カレワラ
超ダイジェスト版
カンテレを奏でるワイナミョイネン
  主人公ワイナミョイネンが誕生してから、この世界を去るまでを語るワイナミョイネン物語だが、ここには宇宙卵からの天地創造など多くの世界の神話の共通点も見られる。最後はキリスト教が地母神を駆逐するお決まりのストーリーで終わる。<*4>  文中( )内の数字は章の番号
 原初の海を漂う大気の乙女イルマタルの膝に小鴨が飛んできて卵を産みつけると、その卵が水中に転落して砕け、上の方が天空となり、下の方が大地となって、天と地が創り出される(1)。さらにワイナミョイネンが水の母から生まれ、波間をさまよい陸地に着く(2)。彼はペッレルボイネンに木の種を蒔かせると、樫の巨木がそびえるが、これを伐り倒して焼け地に大麦を植える。
  以下『カレワラ』の構成はカレワラとポホヨラという二つの部族の対立と抗争を中心に物語が組み立てられている。やがて、ワイナミョイネンは大呪術師に成長し、呪術競べで若輩のヨウカハイネンを打ち負かし、彼の妹アイノをもらう約束をする(3)。しかし、可憐なアイノはワイナミョイネンを嫌って入水をしてしまう(4)。アイノは魚の形で釣りをするワイナミョイネンに接近するが、逃げて姿を消す(5)
  かくて、ワイナミョイネンに恨みを抱くヨウカハイネンは待ち伏せして、ワイナミョイネンを狙撃する(6)。彼は海中へ転落してポホヨラヘ流れ着く。そこでカレワラに送り帰してもらうため、女主人ロウヒに宇宙鍛冶イルマリネンの派遣を約束する(7)。その帰り道、ワイナミョイネンはポホヨラの乙女に求婚するが(8)、これは失敗に終わる(9)。ワイナミョイネンはイルマリネンを説得してポホヨラヘ行き、富を生産する秘器サンポを鍛造させる(10)
  他方、遊蕩児レンミンカイネンはサーリの名花キュッリッキを奪って結婚するが(11)、彼女が誓いを破ったことに腹を立て、ポホヨラに出向いて娘に求婚する(12)。三つの課題を与えられるが(13〜15)、最後の仕事トゥオネラの白鳥を撃とうとしてかえって暗殺されてしまう。彼の母親は冥府へ駆けつけ(16)、死体を探し出して母の愛情で蘇生させる(17)。その後ポホヨラの宴会へ押しかけ(26)、その主人を殺して逃走し(27)、サーリの島に逃避して、そこで淫逸な生活を送るのである(28)。また、レンミンカイネンは戦友のティエラを誘って戦さへ赴くが、寒さに出遇って引き返してくる(30) レンミンカイネンの母親は息子の死体を探し出して母の愛情で蘇生させる
  ついで、鍛冶のイルマリネンがポホヨラヘ出かけていき、三つの課題を見事に果たしてポホヨラの美女を手に入れる(19)。そこで盛大な結婚式が行われ(20)、花妹と花婿の心構えが述べられる(20〜25)。しかし、イルマリネンの妻に冷遇された下僕クッレルボは彼女を殺害して逃げ去る(32、33)。イルマリネンは黄金の花嫁を作って自らを慰めようとする(37)
  逃走したクッレルボは故郷へ戻り(34)、そこで若い娘と結ばれるが、実はそれが行方不明の妹であることが判り、彼女は滝に身を投じて果てる(35)。クッレルボも仇敵のウンタモに報復した後で自殺する(36)
  やがて、ワイナミョイネンはレンミンカイネンやイルマリネンと語らってポホヨラヘ押し入リ、サンポを奪って逃走するが(39)
サンボの奪回にきたロウヒと戦うワイミニョネン
  ポホヨラの老婆ロウヒに追跡されて大乱闘となり、結局サンポは海中へ沈められてしまう(43)。その後もロウヒは疫病(45)や熊(46)を送りこんだり、日月を隠したりしてカレワラの民を苦しめる(47)。   
  この間、ワイナミョイネンは、かますの骨でカンテレを作り絶妙な音曲を奏でるが(41)、カンテレが波に浚われてしまったので、再び白樺の木から新しいカンテレを作る(44)
  最後は、マリヤツタの生んだ子どもがカレリアの王になるや、ワイナミョイネンは、キリスト教の到来の前に異教の主として寂しくスオミの国を立ち去るところで幕となっている(50)
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