gairen"PEKE"press
New Year Special !!

外聯ニュースダイジェスト

旧前後方トロヤ連合軍総司令官/村田[従五位治部少輔]健治

外聯陸戦隊、長浜奇襲失敗!?
【外聯×ぷれす。】甲紀20年12月12日号外より転載

● 甲紀20年12月12日「木系新聞」から抜粋
 本日未明、外惑星聯合代表部ビル正面玄関横壁面に犯行予告とも思われる、楽首が発見された。
 発見者の松村武宏氏によると、新聞を配達しようと外聯ビル正門に近付いたところ突然ピンク色のクマのような人影が飛び出してきて、後には桃色の大きな字で、

 外聯のポストペットが群れをなし
  いちにいちにと「まさまさ」襲う

 と残されていたそうだ。
 人外協本部では苦境に追い込まれた外惑星聯合が、新たな作戦を企てている可能性が高く、「まさまさ」は小椋雅夫氏を、「いちにいちに」とは本日12月12日を表しているのではないかと警戒を強めている。

●【外惑星聯合崩壊の引き金となった
  「第壱號作戦」の核心部分に第三勢力工作】

 [木系新聞]甲紀二十年十二月十八日、外惑星動乱序盤に於ける劣勢を覆すべく外聯軌道兵団がマサマサ氏を襲撃した、いわゆる「第壱號作戦(アタックナンバー1)」の作戦立案者の佐野高久主席専属蕎麦打ち職人は、第三勢力の協力者で諜報工作の対象者だったことが、第三勢力保安委員会(3HI)の元対外聯諜報担当者の証言でわかった。この担当者は当時、自ら信州に赴いて佐野氏に接触、第壱號作戦の核心部分にあたる「ピンクのクマ」などをCD−ROMの形で渡したという。
 外聯×プレスのインタビューに応じて、当時の模様を詳細に語ったのは3HIで戦前から対外聯諜報副責任者を勤めてきた天羽孔明氏。
 天羽氏は「ポストペット作戦」と名付けられた対外聯作戦を行った動機について
「外聯の東日本での拡大が第三勢力極東地域への脅威になっていたし、対四国支部戦もいずれあるとの予感があったので、極東での第二戦線ができるのを避けることにあった」と指摘、「人外協本部を呼び起こし、外聯の敵対進出に警告させてはどうかと考えたからだ」と説明した。
 同氏はさらに、・外聯による信州及びその周辺地域への侵略の停止・関東からの外聯の撤退とすべての軍事拡大計画の停止・東北の占領の解放━━の三点を挙げ、「諜報機関上層部の考えを取り入れてクマをピンク色にしたあと、佐野に渡され、佐野はそのソフトをネットを使い配信し、外聯首脳部に受け入れられるような作戦を立案するだろうと考えた」と述べ、佐野氏の自主性を尊重する作戦であったことをうかがわせた。
 すべてのポスぺアドレス公開者へのペットの一斉派遣、ポスぺユーザー内での外聯勢力の拡大、外聯例会への非外聯隊員の勧誘、外聯HPの宣伝などが第壱號作戦の主な内容で、外聯はこれの実行責任者を中谷"仮想"巡洋艦隊総司令官飼育係として十二月四日の統合作戦会議で作戦決行を決めるが、その第壱號作戦の背後に第三勢力諜報機関が関与していたことになる。

今月の特集【軌道兵団秘話】

● 甲紀20年12月16日「木系新聞」から抜粋
 本日未明、またも外聯の犯行を予告したと思われる楽首が発見された。
 発見者は今回も松村武宏氏で、新聞配達のためリュカ大洲ンセルにある、外惑星聯合代表部主席公邸に近付いたところ、公邸ヘリポートを横切るペンギンと、後に残された文字が目に入って来たそうである。
今回発見された歌は、

一来たか二来たかそれとも
三来たか軌道兵団一路明石へ

 というもので、「一来た」が一北氏を「一路」が本日16日を表しているという見方が強まっている。
 また、前回の被害者でもある小椋氏が「思い知るがよい」という言葉を残し、ペットのペンギンと共に姿を隠していることから、今回の犯行には小椋氏が関わっているのではないかとの見方もあり、事態を重く見た人外協本部は特別対策本部を設置して、警備の増強にあたっている。

● 甲紀20年12月18日「木系新聞」から抜粋
 今月16日8時57分頃、外聯ビル内の連絡士官執務室が安達裕章氏配下の軌道兵クマのぷぷじろうによって襲撃された。
 幸い連絡士官は夫人の陰に隠れて難を逃れたが、この襲撃により家宝の夫婦茶碗が破壊されたため、怒りに身を震わせ「歌は詠んでも詠まれるな」と叫び、全国の外聯軌道兵団に出動を命じた。
 それに対し安達氏は本日18日、急遽東京支部員を招集し全面対決の構えを見せている。
 また、同日9時40分に軌道兵団の攻撃を受けた一北郁氏からは「面白そうなので、次回は混ぜてもらおう」と外聯への参加表明がなされており、事態は予断を許さない状況となっている。

● 甲紀20年12月19日「木系新聞」から抜粋
 甲紀20年12月19日、かねてから囁かれていた主導権争いが表面化し外惑星聯
合は分裂の危機を迎えている。
 今回の内紛は16日早朝、安達裕章氏により行われた奇襲攻撃に対し、阿部連絡士官が行った軌道兵団への出撃命令に端を発している。
 当初、連絡士官は23日を決行日として準備を進めていたが、これに対し「出撃命令は主席の専権事項であり統帥権の侵害である」として林主席が19日早朝に作戦を強行、主席派の将校がこれに追随した。
 しかし以前から「主席は私の傀儡」と言ってはばからない連絡士官は、あくまで「暴発したのは主席だけ」とし23日の攻撃を諦めてはおらず、外聯本部は一触即発の状態となっている。
 外聯構成員の全てが主席派か連絡士官派かの選択を迫られる中、主席派の重鎮で今回の作戦でも主力として戦った佐野主席専属蕎麦打ち職人は、安達氏を「深慮遠謀の人」と評し「洞察力の凄い人です彼は。しかも切れ者で、外聯が束になってかかっても適わない相手かも知れません」と連絡士官の翻意を促したが、阿部氏は「安達氏が深慮遠謀なら、私は針小棒大だ」とこれを一蹴、

 兄(23日)さんが誘っているぞ
 東京の見せてやろうか
 家の広(うちのヒロ)さと

との歌を詠み連絡士官派部隊の動員を進めている。

● 甲紀20年12月24日「木系新聞」から抜粋
 甲紀20年12月24日21時30分頃、前夜安達裕章氏攻撃のため召集された外惑星聯合軍軌道兵団が突如リュカ大洲ンセルを襲撃、外惑星聯合主席官邸を占拠するという事件が起こった。
 23日夜、外聯は予告通り連絡士官派の部隊を主力に安達裕章邸への侵攻作戦を開始した。これに対し安達氏は門を開き部隊を迎え入れた上で阿部和司連絡士官との会見を要求、一発の砲撃をすることもなく攻撃軍を和平交渉の席につかせることに成功した。
 この会談で連絡士官は東京支部との同盟を独断で締結、そのまま全部隊を率いると、

身の程を知らぬ輩を焼き尽くし
西(24日)の林(主席)に灰も残さず

 と檄を飛ばしリュカ大洲ンセルを急襲した。
 この襲撃には連絡士官派の他に、主席派の重鎮と見られていた佐野高久主席専属蕎麦打ち職人や先日外聯入りを表明したばかりの一北郁氏、そして同盟を成立させたばかりの安達氏まで加わっており、リュカ大洲ンセルは炎上、林雅恵外聯主席は陸戦隊の手により辛くも落ち延びた。
 その後も阿部連絡士官は林主席の解任、代表部や統合作戦会議の解散を矢継ぎ早に発表、新政府の承認を各国に求め強気の姿勢を崩さなかったが第三勢力の阪本雅哉氏から外聯の諸部隊に対し、
 「外惑星聯合の指揮系統はどうなっているんだ」
 「天王星の前では誰も逆らうことなどできなかったってことにしておけ」
 等と切り崩しが行われるに及び
 「天王星…、エリヌスは見捨てられたのか」
 と肩を落とし陸戦隊に投降した。
 今回のクーデターに対し主席は当初、断固たる処分を主張していたが、外聯将校のほとんどがクーデターに参加していることや、事態の収拾を焦り旧前後方トロヤ連合軍艦隊の拿捕を発表したことで、かろうじて中立を保っていた旧トロヤ軍までが態度を硬化させてしまったことから、岡田恭典一等補佐官の説得を受け入れ今回の事件を不問に付すことを宣言し全部隊に帰順を求めている。
 これにより事態は収束の方向に向かってはいるが、外聯内部の対立はなおいっそう深刻さを増している。

 写真:連絡士官に占拠された官邸に突入する主席派部隊と林主席(手前)
準備中

● 甲紀20年12月27日「木系新聞」から抜粋
 甲紀20年12月27日11時48分、東京支部の安達裕章氏が外惑星聯合統合作戦会議室に突然現れるという事件が起った。
 対応にあたった松村武宏警備隊長の話によれば、安達氏は某地球系TV局が放映する「地上波少年」のアポなし企画の一つとしてやって来た模様で「外惑星聯合に入れて欲しい〜」と絶叫していたそうだが、あいにく林雅恵外聯主席が早昼食を取りに外出していたため交渉を諦め、ロケバスに乗って帰っていったそうだ。

● 甲紀20年12月29日「木系新聞」から抜粋
 甲紀20年12月27日突如始まった、外惑星聯合秘密基地(外聯ビル)へのアポなし訪問は安達裕章氏の再訪に続き、沖田郁雄氏や足立泉氏の来訪と昼夜を問わず激しさを増している。
 しかし林雅恵外聯主席はその度に食事に出ており、それらの訪問は全て空振りに終わっているため「地上波少年」のスタッフ達からは「何故こういつも食事に出ているんだ」「一日何回食事をしてるんだ」「食事をしてない時間はないのか」「このままでは番組にならない」と焦りの色が見え始めている。
 一方、林主席は度重ねるアポなし訪問に対し「こう度々アポも取らずに来られたんでは、おちおち食事にも行けない」「このままでは痩せてしまう」と心労を見せ始めており、阿部和司連絡士官を対地上波少年対策委員に任じて主席が食事から戻るまで訪問者を引き止めておくように命じた模様である。

● 甲紀21年1月1日「木系新聞」速報
 甲紀21年1月1日、かねてから極秘に外宇宙探査を進めていた外惑星聯合は先程、人外協外生命体(CETI)との接触の成功を発表した。
 1日未明、前夜からの汎銀河人との接触に成功した外惑星聯合は、統合作戦会議を閉会し21甲紀記念式典の準備を進めていた。ところが午後に入り外惑星宙域であるはずの福岡から、外聯秘密基地を指向した通信波が飛び込んで来たことで事態は一変、緊急招集に応じて林雅恵主席以下4名が統合作戦会議室に参集した。
 通信文は流暢な博多弁であったため東日本を基盤とする将校の多くが関心を無くすなか、九州出身の村田健治旧トロヤ軍総司令官に解析を進めていたが「福岡の丁稚」を名乗る人物が外聯への亡命を求めていると判かったことで会議室は一気に沸き立った。
 しかし、外宇宙探査を担当する阿部和司連絡士官が発信源の走査した結果、「福岡宙域に人外協隊員はいない」という事実が判明したために、一転室内には緊張が走り会議は紛糾し、通信波の発信者をCETIと断定し外聯への受け入れを主張する主席に対し、第三勢力の謀略を疑うトロヤ軍総司令が反発して激しく対立した。だが「福岡の丁稚」こと秋吉祐典氏「外聯入隊後、人外協にも入隊する」ことを受け入れたことでようやく村田総司令が折れ、9人目にして初の「生っ粋の外聯隊員」が誕生する運びとなった。
 しかし秋吉祐典氏に関しての詳細は未だ全く不明であり、なおも第三勢力の謀略の可能性を残している。


外聯”×”ぷれす。新年特大号に戻る
News Digest に戻る

■■ TOP ■■