撮影 外惑星聯合仙台駐在事務所連絡士官 阿部[在エリヌス郷土史研究家]和司

特設砲艦「ユープケッチャ」

 外惑星聯合は、動乱緒戦において旗艦『ティアマト』を失なった事から、圧倒的な機動力不足に陥っていた。
 主力艦たるイモニナベ級フリゲート艦『日本一』、その同型試作艦『見本市』がどんなにフル稼働したところで、この余りに広大な太陽系宙域をカバーできる筈もない。
 「精神論で頑張れないか?」との声に、気合と根性で何とかする作戦も極秘裏に立案されたが、それを実行に移す程、外聯も馬鹿ではなかったようである。
 その証拠が、新たに投入された特設砲艦「ユープケッチャ」である。
 艦首に大口径レーザーキャノンを装備し、通常輸送艦5隻分の推進用エンジンを搭載という何処かで聴いたような諸元だが、決定的に「アレ」と違う点は、上記写真でも確認できる展張式ブレードである。(因みに戦時中は、このブレードの形状から「コードネーム:Xボンバー」とか「BIGダイエックス」とか呼称されていた。)
 普段は宇宙塵防護用外殻として船体に張り付いているが、ひとたび戦闘ともなれば忽ち緊急展開され、巨大な「眼ン玉」模様で、敵艦を威嚇する・・・。
 ん?何だ。やっぱり馬鹿だわ、コイツら・・・。

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