バイキング王物語(*1)
オーラブ1世
 1000年の昔、3歳でバイキングに襲われてロシアに奴隷として売られ、やがて自らもバイキングの王となり、ついに祖国ノルウェーの王にまでなった若者がいた。
 バイキングとして活躍を始めた青年の名はオーラブ1世(Olav I 960頃〜1000)。その途中でキリスト教に帰依すると、こんどは一転して熱心なクリスチャンとして、片手に剣を、もう一方の手に聖書を持った形で、祖国の民をキリスト教化するために奮闘する。
  そして、時の支配者の暗殺後の混乱に乗じて28歳の若さでノルウェーの王座に就くが、在位わずか5年余、彼の名声を憎むデンマーク、スウェーデン、ノルウェー国内の反対派豪族の連合軍の連合艦隊に囲まれて苦戦、最後は海に飛び込んで33歳の生涯を閉じたのだ。
  現在でもノルウェー人には最も慕われている存在で、彼の北欧人としての剛勇さを称え、熱烈な理想に生き、数奇な生涯を送った人も珍しいからだろう。

  11世紀末まで昔の信仰が生き続けたが、キリスト教が権力の強化に役立つと考えた王は、オーディン、トール、フレイなどの像や古い寺院を破壊させて、国民に改宗を迫った。その結果、バイキングはついに先祖伝来の神々を見捨てたのだった。
  この話はグローバリゼーションがキリスト教を通して浸透する一面を示していて、地母神駆逐の一話となっている。 
先祖の神を踏みつけにしているオーラブ1世
先祖の神を踏みつけにキリスト教化を進めるオーラブ1世(*8)
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