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0200808 天国の貴族、地獄の大衆(革命前の仏)
仏革命に現代を見る〜現代の「先進国と発展途上国の関係にに極似
ダルウィーシュ
(パレスチナ・詩人)
記録せよ。私はアラブ人
名も無く、地位もない。人々が怖れる地でじっと耐え忍ぶ。
では、書いてください。−第1ページに。
『 私は誰も憎まないし、誰の土地も奪わない。
しかし。空腹になれば、強奪した者の肉を食べるだろう。
だから、気をつけなさい。そして、私の怒りに。』
  7月14日、この日はフランスでパリ祭りで浮かれていた。毎年7月14日の革命記念日(パリ祭)にはシャンゼリゼ大通りで軍隊の行進が行われる。バスティーユ襲撃が行われたこの日が国民の祝日に定められたのは1880年のことだ。
  この日の前後にNHKでは「フランス革命」特集を放映していた。毎年のように特集されるので例年は見ないのだが、今年は何となく映像を見てしまった。そして、その映像に思わず引き込まれてしまった。
  そこには現在、世界で進行中の出来事が活き活きと映し出されていたからだ。昨年秋のNY911事件が頭の隅にあったからだろう。
  現代の貴族階級は先進国である。先進国は世界の資源の殆どを消費し、これを支えているのは発展途上国、または途上にも辿り着けない貧しい国々である。これはエネルギーの消費量に端的に現れている。
  一人当りの消費(単位:kg)は、米国(7570)、カナダ(7624)、豪州(5310)、ロシア(4856)、サウジ(4092)。以下、ドイツ、フランス、英国、日本(3357)と続く。ちなみに一人当りの平均消費は1396kgだから、発展途上以下の国々では、先進国の10%またはそれ以下ではないか。 エネルギーだけではない、資本の先進国への集中、世界の木材資源の集中などあらゆる面で先進国は突出している。
  これは天国の貴族階級そのものであり、その対極にある発展以前国の国民の目にはどのように映っているかは容易に想像できる。情報が世界を瞬時に駆け巡る時代、この極端なギャップも容易に目に入る時代だ。地獄の大衆が見ていたと同じ目が先進国に対して向けられているのだ。
  テレビを見ながら頭をよぎったのは、現在の世界がそのままフランス革命の中に進行中じゃないのか。フランスは革命記念日の意義を認識しているのか。そして他の先進国、とりわけ、米国の一人勝ちと近年の横暴振りが許されていいのか。
  貴族に対する反乱の一つとしてNY事件が起きたのではなかったのか。単なるテロ事件として、テロ潰しに先進国は躍起になっているがこれは的外れでなないのか。
  グロバリゼーションはアメリカナイゼーションであり、それはアメリカのまたは、先進国のための「掛け声」に過ぎない。真のグロバリゼーションは発展途上以前の国々も含んだものでなければならない。これを忘れて先進国中心のグロバリゼーションを進めれば、近いうちに第2、第3のNY事件、またはもっと恐ろしいしっぺ返しがあっても不思議ではない。
  これを忘れてのテロ対策は滑稽でさえある。「悪の枢軸国」呼ばわり、他国の核開発に反対を唱える米国は自国へのしっぺ返しを恐れてナイーブになっている。日本を始め先進国は米国を単純に支援するのではなく、「貴族階級と大衆」のギャップを埋める努力をすべきであろう。
  さもなくばフランス革命でおきたことが先進国に対して起きるだろう。賢者は歴史に学ばなければならない。

パリ凱旋門を背景に行進の「パリ祭」