「七人姉妹」の伝説
ローレライ
「名物に美味いものなし」、というが、もう一言、「名所に美しいものなし」、を加えたくなる風景。それはローレライだ。 ローレライはビンゲン・コブレンツの中間に位置しているが、写真のように急カーブしていて難所だったらしい。そのせいか、その語源は「陰険な(ルーレ)」岩(ライ)」とも、「妖魔(ルレ)」ともいうそうだ。(*3)
ここには、「七人姉妹」の伝説が残っている。(*4)
130メートルの岩山は、ただの岩山
130メートルの岩山は、ただの岩山
判らない人のために看板が
判らない人のために看板が

七人姉妹 
  昔、シェーンブルクの城の武士に七人の娘があったが、言い尽くされぬ程の美しさであった。その美を聞き妻にと望む者が沢山あったが、娘たちは、こうした男たちには目もくれず、唯自分を愛する事のみを知っていた。夫の城で家事にいそしむということは、姉妹共の眼には最もつまらない生活のように思われたのだ。
  男は沢山やっては来たが、失恋の傷手を負って踵を廻らすのであった。その中のある騎士が、失恋の痛手のあまり、ライン河に身を投じた。
  すると、水の精が現われて騎士を抱き留め、水底のローレライの水晶宮に連れて行った。見ると、憂き世を逃れんとしてラインの流れに身を投じた者は男も女もここに平¶な安息所を見出している。騎士は身投げに至る一部始終を物語った。水の精に優しい口調でを慰められた騎土は万事を忘れて静かな眠りについた。
  一方、ある夕暮、七人の娘たちが望楼に登ると、美しい歌がラインの川面から聞えてきた。誘われるともなく望楼を下り、歌の聞える河岸の方へと歩を運んだ。
  小舟に乗り移り、中流に向かうと流れの真中には一面、霧が立ちこめていたが、七人姉妹はその霧の中にローレライの気高い姿を認めた。女王は姉妹に向い、「おお、情け知らぬ姉妹たち。お前たちは、自分以外に何ものをも愛することを知らない。お前たちの心は石だ。お前たちの心のように石にでもなれ」と言った。
  小舟は転覆して河は七人の姉妹を呑んだ。やがて流の中央から、姉妹の化身した巌が現われた。
  それからこの巌は、河舟の恐怖の種となっていたが、ある大名がこの巌を切り取って礼拝堂を建て、七人姉妹の霊魂を祀ってから、この難所は無くなったと伝えられている。
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