォード
ジャンル
山岳ミステリー映画
評  価
山度 : 10% 、 評価 : C
上映時間
100分
感 想 等
男の馬鹿さ加減満載のミステリー映画。殺人か正当防衛かを巡る、裁判所での攻防はなかなか見応えがある。昔の恋人を家に招く男の行動も、旦那の元恋人の弁護を引き受ける妻の心情も、アメリカ人らしいのかもしれないがどうにも理解できないが、サスペンスとしてはなかなか面白い。クライミングシーンは、冒頭と後半に出てくる程度で10%もないくらいだが、重要な要素の1つとなっているのでオマケの山度。

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タイトル
「生きてこそ」 (原題:ALIVE)
製作年・国
1993年、アメリカ
日本公開
1993年5月29日
監  督
フランク・マーシャル
出  演
イーサン・ホーク、ヴィンセント・スパーノ、ジョシュ・ハミルトン、ブルース・ラムゼイ
ジャンル
山岳サバイバル映画
評  価
山度 : 60% 、 評価 : B
上映時間
126分
感 想 等
1970年代に実際にあった話に基づく物語。この壮絶な凄まじい話が、実話というところに重みがある。自分だったらこんな状況に陥って正常な精神でいられるだろうか、果たして人の肉を食べるということができるだろうか。そう考えただけで、その重さがよくわかる。最後には助かるとわかっていても、映画だとわかっていても感動してしまう。余談ではあるが、外国の人にとっての"神"の存在の不思議さの一端を見た気がする。

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タイトル
「クリフハンガー」 (原題:CLIFFHANGER)
製作年・国
1993年、アメリカ/フランス/イタリア
日本公開
1993年12月4日
監  督
レニー・ハーリン
出  演
シルヴェスター・スタローン、ジョン・リスゴー、マイケル・ルーカー、ジャニン・ターナー
ジャンル
山岳冒険アクション映画
評  価
山度 : 100% 、 評価 : A
上映時間
113分
感 想 等
冒頭、いきなりの緊迫した場面で惹き付け、そこから岩壁登攀、雪崩、吊り橋爆破、振り子トラバースとスリリングなシーンが連続する。まさに、アクション・エンタテインメントの王道をいく作品だ。“cliffhanger”という単語には、崖にぶら下がる人″と連続冒険活劇″の2つの意味があるが、文字通り「クリフハンガー」としか言いようがない展開。『ランボー』シリーズのスタローンと、『ダイ・ハード2』のレニー・ハーリン監督の魅力が合わさった作品。単純に楽しもう。

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タイトル
「ウェールズの山」 (原題:THE ENGLISHMAN WHO WENT UP A HILL BUT CAME DOWN A MOUNTAIN)
製作年・国
1995年、イギリス
日本公開
1996年5月11日
監  督
クリストファー・マンガー
出  演
ヒュー・グラント、タラ・フィッツジェラルド、コルム・ミーニイ、イアン・マクニース
ジャンル
「山のある風景」映画
評  価
山度 : 10% 、 評価 : B
上映時間
99分
感 想 等
不思議な清々しさを感じる映画。話自体はたいした話ではない。なんでそこまでこだわるのか、そう言ってしまったらそれだけの話。けれども、そこに郷土愛のようなものがあり、目的に向かって街全体が一つになって動いていくおかしさと、その情熱に巻き込まれて、いつしか村人の味方になっていくアンソンの間の抜けた真面目さ。そんなどこか憎めない、愛すべき人々の集まった物語。丘登り程度のシーンしかないけれど、村人の「山」への愛情に免じて山岳映画入り。

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タイトル
「ブリザード」 (原題:TO BRAVE ALASKA)
製作年・国
1996年、アメリカ
日本公開
劇場未公開
監  督
ブルース・ピットマン
出  演
アリッサ・ミラノ、キャメロン・バンクロフト、ダンカン・フレイザーフィリップ・グレンジャー
ジャンル
山岳サバイバル映画
評  価
山度 : 70% 、 評価 : C
上映時間
94分
感 想 等
金鉱で一発当てることを夢見てアラスカまでやってきた若い恋人たち。しかし、彼らは置き去りにされてしまう。極寒のアラスカを舞台に始まる脱出サバイバル。大自然に立ち向かう2人の人間模様が描かれる。その愛情は素晴らしいが、男性があまりに情けない一方で、こんな時に女性は強いなぁと感心する。蛇足ながら、凍傷以外にメイクがなく顔がキレイ過ぎる点、ヘリとセスナによる再三の捜索による費用は大丈夫なのか、などどうでもいい点が気になってしまった。

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タイトル
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」
 (原題:SEVEN YEARS IN TIBET)
製作年・国
1997年、アメリカ
日本公開
1997年12月13日
監  督
ジャン=ジャック・アノー
出  演
ブラッド・ピット、デヴィッド・シューリス、B・D・ウォン
ジャンル
「山のある風景」映画
評  価
山度 : 20% 、 評価 : C
上映時間
126分
感 想 等
アイガー北壁を初登攀したハインリッヒ・ハラーの「チベットの7年」を映画化した作品。冒頭、ナンガパルバットへのアタックシーンに始まり、チベットの風景なども出てくる。背景などを考えると、あの時代に西洋人がダライラマの家庭教師のような役目をしたというのは非常に興味深い事実なのだが、映画としてはなんだか盛り上がりに欠ける。息子の話も事実なのかもしれないが、取って付けたような感じ。悪くないのだが、惹きつけるものが足りないというのが正直な感想。

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タイトル
「アバランチ2/雪崩」 (原題:SURVIVAL ON THE MOUNTAIN)
製作年・国
1997年、アメリカ
日本公開
劇場未公開
監  督
ジョン・パターソン
出  演
マーキー・ポスト、デニス・ボウトシカリス、ヒロ・カナガワ、アントニー・ホーランド
ジャンル
山岳サバイバル映画
評  価
山度 : 100% 、 評価 : D
上映時間
90分
感 想 等
「アバランチ=雪崩」なのだが、どちらかと言うと雪崩に遭ったあとの脱出行がメインなので、原題通りの方が良かったように思う。この手のDVD(劇場未公開作品やTV映画など)は、歓心を買うように誇大広告することで却って失敗しているように思えて仕方がない。本作も人間ドラマとしての部分を前面に出した方がいい。もっとも内容的には、「フランシス・F・コッポラ製作」と謳っている割にたいしたことがなく、ちょっと物足りない。

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タイトル
「エベレスト死の彷徨」
 (原題:INTO THIN AIR: DEATH ON EVEREST)
製作年・国
1997年、アメリカ
日本公開
テレビ映画
監  督
ロバート・マーコウィッツ
出  演
ピーター・ホートン、クリストファー・マクドナルド、ナサニエル・パーカー、リチャード・ジェンキンス
ジャンル
本格山岳映画
評  価
山度 : 100% 、 評価 : B
上映時間
90分
感 想 等
1996年、エベレストで大量遭難が起き、難波康子さんら数人が亡くなった。その再現ドラマで、TV映画ながら事実に忠実に作られているようだ。撮影場所はよくわからないが、雪山の景色もリアルなら高所での苦しそうな演技もリアル。90分があっという間に過ぎてしまった。死に至るまでに描かれる自然の厳しさがちょっと物足りない感じはするが、全体的にはよくできており意外な拾い物。登場人物が多すぎて頭に入らないという難点はあるが、難波康子さんを演じた俳優もうまい。

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タイトル
「ザ・ワイルド」 (原題:THE EDGE)
製作年・国
1997年、アメリカ
日本公開
1998年5月30日
監  督
リー・タマホリ
出  演
アンソニー・ホプキンス、アレック・ボールドウィン、エレ・マクファーソンハロルド・ペリノー
ジャンル
山岳サスペンス・ミステリー映画
評  価
山度 : 70% 、 評価 : C
上映時間
115分
感 想 等
大金持ちが出掛けたアラスカ旅行で、自家用機が墜落し、大自然の中に放り出される。本から得た知恵を豊富に持っていたチャールズ、彼の若い妻と不倫関係にあったボブ。2人を軸に、大自然との闘い、冒険行が繰り広げられる。大自然の猛威も凄いが、なんと言っても驚かされるのは、チャールズの人格者ぶりだ。単純なストーリーながら、画面の迫力だけで楽しめる。熊の演技は見ものだが、あの熊が本物だと知って驚いた。

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タイトル
「リサ」 (原題:LISA)
製作年・国
1996年、ベルギー/スイス
日本公開
1999年11月
監  督
ヤン・ケイミューレン
出  演
ヴェーレ・ドベラーレ、アントニー・カメルリング、マルク・キャロ
ジャンル
本格山岳映画(山岳恋愛映画)
上映時間
105分
感 想 等
マッターホルン登頂の失敗、恋人ロブの浮気・裏切り・・・、失意のどん底にあったリサだが、若きピアニスト・サムに出会って恋に落ち、再び満ち足りた時間を取り戻す。そんな時に、元彼からエイズ感染という衝撃の事実を知らされた・・・。登山を絡めながら描かれる愛の物語。99年日本公開だが、ビデオ化もDVD化もされておらず、なかなか観るチャンスのない作品。

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タイトル
「ブリザード」 (英題:DEATH RUN、原題:MORDERISCHE ABFAHRT - SKITOUR IN DEN TOD)
製作年・国
1999年、ドイツ
日本公開
劇場未公開
監  督
カート・M・ファウデン
出  演
トーマス・ハインツ、ルパート・フレイザー、フランソワ・エリック・ジェンドロン
ジャンル
山岳ミステリー・サスペンス映画
評  価
山度 : 70% 、 評価 : D
上映時間
92分
感 想 等
登山というよりスキーという感じだが、クレバスあり雪庇ありホワイトアウトありで雰囲気は十分だ。とはいえ、ストーリーの方は今ひとつぱっとしない。リチャードとガブリエラの不倫や、ジャンの病など、要るのか要らないのかよくわからない要素が入っている一方で、犯人が犯行に至る背景や犯行の内容、共犯者の行動など、肝心なことがちゃんと描かれていない。全体的に中途半端な感じが否めない。英題の「DEATH RUN」、邦題の「ブリザード」もセンスを疑うタイトル。

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タイトル
「M:I-2 ミッション:インポッシブル2」
 (原題:MISSION: IMPOSSIBLE 2)
製作年・国
2000年、アメリカ
日本公開
2000年7月8日
監  督
ジョン・ウー
出  演
トム・クルーズ、ダグレイ・スコット、タンディ・ニュートン
ジャンル
山岳冒険アクション映画
評  価
山度 : 5% 、 評価 : B
上映時間
124分
感 想 等
ミッション:インポッシブルシリーズは、トム・クルーズがとにかく格好いいのだ。アクションシーンの連続で、それだけでお腹いっぱいになる。クライミング・シーンは冒頭だけだが、あのシーンをスタントなしでトム・クルーズが演じているというのだから驚いてしまう。クライミングの迫力は、観ているだけで手に汗握るほど。ある意味、一番の見どころかもしれない。

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タイトル
「キャラバン」 (原題:HIMALAYA - L'ENFANCE D'UN CHEF、HIMALAYA〔仏〕、CARAVAN〔加〕)
製作年・国1999年、フランス/ネパール/スイス/イギリス
日本公開
2000年11月25日
監  督
エリック・ヴァリ
出  演
ツェリン・ロンドゥップ、カルマ・ワンギャル、グルゴン・キャップ、カルマ・デンジン・ニマ・ラマ
ジャンル
「山のある風景」映画
評  価
山度 : 40% 、 評価 : B
上映時間
108分
感 想 等
ネパールの山岳地帯に住む村人たちが、塩と麦を交換するために、ヤクを連れて苛酷な自然との闘いとなるキャラバンに出かける。それは、彼らが生きるための道。世代間の確執、リーダーの孤独、先人の知恵、若者の反抗、そして世代交代。荘厳で雄大な風景の中で展開される、ドキュメンタリーのような生の物語。ストーリーも良いが、映像も素晴らしく、また音楽が耳から離れない。フランダース国際映画祭最優秀観客賞を始め、数々の映画賞を受賞した作品。

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タイトル
「バーティカル・リミット」 (原題:THE VERTICAL LIMIT)
製作年・国
2000年、アメリカ
日本公開
2000年12月9日
監  督
マーティン・キャンベル
出  演
クリス・オドネル、ビル・パクストン、ロビン・タネイ
ジャンル
山岳冒険アクション映画
評  価
山度 : 100% 、 評価 : C
上映時間
124分
感 想 等
K2で遭難した妹を助けようとする兄の奮闘を描いた遭難救助物語。ストーリーだけ書くと、本格山岳映画としか言いようがない内容だが、観た人ならご存知だろうが娯楽アクション映画だ。ハリウッドは、遭難救助さえも娯楽大作に仕上げてしまったのだ。ニトログリセンリンの必然性など設定にいろいろ問題はあるかもしれないが、娯楽映画と割り切って観ればかなり楽しめる。なお、ダブルアックスでの岩壁越えジャンプシーンは、『岳‐ガク‐』でも取り入れられている。

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タイトル
「バーティカル・ポイント」
 (原題:DIE BERGWACHT - DUELL AM ABGRUND)
製作年・国
2000年、ドイツ
日本公開
テレビ映画
監  督
ウォルフガング・ディクマン、シュテファン・クリシュ
出  演
ダニエル・モルゲンロート、アレクサンダー・ヘルトスザンヌ・ミヒュエル、ジークフリート・ラウル
ジャンル
山岳ミステリー・サスペンス映画
評  価
山度 : 30% 、 評価 : C
上映時間
88分
感 想 等
逆恨みとはいえ決して悪人ではなかった犯人、ズィーモンとスザンネの家族愛、ヒューマン・ドラマとしてはそれなりに頷ける。ただ、細部にこだわると、ちょと「ん?」と思わないでもない。一番遺憾なのは、日本版のDVDパッケージだ。「標高5,000Mの断崖の絶壁」などは、明らかに誇大広告だ。実際は、岩壁登攀や懸垂下降のシーンなどが所々に出てくるものの、どれもぶつ切りで実際の山度はあまり高くないような気がする。山と麓の距離が今一つ分かり難い。

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タイトル
「ハンギング」 (原題:FINAL ASCENT)
製作年・国
2000年、アメリカ
日本公開
テレビ映画
監  督
デヴィッド・ウォーリー=スミス
出  演
アントニオ・サバト・Jr、ユルゲン・フロフノウパトリック・マルトゥーン、ヘイジ・レンハート
ジャンル
山岳冒険アクション映画
評  価
山度 : 80% 、 評価 : D
上映時間
92分
感 想 等
クライミング中の事故で、娘を亡くした父、妹を亡くした姉。そして、1年半ぶりに出掛けた登山で出くわしてしまった凶悪犯との死闘。・・・とくると、「クリフハンガー」と少し似ているが、随所に見られる陳腐さは如何ともしがたい。特に、CGの稚拙さ、ご都合主義的な設定、突っ込みどころ満載の展開が、ドラマを台無しにしている。もったいない。ほぼ全編山。山の雰囲気はたっぷり味わえる。良かったのはラストのどんでん返しくらいだが、それとても辻褄がやや合わない感じがする。

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タイトル
「クリムゾン・リバー」 (原題:THE CRIMSON RIVERS、LES RIVIERES POURPRES)
製作年・国
2000年、フランス
日本公開
2001年1月27日
監  督
マチュー・カソヴィッツ
出  演
ジャン・レノ、ヴァンサン・カッセル、ナディア・ファレス、ドミニク・サンダ
ジャンル
山岳サスペンス・ミステリー映画
評  価
山度 : 20% 、 評価 : C
上映時間
105分
感 想 等
フランスの片田舎で起きた猟奇的な殺人。ミステリー映画であり、ホラー映画でもある。「クリムゾン・リバー」(THE CRIMSON RIVERS)とは直訳すると「深紅色の川」となるが、この深紅色とは血の色のことだそうである。意訳するならば、「血筋・血統」を表しているらしく、そう考えると、物語の内容を象徴するようなタイトルであることがよくわかる。原作と映画で異なるラストを用意しており、両方楽しめるようになっている。

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タイトル
「山の郵便配達」
 
(原題:那山 那人 那狗、英題:POSTMEN IN THE MOUTAINS)
製作年・国
1999年、中国
日本公開
2001年4月7日
監  督
フォ・ジェンチイ
出  演
トン・ルーチュン、リウ・イエ、ジャオ・シィウリ
ジャンル
「山のある風景」映画
評  価
山度 : 30% 、 評価 : A
上映時間
93分
感 想 等
美しい中国の自然を背景に描かれる親子の物語。険しい山道を歩いて郵便物の集配を行う初老の父と、引退する父の後を引き継ぐことになった息子が、一緒に山間の村々を訪れる様子をたどりながら、家族のあり方や人と人の絆を静かに描き出してゆく。詩情豊かな風景の中に紡がれる物語は、観る者の心に訴えかけてくる情感に溢れている。素直に感動する。

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タイトル
「クライマー」 (原題:FEINDLICHE UBERNAHME: ALTHAN.COM)
製作年・国
ドイツ、2001年
日本公開
劇場未公開
監  督
カール・シェンケル
出  演
トーマス・クレッチマン、デジレー・ノスブッシュ、ハンス・ペーター・ホールバックス
ジャンル
山岳冒険アクション映画
評  価
山度 : 20% 、 評価 : D
上映時間
100分
感 想 等
決して悪くはないのだが、どうにも釈然としない印象が残る。どことなくリアリティに欠け、中途半端な感じが否めない。テロをやるにしても他にもっといい方法があるのでは?ビルクライムをさせるのは現実的なのか?テロリストの思想的背景はあの程度でいいのか?あの登り方で途中のビレイは役に立つのか?などなど・・・・・。テロリストの仲間割れは何のためなのか、ストーリーもわかりにくい。救いと言っては何だが、ローラとロバートの関係は自然な感じでいい。

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タイトル
「キリング・ミー・ソフトリー」 (原題:KILLING ME SOFTLY)
製作年・国
2001年、アメリカ
日本公開
2002年2月23日
監  督
チェン・カイコー
出  演
ヘザー・グラハム、ジョセフ・ファインズ、ナターシャ・マケルホーン、イアン・ハート
ジャンル
山岳ミステリー・サスペンス映画
評  価
山度 : 10% 、 評価 : D
上映時間
101分
感 想 等
原作を先に読んでいたせいか、興がそがれていたのは事実。ただ、原作を読んだだけで面白く感じられないのだとしたら、それ自体、映画としては失敗していることを意味しているのかもしれない。原作も同じだが、アダムの怪しげな雰囲気が、視聴者をミスリードさせるためだけにあるようでやや過剰な演出。良かったのはヘザー・グラハムくらいか。山で恋人を死なせてしまったトラウマを持つ山男が主人公ということで、実際の山のシーン以上に山度は高めに感じられる。

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タイトル
「バーティカル・ハンガー」 (原題:THE CLIMB)
製作年・国
2002年、アメリカ
日本公開
劇場未公開
監  督
ジョン・シュミット
出  演
ジェイソン・ジョージ、ダブニー・コールマン、デヴィッド・スチュアート、ネッド・ヴォーン
ジャンル
本格山岳映画
評  価
山度 :80% 、 評価 : B
上映時間
100分
感 想 等
偶然出会った2人の山男。その対比がまず面白い。白人と黒人、慎重な男と大胆な男、神を信じる男と信じない男、登山より大事なものがあるという男と何よりも登山が大事という男。ことごとく正反対の2人は、時にぶつかり反発しあいながらも、どこかで相手のことを認め、協力し合いながら未踏壁を目指す。日本で公開されなかったのは、宗教色の濃さゆえだろうか。難攻の未踏壁にしてはありふれた雪山にしか見えないのは残念だが、なかなかの秀作。
 
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タイトル
「シャクルトン 南極海からの脱出」 (原題:SHACKLETON)
製作年・国
2002年、イギリス
日本公開
TV映画
監  督
チャールズ・スターリッジ
出  演
ケネス・ブラナー、ローカン・クラニッチ、ケヴィン・マクナリー、マット・デイ
ジャンル
サバイバル映画
評  価
山度 :60% 、 評価 : C
上映時間
206分
感 想 等
南極大陸横断に挑戦したものの、氷に阻まれて船は大破。船員27名率いて、1人の犠牲者を出すこともなく生還したシャクルトンの物語。リーダー論の題材でよく使われるように、前向きな言葉・明確な指示・率先垂範・メンバーへの心配りなど、リーダーの資質と孤独が描かれている。何より、南極圏での吹雪・寒さ・食糧不足などに耐え、危機を乗り越えて生還するドラマが感動的。ただ、事実なのかもしれないが、不倫の話などは入れる必要があったのか疑問。
 
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タイトル
「EX エックス」(原題:EXTREME OPS)
製作年・国
2002年、イギリス/ドイツ/ルクセンブルク
日本公開
2003年6月28日
監  督
クリスチャン・デュゲイ
出  演
ジャナ・パラスキー、デヴォン・サワ、ジョー・アブソロム、ブリジット・ウィルソン=サンプラス
ジャンル
山岳冒険アクション映画
評  価
山度 : 30% 、 評価 : D
上映時間
94分
感 想 等
とにかくクレイジーなエクストリームもので、極限シーンそのものは確かに凄いのだが、その肝心のシーンがぶつ切りだったりする。ストーリーはおまけみたいなもの、と言ってしまえばそれまでだが、不必要なテロリストとの格闘など、心情的に入り込むにはあんまりな内容。単純に見て楽しむくらいに考えた方がいいかもしれない。一応CGなしのフル実写とのことだが、最後の雪崩との競争シーンはにわかには信じがたい。

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タイトル
「ホワイトクラッシュ」 (原題:THE SNOW WALKER)
製作年・国
2003年、カナダ
日本公開
劇場未公開
監  督
チャールズ・マーティン・スミス
出  演
バリー・ペッパー、ジェームズ・クロムウェル、アナベラ・ピアガタック、キルステン・ウォーレン
ジャンル
山岳サバイバル映画
評  価
山度 : 10% 、 評価 : C
上映時間
103分
感 想 等
飛行機が不時着し、アラスカの平原のど真ん中に放り出されたチャーリーとイヌイットの少女。言葉も通じないなか、自然とともに逞しく生きてきた少女の知恵と優しさが、2人の距離を近づけてゆく。サバイバルものとしてはやや物足りない部分はあるが、チャリーが黙々と石で墓を造るシーンがなかなかいい。パッケージが誇大広告で、「極寒のアラスカ」のシーンはわずか。登山シーンはないが、アラスカを舞台にしたサバイバルものなのでリストアップ。

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タイトル
「ミッションX」 (原題:CATCH THAT KID)
製作年・国
2003年、アメリカ・ドイツ
日本公開
劇場未公開
監  督
バート・フレインドリッチ
出  演
クリステン・スチュワート、コービン・ブルー、マックス・シエリオット、ジェニファー・ビールス
ジャンル
クライミング映画
評  価
山度 : 10% 、 評価 : C
上映時間
92分
感 想 等
元登山家の父が滑落の後遺症で倒れ、手術には25万ドルが必要だという。趣味がクライミングで、父親が大好きな12歳の少女マディは、手術費用を工面するため、マディのことが好きな親友・オースティンとガスの協力を得て銀行強盗を決意。エンタメとしてはなかなか面白いが、子供たちへの緩い罰や、男心をもてあそぶマディの悪女ぶりなど突っ込み所は満載。12歳の犯罪なのでやむを得ないが、計画は杜撰。お涙頂戴にも程遠く、単なるエンタメ作品。

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タイトル
「バーティカル・ハンガー」 (原題:SNOWMAN'S PASS)
製作年・国
2004年、カナダ/アメリカ
日本公開
劇場未公開
監  督
レックス・ピアノ
出  演
ニコール・エガート、マーク・シンガー、ジョージ・スタルツ、マイク・ドプッド
ジャンル
山岳ミステリー・サスペンス映画
評  価
山度 : 90% 、 評価 : D
上映時間
97分
感 想 等
人を寄せ付けない山中に墜落した極秘の衛星を横取りしようとする犯人グループ。ガイドを雇うために、犯人は行方不明事件を詳しく調べ、身分証明書を偽造して乗り込む。にも係らず、微塵も雪のない普通の山で、壁は裏山の岩場程度、車道の終着地点から歩いて1時間もかからない山中。山に関するそんな軽い描写のために、リアリティが感じられない。パッケージも虚偽表示。この程度の犯人が下調べをして来ているというのに、肝心の衛星を打ち上げた人たちはなぜ回収に来ないのだろう。

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タイトル
「レッド・スノー」 (原題:極地栄救/RED SNOW)
製作年・国
2004年、中国
日本公開
劇場未公開
監  督
ジャン・チェンヤー
出  演
カレン・モク、シャオ・ピン、ダ・ワンダイ
ジャンル
山岳ミステリー・サスペンス映画
評  価
山度 : 20% 、 評価 : C
上映時間
98分
感 想 等
登山の話ではないが、土石流、雪崩、暴風雪、雪山など山のシーンも多く、少しだけインドア・クライミングシーンもあるので山岳映画として取り上げた。ストーリーの方は、昭和のメロドラマっぽい展開ながら、ちょっとした感動話で悪くない。ただ、問題点も多々ある。まず、土石流、ヘリでの宙づりなど、大事なシーンが稚拙なCGで台無しになっている。また、少年ジャンプばりの不死身ぶりも極端すぎて、やり過ぎの感は否めない。

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タイトル
「運命を分けたザイル」 (原題:TOUCHING THE VOID)
製作年・国
2003年、イギリス
日本公開
2005年2月11日
監  督
ケヴィン・マクドナルド
出  演
ジョー・シンプソン、サイモン・イェーツ、ブレンダン・マッキー、ニコラス・アーロン
ジャンル
本格山岳映画
評  価
山度 : 100% 、 評価 : A
上映時間
107分
感 想 等
感動の山岳ノンフィクション「死のクレバス」。こんな壮絶な話があるだろうかと思った。あの名作をどう映画化するのだろうかと想像もできなかったが、本人たちがナレーションとして参加することでノンフィクションのようなリアルさを出しながら、同時にどうやって撮影したのか不思議に思うくらいの迫力ある映像でリアリティを醸し出している。まさにフィクションとノンフィクションを融合したような見事なまでの演出の巧さと映像の迫力。感動の名作です。

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タイトル
「氷雨」 (英題:ICE RAIN)
製作年・国
2004年、韓国
日本公開
韓流シネマ・フェスティバル2005にて上映
監  督
キム・ウンスク
出  演
ソン・スンホン、イ・ソンジェ、キム・ハヌル
ジャンル
本格山岳映画(山岳恋愛映画)
評  価
山度 : 70% 、 評価 : B'
上映時間
105分
感 想 等
山はメロドラマのおまけくらいだろうと思って見ていたら、意外に本格的でビックリ!韓流らしいメロドラマと、本格的な山岳映画の両面を兼ね備えた作品。前半、現在と過去が交錯しているため、人物を認識するまではストーリーがよくつかめなかったが、カチッとはまった瞬間からはウソンとジュンヒョンの心情、微妙なやりとりが胸に迫ってきた。フルCGの登攀シーンや滑落シーンがとにかくすごい。CG恐るべし。ザイル切断シーンが玉に傷。アラスカのアシアックは架空の山とのこと。
 
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タイトル
「南極日誌」 (英題:ANTARCTIC JOURNAL )
製作年・国
2005年、韓国
日本公開
2005年8月27日
監  督
イム・ピルソン
出  演
ソン・ガンホ、ユ・ジテ、カン・へジョン
ジャンル
サスペンス・ホラー映画
評  価
山度 : 100% 、 評価 : D
上映時間
115分
感 想 等
それぞれの思いを胸に秘めて、世界初の無補給での南極到達不能点を目指す6人の韓国隊。ところが、過去のイギリス隊の日誌を発見してから不思議なことが起き始め、1人ずつ隊員がいなくなっていく・・・。強いてジャンル分けするなら、ホラー映画が適切だろう。スケールの大きさ、南極の厳しい自然描写は見事だが、ストーリーがまったくロジカルでないので、疑問ばかりが生じ、映画そのものには共感しにくい。一番の恐怖は「人間の心」ということなのだろう。
 
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タイトル
「ザブ・ゼロ」 (原題:SUB ZERO)
製作年・国
2005年、アメリカ
日本公開
劇場未公開
監  督
ジェイ・アンドリュース
出  演
コスタス・マンディロア、ニア・ピープルズ、リンデン・アシュビー、マイケル・サンジック
ジャンル
山岳冒険アクション映画
評  価
山度 : 60% 、 評価 : C
上映時間
99分
感 想 等
最初のうちはSF超大作のようで、なかなか緊迫の展開。ところが、徐々に陳腐な設定が出始め、B級の色合いを濃くしていく。それでも、全体としてはまぁまぁ愉しめる作品。SFの要素は少なく、実は山が中心だったりする。山の遠景から、クライミングシーン、雪崩、その後はずっとK2登山。しかし、登頂が至上命題の8000m峰登山に酸素ボンベは持っていかないし、少しも息苦しくなさそうだし、K2に"飛び道具"とやらを持っていく・・・。ちょっとその展開、あり得ないでしょ!
 
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タイトル
「エギュイユ・ルージュ」 (原題:Les Aiguilles Rouges)
製作年・国
2005年、フランス
日本公開
2006年3月15〜19日、フランス映画祭上映
監  督
ジャン=フランソワ・ダヴィ
出  演
ジョナサン・ドマルジェ、ダミアン・ジュイユロ、ジュール・シトリュク、リュファス
ジャンル
山岳青春映画
評  価
山度 : 90% 、 評価 : C
上映時間
93分
感 想 等
イタズラの罰として、モンブラン正面のプレヴァン3日間のトレッキングに出かけることになった8人のボーイスカウトたち。青春期特有の恋愛や親との葛藤、仲間との喧嘩・・・。そんな経験を通じて成長していく若者たちの物語。2006年のフランス映画祭で上映された作品で、DVDはフランス語版のみだが、会話は分からなくても雰囲気で理解できる。冒頭、傍若無人な悪ガキどもに気分が悪くなるほどだが、後半になるとちょっとほっこりと暖かい気持ちになる。

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タイトル
「驚愕雪崩」 (英題:WAY OF THE SNOWSTORM)SUB ZERO)
製作年・国
2007年、中国
日本公開
劇場未公開
監  督
高峰
出  演
阿力木江、劉小寧、周波
ジャンル
山岳アクション映画
評  価
山度 : 30% 、 評価 : C
上映時間
91分
感 想 等
お金の為に命を掛ける砂金採取者と森林警備隊の死闘を描いた映画。とはいうものの、アクションでもなく、ヒューマンドラマでもなく、やや中途半端な感じは否めない。森林警備隊は取り締まりが目的なのか、人助けが目的なのかも分かり難い。西洋人風イケメンのヘイ隊長は格好いいし、内容的には悪くないのだが、どう見ても別撮りの雪崩シーン、安易な最後の切り札、あまりにも誇大広告なDVDパッケージなどなどB級要素には事欠かない。

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タイトル
「イントゥ・ザ・ワイルド」 (原題:INTO THE WILD)
製作年・国
2007年、アメリカ
日本公開
2008年9月6日
監  督
ショーン・ペン
出  演
エミール・ハーシュ、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ウィリアム・ハート、クリステン・スチュワート
ジャンル
山岳サバイバル映画
評  価
山度 : 40% 、 評価 : B
上映時間
148分
感 想 等
ジョン・クラカワーのノンフィクション「荒野へ」を映画化した作品。飽食の時代に生まれ育った若者が、人間関係に悩み、自分の力でどこまでできるかを試したくて旅に出る。旅を通じて人との関わり合いの大切さ・温かさを痛感し、同時に自分の弱さに気付いていく。実話ゆえのラストがやるせない。本作はいわゆる山岳映画ではないが、雪を抱いたアラスカの山々や、ヘラジカ・クマといった自然が、都会との対比を表す大切な登場人物となっているので、リストに加えた。

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タイトル
「エベレスト 若きクライマーの挑戦」 (原題:EVEREST)
製作年・国
2007年、カナダ
日本公開
テレビ映画
監  督
グレアム・キャンベル
出  演
エリック・ジョンソン、ジョン・パイパー=ファーガソン、ジェイソン・プリーストリー、ウィリアム・シャトナー
ジャンル
本格山岳映画
評  価
山度 : 100% 、 評価 : C
上映時間
93分
感 想 等
実話に基づく再現映画で、本物のエベレストの映像を適度に配してリアル感を出しているあたりはなかなかいい。そこは一押し。1982年にエベレスト登頂なんて、世界的にはたいした話ではないが、カナダ人初という意味では感動的な仕上り。一方、標高7,000m付近での喧嘩など、そんな馬鹿なというシーンもある。途中、人間関係のもめ事が多くて今ひとつなのに、最後はみんないい人になってしまっている。事実なのかもしれないが・・・。終わり良ければ全て良し、としよう。

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タイトル
「スノークラッシュ」 (原題:DEEP WINTER)
製作年・国
2008年、アメリカ
日本公開
劇場未公開
監  督
マイキー・ヒルブ
出  演
エリック・ライヴリー、マイケル・マドセン、ルーク・ゴス、ロバート・キャラダイン
ジャンル
山岳スポーツ映画
評  価
山度 : 30% 、 評価 : C
上映時間
96分
感 想 等
登山映画ではなくスキー映画である。が、アラスカの山々の遠景や豪快なスキー滑降シーン、雪崩などは十分見ごたえがあるので、一応入れておきます。内容的には、アクション、パニック、格闘いずれでもなく、王道の青春恋愛スポーツ映画。そう思うと悪くはない。ただ、日本未公開映画のDVDにありがちな、爆発&雪崩のパッケージ・シーンと「予測不能のダイナミック山岳アクション!!」という煽り文句に惹かれた方は気を付けた方がいいでしょう。

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タイトル
「ホワイトアウト」 (原題:WHITEOUT)
製作年・国
2009年、アメリカ
日本公開
2009年10月31日
監  督
ドミニク・セナ
出  演
ケイト・ベッキンセイル、ガブリエル・マクト、コロンバス・ショート、トム・スケリット
ジャンル
山岳ミステリー・サスペンス映画
評  価
山度 : 30% 、 評価 : D
上映時間
101分
感 想 等
ケイト・ベッキンセイルの美しさと極寒の南極は確かに見どころだが、逆に言えばそれだけかもしれない。ホワイトアウトでの格闘シーンは防寒服を着てしまうと誰が誰だかわからず盛り上がりに欠けるし、犯人探し的なミステリーとしてはかなりバレバレで読み通りの展開。南極に取り残される緊迫感なども出ていない。猟奇的なホラー映画という評価が適切かもしれないが、ホラーが苦手な自分にとっては正直今ひとつ。

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タイトル
「運命を分けたザイル2」 (原題:THE BECKONING SILENCE)
製作年・国
2007年、イギリス
日本公開
2009年11月7日
監  督
ルイーズ・オズモンド
出  演
ロジェ・シャーリ、シモン・アンターマッテン、アンドレアス・アベグレン、シリル・ベルト
ジャンル
本格山岳映画
評  価
山度 : 100% 、 評価 : C
上映時間
74分
感 想 等
アイガー初登攀を巡る有名な悲劇を映画化。「運命を・・・」の前作同様、再現ドラマと語り手の映像を交互に見せるセミ・ドキュメント方式だが、今作の方がドキュメント色が強い前作が遭難・生還した本人の語りという強烈さを持っているのに比べると、語り手がジョー・シンプソンでなければならない必然性がないためだろう。とはいえ、アイガー北壁の厳しさと美しさを切り取った映像は迫力があり、見ごたえ十分。

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タイトル
「アイガー北壁」 (原題:NORDWAND)
製作年・国
2008年、ドイツ/オーストリア/スイス
日本公開
2010年3月20日
監  督
フィリップ・シュテルツェル
出  演
ベンノ・フユルマン、ヨハンナ・ヴォカレク、フロリアン・ルーカス、ウルリッヒ・トゥクール
ジャンル
本格山岳映画
評  価
山度 : 80% 、 評価 : B
上映時間
127分
感 想 等
アイガー北壁が未踏だった1936年に、実際にあった有名な遭難事件をもとにした映画。『運命を分けたザイル2』でも取り上げられている逸話であり、アイガー北壁はある意味この逸話ゆえに三大北壁の中で最も多くドラマに登場する。ロケとスタジオ撮影を組み合わせている映像は迫力満点で、ドキュメンタリー的な雰囲気を出すために敢えて手持ちカメラで撮影したという緊迫感と合わせて一番の見所となっている。「なぜ、今?」とは思うものの、感動的だ。

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タイトル
「デッドクリフ」(原題:VERTIGE、HIGH LANE、DEAD CLIFF)
製作年・国
2009年、フランス
日本公開
2011年1月8日
監  督
アベル・フェリー
出  演
ファニー・ヴァレット、ジョアン・リベロー、ラファエル・レントレット、ニコラス・ジロー、モード・ワイラー
ジャンル
山岳サスペンス・ミステリー映画
評  価
山度 : 50% 、 評価 : D
上映時間
87分
感 想 等
クロアチアの大自然の中にやってきた男女5人の若者たちが、軽い気持ちから立入り禁止の山岳地帯でロッククライミングを始めてしまう。と、そこで起こる謎の事件・・・・・。当初はスリリングなアクションを楽しむ映画かと思いきや、途中から謎の人物が登場し、ホラー映画へと変貌する。フレンチ・サバイバル・ホラー。純粋にホラー好きが楽しむのであれば、これはこれでありなのかもしれないが、ストーリーは陳腐で今ひとつ。

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タイトル
「127時間」 (原題:127 Hours)
製作年・国
2010年、アメリカ/イギリス
日本公開
2011年6月18日
監  督
ダニー・ボイル
出  演
ジェームズ・フランコ、アンバー・タンブリン、ケイト・マーラ、クレマンス・ポエジー
ジャンル
山岳サバイバル映画
評  価
山度 : 80% 、 評価 : C
上映時間
94分
感 想 等
"生への執念"、それに尽きる映画だ。ストーリーはシンプルで結末もわかっている。ドンデン返しなどない。登場人物が一人という難しいストーリーをうまく映画化しており、その意味においては見事としか言いようがない。ただ、繰り返し観たい映画かというとその辺は微妙・・・。音楽の使い方が実に効果的。またジェームズ・フランコはとにかくうまいし格好いいが、原作あっての映画という印象。舞台はキャニオンランズ国立公園。登山ではないが自然一杯の風景。

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タイトル
「ヒマラヤ 運命の山」 (原題:NANGA PARBAT)
製作年・国
2009年、ドイツ
日本公開
2011年8月6日
監  督
ヨゼフ・フィルスマイアー
出  演
フロリアン・シュテッター、アンドレアス・トビアス、カール・マルコヴィクス
ジャンル
本格山岳映画
評  価
山度 : 100% 、 評価 : B
上映時間
104分
感 想 等
メスナー目線で描いたナンガパルバット行。自身の行動を正当化する一方で、ヘルリヒコッファーの隊長としての資質に疑問を投げかける内容。両者の関係にスポットが当たり過ぎていて、それ以外の人物の影が薄い。ナンガ・パルバットの圧倒的な迫力ある映像を見ていると、そうした人間関係は横に置いておいて、山行そのものを中心にした映画として見たかったとも思う。それほどまでに、ナンガ・パルバットの雄姿は素晴らしい。それだけでも、この映画は見る価値がある。

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タイトル
「キラーマウンテン」 (原題:Killer Mountain)
製作年・国
2011年、アメリカ
日本公開
テレビ映画
監  督
シャルドン・ウィルソン
出  演
ポール・キャンベル、カーティス・カラヴァッジオ、トランス・クームズ、アーロン・ダグラス
ジャンル
山岳SFパニック映画
評  価
山度 : 70% 、 評価 : C
上映時間
88分
感 想 等
未踏の高峰ガンカー・プンスムで行方を断った登山隊の救出を依頼されたワード。元恋人のケイトがリーダーと聞いて、ワードは救助へと向かったが・・・・・。登山、エイリアン、シャングリラ、武装集団・・・・いろんな要素を詰め込んだB級SFパニック映画である。詰め込み過ぎて消化できていない感があり、山岳映画としてもどうかと思うが、SFパニックものとして見れば、それなりに楽しめる。よくできたB級映画、そんな評価が妥当だろう。

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タイトル
「ロンリエスト・プラネット」 (原題:The Loneliest Planet)
製作年・国
2010年、アメリカ・ドイツ
日本公開
劇場未公開
監  督
ジュリア・ロクテフ
出  演
ガエル・ガルシア・ベルナル、ハニー・フルステンベルク
ジャンル
山岳恋愛映画
評  価
山度 : 70% 、 評価 : D
上映時間
113分
感 想 等
雄大なジョージア(旧グルジア)の景色を舞台に、ひたすらトレッキングを続けるカップルとガイドの3人。ちょっとした事件をきっかけにカップルの間に亀裂が生じ、それにより変わりゆく3人の人間模様を淡々と描いていく。ネットでは高く評価している方もいるようだが、ワンシーンが妙に長く、個人的には何を描きたかったのかよくわからなかった。見所は、グルジアの山岳風景と、独特な音の捉え方といったところだろうか。

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タイトル
「クライムダウン」 (原題:A Lonely Place To Die)
製作年・国
2011年、イギリス
日本公開
劇場未公開
監  督
ジュリアン・ギルビー
出  演
メリッサ・ジョーンズ、エド・スペリーアス、イーモン・ウォーカー、ショーン・ハリス
ジャンル
山岳サスペンス・ホラー映画
評  価
山度 : 40% 、 評価 : C
上映時間
99分
感 想 等
冒頭、バードアイによるスリリングなクライミングシーンから入り、謎の事件に巻き込まれてしまうクライマー5人。ホラーと言いたいところだが、ちゃんと筋の通った話になっており、サスペンスといった方が適切だろう。最後までハラハラする緊迫の展開が続き心臓に悪い。サスペンスホラータッチの映画が好きな人には十分楽しめる作品と言えるだろう。舞台はラスト前までずっと山中で、特にクライムダウンシーンはドキドキもの。

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タイトル
「ディアトロフ・インシデント」 (原題:The Dyatlov Pass Incident)
製作年・国
2012年、アメリカ/イギリス/ロシア
日本公開
2013年8月10日
監  督
レニー・ハーリン
出  演
ホリー・ゴス、マット・ストーキー、ルーク・オルブライト、ライアン・ホーリー、ジェンマ・アトキンソン
ジャンル
山岳ミステリーホラー映画
評  価
山度 : 30% 、 評価 : C
上映時間
100分
感 想 等
ホームビデオ風の演出によるホラー映画のようであり、また50数年前の謎を探るミステリーのようでもあり、実はSF映画であったりもする。ジャンルはともかく、実際に起きた謎の事件を題材に、レニー・ハーリン監督が大胆な演出をほどこす。その真偽は別にして、最後まで楽しめるエンターテイメント作品となっている。ただ、5人をなぜ雪崩で殺そうとしたのか、研究所に逃げ込む展開、ラストの場所など、必然性という点でやや気にかかる部分がある。

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タイトル
「K2 〜初登頂真実〜」
 (原題:K2 - LA MONTAGNA DEGLI ITALIANI)
製作年・国
2012年、イタリア
日本公開
2014年5月10日
監  督
ロバート・ドーンヘルム
出  演
マルコ・ボッチ、マッシモ・ポッジョ、ミケーレ・アルハイク
ジャンル
本格山岳映画
評  価
山度 : 100% 、 評価 : C
上映時間
120分
感 想 等
本作はヴァルテル・ボナッティの主張を基に製作された作品で、アルディート・デジオ隊長による「K2登頂」など公式文書では隠蔽されていた初登頂を巡る真実を明るみに出したもの。「ヒマラヤ 運命の山」でもメスナーとヘルリヒコッファーの確執が描かれているが、本人たちにとって一生を賭けるに値する重要な名誉の問題ということはわかるが、今さらそんなものを見せられても・・・という思いも拭い切れない。というのが、申し訳ないが個人的な感想。

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タイトル
「ビヨンド・ザ・エッジ」 (原題:Beyond the Edge)
製作年・国
2013年、ニュージーランド
日本公開
2014年6月28日
監  督
リアン・プーリー
出  演
チャド・モフィット、ソナム・シェルパ、ジョン・ライト、ジョシュア・ラター
ジャンル
本格山岳映画
評  価
山度 : 100% 、 評価 : C
上映時間
91分
感 想 等
エベレスト初登頂を描いた作品。当時の映像や画像、関係者のインタビューを交えるなど極力ノンフィクション色を出しており、フィクションとノンフィクションが見事に融合している。逆に言うと、当時のものと再現部分が分かりにくいのがネック(拙サイトでは、再現ドラマなどが含まれている作品は、セミ・ドキュメンタリーということでフィクションに位置付けている)。ノンフィクション色が強い分やや淡々としており、ドラマ的な感動は薄いかも。映像、特に山頂からの景色は文句なし。

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タイトル
「私に会うまでの1600キロ」 (原題:Wild)
製作年・国
2014年、アメリカ
日本公開
2015年8月28日
監  督
ジャン=マルク・ヴァレ
出  演
リース・ウィザースプーン、ローラ・ダーン、トーマス・サドスキー、ミキール・ハースマン
ジャンル
山岳映画
評  価
山度 : 50% 、 評価 : D
上映時間
116分
感 想 等
自分を見つめ直し、自分を取り戻すために、パシフィック・クレイスト・トレイル1600キロをひとりで歩き通したシェリル・ストレイドの自伝を映画化。苛酷な旅の中で、多くの人と出会い、変わってゆくシェリル。実際そうだったのだろうが、映画では今ひとつそれが伝わってこなかった。旅の途中で行きずりの男とセックスしてしまうシーンでは、「何も変わってないじゃん!」と突っ込みたくなる。言葉が分かりにくいこともネック。PCTの景色など映像は素晴らしい。

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タイトル
「エベレスト」 (原題:Everest)
製作年・国
2015年、アメリカ
日本公開
2015年11月6日
監  督
バルタザール・コルマウクル
出  演
ジェイソン・クラーク、ジョシュ・ブローリン、マイケル・ケリー、ジョン・ホークス、森尚子
ジャンル
本格山岳映画
評  価
山度 : 100% 、 評価 : A
上映時間
121分
感 想 等
1996年に起きたエベレスト登山史上最悪の大量遭難事件を映画化。この事件についてはいろいろな議論があるのは知っているし、それはそれで重要なことなのだが、命の大切さを前にするとそんなことはどうでも良くなってしまう。ロブの奥さんのことも、物語の結末も知っているのに、また涙が出てきてしまう。CGも駆使されているのだろうが、映像の迫力と美しさは文句なし。この事件で亡くなられた難波康子さんの役を、森尚子が好演している。

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タイトル
「X−ミッション」 (原題:POINT BREAK)
製作年・国
2015年、ドイツ/中国/アメリカ
日本公開
2016年2月20日
監  督
エリクソン・コア
出  演
ルーク・ブレイシー、エドガー・ラミレス、テリーサ・パーマー、デルロイ・リンドー
ジャンル
山岳映画
評  価
山度 : 20% 、 評価 : C
上映時間
114分
感 想 等
1991年に公開された「ハートブルー」のリメイク作品。一応ストーリーはあるものの、それはオマケみたいなもので、メインはエクストリーム・スポーツ・シーンだ。緊張感、迫力満点で、見ているだけで手に汗握ること請け合いだ。フリークライミングでは、ベネズエラのエンジェル・フォールをフリーで登り切っている。しかもランジだらけ。スタントは、トップ・フリークライマーのクリス・シャーマとダニ・アンドラーダ。このシーンはもう正気の沙汰じゃないですね。

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タイトル
「ラサへの歩き方 祈りの2400km」
 (原題:岡仁波斉、英題:Paths of the Soul)
製作年・国
2015年、中国
日本公開
2016年7月23日
監  督
チャン・ヤン
出  演
チベット巡礼の旅をする11人の村人
ジャンル
「山のある風景」映画
評  価
山度 : 20% 、 評価 : C
上映時間
118分
感 想 等
本作の登場人物たちは、決して豊かな生活ではないかもしれないが、愛する家族がいて、笑顔がある。旅は他人のために祈る旅であり、純粋な信仰の旅だ。途中、いくつかのアクシデントも起こるが、彼らはそれに動じることなく、常に人を思いやって生きている。本当の幸せ、本当の豊かさとは何なのだろうと考えさせられる。チベットの雄大な風景が美しく、ラスト近くでは聖山カイラス山をバックに五体投地が続けられる。

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タイトル
「ロング・トレイル!」  (英題:A WALK IN THE WOODS)
製作年・国
2015年、アメリカ
日本公開
2016年7月30日
監  督
ケン・クワピス
出  演
ロバート・レッドフォード、ニック・ノルティ、エマ・トンプソン、クリテスン・シャール
ジャンル
山岳映画
評  価
山度 : 40% 、 評価 : C
上映時間
104分
感 想 等
老人2人が、全長3,500kmにも及ぶ自然歩道「アパラチアン・トレイル」踏破を目指すというロードムービー。前年に公開された「私に会うまでの1600km」や名作「イントゥ・ザ・ワイルド」のようなシリアスものではなくコメディ色が強いが、シニアものらしく「明るくポジティブに生きていこう」というメッセージが伝わってくる。映像では、歩いている道はあまり起伏がないように見えるが、突然吹雪になったり、崖から滑落したりとアウトドア色は相応にある。

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タイトル
「ヒマラヤ 地上8,000メートルの絆」 (英題:THE HIMALAYAS)
製作年・国
2015年、韓国
日本公開
2016年7月30日
監  督
イ・ソクフン
出  演
ファン・ジョンミン、チョンウ、キム・イングォン、チョン・ユミ、チョ・ソンハ
ジャンル
本格山岳映画
評  価
山度 : 100% 、 評価 : B
上映時間
124分
感 想 等
アジア人として初めて8,000m峰14座に登頂した登山家オム・ホンギルに係る実話を基にしたヒューマンドラマ。感動的な良いドラマである一方、実話ということを踏まえ、オム隊長やムテク等以外の立場で考えると残酷な話でもある。その辺は、儒教的な思想の影響なのかもしれない。ただ、個人的には本作を観て涙を流してしまったので、ドラマ部分を高く評価して「B」としました。ラスト近くで、オム隊長が女性隊員ミョンエを山頂に連れて行ったシーンに救われた。
 
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タイトル
「登山」 (原題:ALTITUDES)
製作年・国
2017年、フランス/スイス
日本公開
テレビ映画(amazon Prime Videoで視聴可能)
監  督
ピエール=アントワーヌ・ヒロ
出  演
クレア・ボロトラ、サガモア・ステヴナン、デボラ・クレ
ジャンル
本格山岳映画
評  価
山度 : 100% 、 評価 : D
上映時間
89分
感 想 等
イザベルは、亡き父との思いを遂げるために、親友のケンザと一緒に未踏の北壁に挑戦。しかし、イザベルの身体は難病に侵されており、元交際相手アントニーの助けを借りながら、3人で山頂を目指す。ヨーロッパアルプスの雄大な景色は素晴らしいし、イザベルの思いも分かるが、登山チャンピオンとは何なのか、ケンザは何者なのかなど、引っ掛かる点の多い作品。字幕のミスも散見される。もう少し丁寧に作って欲しかった。
 
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タイトル
「マイナス21℃」
(原題:6 BELOW MIRACLES ON THE MOUNTAIN)
製作年・国
2016年、アメリカ
日本公開
2018年7月21日
監  督
スコット・ウォー
出  演
ジョシュ・ハートネット、ミラ・ソルヴィノ、サラ・デュモン、ジェイソンコトル
ジャンル
山岳サバイバル映画
評  価
山度 : 90% 、 評価 : D
上映時間
98分
感 想 等
元アイスホッケー選手のルマルクは、麻薬に手を出した挙句に事故を起こし、裁判前に逃げるようにスノーボードに出かけて遭難。8日間、何も食べずに生き延びて生還するまでを描いたサバイバル映画。雪山、凍傷、オオカミ、飢えを乗り越えて生き延びた生命力には感嘆する。ただ、我がまま、自己中で、遭難の際も立入禁止区域に勝手に侵入、サバイバル知識もゼロと、すべてが自己責任で、実話らしいが良い話に仕立て上げられても感情移入できない。
 
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タイトル
「残された者 −北の極地−」 (原題:Arctic)
製作年・国
2018年、アイスランド
日本公開
2019年11月8日
監  督
ジョー・ペナ
出  演
マッツ・ミケルソン、マリア・テルマ・サルマドッティ
ジャンル
サバイバル映画
評  価
山度 : 100% 、 評価 : B
上映時間
97分
感 想 等
小型機が墜落して北極に取り残され、救助を待ち続ける男。ようやく現れた救助ヘリが強風で墜落し、女性パイロットが瀕死の重傷を負った事で、男は女性をソリで引いて脱出することを決意する。寒さ、凍傷、疲労、北極熊との戦い・・・など絶望的な状況でも諦めない男。とにかく全編、心がヒリヒリする。遭難の経緯や家族関係などを一切描かず、ただ女性を助けたいという思いだけで歩く男。シンプルで描き過ぎない潔さが想像力を刺激する。究極のサバイバル映画。
 
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タイトル
「オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁」
(英題:WINGS OVER EVEREST)
製作年・国
2019年、中国・日本
日本公開
2019年11月15日
監  督
ユー・フェイ
出  演
役所広司、チャン・ジェンチュー、リン・ボーホン、ビクター・ウェブスター、ノア・ダンビー
ジャンル
本格山岳映画
評  価
山度 : 90% 、 評価 : C
上映時間
110分
感 想 等
ヒマラヤの山岳救助隊「Team Wings」の隊長ジアンを役所広司が演じる日中合作のスペクタクル・アクション映画。景色は美しいし、ストーリーも決して悪くはないのだが、とにかく突っ込み所が多すぎる。酸素が薄い高所感はないし、顔も手もむき出し。8000mで走ったり殴り合ったりバーティカルジャンプしたり……。あと、流血シーンがやたら多いし、SFX技術ももう一声欲しいところ。総じて残念な結果に終わっている映画かも。
 
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タイトル
「EXIT イグジット」  (英題:Exit)
製作年・国
2018年、韓国
日本公開
2019年11月22日
監  督
イ・サングン
出  演
チョ・ジョンソク、ユナ(少女時代)、コ・ドゥシム、パク・インファン、キム・ジヨン
ジャンル
クライミング映画
評  価
山度 : 20% 、 評価 : A
上映時間
104分
感 想 等
ちょっと頼りない山岳部の先輩ヨンナムと、彼が大学時代に想いを寄せていた可愛い後輩ウィジュは久しぶりに再会。ところが、突如原因不明の有毒ガスが蔓延し、徐々に上昇してくるガスから逃げるため、二人はクライミングスキルを駆使して脱出を図る。笑って泣いてハラハラして、そしてちょっと感動する。ストーリーはシンプルでベタだけど、最高に面白いエンタテイメント作品。ドローンやSNSで盛り上げる手法は今っぽい。
 
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タイトル
「イーディ、83歳 はじめての山登り」  (英題:EDIE)
製作年・国
2017年、イギリス
日本公開
2020年1月24日
監  督
サイモン・ハンター
出  演
シーラ・ハンコック、ケビン・ガスリー、ウェンディ・モーガン、エイミー・マンソン
ジャンル
山岳映画
評  価
山度 : 40% 、 評価 : B
上映時間
102分
感 想 等
夫に虐げられ、30年間の介護からようやく解放されたイーディ。無駄にしてきた人生を取り戻すべく、スイルベン山登山に挑戦する。「いつだって手遅れなんてことはないよ」という言葉に勇気をもらえるし、老後がちょっと楽しみになる。頑固で我がままな部分もあるイーディだけれど、ジョニーやすれ違った登山者の優しさで素直になっていく。そこもまた良い。登山に関するイーディの行動はダメダメだけれど、そこには目を瞑ろうと思わせる暖かさがある。
 
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タイトル
「クライマーズ」  (原題:登攀者、英題:The Cimbers)
製作年・国
2019年、中国
日本公開
2020年9月25日
監  督
ダニエル・リー
出  演
ウー・ジン、チャン・ツィイー、チャン・イー、ジン・ボーラン、ジャッキー・チェン
ジャンル
本格山岳映画
評  価
山度 : 100% 、 評価 : C
上映時間
122分
感 想 等
チョモランマの北稜世界初登頂に成功した中国隊は、証拠のビデオカメラを落としたために、世界から登頂が認められなかった。15年後、ファン・ウージョン隊長らは再挑戦に臨んだ…という中国国粋映画。人によっては「泣ける映画」として高評価を付けるかもしれない。アクションシーンのエンタメ性もやり過ぎ感はあるものの悪くない。ただ、脚色であろうお涙頂戴的な過剰な演出、過剰な音楽、国威発揚感は、逆に冷めてしまう。もう少し、普通に描いて欲しかった。
 
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タイトル
「クリフハンガー フォールアウト」  (英題:The Ledge)
製作年・国
2021年、イギリス
日本公開
2022年2月18日
監  督
ハワード・J・フォード
出  演
ブリタニー・アシュワース、ベン・ラム、ネイサン・ウェルッシュ、ルイス・ボイヤー
ジャンル
山岳サバイバル映画
評  価
山度 : 70% 、 評価 : D
上映時間
86分
感 想 等
ドロミテ・アンテラオ山の岩場にロッククライミングに来たケリーは、殺人現場を目撃したことで4人の男たちに追われることとなり、岩場へと逃げ込んだ。ケリーの必死のクライミングと、岩場での死闘が見せ場。ホラー映画のようなショッキングなシーンや手に汗握るシーンが連続し、ホラー映画好きには面白いかもしれない。とはいえ、自分勝手な男が保身のために無関係な女性を殺そうとするというだけのストーリーで、個人的には気分が悪くなる映画。
 
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タイトル
「クラウディ・マウンテン」  (峰爆/Cloudy Mountain)
製作年・国
2021年、中国
日本公開
2022年6月10日
監  督
リー・ジュン
出  演
チュー・イーロン、ホァン・チーチュン、チェン・シュー、ジャオ・ジュンイェン
ジャンル
山岳ディザスター・パニック映画
評  価
山度 : 20% 、 評価 : E
上映時間
114分
感 想 等
10年かけた高速鉄道のトンネル工事の完成間近に山体崩壊が起き、トンネルを犠牲にすれば街を救えるかもしれない。街を救うために奔走する主人公を描くディザスター・アクション・パニック映画。親子の情、自己犠牲、そこそこ頑張っているCG。評価しできる要素はある。ただ、国威発揚的なご都合主義とお涙頂戴。何よりも16万人の命と10年掛けた工事を天秤にかける様子にウンザリ。そのシーンだけで最低評価。色々な意味で中国らしい映画に合掌。
 
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