△ 「パペッツハート」プロローグ3


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音楽が流れ、上手サス。板付きでセーラー服姿の原美希(はらみき)が立っている。

みき 「皆さん初めまして。私の名前は原美希。高校2年生です。あ、今出てきた人たちはまた後でちょいちょい出て来ますが、とりあえず今は置いといて…。このお話の主人公は私…ではなく、どちらかと言えばこちら。」写真

みきが下手を見ると、中央サスに板付きで原望(はらのぞむ)が立っている。

みき 「お兄ちゃんの望(のぞむ)です。只今就職浪人中。」
のぞむ 「 (咳払いをして)え〜、せっかくですからうちの家族をご紹介しましょう。」

下手サス、板付きで白衣姿の長女の原愛希(はらあき)が立っている。

みき 「お姉ちゃんの愛希(あき)です。」
あき 「大学病院の医師をやってます。」
みき 「3人兄弟の一番歳上で〜す。」
のぞむ 「一番歳で〜す。」
あき 「私は就職浪人してないで〜す。」
のぞむ 「うわ、2人してそれ言う?」
みき 「今のはお兄ちゃんが悪い。」
あき 「悪い。」
のぞむ 「(下唇を突き出して)悪かったでぃえ〜す。」
みき 「態度も悪い。」
あき 「頭も悪い。」
のぞむ 「言い過ぎだろ!」

3人で口喧嘩。上手台サス。板付きで父の原光夫(はらみつお)と母の原のぞみが並んで現れる。

「おっ、いいぞやれやれ!」
「(たしなめるように)お父さん。」
みき 「うちらの両親です。」
「いいじゃない。俺も母さんも一人っ子だったから、羨ましいでしょ、兄弟げんか。」
「それは…あるけど。」
のぞむ 「あるんだ。」
みき 「二人は『トイボックス』っていう人形劇団やってます。アマチュアです。」
のぞむ 「そりゃ人形劇じゃ食ってけないもんな。3人も子どもいるし。」
あき 「父の本職は市役所の職員。母は裁縫職人。」
「ソーイングスタッフね。」
みき 「トイボックスでは母が人形作り、父がお話作りを担当。」
「脚本家ね。」
のぞむ 「それ程のもんか?」
「もんだ。」
みき 「こんな家族ですが、…実は、3か月程前…」

みき、急に暗い顔になり言葉に詰まる。

あき 「突然、悲劇に襲われてしまいました。」写真
のぞむ 「両親が乗った車が事故を起こし…」

急ブレーキと衝突音がして、上手台サスが消える。

あき 「2人は私が勤める大学病院に運ばれましたが、意識が戻らずそのまま植物状態に…」

上手と下手のサスが消え、みき、あきがハケる。

のぞむ 「そのまま3ヶ月が経ち、兄弟と劇団員たちで両親の見舞いに集まった時、この先どうするかを話し合う事になりました。」

暗転。

(作:松本じんや/写真:堂園昭人)

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