ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と妖精・怪談

KWAIDAN(怪談)
  ギリシャ人の父とアイルランド人の母との間に生まれたハーン(1850〜1904)は父母の別離を機会に無一文でアメリカに渡った。新聞記者として来日したのは1891年で、西へ西へと流浪する姿はケルトの流浪を思わせる。
  小泉節子と結婚して帰化し島根県の英語教師となり、後に東大、早大で英米文学を担当。日本の研究・紹介につとめ、特に「怪談」(1904)は有名である。
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ラフカディオ・ハーンのポートレート 「怪談」の表紙デザイン
  アイルランドは精霊、妖精の島といわれるほど妖精の話が多い。出雲の土地との出会いはハーンとって運命的な出会いだったのだろうか。「怪談」の中に「ひまわり」という幼い日の妖精との出会いが描かれている。日本の作品ばかりの「怪談」に収められていることはハーンの自伝的作品といえる。
  精霊をハーンはどうみていたのだろうか。一端を表す手紙をみつけた。
友人に宛てた手紙

何が人生に希望を抱かせてくれたのしょうか...幽霊です。
その一部は神とも呼ばれ、また悪魔とも、天使とも呼ばれていました。
彼らこそが人のために、この世の有様を変えてくれたのです。
彼らこそが人に勇気と目的を与えていたのです。
自然への畏敬を教え、やがて愛に変わった。
彼らこそが万物を見えざる生命の感覚と活動とで満たしていた。
彼らこそ恐怖と美を造りあげていたのです。
もはや幽霊も天使も、悪魔も神々もいません。全て死に絶えてしまいました。
電気と蒸気と数字の世界は虚しく空っぽです。    ラフカディオ・ハーン