愛と死のバラード
ムーヨとアイカの死
セルビア・クロアチア語圏の民謡に典型的な韻律で歌われる73行の詩はモンテネグロ地方に伝わる口承文学
 若者ムーヨは乙女アイカに想いを寄せていた。母はそれを許さず、乙女ファティマを息子の嫁に迎える。閨で、ムーヨは母に文をしたため、花嫁ファティマに託し、アイカへの変わらない恋を歌い上げると、短刀で胸を突き、自ら命を絶つ。
  夜が明け、血の海の中に息子の亡骸を見つけた母。ファティマは文を渡す。ムーヨの遺言どおり、柩はアイカの館の傍らに運ばれて行く。窓辺で刺繍をしていたアイカ。バラの香りに恋人の魂を感じ取る。
  柩がムーヨのものと知らされると、刺繍の枠にあったはさみを取り一思いに自らの手で心臓を突き息を引き取った。
  野辺送りにアイカの柩が加わる。墓室が二つ掘られた。間に窓が作られ、二人の手と手が結ばれた。
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