トント(森の妖精)の伝説
「本当の幸せ」(*3)
  トントは妖精のことだが、英国、アイルランドなど英語圏ではノームと呼び、西はアイルランド、南はバルカン地方、北は北欧に分布している。身長は15センチ、体重300グラムと小柄だが、その力は人間の7倍、嗅覚は10万倍という妖精だ。そのトントの伝説を一つ。
 森に貧しい木こりが家族と木こりは住んでいた。木こりもその妻も働き者だったが生活は苦しくなるばかり。ある日、ネコが目の前を横切ったので捕まえると死んでしまった。木こりは不憫に思い花びらで飾って寝かせておいた。
  翌朝、ネコはいなくなっていたが、その夜、目を覚ますと一人のトントがいて、「妻を救ってくれてありがとう。妻は死にかけたが助かったのです。何か、お礼をしたい。」と言ったので、  木こりは3つの願いを頼む、と言った。
  一つ目の願いは金塊を手に入れることだった。金塊を手にした木こりは町へ売りに出かけたが、途中に沼にはまってしまった。「助けてくれ!」木こりは二つ目の願いをしたのだ。
  ようやく町に着いた木こりは警察に捕まった。この町には金塊はなかったので盗品と思われたのだ。木こりは困ってトントを呼び、3つ目の願いをした。「ここから出してくれ」
  警察から出た木こりは金塊を警察に取り上げられたが、家族のもとへ帰る事はできた。木こりは警察の牢屋と比べ、わが家はなんていいんだろう、と幸せを噛みしめていた。これを見たトントは「本当の幸せが判ったようですね」と言った。木こりは大きく頷いたのだった。
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