エジプトへ
そのきっかけは?
旧約聖書のなかで「出エジプト記」は有名だが、カナンの地にいたユダヤ人がなぜエジプトに住んでいたのかの説明は少ない。そのきっかけは意外なところにあった。
侍従長の妻に誘惑されるヨセフ=ティンターレット画
侍従長の妻に誘惑されるヨセフ=ティンターレット画
  イサクの子ヤコブはヨセフの他の兄弟よりヨセフを特別に可愛がっていた。また、ヨセフは、自分の見た夢をひけらかし、兄たちのひんしゅくを買っていた。 他の兄弟たちの怒りが頂点に達している頃、堪忍袋の緒が切れた兄弟たちは、通りかかった隊商にヨセフを売り飛ばしてしまった。
  ヨセフを買ったのはエジプトのファラオに仕える侍従長ポテパルだった。ヨセフは仕事を的確にやったので信頼を得て、家・財産の管理を任されるまでになった。ヨセフは美男だったので侍従長の妻からチョッカイを受け、これがきっかけで投獄される。
  牢の中でも役人の夢をよく当てていたが、このうわさがファラオの耳に入り、自分が見た不思議な夢を解かせた。
  「よく実った七つの穂が一本の茎から出てきた。後から実の入っていない七つの穂が生えてきて実の入っている穂を飲み込んでしまった。この夢は何を意味するの?」
  ヨセフは答えた。「七年の豊作のあと、七年の凶作が続いて豊作を食いつぶす、ということです。対策は豊作年の食料を蓄え、凶作年に備えればOKです。私に任せてください」
  ヨセフの言ったとおりになり、周辺国は凶作に泣いたが、エジプトは安泰だった。
  一方、大凶作に見舞われたカナンを出たヨセフの兄弟たち10人は食料を求めてエジプトへ出かける。ヨセフは兄弟たちが、すぐに分かったが、兄弟たちはヨセフが分からなかった。
  ヨセフハファラオから貰ったカイロの北のナイル河畔に一族の70人を住まわせた。ヨセフと兄弟はこの地で死んでいったが、この4代後に生まれるのがモーセであった。
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