お前に接吻したよ、ヨハネ
サロメ 
 「サロメ」を題材にした作品は多い。オスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」、ビアズリーによる挿絵(下)、この戯曲をもとにしたリヒャルト・シュトラウスのオペラなど。
「おまえに口づけしたよ、ヨハネ」=ピアズリー作   大ヘロデ王の息子でガリラヤ(シリア西部とイスラエル北東部のガリラヤ湖一帯)を治めていたヘロデ・アンティバス王。その妻の母ヘロディアは、ヘロデ王の兄フィリポの妻だったが、サロメを連れ子として再婚した。
  洗礼者ヨハネはこれを不義の結婚と非難したため、宮殿の牢に囚われていた。
  高官・将校や有力者を招待して開いた王の誕生日の宴会で、自分の前で踊ったサロメの美しさと官能的な魅惑に魅了されたヘロデ・アンティバス王は、サロメにどのような望みでも叶えることを約束した。
  母のヘロディアに入れ知恵されたサロメは、洗礼者ヨハネの首を望んだ。王は心を痛めたが、ヨハネを処刑し、その首を盆に乗せてサロメに与えた。これを聞いたヨハネの弟子たちは遺体を引き取って葬った。
  この首塚は現在もダマスカスのウマイヤ・モスクに奉られ、イスラム教徒も祈る。旧約聖書の聖人はイスラム教にとっても聖人なのだ。

イラスト=洗礼者ヨハネの首をひきよせ、愛憎なかばする思いを独白するサロメを描いた、「おまえに口づけしたよ、ヨハネ」=ピアズリー作
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