虹の乙女・カハラ(*2)
  観光客で常ににぎわいを見せるワイキキの奥に、マノアという緑深い閑静な住宅地が広がっている。ここはオアフ島の中央を走るコオラウ山脈の裾野にあたる雨の多い谷の町だ。コオラウ山脈の尾根は通行不能なほど険しい頂で、そこに激しく吹きつける貿易風ば海上から雨と霧を運んでくる。そして、雨の後に突然雲間から顔を出す太陽の煌きが虹を生み出すのだ。マノアは今でも夜になると小さな妖精メネフネたちが活躍するという伝説の多い場所だ。
オアフ:コオラウ山脈の裾野
Tシャツに見る虹の乙女
Tシャツに見る虹の乙女
  マノアに因む最も有名な伝説は、虹の乙女の物語だろう。乙女のは名前をカハラ・オ・プナといい、普段はカハラと呼ばれていた。カハラはとても美しい娘だったので、彼女のいる所には常に虹がかかり、カハラが谷を歩くと、虹も一緒に動いていた。
  二人の若い酋長がこのカハラに思いを寄せていました。ひとりはカウヒという鮫の神の子孫で、どこか残酷な男でした。もうひとりはハンサムな青年で、心も優しく誠実な男だった。カハラの心がこの青年に傾いたことに気付くと、嫉妬心にかられたカウヒはカハラを殺して埋めてしまったのだ。するとカハラの守護霊がフクロウになって現れ、カハラを掘り出して魔法の力で生き返らせた。それに気付いたカウヒは再びカハラを殺し、今度はフクロウが掘り出せないよう木の根の下に埋めた。
  カハラを心から愛していた青年は恋人の姿をあちこち探していたが、ふと空を見上げると虹がかかっていることに気付いた。カハラはその虹の下に埋まっていたのだ。彼はカハラの体を掘り出し、魔法の力で生き返らせてもらった。その後、二人は結婚し、生涯幸せに暮らしたということだ。悪人カウヒには自分の石釜で生きながら焼かれるという天罰が下ったそうだ。
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