「一円電車」で一躍その名を全国に知られた明延鉱山。
スズを主に産出していましたが、海外からの安価な
輸入品に圧され、1987年に閉山しました。

地元の方の話によれば、山上を埋め尽くしていた
建物はほとんど取り壊されたとのこと。
ここで紹介するのは残されていた一部の設備です。
実際、付近には建物を取り壊した跡と思われる
更地が多く見られました。

しかし、「おや?」と思うことがありました。
まずは鉱山に向かう道の途中に、あきらかに新たに
敷いたと思われるトロッコレールがあったこと。
現地で出会った別の方の話によれば、一円電車復活の
計画もあるとのこと。そうした観光転用のために崩落の危険
のある建物の取り壊しを急いだように見受けられました。

残されていた建物は、鉱石を引き上げる中央縦坑から
電車軌道に鉱石を下ろす部分、採石関連の設備の中では
もっとも主要と思われるものでした。ここだけ取り壊さずに
残っているということは、一円電車とともにこの設備も
復元される計画があるということでしょうか?建物の痛みは
ひどく、もし復元となれば相当な苦労が予想されますが・・。

単に哀れな廃鉱の風景というだけでなく、新たな展開もある
明延鉱山。今後ともその動きに注目したいと思います。

(’05年5月訪問)

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