千のわざを持つマウイ
伝説二つ
  マウイはポリネシア、メラニシア、ミクロネシアの3つの文化圏にわたって登場する半神で、様々な偉業を成し遂げたスーパースターだ。数多くのポリネシアの神々の中でも特に親しみをもって語られているのは、いたずら考のくせに、いざとなると大仕事をやってのける豪快なな性格だったからかも知れない。だからよく「千のわざを持つマウイ」という名前で呼ばれているようだ。

島を釣り上げる
ヒロ湾のココナツ島?
NZの記念切手から
NZの記念切手から
  マウイの母親は普通の人間とも伝えられているが、多くの兄弟の末っ子だったマウイは死産したと間違われすぐに海に流されました。そして辿り着いた島で海の妖精に育てられ、超人的な力とわざを持つ青年となって帰郷したのだ。
  マウイは人々に火のおこし方を教えた。太陽を捕まえて、ハワイの上空ではゆっくり移動するように誓いを立てさせた。空を高く押し上げたのもマウイだったそうだ。マウイ伝説の中でも有名な話は、魚釣りに出かけて海底から島を釣り上げた話だろう。釣り上手な兄たちにいつも未熟な腕を笑われていたマウイは、ある時、魔法の釣り針を持ち出す。
 マウイが呪文とともに針を投じると、すぐに巨大な獲物がかかりました。マウイと兄たちは二昼夜にわたって格闘するが、ついに糸が切れ獲物の姿は島に変わりました。一説ではそれがハワイ島ヒロ湾のココナツ島、もしくはニュージーランドの北島になったといわれている。
  19世紀頃、ハワイでは神話の集大成がすすめられたが、マウイの冒険譚は子供じみているという理由で割愛されてしまった。そのため多くのマウイ伝説が永久に失われてしまったのだ。
  現在では、マウイはオアフ島ワイアナエ、ワイルク川のヒロの北側にある洞窟、マウイ島のカハクロア洞窟、カウイキなどに伝わる土地の伝説に登場するのが確認されている。
太陽を捕まえる(*2)
こうして昼は長くなり
海の底から島を釣り上げた話を紹介したが、それとともに有名なのは、太陽を捕まえて昼の時問を長くした話だろう。この伝承はハワイのみならず太平洋地域に広く伝わる説話だ。
  昔の太陽は気まぐれで天の道を大急、ぎで駆け巡っていたそうだ。余りにも早く走り去っていくのであっという間に夜になってしまい、神様も人間も昼間のうちに仕事を片づけることができない。皆、不平をこぼしていた。「太陽に一言、きつく言ってやらねばなるまい」
  マウイはこう決心すると、さっそく太陽をつかまえる罠作りを始めた。まずココナツの殼のを太股の上でよってロープを作り、そのロープを編み上げて一本の太縄に仕上げる、太縄の先端には輪を取り付けた。マウイの遊び仲間はそれを見て大笑いです。こんな罠であの太陽が捕まるはずはないと思ったのだろう。
  罠ができあがるとマウイはまだ周りが暗いうちに島で一番高い山、ハレアカラの頂上に登った。やがて東の空に曙光が広がり、太陽の訪れを告げる。マウイは注意深く太縄を広げ、太陽が顔を出すのをじっと待ち構えた。そして太陽が充分上がりきったところを狙い、すかさず縄を投げたのだ。狙いは見事に命中し、罠にかかった太陽は怒り狂ったが、マウイはそれを上回る檸猛さで殴りつけ、恐ろしい声でおどしました。ついに怖じ気づいた太陽はゆっくり動くことに同意したのだ。こうして昼は長くなり、皆がのんびり仕事をしても充分なだけの時問が与えられました。
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