「宇宙海賊とヒミツの星」シーン１４ 「宇宙海賊とヒミツの星」シーン１４トップページ > ページシアター > 宇宙海賊とヒミツの星 > シーン１４ 【公演データ】
スライス 「ああ…メイ…」
メイ 「おじ様！」
ピヨ 「戻った！」
アーモンド 「おじ様？」
ジルバーン 「キャプテンはメイの実の叔父だ。」
アーモンド 「メイさんがスライスの姪？」
コメッツ 「姪のメイさん。」
ジルバーン、スライスにコートをかける。
スライス 「うう…まるで二日酔いの様だ。」
メイ 「大丈夫ですか？」
スライス 「ああ。で、今回はどのくらい別人格だった？」
メイ 「３日です。」
スライス 「３日…どんどん長くなるな。」
メイ 「おじ様に頼まれた方々をお呼びしてありますよ。」
フェンネル 「大丈夫よね。」
ジルバーン 「もうキャプテンですから。」
フェンネル近づき
フェンネル 「初めましてキャプテン・スライス。精神治療医のフェンネルです。」
握手。
スライス 「わざわざ済まないねフェンネル先生。で治療の方は？」
フェンネル 「それが中々…。別人格の方に嫌われていまして。」
スライス 「そうか、じゃ奴の素性はまだ…」
ジャスミン 「いえ、わかりましたよ。」
スライス 「あなたがジャスミンさん。ウェルカムアボード。」
握手。
ジャスミン 「宜しく。」
スライス 「で、奴の素性は？」
ジャスミン 「スコットランド出身のウイリアム・ダグラス。１８世紀の詩人です。」
スライス 「詩人…ハハハ、俺とは真逆の人間だな。」
ジルバーン 「そこまで突き止めるのにたった１０分でした。」
スライス 「さすがだ。見込んだ以上の腕だ。」
うつ伏せに寝ているマルティネスが顔を上げる。
マルティネス 「もうカーペットはよいかな？」
ジルバーン 「おお、これは失礼。」
ジャスミン 「あなたの素性をハッキリさせたのは彼です。」
スライス 「マルティネスさんですね。」
マルティネス 「初めまして。」
コメッツ 「修行僧のコメッツと申します。」
スライス 「ようこそ我が船へ。ところでなぜ床に大の字で？」
マルティネス 「業です。」
スライス 「業。なるほど。…そうだ、もう一人は？」
メイ 「アーモンドさんもあちらに。」
アーモンド、スライスに近づく。スライス、息を飲む。
アーモンド 「は、初めまして。ジャスミンの助手の…」
スライスも近づいて行き、アーモンドの肩を掴む。
アーモンド 「え？！」
スライス 「アーモンド…」
アーモンド 「はい、アーモンドですが…」
スライス、いきなりアーモンドを抱きしめる。
アーモンド 「うわ！」
みんな驚く。
ジルバーン 「なんだ？」
バーディー 「まさか…」
ピヨ 「おっさんずラブ？」
スライス、またアーモンドの肩を掴み顔をまじまじと見つめる。
スライス 「アーモンド…本物だ…」
アーモンド 「ほ、本物です。」
スライス 「僕を覚えているか？」
アーモンド 「え？」
バーディー 「キャプテンが「僕」って言った。」
ハルバール 「なんか新鮮。」
スライス 「ウィルだ。ウィル・ブラッド。同じ日にコールド・スリープに入った…」
アーモンド 「え？！ウィル？！」
スライス 「そうさ！よく一緒に遊んだ！」
ジャスミン 「ウィルって、こないだの治療で思い出した友達の？」
スライス 「千年も経って、昔の友人と再会できるとは…本当に奇跡だ…」
メイ 「アーモンドさんとおじ様ってお友達だったんですね。」
スライス 「僕は３０年前にコールド・スリープから覚めて、銀河連合の…いや、話したい事は山程あるが、またいつ別人格に戻るかわからん。先に治療を…」
アラームが鳴る。
ティモシー 「宇宙船が高速で接近中。」
ジルバーン 「銀河連合か？」
ティモシー 「いえ、小型の高速船です。」
ジルバーン 「識別は？」
ティモシー 「出ました。ヘル・キティー。ゾネス海賊団の船です。」
ジルバーン 「あいつか。しつこいね〜ちゃんだ。」
ロジャー 「しかしよく食らいついて来れたな。」
スライス 「いや、結構やるぜ、あのおチビちゃん。」
ジルバーン 「おチビちゃん…あ〜しまった、さっき会った時セリフ間違えた…」
ロジャー 「なに？」
ジルバーン 「いや、なんでも。」
ティモシー 「迎撃準備はできてますし、まだかなり距離がありますが。」
ジルバーン 「一応スタンバイだ。」
スライス 「指揮は任せたぞ、ジルバーン。」
ジルバーン 「アイサー。ときの声はキャプテンが。」
スライス 「わかった。野郎どもぉ！！」
海賊全員 「ア〜イ！！」
スライス 「存分にもてなしてやれぇ！」
海賊全員 「アイアイサー！！」
全員ハケる。見せ暗転。
（作：松本じんや／写真：はらでぃ）
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