私と先物取引


1.一本の電話

今まで、先物取引のこと等を全く知らなかった私が、どのような切っ掛けで
この世界に飛込んでしまったのでしょうか?
それは、突然会社にかかって来た某商品取引会社からの電話が切っ掛け
でした。
こういった類いの勧誘の電話はよくかかって来るので、はじめは全く相手に
していませんでした。
それも、トウモロコシがどうだとか、金がどうだとか言ってるので、かなりあ
やしいと思っていました。
しかし、その営業マンがあまりにもシツコイのと、多少は投資というものに
興味があったことということもあり、とりあえず会って話を聞くことにしました。

そんなわけで、営業マンと会うことになったのですが、何も知らないで行くと
うまく言い包められてしまうと思ったので、その前にその会社の事と商品先
物取引とはどんなものかを、インターネットで調べたのです。そしたら、その
時点で商品先物取引にチョット興味をもってしまって会うのが楽しみになっ
てしまいました。

2.営業マンの説明

そして、いよいよ営業マンと会うことに。
向こうは、電話の人とその上司の2人で来ました。
近くのファミレスに入り、とりあえずは世間話からでした。
相手の気分を楽にさせるための作戦かな?

そして10分くらいそんな話をしてから本題に。
まずは、会社のアピールからはじまりました。
とにかく大きな会社で安全な会社だということをアピールしてきました。
次に、商品先物取引のしくみ等についての説明がありました。
今考えてみると、商品先物取引の危険性は殆ど前面に出さず、良い事ばか
り語っていましたね。
かなり調子のいいようなことばっかり言っていたと思います。
追証などの説明ももちろんありましたが、追証になることなど殆ど無いとい
うようなニュアンスでしたね。

商品先物取引についての説明が終った後、トウモロコシの話に移りました。
新聞の切抜き等を使って、エルニーニョがどうのこうのとか言って、絶対に
今がトウモロコシが買いだということを説明されました。
それも、いかにも今が買う最大のチャンスだというニュアンスなのです。

そして、電卓をはじいて、今値段がいくらだから、このくらいまで上がるといく
らになるとかの計算をはじめました。
こんなうまい話があるものか!と、その時は半信半疑でしたが、貯金の他に
何かあったら自由に使おうと思って別に貯めてたお金が少しあったので、騙
されたと思って試しにやってみることにしたのです。
今考えてみると、なんと恐ろしいことをやっていたのかとゾッとします。

ところが、一番最初が大事なので、もっと買った方が良いと言ってくるのです。
前の顧客は500万契約してもらったとか、すぐ手仕舞いすれば大丈夫だか
らとか言ってきたのですが、ちゃんとした貯金にまでは手をつけないと決めて
いたので、そこは、これ以上は無いとハッキリ言いました。
もしあの時、すべてのお金を注込んでいたら大変なことになっていたでしょう。

3.買付け

そして、いよいよトウモロコシを買付けることに。
ワクワクしながら、毎日インターネットで値段を見ました。
しかし、世の中そんなに甘くはありませんでした。
徐々に値段は下がっていき、1週間で追証ラインまで下がってしまったでは
ないですか!
やられた!と思いました。

よく調べもせずに、言われるがままにした自分がバカだったと思い、今なら
まだ資金の半分が無くなるだけなのでもう止めるつもりで、担当の人に電話
を入れました。

4.両建て

そしたら、担当者ではなく支店長が出てきて、これから担当がその支店長に
なるというのです。
今考えてみると、これも作戦だったのでしょう。
確かに普通の会社であれば支店長ともなると、信頼のおける人というのが普
通でしょう。
私も少し安心したところがありました・・・
しかし、それは地獄への第二段階だったのです。
それでその支店長は、ここは売りを作って両建てをすれば、間違いなく損を
取戻せるので、新たに現在建玉してる額と同額の資金を用意するように言
われました。
そんなバカな!と思いました。
契約時に、あれだけ最初の資金が大事だから資産全部でも出した方がいい
と言っていたのに・・・
契約時に全資産を出してしまった人は今ごろどうなってしまったのだろうと思
いました。
建玉してる額と同額の資金は無いことはなかったのですが、これはちょっと
あやしいのではないかと思い、そんなには無いと言ったら、資金は多い方が
いいので、ある分だけ用意するように言われました。
仕方なく、自由に使うつもりだった残りのお金を用意し、もうこれが最後と思
い両建てしました。
そしてその水準でのもみ合いがしばらく続き、両建てを外すタイミングを待ち
ました。

5.暴落

両建てから約2週間後くらいに、支店長に電話をしたら、トウモロコシは豊作
が確定したので、全て売りにして勝負に出た方がいいと言ってきたので、そ
の通りにしました。
もうこのお金は捨てたつもりになっていたので、どうにでもなれと思って了解
し、売り勝負にでました。
その時点で、資金は半分になっていました。
それから少しの間、その水準でもみ合いました。
そしてある日、いつものように今日もあまりかわってないだろうなと思いなが
ら、インターネットで値段を見てみると、なんと!大幅安になってるではあり
ませんか!
そこからは、落ちるのが早かったです。
見事に暴落し、損した分は取返してしまったのです。
しかし、利食って枚数を増やしていくやり方も、手数料稼ぎとしか思えないよ
うなやり方だったので、お金を取り戻したからといっても、この支店長を全く
信用はしていませんでした。

6.現在は・・・

こんなに大変な目にあったら、普通は取返した時点で足を洗うのが普通かも
しれませんが、私は今でも商品先物取引をやっています。
資金があっという間に無くなってしまうという恐ろしさも知りましたが、商品先
物取引の面白さも知ったので、現在は、非常に少ない枚数で相場を楽しんで
います。
資金が無くなってしまっては、相場から撤退しなくてはならないので、資金の
10〜40%しか建玉していません。
そして、自分の予想とは逆の動きをしてしまったら、なるべく両建てや難平は
せずに、すぐに手仕舞うようにしています。
上記のように、両建てしてうまくいく場合もありますが、よく考えると両建てや
難平はリスクが高すぎると思います。
私の場合はたまたま運が良かっただけで、このような手口で地獄へ落ちてし
まう方も多いようです。(
参考資料)
もしあなたが建玉をし追証がかかってしまったら、殆どの取引員は両建てや
難平を奨めてくるでしょう。
もちろん、取引員にとっては手数料を稼げるからです。
そこで手仕舞いを奨めてくるなら、少しはまともな取引員かもしれませんね。

取引をはじめて日が浅い私があまり偉そうな事を言える立場ではありません
が、これから商品先物取引をはじめようとしている方は、先物取引の事を十
分に理解してからはじめた方が良いかと思います。
できれば、実際に取引きを行なう前に、インターネットで仮想売買等をやって
みるのも良いのではないかと思います。
ちなみに私は日本ユニコムの
さきもの投資サロンに参加しています。
現在、300位くらいです。

それと、取引するなら、やはり手数料が安く、自分のペースで出来るホームト
レードが良いのではないでしょうか。
手数料もバカになりませんからね。
現在は、i-modeでも取引ができる会社も増えてきており便利です。

また、商品先物取引は、大きな損失を出す可能性が高いので、コツコツ貯め
た将来の為のお金等は使うべきではないと思います。
やるなら、貯金の他に余裕のあるお金を使うべきだと思います。
そういうお金が無い場合は、商品先物取引に限らず、投資には手を出さない
方がいいと思います。

以上が私の体験談ですが、このような経験等をされた方はよろしければ
メール
で体験談をお聞かせ頂けると助かります。
このような体験談を載せるコーナーも考えております。


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