仏像の道
その起源は?
釈迦が世にでてから500年ほど仏像はなく、仏教美術が興ってからも初めは仏陀を菩提樹、法輪などで象徴的に表現していた。では、仏像はどのように、いつ、どこで生まれたのだろうか。仏像の起源をさぐる。
1. ゾロアスター説
  当時インドを支配していたイラン系のクシャーナ族のゾロアスター教信仰に注目し、彼らの霊魂崇拝思想や、霊魂の依代としての「死者の肖像」、特に王侯像の製作という伝統が、仏教を信仰していく過程で釈迦の像を生みだしたという説が出された。(*3)
ガンダーラの弥勒菩薩
ガンダーラの弥勒菩薩
(ニューデリー国立博物館蔵)
2. ギリシャ説=ガンダーラ
  「仏像のギリシャ的起源(フーシェ、1913年)」によるとガンダーラ仏は鼻筋、カールした髪、衣のひだなどからギリシャ的な一方、東洋的。ここから父をギリシャ人、母をインド人にもつ仏像彫刻家としている。「ギリシャ的な仏像ほど古く(前1世紀)、時代とともにインドまたはアジア化が進んだ」(*4)
3. マトウラー説
  インドの民間信仰、樹神ヤクシャや龍神などの造像・崇拝と釈迦への崇拝が古来のヤクシャ像をもとに仏像製作への意欲へ繋がった。「仏像の起源=A.K.クマーラスワーミ(印・美術史家)1927年」(*4)
4. ローマ説
  初期のガンダーラ仏はローマ初期の皇帝像をそのまま模倣している、など図像形式の類似性を指摘(H.ブフタル=米)(*4)
仏像の原型説もあるインド樹神ヤクシャ 豊饒の女神ヤクシー
樹神ヤクシャ =仏像の原型?
自然信仰、豊饒祈願のシンボルとして紀元前の仏像誕生以前からインドにあった男性神ヤクシャ(左)。右は豊饒の女神ヤクシーで、ヤクシャよりも古くから存在していた。上記のマトウラー説によれば仏像の原型とされる。(*5)     top