スラブ民族
ロシアと同義語か
スラブに対するイメージは、ロシアに重なることが多いようだ。しかし、全スラブ世界の中では、ロシアは東端に位置する一つの変種にすぎない。音楽、舞踊、宗教、生活習慣などのスラブ文化をミクロに観察すれば、横断的な共通要素に混じる垂直的な相違要素が極めて重要であることが判明する。
  ソ連邦消滅後のジグザグの動きが示すものは、強いスラブ族への依存と敵意、そしてスラブ内対立の三つの力だ。
  スラブ族はヨーロッパ最大の民族である。1970年の推計では、スラブ人口は旧ソ連と東ヨーロッパに約2億5500万、西ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアなどに約1000万という。その約70%が旧ソ連に居住する。彼らはスラブ系諸語を話す。言語の類似性こそ、スラブ民族のアイデンティティの基本であるが同一でなく、その差異がスラブ族の分化状況と重なっている。
  スラブ民族は地域的に東、西、南に三分類できる。東スラブ諸語を話す東スラブ族(ロシァ人、ウクライナ人、ベラルーシ人)、西スラブ諸語を使う西スラブ族(ポーランド人、チェコ人、スロバキァ人)、南スラブ諸語を日常語とする南スラブ族(ブルガリア人、セルビァ人、スロベニア人、クロアチア人、モンテネグロ人、マケドニア人)だ。 スラブ族から細分化した集団が、ロシア、ポーランドなどの国家を作っていく。
  もともとスラブ諸語は単一言語であリ、今日のウクライナ西北部からベラルーシ、ポーランドにかけた地域に居住していたとの、紀元前5世紀の記録がある。
  2世紀から中世までの間、これら地域はゲルマン人、マジャール人など異民族の侵入を受けて住民が離散し、東、西、南スラブヘの三分断が進む。その間、ローマからカトリックが西スラブヘ、ビザンチンから東方正教が東スラブヘ向かい南スラブは両派が混入した。カトリック圏でラテン文字、東方正教圏ではキリル文字が使用されるようになる。もっと詳しく
スラブ民族は地域的に東、西、南に三分類できる
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