クノッソス宮殿に
死者は住む?

クレタ島
クルージング2日目はクレタ島だ。朝7時。ルネサンス号はクレタのヘラクリオン港ヘ着いていた。
なにしろ連日の強行軍で疲れているのでモーニング・コールと手元の目覚し時計が無いと目が覚めない。
クレタへ入る様子も見たかったのだが、着いてしまったものは仕方がない。そそくさと朝食をとりにダイニングへ降りる。
 ここはテンダー・ボート無しで上陸だ。直ぐに観光バスへ乗り込む。30分位でクノッソス宮殿入り口へ着く。
  観光案内にある風景が続いているが、やはり、写真、ビデオで見るのと実際に接して見るのとでは感じ方が違う。
  ここには、ぼくの「常識への挑戦−1」がある。
  このクノッソスは「宮殿」とされていたが、本当は「墓所」だったのではないか。このことを書いた学者がドイツの地質学者ハンス・ヴァンダーリヒである。これを載せた記事を紹介しよう。
  アーサー・エバンス(英国の考古学者)が思い描いているのは、優雅なフレスコ画に騙された「考古学的ディズニーランド」だとして対抗する見解を1972年に発表した。ヴァンダーリヒによれば、クノッソス宮殿は王の宮殿ではなく死者の宮殿、つまり死者を葬るための祭祀の建物だった、というのだ(「迷宮に死者は住む」関 楠生訳)。
 その理由として、防壁が無い、厨房が無い、居室が暗く湿っぽい、などを挙げている。 これに対し、同じクレタのヘラクリオン考古学博物館の館長は「王でも死者でもなく、祭祀王といった性格の人と思われる」といっている。=日経'96/5/5。
「常識への挑戦−2」はミノア文明の滅んだ理由だ。
パリジェンヌのレリーフ
クノッソスから出土したという有名な「パリ・ジェンヌ」を探しながら宮殿を見渡していたのだが一向に現れない。現地ガイドに質問すると考古学博物館にあるとのこと。
前回ギリシャへきた時に記念としてコピーを入手し損なったので、なんとしてでも手に入れたかったのだ。
 「常識への挑戦−2」はミノア文明の滅んだ理由だ。
  いままでの滅びの理由は、サントリーニ島の噴火と大規模な陥没とされている。
これについては、サントリーニ原因説も否定はしないが、もっと基本的な滅亡原因をあげている説がある。

  森林資源枯渇説だ(安田喜憲・国際日本文化センター教授)。 これによればミノア文明が栄えたのも、滅んだのも、基本的な原因は森林だった、というのである。数行で紹介は出来ないが、ぼくはこの説に同感を覚えるのだ。

  このようにして眺めると、この遺跡もエバンスによって「修復し過ぎ」た感はあるものの、生き生きと見えてくる。
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