谷甲州について
(初心者むけ読書ガイド)

注:一部思いこみの激しい部分や、記憶違いがあるかも知れません(駄目)

航空宇宙軍史シリーズ

 言わずとしれた代表作。大部分がハヤカワ文庫JAに収録。これを押さえれば概略はおっけー。
 とりあえず読むのは刊行順でいいかも。(「惑星CB-8越冬隊」だけはすんごく時代が離れてます。蛇足ながら)
 刊行順(すべてハヤカワ文庫JA)→「惑星CB-8越冬隊」 「仮装巡洋艦バシリスク」 「星の墓標」 「カリスト−開戦前夜−」 「火星鉄道一九」 「エリヌス−戒厳令−」 「タナトス戦闘団」 「巡洋艦サラマンダー」 「最後の戦闘航海」 「終わりなき索敵(上下巻)」

 内容は、航空宇宙軍による深宇宙探査、(第一次)外惑星動乱*の前後を丹念に描いた作品、遠い未来の汎銀河連合との死闘、に3分される。
 作中で触れられながらも本格的には描かれていない第二次外惑星動乱については、これからのお楽しみというコトで(希望的観測)

* 木星・土星衛星都市+α(カリスト、ガニメデ、イオ、タイタン、トロヤ群)と航空宇宙軍(+地球-月連合)の戦い
 どことどこが戦争しているのかを押さえるのがポイントか。
 あんまり詳しく書くと、読みながら「あッ」と思う楽しみが減ってしまうのでは。
 …と、思いつつも、ざっと書いてみたいです。そのうち。

・その他
 
「戦闘員ヴォルテ」 (徳間書店新書→徳間デュアル文庫で再版)
 航空宇宙軍史の本筋についての情報は、この作品よりはあまり得られませんが。寒冷地冒険小説といったノリ。
 本文中に時代は「22世紀半ば」ちゅう記述があるので、巻末解説の「第一次外惑星動乱の真っただ中の混乱の時代」てのは違うんではないかと思った。デュアル文庫版p13のレオノフ博士の台詞を読むと、汎銀河連合と戦争してるようにも思われるのですが。はて。
 再版はありがたいのですが…表紙が、その、なんだ、ちょっと。

・手に入りにくいもの
 短編集
「エミリーの記憶」収録の短編に、航空宇宙軍の名前が出てくるものあり。
 初期の短編
「137機動旅団」「ガネッシュとバイラブ」(*後者は、現在では航空宇宙軍史シリーズに含めないらしい)
  谷甲州黙認FC青年人外協力隊会誌に再録。→
人外協HP (該当号品切れ?)
  掲載誌の「奇想天外」を探すのも良いかも知れません。古本屋とか。国会図書館にもありました。5年以上前の話ですが。

覇者の戦塵

 架空戦記のシリーズ。どうやら「大和」は建造されないらしいので、航空宇宙軍史の世界には繋がらないのではないかと思った。
(真面目に読んでないから説明できないよ(^^;)
 前の方が角川ノベルスから発行され絶版に、近年中央公論社より加筆修正版が発行されていること、タイトルが「覇者の戦塵 ×巻」となっていないので順番が分かりにくい。(私だけか)
 オマケに太平洋に舞台が移ってから、サブタイトルの「覇者の戦塵19xx」がアテにならなかった
り(昔は1年1冊だったのに)、1巻完結だったり上下巻だったり全4巻だったりでもう。はい、ちゃんと読んでないのが良くないですね。
 色んな意味で有名な蓮美大佐は中央公論社に移籍して後の登場です。→
リスト(作成中)

軌道傭兵シリーズ

 近未来宇宙モノ。
 元NASAの名物シャトル乗りハスミ大佐が有名。無茶で。彼が軌道上で食べる愛妻弁当は要チェック。
 本自体が絶版で手に入りにくいこと、新作が発表されないことから現在の知名度は「覇者の戦塵」に劣るかも?
 が、例の蓮美大佐がこのシリーズからトラバーユしたとかしないとかだしファンなら押さえておくべきかと。

 「軌道傭兵」1〜5巻(中央公論社C・ノベルス・絶版)
 「蒼穹の軌道爆撃隊」「黎明の軌道邀撃機」「攻撃衛星エル・ファラド
(上・下)(中央公論社C・ノベルス・絶版)

 電子書籍で入手可能。→電子文庫パブリ 谷甲州作品一覧 1冊700円くらいでしたか。

 「高度36000キロの墜死」(講談社・ハードカバー・絶版)
 *ヴァレリア・ファイル登場人物の両親とおぼしき人が登場。

近未来お姉ちゃんモノ

 「ヴァレリア・ファイル」(角川スニーカー文庫→加筆訂正版が中央公論社の新書で再版)

 「エリコ」(早川書房・ハードカバー→ハヤカワ文庫JA 上・下)

冒険小説

 <寒冷地>

「遙かなり神々の座」「神々の座を越えて」(ハヤカワ文庫JA) ←ヒマラヤ。登山は計画的に。
「凍樹の森」(徳間文庫)←東北、シベリア、八甲田山

 <非寒冷地>

「マニラ・サンクション」「低く飛ぶ鳩」(絶版かも)
「サージェント・グルカ」(角川書店・ハードカバー・絶版?)←冬山出てこなかったっけ?

山岳モノ

  <純粋山岳モノ>

「白き嶺の男」 (集英社文庫)新田次郎賞受賞作品

  <山岳幻想モノ>

「天を越える旅人」(ハヤカワ文庫JA)
「ジャンキー・ジャンクション」(徳間書店・ハードカバー・絶版?)

企画モノ?

「果てなき蒼氓」 イラスト水樹和佳子

短編集

「エミリーの記憶」(徳間書店・ハードカバー・絶版?) 「星は、昴」(ハヤカワ文庫JA)
 SFアドベンチャーに発表された短編中心。
 前者が非宇宙SF、後者が宇宙SFモノとなっている。ついでに言えば後者の方がホラ含有率高し。

「背筋が冷たくなる話」 (集英社文庫)小説すばるに発表された短編中心。ホラー寄り。

連載中

「パンドラ」 SFマガジン
「紫苑の絆」 冬幻社の広報誌 ←寒冷地冒険小説なのかなあ?

エッセイ・その他

「彼方の山へ」 (中公文庫)

・旧NIFTY-SERVEの会議室で甲州先生がホストをしたことが。94〜95年頃。冒険モノノンフィクションについて熱く語る場でした。
 過去ログは現
ライティングフォーラムのデータライブラリ1番の奥の方にありますが、ダウンロードするには@niftyの会員でないと。

 

文責:中谷2号

 

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